簿記3級・2級の勉強時間は?一ヶ月・二ヶ月での合格は可能?

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簿記検定の受験を検討する際に、難易度と合わせて気になるのが「勉強時間」です。

今回は、簿記検定合格のために必要な勉強時間について、紹介していきます。

また、人によっては試験直前になって、受験する必要にせまられる人もいるかと思います。

そこで、試験一ヶ月・二ヶ月前からの勉強で合格が可能なのか?といった点についても解説しておりますので、合わせてご確認ください。

筆者の情報
・公認会計士
・監査法人➡経理に出向➡ベンチャー➡自営業
・ベンチャー時代に簿記講座を運営

 

 

1. 簿記3級の勉強時間

簿記3級の勉強時間

まず、簿記3級の勉強時間を勉強スタイル別に見ていきましょう。

 

1) 通信講座の場合

①勉強時間

通信講座で簿記3級の勉強を開始した場合、必要な勉強時間は「100時間」程度となります。

倍速視聴なども加味した一般的な通信講座の講義時間は25時間程度と考えられます。

脳科学の分野ではインプット「1」に対してアウトプット「3」の量をこなすことが記憶の定着に良いという研究結果があります。

インプットである講義時間が25時間だとすると、アウトプットである自学自習は75時間必要となり、合わせて100時間が合格までに必要な勉強時間となります。

 

②通信講座のメリット

・授業料が通学講座に比べて安い。

・自分の好きな場所、好きなタイミングで勉強ができる。

・テキストなどの教材は予備校が用意してくれているので自分で選ぶ手間がはぶける。

・勉強スケジュールについて自分で柔軟に組むことができる。

・簿記のプロから重要な点を教わることができる。

 

③通信講座のデメリット

・周りに一緒に勉強する人がいないため、モチベーションの管理が難しい。

・独学に比べると授業料が高い。

・通信環境により視聴環境が悪化する可能性がある。

 

2) 通学講座の場合

①勉強時間

通学講座で簿記3級の受験を検討した場合、「100時間~150時間」程度の勉強が必要となります。

基本的な勉強時間の考え方は通信講座の時と変わりませんが、通学の場合は通学する時間や予備校に到着して授業が開始するまでの空き時間など、余分な時間が発生します。

そのため、通信講座と比べて勉強時間が増えます。

 

②通学講座のメリット

・受験仲間を作ることができ、また、講師とも対面で話せるためモチベーションを管理しやすい。

・普段とは違う勉強のための場所を確保することができる。

・予備校によっては専用の自習室が設けられており、自習環境が整っている。

・疑問点についてすぐに質問することができる。

 

③通学講座のデメリット

・受験仲間と必要以上に会話をしてしまい、余計な時間をとられる。

・授業料が高額になってしまう。

・講義スケジュールの開始時期が決まっており、柔軟な日程を組むことができない。

・授業時間も決まっており、その日の都合に合わせて勉強スケジュールをコントロールすることができない。

 

3) 独学の場合

①勉強時間

独学で簿記3級の合格を目指す場合、「150時間~200時間」程度の勉強が必要となります。

独学の場合、使用教材をどれにするか検討するのに時間がかかり、また、自分に合わない教材を使用してしまい途中で教材を変えるとさらに余計な時間が発生してしまいます。

また、何百ページのテキストを簿記の受験経験がない人が一から勉強をしようとすると、重要な点がわからず全ての論点をまんべんなく勉強することになります。

そのため、独学は他の2つの方法と比べて勉強時間が長くなります。

 

②独学のメリット

・授業料が安い(教材の代金のみ)

・自身のペースで場所を選ばずに勉強することができる。

 

③独学のデメリット

・少し難しい論点になると理解するのに時間がかかってしまう。

・モチベーションの管理が難しい。

・ペースメーカーとなる講義がないため、学習進捗が把握しづらい。

・教材を全て自分で選ぶ必要がある。

 

4) おすすめテキスト

上述の勉強時間を確保するためにも、テキスト選びに時間をかけるわけにはいきません。

そこでここでは、おすすめのテキストについてご紹介させていただきます。

 

①予備校指定のテキスト

通信講座や通学講座を受講する場合は、予備校指定のテキストで勉強を開始してください。

1つの教材だけで大丈夫か不安になるかもしれませんが、他の教材には手を出さないでください。

中途半端に勉強した教材が複数あっても合格することはできません。

1つの教材を完璧に仕上げてください。

 

