簿記の難易度・真の合格率とは?他資格と徹底比較!

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簿記検定の受験を検討している、あるいは簿記に興味のある皆様の初めの関心事と言えば、簿記ってどのくらい難しいの?といった難易度に関するものではないでしょうか?

実は簿記は、一般的に公表されている合格率を鵜呑みにするのではなく、真の合格率を見極めて受験を検討する必要があります。

そこで今回は、簿記検定の難易度・合格率について紹介していきます。

他の資格との比較も行っておりますので、お気軽に読んでみてください。

 

 

1. 簿記の難易度・合格率とは?

1) 簿記検定の合格率

主催者である日本商工会議所が公表している簿記検定の合格率は、以下となります。

 

簿記3級
(回)
合格率
153回 43%
152回 56%
151回 55%
150回 44%
149回 44%
148回 49%
147回 40%
146回 51%
145回 47%
144回 45%
143回 34%

 

簿記2級
(回)
合格率
153回 27%
152回 25%
151回 13%
150回 15%
149回 16%
148回 30%
147回 21%
146回 48%
145回 25%
144回 13%
143回 26%

 

簿記1級
(回)
合格率
153回 10%
152回 9%
150回 9%
149回 13%
147回 6%
146回 9%
144回 9%
143回 11%

 

おおよそですが、公式で公表されている合格率は3級「40%」2級「20%」1級「10%」となります。

 

2) 申込者のうち2割が離脱

各年度の受験者(申込者)数と実受験者数(実際に試験を受けた人数)をまとめると以下のようになります。

離脱率(申し込みはしたが受験しなかった人の割合)に注目して確認してみてください。

 

簿記3級
(回)
受験者 受験者
(実)
離脱率
153回 99,820 80,130 20%
152回 91,662 72,435 21%
151回 104,357 80,360 23%
150回 111,657 88,774 20%
149回 101,173 79,421 21%
148回 102,212 78,243 23%
147回 113,559 88,970 22%
146回 102,077 80,227 21%
145回 105,356 80,832 23%
144回 120,096 94,411 21%
143回 106,558 83,915 21%

 

簿記2級
(回)
受験者 受験者
(実)
離脱率
153回 62,206 48,744 22%
152回 55,702 41,995 25%
151回 66,729 49,776 25%
150回 64,838 49,516 24%
149回 52,694 38,352 27%
148回 65,560 48,533 26%
147回 63,757 47,917 25%
146回 58,359 43,767 25%
145回 78,137 60,238 23%
144回 72,408 56,530 22%
143回 58,198 44,364 24%

 

簿記1級
(回)
受験者 受験者
(実)
離脱率
153回 9,481 7,520 21%
152回 8,438 6,788 20%
150回 9,852 7,588 23%
149回 9,429 7,501 20%
147回 10,675 8,286 22%
146回 9,064 7,103 22%
144回 11,062 8,416 24%
143回 9,845 7,792 21%

 

離脱率からわかるように、実は簿記検定は申込者のうち2割以上が受験しない試験となっております。

簿記検定は資格として非常にメジャーであり、とりあえず申し込む人が多いのが原因と考えられます。

 

3) 真の合格率は?

このとりあえず申し込んだ層の中には、

① 勉強が間に合わなかったから受験するのをやめた。(離脱率2割の人達)
② 勉強は間に合わなかったが、申し込んだからとりあえず受験した。

の2パターンがあります。

合格率は実際に受験した人達を分母として計算されているため、①の層は合格率に反映されています。

一方で、真の合格率を計算しようと考えた場合、②の層も合格率に反映する必要があります。

②の層がどの程度の割合か正確な数値はわかりませんが、①の層と同程度だと仮定すると、②を加味した真の合格率は以下のようになります。

 

簿記3級
(回)
合格率 真の合格率
153回 43% 57%
152回 56% 76%
151回 55% 79%
150回 44% 59%
149回 44% 61%
148回 49% 70%
147回 40% 56%
146回 51% 70%
145回 47% 68%
144回 45% 62%
143回 34% 47%

 

簿記2級
(回)
合格率 真の合格率
153回 27% 37%
152回 25% 38%
151回 13% 19%
150回 15% 21%
149回 16% 25%
148回 30% 46%
147回 21% 32%
146回 48% 71%
145回 25% 36%
144回 13% 19%
143回 26% 37%

 

簿記1級
(回)
合格率 真の合格率
153回 10% 13%
152回 9% 11%
150回 9% 13%
149回 13% 18%
147回 6% 8%
146回 9% 12%
144回 9% 14%
143回 11% 15%

 

いかがでしょうか?

