簿記の種類とは?日商vs全商vs全経

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資格の中でもかなり有名な「簿記」。

ただ、一口に簿記と言っても、実は3つの種類があるのをご存知でしょうか?

今回は、簿記の3つの種類について紹介していきます。

3つの種類の違いを押さえながら、目的に応じて必要な簿記を選択してください。

 

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1. 簿記は3種類ある(日商・全商・全経)

簿記は3種類ある(日商・全商・全経)

1) 主催団体が異なる

簿記には3つの種類が存在します。

3つの簿記は主催団体の違いから、以下のように区分されます。

・日商簿記:日本商工会議所
・全商簿記:全国商業高等学校協会
・全経簿記:全国経理教育協会

また、3つの簿記は主催団体の違いから、それぞれ対象とする主な受験者層も以下のように異なります。

・日商簿記:社会人や学生など幅広い層
・全商簿記:商業高校の高校生
・全経簿記:経理専門学校の生徒

上記からわかるように、一般的に社会人が簿記と言っていた場合、日商簿記のことを指すことが多いです。

さらに、実施している等級についても以下のような違いがあります。

・日商簿記:初級、3級、2級、1級
・全商簿記:3級、2級、1級
・全経簿記:基礎、3級、2級、1級、上級

 

2) 優劣はなく必要に応じて受験

各簿記の難易度を比較すると、一般的に「日商簿記>全経簿記>全商簿記」の順と言われております。

ただ、あくまで難易度の差があるだけであり、どの簿記が優れていて、どの簿記が劣っているといった優劣の差はありません。

そもそも目的や対象としている受験者層が異なりますので、他の種類と比較することなく、ご自身に必要な簿記を受験してください。

次項以降で、各簿記の詳細について解説していきます。

 

2. 日商簿記

日商簿記

1) 難易度・合格率・受験者数

日商3級 申込者数 合格率
153回 99,820 43%
152回 91,662 56%
151回 104,357 55%

 

日商2級 申込者数 合格率
153回 62,206 27%
152回 55,702 25%
151回 66,729 13%

 

日商1級 申込者数 合格率
153回 9,481 10%
152回 8,438 9%
150回 9,852 9%

 

日商簿記の難易度については「簿記の難易度・真の合格率とは?他資格と徹底比較!」も合わせてご確認ください。

 

2) 受験資格

受験資格の制限はありません。(どなたでも受験可能。)

 

3) 受験料

・3級:2,850円

・2級:4,720円

・1級:7,850円

 

4) 試験日程

・3級、2級:6月、11月、2月

・1級:6月、11月

日商簿記の日程については「簿記の試験日・日程は?3級と2級で異なる??」をご参照ください。

 

5) 勉強時間

・3級:100時間

・2級:200時間

・1級:500~1,000時間

日商簿記の勉強時間については「簿記3級・2級の勉強時間は?一ヶ月・二ヶ月での合格は可能?」もご確認ください。

 

6) 勉強方法

① 2級以上は予備校を利用する

日商簿記の1つ目の勉強方法としては、「2級以上は予備校を利用する」ことが挙げられます。

日商簿記3級は、「簿記3級は独学で合格可能?」で紹介している通り、以下の理由で十分独学での合格が可能です。

・高い合格率。
・豊富な市販教材。
・30点落としても良い。

一方で、日商簿記2級からは、予備校の利用をおすすめします。

簿記2級は独学では無理?」でお伝えしている通り、簿記2級も独学での合格は可能ですが、特に勉強があまり得意でない方にとっては、独学はかなり費用対効果が悪い選択肢となります。

工業簿記や連結会計など、初学者が理解するのに苦労する分野が、日商簿記2級から追加されるためです。

そのため、多少の出費となっても、通信制の予備校などを利用して勉強した方が、費用対効果が高いと言えます。

以上より、「2級以上は予備校を利用する」ことは、日商簿記の勉強方法として重要となります。

 

② 教材1つをやりつくす

日商簿記の2つ目の勉強方法としては、「教材1つをやりつくす」ことが挙げられます。

日商簿記は予備校や市販教材がたくさんあり、多くの予備校の教材、多くの市販教材は合格するために十分な内容ですので、ある意味では好みに合わせてどれを使っても問題ないと言えます。