②スッキリわかるシリーズ

スッキリわかる 日商簿記3級

出版社 TAC出版
著者 滝澤ななみ
Point ! 初学者と言えばこの1冊

「スッキリわかる 日商簿記3級」をはじめとしたスッキリわかるシリーズは、初学者でも楽しく学習することができるように、1つの1つの用語説明が非常に丁寧にされております。

また、猫のキャラクター「ゴエモン」の解説で楽しみながら勉強することができます。

過去問もついており理解度を確認することができるため、初学者におすすめの1冊となります。

 

③よくわかる簿記シリーズ

合格テキスト 日商簿記3級

出版社 TAC出版
著者 TAC簿記検定講座
Point ! 網羅的な教材(最短合格には不向き)

より実務的な内容を組み込んだ網羅的な教材が「よくわかる簿記シリーズ」となります。

簿記3級合格の延長線上にある経理として働くために必要な力を養うことができます。

3級合格には必ずしも必要ではない仕訳などもあるため、簿記3級の最短合格を狙う場合は他のテキストを選んだ方が良いかもしれません。

 

④みんなが欲しかったシリーズ

みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商3級

出版社 TAC出版
著者 滝澤ななみ
Point ! 他の書籍を勉強する前の入門書

スッキリわかるシリーズの著者がわかりやすさを追求したのが「みんなが欲しかったシリーズ」となります。

スッキリよりもさらに内容をかみ砕いて解説しており、簿記3級の入門的な1冊となりますが、これだけで合格を目指すには少し情報量が少ないため、他のテキストを始める前の入門的な1冊として使用するのがベターです。

 

⑤いつ出版されたのか?を必ず確認

テキストを購入する際は後ろの方にある出版年度を必ず確認してください。

簿記3級の試験範囲は定期的に変更されており、ご自身が受験される回の試験範囲に対応しているか否かを確認する必要があるためです。

よくあるミスとして、購入するのが早すぎて前年度の試験範囲に対応したテキストを購入してしまったということがあるため、注意してください。

 

5) おすすめ電卓

簿記検定でおすすめの電卓は「SHARPの『学校用電卓 EL-G37』」です。

おすすめのポイントなどはビジネス会計検定と同様ですので、詳しくは「ビジネス会計検定の電卓はこれで決まり!小技2選もご紹介」をご参照ください。

 

6) 勉強のコツ

簿記3級の勉強のコツと聞かれたら、「当たり前のことを当たり前にできるようにする」と答えます。

それだけ?と思われたかもしれませんが、これ以上に大切なことはないです。

みんなが解ける問題を一問も落とさなければ必ず合格できます。

他の人が解けない問題を解けるようになる必要はありません。

では具体的にどうするのかというと、次の2点を頭に入れてください。

 

①テキスト内の例題は「100%」解けるようになる。

テキストの例題は基本中の基本の論点が掲載されており、まさに「みんなが解ける問題」なので、これは「100%」解けるようにしてください。

90%ではなく「100%」です。

絶対に間違わないと言い切れるまでやり切ってください。

 

②予想問題を早いうちから解き、80%解けるようにする。

2つ目については、過去問ではなく予想問題などを使用する点がポイントとなります。

少し前までは過去問でも問題なかったのですが、ここ最近は試験範囲が定期的に改正されており、過去問では対応していない範囲がある可能性や対応する必要のない範囲が含まれている可能性があるためです。

また、「早いうち」から予想問題に取り掛かってください。

また実力がついていないからと、よく試験直前まで予想問題をとっておく人がいますが、それは止めてください。

極端な話を言うと、全て間違ってもいいので早めに解いてください。

そして間違った箇所を解説やテキストで復習して、再度解きなおすという作業を繰り返して、少なくとも80%程度までは正解できるようにしてください。

テキストの例題と異なり応用的な論点もあるため、必ずしも100%正解する必要はないです。

★簿記のおすすめ通信講座
元簿記講座の運営者である筆者が、「講座代金」と「講座との相性」の観点から、おすすめ通信講座を以下の3つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。

・クレアール
・スタディング
・フォーサイト

詳細は「簿記の通信講座おすすめ3選!合格実績よりも相性が大切?」をご確認ください。

 

2. 簿記2級の勉強時間

簿記2級の勉強時間

次に、簿記2級の勉強時間について同様に見ていきましょう。

 