特に3級に関しては、しっかりと勉強すれば6割以上の人が受かる試験と言えます。

まずは簿記3級から挑戦して、自身に適性があるかどうか判断されるのも良いかと思います。

ちなみに簿記は2級からの受験も可能ですが、3級からの受験がおすすめです。

詳細につきましては「簿記2級からいきなり受験?受験資格はないので可能?」をご参照ください。

 

2. 他資格との難易度比較

他資格との難易度比較

ここからは、他の資格と簿記検定の難易度の比較をしていきます。

級がある資格・検定については2級同士を比較しております。

 

1) 建設業経理士試験

① 建設業経理士試験の合格率

建設業経理士
2級
合格率
25回 31%
24回 34%
23回 45%
22回 37%
21回 34%

 

建設業経理士2級の合格率は、35%前後の合格率となります。

勉強時間としては100時間程度の勉強が必要となります。

詳細につきましては「建設業経理士とは?ビジネス会計検定・簿記検定との共通点は?」をご確認ください。

 

② 簿記検定との難易度比較

簿記検定2級の合格率と比較すると、建設業経理士2級の方が簡単な試験と言えます。

簿記検定2級は200時間程度の勉強時間を必要とするため、勉強時間の面から考えても簿記2級の方が難しい試験と言えます。

簿記2級の勉強時間については「簿記3級・2級の勉強時間は?一ヶ月・二ヶ月での合格は可能?」をご確認ください。

 

2) ビジネス会計検定

① ビジネス会計検定の合格率

ビジネス会計検定
2級
合格率
26回 54%
25回 49%
24回 48%
23回 36%
22回 41%
21回 30%

 

ビジネス会計検定2級の合格率は40%前後となります。

(「ビジネス会計検定の難易度・合格率は??」をご参照ください。)

勉強時間としては200時間程度必要となります。

(「ビジネス会計検定の勉強時間・勉強期間はどのくらい??」をご参照ください。)

 

② 簿記検定との難易度比較

勉強時間は同程度ですが、合格率の観点からはビジネス会計検定の方が簡単な試験と言えます。

また、ビジネス会計検定は簿記検定に比べればまだ認知度が高くなく、受験者層も簿記検定の方がレベルが高いことが想定されるため、この点でも簿記検定の方が難易度が高いと言えます。

両資格は財務諸表を「作成する」側の資格と「分析する」側の資格として非常に相性がいいですので、同時取得も検討してみてください。

簿記検定とビジネス会計検定の関係性については「ビジネス会計検定と簿記検定の共通点、相違点は?」も合わせてご確認ください。

 

3) FP技能検定

① FP技能検定の合格率

FP技能検定
2級
合格率
2019/11 41%
2019/5 41%
2019/1 40%
2018/9 37%
2018/5 40%

FP技能検定2級の合格率は40%前後となります。

200時間程度の勉強時間で合格が可能な検定です。

 

② 簿記検定との難易度比較

勉強時間は同程度ですが、合格率から考えると簿記検定2級の方が難易度が高いと言えます。

簿記が「企業のお金の専門家」であるのに対して、FPは「個人のお金の専門家」であるため、両資格の特性を理解して、資格を取得する必要があります。

詳細については「簿記とFPとるなら両方?それとも片方?」をご参照ください。

 

4) 中小企業診断士試験

① 中小企業診断士試験の合格率

【1次試験】

中小企業診断士
1次試験
合格率
2019 30%
2018 22%
2017 22%
2016 18%
2015 26%
2014 23%

 

【2次試験】

中小企業診断士
2次試験
合格率
2019 18%
2018 19%
2017 19%
2016 19%
2015 19%
2014 24%

 

1次試験も2次試験も20%前後の合格率となっております。

単純計算ですが、20%×20%の4%が、最終的な合格率となります。

合格に必要な勉強時間は1,000時間程度となります。

 

② 簿記検定との難易度比較

合格率から考えると、圧倒的に中小企業診断士試験の方が難しい試験と言えます。

また、試験範囲も中小企業診断士試験の方が広いです。

簿記の知識は、中小企業診断士試験の財務会計に役立ちますので、簿記の勉強をすることは、中小企業診断士試験の勉強につながります。

 

5) 公認会計士試験

① 公認会計士試験の合格率

【短答】

公認会計士試験
短答式
合格率
2019 23%
2018 26%
2017 23%
2016 22%
2015 22%

 

【論文】

公認会計士試験
論文式
合格率
2019 35%
2018 36%
2017 38%
2016 36%
2015 35%

 

短答式が25%程度、論文式が40%程度となっており、最終的な合格率は25%×40%の10%程度となります。

試験範囲も広く、合格に必要な勉強時間は3,000時間程度となります。

 

② 簿記検定との難易度比較

簿記検定1級の合格率と比較すると、公認会計士試験と同程度と言うこともできます。

ただ、簿記1級はあくまで公認会計士試験の会計学に相当するものであり、公認会計士試験ではその他に企業法・監査論・租税法・選択科目があるため、必要な勉強時間が非常に多く、簿記の方が難易度が低いと言えます。