ただ、教材が多いだけに、他の教材にもついつい目が行ってしまい、複数の教材に手を出してしまう可能性があります。

結果としてそれでも合格する人はいますが、最短で合格したいのであれば、1つの教材に絞ってそれを徹底的にやり込むべきです。

複数の教材を使用して中途半端な知識をいくら増やしても、合格には近づけませんので、1つの教材を極めて確かな知識を増やしてください。

以上より、「教材1つをやりつくす」ことは、日商簿記の勉強方法として重要となります。

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3. 全商簿記

全商簿記

1) 難易度・合格率・受験者数

全商3級 申込者数 合格率
87回 39,301 63%
86回 11,439 51%
85回 41,922 64%

 

全商2級 申込者数 合格率
87回 49,597 45%
86回 14,968 40%
85回 51,663 70%

 

全商1級
(会計)
申込者数 合格率
87回 39,494 42%
86回 19,022 13%
85回 36,605 38%

 

全商1級
(原価)
申込者数 合格率
87回 34,717 46%
86回 24,772 36%
85回 33,845 45%

 

日商簿記の合格率と比較してみると、全商簿記の方が格段に高いです。

全商簿記は落とすための試験ではなく、受からせるための試験であることが、合格率の高さからわかります。

 

2) 受験資格

受験資格の制限はありません。(どなたでも受験可能。)

 

3) 受験料

・3級、2級:各1,300円

・1級(会計・原価計算):各1,300円

 

4) 試験日程

6月、1月

 

5) 勉強方法

① 仕訳をしっかり押さえる

全商簿記の1つ目の勉強方法は、「仕訳をしっかり押さえる」ことです。

全商簿記の過去問を見ていただければわかるのですが、非常に基本的な問題が多いです。

1つ1つの仕訳を押さえれば、ほとんどの問題は解くことが可能です。

全商簿記は仕訳に始まり仕訳に終わります。

覚えるべき仕訳のパターンも多くないので、全て暗記しましょう。

以上より、「仕訳をしっかり押さえる」ことは、全商簿記の勉強方法と言えます。

 

② 過去問3年分をしっかりやり切る

全商簿記の2つ目の勉強方法は、「過去問3年分をやり切る」ことです。

3年分でいいの?と思われるかもしれませんが、とりあえずは3年分を完璧にやり切ってください。

もし3年分を完璧にやり切ってまだ余力があるのであれば、それ以上やっていただいても問題ありません。

全商簿記は毎回基本的な問題が出題される試験ですので、複数年の過去問を全て中途半端にやるよりは、3年分をしっかりやり切った方が高得点がとれる可能性が高いです。

以上より、「過去問3年分をしっかりやり切る」ことは、全商簿記の勉強方法と言えます。

 

4. 全経簿記

全経簿記

1) 難易度・合格率・受験者数

全経3級 申込者数 合格率
196回 8,917 67%
195回 6,035 55%
194回 2,106 65%

 

全経2級
(商簿)
申込者数 合格率
196回 2,351 55%
195回 2,350 53%
194回 1,108 46%

 

全経2級
(工簿)
申込者数 合格率
196回 1,201 60%
195回 965 81%
194回 373 59%

 

全経1級
(商会)
申込者数 合格率
196回 758 57%
195回 808 22%
194回 538 55%

 

全経1級
(原工)
申込者数 合格率
196回 727 55%
195回 892 69%
194回 574 55%

 

上級 申込者数 合格率
195回 2,229 16%
193回 2,562 16%
191回 2,262 17%

2級と1級は科目合格制を採用しており、2科目のうち片方だけを受験することが可能です。

申込者数は実施回によってばらつきがありますが、合格率は各級とも一定の範囲で推移しております。

 

2) 受験資格

受験資格の制限はありません。(どなたでも受験可能。)

 

3) 受験料

・3級:1,400円

・2級(商業):1,700円

・2級(工業):1,700円

・1級(商会):2,200円

・1級(原工):2,200円

・上級:7,500円

 

4) 試験日程

5月・7月・11月・2月

*上級は7月と2月の年2回。

 