1) 通信講座の場合

通信講座で簿記2級合格を目指した場合、「200時間」程度の勉強時間が必要となります。

簿記2級講座の講義時間は50時間程度のところが多く、先ほどお話ししたインプット「1」に対してアウトプット「3」をもとに計算すると、講義時間50時間に対して自学自習が150時間必要となり、合わせて200時間の勉強時間が必要となります。

 

2) 通学講座の場合

通学講座の場合は、「200時間~250時間」程度の勉強時間が必要になると考えられます。

3級のところでお伝えした通り、移動などの余分な時間が必要となるため、通信講座よりも長い時間を確保する必要があります。

 

3) 独学の場合

独学の場合、「250時間~300時間」程度の勉強時間が必要となります。

基本的な理由は簿記3級のところでお伝えした内容と同様ですが、簿記2級は簿記3級と比べてかなり難易度が上がるため、そもそも独学での合格が難しいという点は頭に入れておいてください。

 

4) 勉強のコツ

①簿記3級の知識を定着させる

簿記2級に不合格となる人に多いのが、簿記3級の理解が不十分な人です。

いきなり簿記2級を受験された方だけでなく、簿記3級に合格されている方の中にも簿記3級の理解が不十分な人が多いです。

2級の勉強につまずいた時のコツとして、思い切って3級の復習をしてみてください。

急がば回れではないですが、遠回りに見えてしっかり簿記3級の知識を定着させることが、結果的に簿記2級の勉強につながります。

 

②時間を体に覚えこませる

簿記2級は簿記3級と比較して解くスピードが求められます。

そのため、普段の勉強の時から時間間隔を体にしみ込ませておく必要があります。

そこで、普段から問題集を解くときは必ず時間を測ってください。

始めは時間を測って記録するだけで問題ございません。

それを繰り返すうちに、1問あたりだいたい何分で解けるという感覚が備わってきますので、後はそれを少しずつ早めていくための目標をたてていくだけです。

簿記2級のおすすめテキストや電卓については簿記検定3級と同様となります。

 

3. 標準的な勉強期間

標準的な勉強期間

ここまで簿記検定合格に必要な「勉強時間」についてお伝えしてきました。

それでは、この勉強時間にもとづくと「勉強期間」はどの程度必要なのでしょうか?

 

1) 標準的な勉強期間

まず、勉強期間を計算するために必要な1週間当たりの勉強時間を設定します。

社会人や学生など立場が変われば当然確保できる勉強時間も異なりますが、ここでは忙しいけども簿記検定のために最低限の勉強時間を確保できる方を想定して、1週間当たりの勉強時間を以下に設定させていただきます。

前提① 1週間当たりの勉強時間
・11時間(=平日1時間×5日+休日3時間×2日)

 

次に、もう1つの前提として、勉強スタイルは通信講座を想定して計算します。

つまり、合格のために必要な勉強時間を以下として設定します。 

前提② 総勉強時間
・簿記3級:100時間
・簿記2級:200時間

 

上記の2つの前提をもとに、簿記3級に必要な勉強期間を計算すると、9週間となります。 

9週間≒100時間÷11時間(1週間当たりの勉強時間)

 

同様に、簿記2級の勉強期間を計算すると、18週間となります。 

18週間≒200時間÷11時間(1週間当たりの勉強時間)

 

2) 対策

簿記3級で2ヶ月ちょっと、簿記2級で4ヶ月半の勉強期間となり、各級の難易度を考えれば比較的余裕のある勉強期間となります。

講義を視聴しながら、各級の「勉強のコツ」でお伝えした内容を意識して勉強に取り組んでいただければ、特殊な対策は不要な勉強期間です。

 

3) こんな人におすすめ!

次項以降でご紹介する短期の合格の必要性に迫られていない全ての人におすすめの勉強期間となります。

簿記3級・2級を目指されるスタンダードなケースです。

 

4. 1ヶ月で合格は可能?

それでは1ヶ月での合格は可能でしょうか?

