簿記1級は無駄?勉強時間や合格率を踏まえて徹底解説!

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就職・転職活動の中で、資格取得を目指そうと考えたとき、簿記の資格を取得しようと検討されている方も少なくないでしょう。

数ある資格の中で、簿記を選択しようと思ったとき、「簿記1級を取得して意味があるのか?」という疑問が湧いたり、そのような記事を見つけたりして余計に疑問が深まるかもしれません。

簿記1級はこれから目指す職業によっては取得がおすすめの人もいますし、試験内容自体は、会計の考え方などもしっかり学ぶことが出来る有益な資格です。

今回は、そんな簿記1級を取得するために必要な勉強時間や合格率、取得がおすすめの人などをご紹介していきます。

【監修者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・ビジネス会計検定講座講師
・前職で簿記講座の運営責任者を担当

 

 

1. 日商簿記1級とは?

日商簿記1級とは?

日商簿記1級(正式名称:日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験)は、会計学や商業簿記、工業簿記、原価計算などを理解している上で、企業の会計に関する必要な法規に関してや、企業の経営管理や経営分析に役立つ知識を有していると認められる試験となり、公認会計士や税理士などの国家試験を受験するための登竜門として知られています。

合格すると、税理士試験の受験資格を得ることが出来るため、受験される方の中には、税理士や公認会計士を目指す方もいれば、企業で会計の仕事をするために取得を目指す方もいる資格です。

日商簿記以外にも、全商簿記という簿記の試験もあり、簿記の試験と一言で言っても、種類がありますのでしっかりと把握しておくと良いでしょう。

 

1) 試験の詳細について

ここからは、日商簿記1級の試験について、詳細を見ていきましょう。

 

①試験時間は?

試験時間は全部で3時間となっています。

3時間の中で、それぞれ大きく分けて2つの時間で区切られ、前半は「商業簿記」「会計学」に関する問題を1時間半(90分)で実施します。

後半は、同じく1時間半(90分)かけて「工業簿記」「原価計算」について問題を解いていきます。

途中、休憩をはさみながらの試験となりますが、長時間の試験となるため、集中力を切らさずに最後まで問題を解く力が必要です。

試験開始時間は一律9:00となっており、全国で一斉に行われますが、受付開始時間などはその会場ごとに異なる可能性があるため事前に確認が必要です。

 

②合格基準は?

合格基準は70%以上の正答率で合格となります。

ただし、各科目40%以上の正答率が必須となるため、全体的に70%以上取れていたとしても、各科目の正答率が40%未満の場合は不合格となります。

この点から、どの分野も一定以上の問題を正答しなければいけないため、全体的にバランスよく勉強時間をとる必要があると言えるでしょう。

 

③合格発表はいつ?

合格発表については各商工会議所によって異なるため、合格発表の方法・証書をお渡しする方法・場所については各商工会議所に確認するようにしましょう。

 

④受験料は?

受験料は、7,850円(税込)となっております。

今後消費税率変更に伴い税込金額が変更になる可能性がありますのでご注意ください。

 

⑤持参するもの

受験をする際に必要になるものとしては、以下のものが挙げられます。

 

Ⅰ.身分証明書

身分証明書は、氏名や生年月日、顔写真などが分かるものが必要となるため、一般的には運転免許証やパスポート、学生証などが必要となります。

身分証明書が無い場合には事前に受験会場となる商工会議所に申し出や相談が必要となりますが、小学生以下の場合には証明書は必要ありません。

 

Ⅱ.筆記用具

日商簿記1級の試験では、筆記用具が必要となります。

筆記用具としては、シャープペンか鉛筆(HBまたはB)、消しゴムを用意しておくと良いでしょう。

ただし、定規や色鉛筆などは使用できないため、持ち込まないようにしましょう。

 

Ⅲ.計算器具

簿記1級試験では、そろばんや電卓などの計算器具を利用することが可能です。

しかし、四則演算としての機能のみが許可されているため、プログラム機能が付いた電卓や、関数電卓の使用は禁止されており、たとえそのような機能を使わなかったとしても、電卓は四則演算機能のみのものを利用するようにしましょう。