5) 勉強方法

① 理数系に強い人は工業簿記を得点源にする

全経簿記の1つ目の勉強方法としては、「理数系に強い人は工業簿記を得点源にする」ことが挙げられます。

日商簿記と同様に、2級から工業簿記が試験範囲として入ってきます。

製造業の原価計算を扱う工業簿記は、ある種のパズルのような計算問題が多く、理数系が得意の方が好む傾向があります。

そのため、理数系に自信のある方であれば、工業簿記を得点源にすべきです。

工業簿記を得意科目にするだけでも、全体の負担が軽くなります。

以上より、「理数系に強い人は工業簿記を得点源にする」ことは、全経簿記の勉強方法となります。

 

② 日商簿記の勉強をしてみる

全経簿記の2つ目の勉強方法としては、「日商簿記の勉強をしてみる」ことが挙げられます。

全経簿記2級の勉強をしている人は日商簿記3級の勉強を、全経簿記1級の勉強をしている人は日商簿記2級の勉強をしてみてください。

一般的に日商簿記の問題の方が難しいため、より難しい日商簿記の問題を解くことで、全経簿記の問題を簡単に感じることができます。

また、後述しますが、最終的には日商簿記を取得するのがおすすめとなりますので、全経簿記を勉強する段階から日商簿記の勉強をしておいて損はありません。

以上より、「日商簿記の勉強をしてみる」ことは、全経簿記の勉強方法となります。

 

6) 税理士試験の受験資格をとるなら全経がおすすめ!

税理士試験には、以下のような受験資格があります。

・大学、短大、または高等専門学校を卒業した者で、法律学または経済学に属する科目を1科目以上履修している者。
・日商簿記1級合格者。
・公認会計士試験短答式試験に合格している者。
・士業の事務所や会計に関する業務で2年以上働いている者。

上記に該当しない人はあきらめるしかないのか?と思われるかもしれませんが、実は全経簿記上級に合格すると、税理士試験の受験資格が与えられます。

日商簿記1級を合格しても受験資格を得ることができますが、日商簿記1級よりも全経簿記上級の方が一般的に合格しやすいので、もし税理士試験の受験を考えている場合は、全経簿記上級を目指すのがおすすめです。

(税理士については「ビジネス会計検定は税理士試験のために受けても無駄!?」も合わせてご確認ください。)

 

5. どれをとるか迷ったら日商簿記!

どれをとるか迷ったら日商簿記!

日商簿記・全商簿記・全経簿記それぞれについて説明してきましたが、結局のところどれを取得すればいいのか迷われている方もいるかと思います。

そんな皆様には、以下の2つの理由から、日商簿記をおすすめいたします。

 

1) 就職・転職で評価される

1つ目の日商簿記をおすすめする理由としては、「就職・転職で評価される」ことが挙げられます。

簿記2級・3級は就職・転職に有利?履歴書の書き方もご紹介!」で解説している通り、簿記は以下のような職業や就職・転職の場面で役に立ちます。

【簿記が役に立つ職業】
・経理
・会計事務所の事務員
・コンサルタント
・銀行員
・法人営業
・起業家

【簿記が役に立つ就職/転職の場面】
・就職/転職先の選定
・書類選考
・適性判断
・就職/転職後の実務

以上より、「就職・転職で評価される」ことは、日商簿記をおすすめする理由と言えます。

 

2) 日商簿記ができれば全商・全経は大丈夫

2つ目の日商簿記をおすすめする理由としては、「日商簿記ができれば全商・全経は大丈夫」な点が挙げられます。

前述の通り、全商簿記や全経簿記よりも日商簿記の方が難易度が高いです。

大は小をかねるではないですが、一番難易度の高い日商簿記に合格できる実力をつけておけば、残りの2つの試験に合格することは比較的容易と言えます。

特に日商簿記1級に合格すれば、全商簿記や全経簿記の全ての級を合格できる実力があると言えます。

(日商簿記1級については「簿記1級は無駄?勉強時間や合格率を踏まえて徹底解説!」も合わせてご確認ください。)

以上より、「日商簿記ができれば全商・全経は大丈夫」なことは、日商簿記をおすすめする理由と言えます。

 

6. 終わりに

簿記の種類として、日商簿記・全商簿記・全経簿記の3つについてそれぞれ紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

ご自身の目的に応じて適切な簿記の種類を選択して、簿記の実力をしっかりつけていきましょう。

 

7. まとめ

Point!

◆日商簿記・全商簿記・全経簿記の3種類がある。
◆どれを取得するか迷ったら日商簿記を選択する。

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