人によっては1ヶ月の合格に迫られている方もいるかと思いますので、解説させていただきます。

 

1) 1週間あたりの勉強時間

今回は先ほどと異なり、勉強期間1ヶ月(4週間)から逆算して1週間あたりの勉強時間を計算していきます。

まず、簿記3級の場合は合計で100時間勉強時間が必要であるため、逆算すると1週間当たり25時間の勉強が必要となります。

25時間=100時間÷4週間

これは1日あたり平日2時間、休日7.5時間勉強すれば達成できる時間数となります。

 

次に、簿記2級の場合は合計で200時間必要となるため、逆算すると1週間あたり50時間の勉強が必要となります。

50時間=200時間÷4週間

これは1日あたり平日4時間、休日15時間勉強すれば達成できる時間数となります。

 

2) 1ヶ月合格の対策

①簿記3級の場合

簿記3級で1ヶ月の合格を考えた場合、とにかく「勉強時間を確保する」工夫が必要となります。

平日2時間、休日7.5時間の勉強時間は学生の方でもなかなか確保できない時間であり、社会時間の方が確保しようとすると、相当な覚悟が必要となります。

通勤(通学)時間・休憩時間やお風呂・トレイなどのスキマ時間も利用して勉強時間を確保していきましょう。

 

②簿記2級の場合

簿記2級の場合は平日4時間、休日15時間の勉強時間が必要となり、普通の方ではまず確保できない勉強時間となります。

そのため、1ヶ月合格しようと考えた場合は、やる作業を絞る必要があります。

具体的には、とにかくアウトプットに専念してください。

ひたすら問題集を解いて解答・解説を読むという作業を繰り返してください。

テキストで網羅的な知識をインプットする作業を省いているため、わからないことが多々あるかもしれませんが、無視してとにかく問題集に載っている問題を解けるようにしてください。

1ヶ月という短期間で簿記2級を受かるためにおすすめの方法となります。

 

3) こんな人に1ヶ月合格はおすすめ!

昇給や就職活動のタイミングなどで、すぐに簿記を取得する必要がある方に1ヶ月合格はおすすめです。

ただ1点注意していただきたいのは、1ヶ月前であれば既に申し込み期限を経過しているため、そもそも申し込みをしていなければ受験することはできません。

 

5. 2ヶ月で合格は可能?

2ヶ月で合格は可能?

同様にして、2ヶ月での合格に必要な勉強時間についてみていきましょう。

 

1) 1週間あたりの勉強時間

簿記3級の場合、2ヶ月(8週間)と合格に必要な100時間より逆算して、1週間当たりの勉強時間は12.5時間となります。

12.5時間=100時間÷8週間

平日1時間、休日4時間弱勉強すると1週間で12.5時間の勉強時間を確保できます。

 

また、簿記2級の場合、合格に必要な200時間より同様に逆算して、1週間当たりの勉強時間は25時間となります。

25時間=200時間÷8週間

平日2時間、休日7.5時間の勉強で達成可能です。

 

2) 2ヶ月合格の対策

簿記3級・2級のいずれの場合でも、勉強時間の確保が必要となります。

1日単位でスケジュールを見直して、空き時間を確保しましょう。

2ヶ月合格は決して楽ではありませんが、しっかりと勉強時間を確保すれば十分可能です。

また、試験の申し込みが毎回1ヶ月~2ヶ月前に終了するため、申し込みを忘れないように注意してください。

 

3) こんな人に2ヶ月合格はおすすめ!

合格の必要に迫られており次回の試験日まで2ヶ月しかない人はもちろんのこと、試験の2か月前で次の
次の試験の勉強を開始するには時間がある人にも2ヶ月合格はおすすめです。

試験までの期間が空きすぎると中だるみをしてしまい、勉強のリズムが崩れてしまうため、間に本試験を挟むことでモチベーションを継続できます。

もちろんそのまま合格できれば言うことなしです。

仮に今回受からなかったとしても、2ヶ月間本気で取り組んでいれば、次回の合格はより確実なものとなります。

 

6. 終わりに

いかがでしたでしょうか?

ゴールから逆算して物事を考えるのは非常に効果的な方法です。

自身が目指されている級に必要な勉強時間・勉強期間を確認して、しっかりとした試験対策をしていきましょう。

 

7. まとめ

Point!

◆通信講座・通学講座・独学の勉強スタイルの違いで必要な勉強時間は異なる。
◆必要な勉強時間は簿記3級100時間、簿記2級200時間程度。
◆標準的な勉強期間は簿記3級は9週間、簿記2級は18週間。
◆1ヶ月合格は勉強時間の確保とやることを絞る必要がある。
◆2ヶ月合格は勉強時間を確保すれば可能。

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