★筆者の体験談
公認会計士試験の受験を検討される方の中には、簿記2級程度をまずとってから受験される方法を考えている方もいるかもしれません。

ただ、公認会計士を目指すことを決意されている方であれば、初めから公認会計士試験の勉強に取り掛かっても問題ないと思います。
何を隠そう、私自身は簿記3級の勉強もせずに、公認会計士試験の勉強から始めました。

それでも合格できましたので、簿記は必須ではないです。
もちろん、簿記の受験自体を否定するわけではなく、簿記から段階的勉強を進めていくのも1つの方法です。
(筆者の経歴については「公認会計士のキャリア:監査法人⇒ベンチャー⇒自営業の私の経験談!」をご参照ください。)

 

6) 税理士試験

① 税理士試験の合格率

税理士試験 合格率
2019 13%
2018 13%
2017 17%
2016 13%
2015 15%
2014 14%

 

15%前後の合格率となります。

税理士試験は1科目ずつ受験できる試験ですので、特定の科目に集中できるという利点はありますが、結果的に全科目に合格するまでの期間が非常に長くなります。

合格までに必要な勉強時間は、公認会計士試験以上の5,000時間程度と言われることもあります。

 

② 簿記検定との難易度比較

勉強時間の点からわかるように、難易度は圧倒的に税理士試験方が難しいです。

税理士試験の「簿記論」はその名前の通り、簿記と関連しておりますので、その意味で簿記の勉強は税理士試験の勉強にもつながります。

 

3. 簿記は楽しい!?

簿記は楽しい!?

皆様は簿記と聞いてどのようなイメージがありますでしょうか?

難易度を見て、何か難しそうで自分には向かないかも、、、と思われた方もいるかと思います。

しかし、簿記と言うのは本来「楽しい」ものです。

そこで最後に、簿記検定の「楽しさ・おもしろさ」について紹介していきます。

 

1) 貸借が必ず一致するパズル

簿記の基本と言えば「仕訳」です。

仕訳とは、ビジネス上の取引を資産・負債・純資産・収益・費用に分類して、その増減を借方(左側)と貸方(右側)に記載したものを言います。

例えば、商品10万円を掛け取引で販売した場合の仕訳は、

借方 貸方
売掛金 100,000 売上 100,000

となります。

仕訳は貸借の金額が一致するので、仕訳を全て合算しても当然に貸借は一致します。

、、、それが何か?と思われたかもしれませんが、冷静に考えると、これはかなりすごいことです。

あらゆるビジネス上の取引が仕訳で表され、その合計額は必ず貸借で一致します。

つまり、もし貸借が一致しない場合は、すぐに何かおかしいということがわかります。

そのため、簿記はある種のパズルのようなものと言えます。

貸借を一致させるパズルだと思えば、ゲーム感覚で簿記を楽しめるのではないでしょうか?

 

2) 売上?費用?利益?の知ったかをなくす!

よくテレビやネットのニュースで「○○社が過去最高益を更新。」「○○社が増収増益で好調。」など、売上・費用・利益といった各種会計用語が飛び交っています。

何となく意味をわかったつもりでいる方も多いかと思いますが、本当に理解していますでしょうか?

例えば、過去最高益と言っても、その利益とは一体何の利益でしょうか?

営業利益でしょうか?

経常利益でしょうか?

当期純利益でしょうか?

簿記を勉強することで、売上・費用・利益といった日常で目にする会計用語の、本当の意味を理解することができます。

普段何気なく見ているニュースが、違ったものに見えてくるかもしれません。

そんな力がつく簿記は、おもしろいと思いませんか?

 

3) 他人に教えられる

簿記は年間50万人程度が受験する、とても規模の大きい資格です。

また、経理以外の職種でも必須の知識であり、ビジネスパーソンの共通言語となりつつあります。

皆様の周りにも、簿記の受験を検討されている方が何人かいても、全く不思議ではありません。

そして、簿記を勉強することで、あなたに簿記を教わりたいという人がでてくるかもしれません。

リアルな場だけでなく、SNS上でも簿記について知識を欲している人はたくさんいます。

大人になってから人にものを教える機会というのは、非常に貴重な機会であり、楽しいものです。

このように、実は簿記は、コミュニケーションツールとしても機能する資格でもあります。

単なる資格の枠に収まらない簿記は、おもしろいと思いませんか?

 

4. 終わりに

簿記の難易度についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

簿記は非常に実用的な資格であり、取得しておいて損はありません。

今後の皆様のキャリアのためにも、このタイミングで受験を一度検討してみてください。

 

5. まとめ

Point!

◆合格率は3級:40%、2級:20%、1級:10%。
◆簿記はとりあえず受験する層も多いので、真の合格率はもっと高い。

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