また、普段使い慣れている電卓に、そのような機能がついている場合には、当日持ち込めないため、普段の練習の時から四則演算機能のみの電卓を利用するとよいでしょう。

 

Ⅳ.受験票

簿記1級に限らず、日商簿記の受験には受験票が必要となりますので、当日は必ず忘れないようにしましょう。

 

Ⅴ.その他

メモ用紙や計算用として、A4サイズの用紙が1枚受験会場から用意されますので、自ら用紙を用意する必要はありません。

 

⑥利用できないもの

試験当日に利用できないものとしては、「色鉛筆・マーカー」などの色がついた筆記用具、定規や付せんなどの文房具、印刷機能やメロディ機能が付いた電卓や、プログラム機能や関数電卓のような高度な機能がついている電卓は不可となります。

 

⑦受験資格

受験資格は特に必要ありません。

1級から受験することも可能となっており、2級を受けなければ1級の受験が出来ないということはありません。

また、1級と2級、2級と3級の併願受験も可能となっています。

併願については「簿記の併願(同時受験)はやめた方がいい??」も合わせてご確認ください。

 

2) 合格者の特典は?

次に、合格した方の特典について代表的なものを見ていきましょう。

 

①税理士試験の受験資格

税理士試験を受験するためには、

・学識による受験資格
・資格による受験資格
・職歴による受験資格

と、3つの種類の受験資格がありますが、その中でも、資格による受験資格の中で、日商簿記1級の合格者という項目があり、簿記1級に合格すると税理士試験の受験が出来るようになります。

ちなみに、職歴による受験資格は会計事務に2年以上従事した人であることや、学識では法律学や経済学の単位を取得した人といったところが必要になるため、そのような経験や学識が無い方にとってはハードルが高いと言えるでしょう。

★簿財の受験資格は撤廃!
2023年度の税理士試験より、簿記論・財務諸表論の受験資格が撤廃され、誰でも受験できるようになりました。

簿記論・財務諸表論は、税理士試験で多くの受験生がまず受験を考える科目であるため、非常に受験しやすくなったと言えます。

 

②大学の推薦入学に有利

大学によっては、簿記1級を取得していることで推薦入試を出願することが出来ます。

例えば、一橋大学商学部では、簿記1級を取得していることで推薦入試に出願でき、その他にも多くの大学で簿記を取得していることによって推薦入学の資格が得られるということがあります。

特に、商学部などではそのような条件が多いようです。

 

③事務職の就職に有利

一般企業の中でも事務職に就職しようと思った場合、経理や会計の知識を必要とする企業は多いでしょう。

特に中小企業においては一人の担当者が総務という形で様々な業務を兼務するため、現代の人手不足の状況においては、特に簿記1級の知識を持っている人は重宝されることでしょう。

 

④指導員資格試験の一部免除

簿記1級の資格を持つことで、職業能力開発促進法の指導員資格試験の中で、事務科における試験科目が一部免除されるという特典もあります。

 

3) 出題範囲について

簿記1級での出題範囲は、大きく分けて「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」がありますが、その中でも、それぞれ3級から1級にかけて出題範囲というのは異なります。

例えば、商業簿記・会計学においては、

・「諸取引の処理」
・「決算」
・「株式会社会計」

などが含まれ、工業簿記・原価計算においては、

・「原価」
・「原価計算」
・「材料費計算」
・「経費計算」
・「製造間接費計算」
・「部門費計算」
・「個別原価計算」
・「総合原価計算」
・「標準原価計算」
・「原価・営業量・利益関係の分析」
・「原価予測の方法」
・「直接原価計算」
・「営業費計算」
・「差額原価収益分析」
・「戦略の策定と遂行のための原価計算」

などが含まれます。

 

2. 1級の勉強時間

1級の勉強時間

ここからは、簿記1級の勉強時間について見ていきましょう。

簿記1級合格に必要な勉強時間は500~1,000時間程度と言われています。

独学による勉強と、予備校を利用して勉強するのとでは、掛かる時間も異なってくるでしょう。

 

1) 独学で勉強する方法

独学で簿記1級を勉強することは可能です。

税理士試験や司法書士試験などと比べても簿記1級の教材(テキスト)は市販でも多く販売されており、書店にも多くの教材が並んでいます。

そのため、市販の教材でも独学で学んでいくことは可能となっており、実際に独学で取得される方も少なくありません。

しかし、どのような勉強においても言えることですが、長期間にわたる自学習はモチベーションの維持や計画性がある方でないと難しいのが実情です。

特に簿記1級を独学で勉強する場合には、仮に500時間で計算しても1日3時間勉強時間を確保して167日、つまり半年くらいは独学による勉強期間を持つことになるため、モチベーションの維持をするのに苦労するかたもいるでしょう。

しかし、決して独学で勉強できない試験ではありませんので、簿記1級を目指す場合に独学で勉強するという選択をするのも良いでしょう。

 

2) 誰か(何か)に頼って勉強する方法

独学で勉強する以外にも、スクールや講座に通ったり、通信教育で勉強したりすることも可能です。

スクールや通信教育では、カリキュラムの設定や期間の設定などが行われるため、勉強するにあたり受験日の目標と、勉強時間の目標を設定するため、勉強時間のペースが掴みやすいと言えるでしょう。

しかし、スクールや通信教育では、教材費以外の費用が掛かるため、費用を抑えて勉強したいという方には向いていない方法となります。

自分でモチベーションを維持したり、計画的に勉強時間を確保したりするのが難しい方は、このような方法を取ると良いでしょう。

 

3. 簿記1級の合格率

簿記1級の合格率

ここからは、簿記1級の合格率について見ていきましょう。

 

1) ここ数年の合格率

まずは、ここ数年の合格率について見ていきましょう。

ここ数年の受験者数と合格者数、合格率については、以下の通りとなっています。

実施回 受験者数 合格者数 合格率
165回 10,251 1,722 16.8%
164回 9,295 1,164 12.5%
162回 9,828 1,027 10.4%
161回 8,918 902 10.1%
159回 9,194 935 10.2%
158回 7,594 746 9.8%
157回 6,351 502 7.9%
156回 8,553 1,158 13.5%
153回 7,520 735 9.8%
152回 6,788 575 8.5%
150回 7,588 680 9.0%
149回 7,501 1,007 13.4%
147回 8,286 487 5.9%

過去11回の中でも149回目、156回目、165回目の試験については、合格率が13.4%、13.5%、16.8%となっており、15%付近の合格率はここ数回の中でこの3回しかありません。

そして、149回目の前に実施された試験では、合格率5.9%ととても低い数値となっており、この数値から合格率には幅があり、その試験ごとに難易度も変わっていると言えるでしょう。

見方を変えると、低い合格率の次の試験では、合格率がグンと上がっているため、試験の難易度が見直された可能性があります。

実際に、過去の数値の中でもかなり低かった114回目の実施(2006.11.19実施)については、合格率が3.5%という結果に対して、次の会では合格率13.6%とかなり高い合格率となっています。

ただ、これはあくまでも推測の域を超えませんので、実際にはどうかは不明です。

実際にどうかはわかりませんが、低い合格率の次の試験を狙うというのも一つの手かもしれません。

 

2) 過去50回の最大合格率と最小合格率

次に、過去50回の最大合格率と、最小合格率を見ていきましょう。

 

①最大合格率

最大合格率を出した回は、165回目の実施(2023.11.19実施)で、合格率は16.8%という数値を出しています。

この時の受験者数は10,251名で、実際に合格した方は1,722名となっています。

 

②最小合格率

最小合格率は先ほどもご紹介した114回目の実施(2006.11.19実施)で、3.5%という合格率となっております。

前の回の合格率13.9%と次の回の13.6%に挟まれており、この回は前後に高い合格率を出している回です。

この回では、受験者数が15,338名に対して合格者535名と、前回の合格者に比べて1,000名以上が不合格となっています。

 

この数値から見てわかるように、平均的に見ても合格率10%ほどの試験となっているため、100人受験した場合には10名ほどしか合格しない試験となっています。

全員がしっかり勉強しているという前提で考えると、それでも合格者は10%となるため、人よりも努力して時間を惜しんで勉強する必要があると言えるでしょう。

 

3) 同じくらいの合格率の試験は?

日商簿記1級と同じくらいの合格率を持つ試験はどのような試験なのでしょうか。

一般的に合格率10%ほどの試験というと、以下のような試験があります。

・公認会計士
・税理士
・不動産鑑定士

このような試験においては、合格率10%ほどといわれており、日商簿記1級と同じくらいの合格率となっています。

しかし、これらの試験では合格率もさることながら、勉強する時間においては日商簿記1級よりも長くなると考えた方が良いでしょう。

それぞれ3,000時間ほど掛かるような勉強時間が一般的と言われているため、そういった意味では日商簿記1級よりも難易度は高いと言えるでしょう。

 

4. 1級はこんな人におすすめ!

1級はこんな人におすすめ!

ここからは、日商簿記1級を取得した方が良いおすすめの人をご紹介していきます。

 

1) 税理士試験を受験する人

日商簿記1級を取得した方が良いおすすめの人として1番に挙げられるのは、税理士試験の受験を目指している方です。

税理士試験を受験するためには、日商簿記1級とは異なり、受験資格というものが必要となります。

この、受験資格については、様々な条件がありますが、簿記1級合格で税理士試験の受験資格を得ることができます。

税理士試験を受験する場合には、受験資格として「学識による受験資格」と「資格による受験資格」「職歴による受験資格」があり、それぞれの要件を満たした人でなければ受験することすら叶いません。

将来、税理士を目指している場合には、税理士試験は必須の試験となるため、受験するための準備として日商簿記1級を取得することをおすすめします。

 

2) 経理に転職する上で他者との差別化を図りたい方

「簿記の試験日・日程は?3級と2級で異なる??」の「2. 簿記は何級まで取得すべき?」』でも述べた通り、多くの人にとって基本的に簿記は2級までの取得がおすすめです。

ただ、企業の経理に転職する際にライバルとの差別化を図り自分の価値を上げたい時には、日商簿記1級はおすすめです。

日商簿記1級は面接官であれば誰しも知っている試験となっており、どのような面接官でも「簿記のことを理解している」と認識してくれるでしょう。

今や労働人口の減少や働き方改革により、人材不足で生産性を向上させるために企業は優秀な人材を確保したいと思っております。

売り手市場と呼ばれている現代においては、就職先の選択肢は多くなっていますが、その中でも一般事務の仕事はライバルも多く競争が激しい職種となっています。

その中で、「パソコンが得意」「経理の経験がある」といった他者よりも優れた能力や経験がある場合には、優秀な人材として採用される確率も高くなると思いますが、その中でも日商簿記1級を取得しているということは、経理や総務の仕事にとっては有利と言えるでしょう。

一般事務の仕事や経理の仕事をしたいと思っている方は、日商簿記1級の資格を取得することで、他者との差別化を図ることができます。

 

3) 経営企画などを担当する方

経営企画などを担当する方にも、日商簿記1級の資格取得がおすすめです。

簿記と聞くと経理や総務関係の事務の方が取得しているイメージを持つ方も多いと思いますが、経営に携わる方が簿記を取得するケースは珍しくありません。

その理由としては、経営に携わるということは売上や経費、原価計算など数値を読み取り、分析し、予測する必要があるからです。

その中で、一般的には会社の経理担当者や会計担当者、会計事務所や税理士に相談するケースが多いと思いますが、自分自身が数字を読むことができ、それをそのまま経営に活かすことが出来れば、これほど良いことはありません。

経営は数値の判断が重要です。

その数値を読み取り分析、把握する能力は経営をしながらでも学んでいくことは出来ますが、しっかりとした基礎知識を学ぶためにも、日商簿記1級の勉強をすることがおすすめです。

★簿記1級おすすめ通信講座
簿記講座の元運営責任者が、「実績(合格者数)」と「コストパフォーマンス」の観点から、簿記1級のおすすめ通信講座を以下の3つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。

・大原
・スタディング
・CPAラーニング

詳細は「簿記1級の通信講座おすすめ3選!会計士が実績とコスパを比較」をご確認ください。

 

5. 1級まで取得する必要は基本的にはない!?

1級まで取得する必要は基本的にはない!?

ここからは、簿記1級はコストパフォーマンスを考えると勉強してまで取得する必要はないのではないか?という疑問点について見ていきたいと思います。

 

1) 1級を取得する必要はあるか?

これまで先述してきた「おすすめの人」以外には、費用対効果を考えると1級を取得する必要はないと言えるでしょう。

おすすめの人については、簿記1級を取得することによって受験資格を得られることや、経理業務や経営企画などの業務について知識を深めることが出来るため、資格取得をするメリットがあります。

しかし、それ以外の方々にとっては、勉強時間が長期にわたることや、合格率を考えると、無理して受験するというメリットはあまり感じられないでしょう。

知識を深めるという点においては受験のメリットはあるかもしれませんが、必ずしも目指すべきということにはつながらないです。

 

2) 会計・経理分野の実践的な知識を深めたい場合

会計・経理分野の実践的な知識を深めたい場合においては、ビジネス会計検定という検定もあるため、無理して簿記1級を取得する必要はないと言えるでしょう。

ビジネス会計検定は、財務諸表に関する知識や分析力を問う試験となっており、財務諸表が表す数値を理解する必要があるため、ビジネスに役立てられることや、実践的な知識が身に付くということが特徴です。

ビジネス会計検定については「国家資格並みに評価・評判が高い?!ビジネス会計検定」をご参照ください。

 

6. 簿記1級ではどのような問題が出る?

簿記1級ではどのような問題が出る?

日商簿記1級ではどのような問題が出るのでしょうか。

実際の試験の範囲としては、「商業簿記」「工業簿記」「会計学」「原価計算」といった範囲がありますが実際に出てくる問題については、公式サイトでは2級までのサンプル問題はあるものの、1級についてはサンプル問題が用意されていません。

しかし、過去問題の内容としては、それぞれの回ごとに出題の意図や講評が出ておりますので、それを参考にすると良いでしょう。

ちなみに152回目の試験問題の内容としては、以下の様な出題がされています。

損益計算書の作成に関する総合的な問題
この問題では、受託販売、ソフトウェア、誤謬の訂正、有価証券、退職給付、社債、税効果会計など出題の対象が多岐に及んでおり、商品売上高と役務収益の表示の違いや、誤謬の訂正と見積りの修正の違い、繰延税金資産の回収可能性などの問題が出ています。

このように、問題の傾向や内容についても過去問題から読み取れるようになっていますので、受験を検討されている方は、公式サイトの過去問を確認すると良いでしょう。

 

7. 終わりに

ここまで、簿記1級の資格取得について、勉強時間や合格率を踏まえて、簿記1級の取得は無駄なのか?についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

簿記1級を取得する上でのメリットは、税理士試験を受験する方や、大学の推薦入学、事務職の就職、指導員資格試験を受けるといった方には有利に働く面や、取得することによるメリットを強く感じる方も少なくないでしょう。

しかし、合格率を考えると、ほんの一握りの合格者しかいないため、何度か受験する覚悟で挑む必要があります。

独学での勉強でも受験は出来ますが、半年以上に及ぶ勉強時間があることを頭に入れて、モチベーションの維持や計画性を持った勉強が、簿記1級合格には必要不可欠であると言えるでしょう。

日商簿記1級を目指す方は、今回の試験内容を踏まえて、勉強時間の確保や受験に向けての準備を行ってください。

 

8. まとめ

Point! ◆「商業・工業簿記」「会計学」「原価計算」などが出題範囲。
◆持参するものは身分証明書や受験票など。
◆合格した人は税理士試験の受験資格を得るなどのメリットがある。
◆勉強時間は500時間~1,000時間程度必要。
◆合格率が10%ほど。
◆税理士試験を受験する人や、企業で経理・経営企画などを担当する方におすすめ。
◆目的が合わない人にとっては受験の必要はない試験。

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