経理に配属された新入社員や、他の職種から経理に転職した皆様は、まず何をすべきでしょうか?
簿記の勉強でしょうか?
上司の指示に従うことでしょうか?
今回は、経理について右も左もわからない、経理初心者の人に向けて、経理初心者がまずやるべきことを10個紹介していきます。
何事も始めが肝心です。
今回お伝えする内容を実践して、経理としてのキャリアのスタートダッシュを切りましょう。
1. 経理業務の全体像を押さえる
2. 簿記とビジネス会計検定の取得
3. 経理に関する本を読む
4. 経理のポイントを押さえる
5. ググる習慣をつける
6. 転職市場のチェック
7. 他部署の人とランチをする
8. 経理の将来性ついて理解する
9. 税理士や会計士との繋がりを作る
10. 1年間がむしゃらに頑張ってみる
11. 終わりに
12. まとめ
1. 経理業務の全体像を押さえる
経理初心者がまずやるべき1つ目のことは、経理業務の全体像を把握することです。
ほとんど経験したことのない業務ばかりで、イメージが湧かないのに、全体像を把握する意味があるのか?と思われるかもしれません。
ただ、初めに全体像を把握しておかないと、自分が担当している業務は一体何の意味があるのか?何の役に立っているのか?といったことがわからず、業務に対するモチベーションが低下してしまいます。
また、全体の業務フローを理解した上で個別に切り出した作業を担当することで、今やっている作業の本当に必要な部分と不要な部分が見えてきて、より効率的に作業を進めることができます。
以下では順に、経理業務の全体像の概要を見ていきましょう。
1) 主な業務
経理の主な業務は、以下の4つに区分されます。
日々のビジネスを数値化して仕訳を切り、それを集約することで、各帳簿を作成し、最終的に財務諸表などの決算書を作成する業務。
現金預金はもちろんのこと、棚卸資産・売掛金・買掛金・借入金・固定資産などの、主要な会社財産の管理を行う業務。
取締役会などの経営戦略会議や、営業などの各部署の戦略会議に必要な決算数値・予算数値・内部管理数値などを提供する業務。
法人税や消費税、償却資産税などの各種税金の申告や納付を行う業務。
上記の区分は経理業務全般を、業務の特性に応じて区切ったものとなります。
これに対して、経理業務は日次・週次・月次・年次といった、スケジュールによる区切り方もあります。
次項以降で、月次・年次の経理業務について、解説していきます。
2) 月次業務
経理の主な「月次」業務は、以下となります。
得意先ごとに請求書を作成して発送し、売上を会計システムに入力して、売上金額を確定させる業務。
得意先の締め日を正確に把握しておかないと、入金が1ヶ月ずれる場合もあるため注意が必要。
納品書を確認して、仕入を会計システムに入力して、仕入金額を確定させる業務。
また、取引先からの請求書を確認して、期日までに支払いを行う。
各部署から提出される経費について、領収書から内容を確認して会計システムに入力し、費用の金額を確定させる業務。
外注先などに対する支払いも含め、内容を確認して当座預金から引き落とされているかをチェックする。
従業員の勤怠状況をチェックして、給与計算、支払処理をする業務。
各種帳簿を整理して、決算書を作成する業務。
作成した決算書をもとに、その月のハイライトを経営層へ伝達する業務。
3) 年次業務
「年次」業務については、基本的には月次の数値を集約して年次の決算書を作成する業務となりますが、年次特有の業務として、例えば以下のような業務があります。
・法人税など各種税金の申告、納付
・賞与の計算、支払い
・年末調整
2. 簿記とビジネス会計検定の取得
経理初心者がまずやるべき2つ目のことは、経理に関連する資格の勉強です。
実務の中でOJTが整備されており、OJTに従えば実力が自然についていくような会社であれば問題ないのですが、経理は定型業務が多いが故に、丁寧なOJTが必ずしもあるとは限りません。
経理初心者ではなく実務経験を積んだ人であれば、「この分野を勉強すれば実力をつけられる」といった勘どころをある程度つかんでいます。
しかし、経理初心者は勉強すべきことがわからず、闇雲に勉強してみたり、あるいは何もできずに無駄に時間を過ごしてしまうことが多いです。
そこでまずおすすめしたいのが、関連資格の勉強です。
資格試験は必要な知識が体系的にまとめられており、経理としての基礎力をつけるにはうってつけとなります。
以下でおすすめ資格として、「簿記検定」と「ビジネス会計検定」について紹介していきます。
1) 簿記検定
簿記検定では、経理業務で必須となる仕訳のルールや、そもそも資産・負債・純資産とは何のか?といった点を含めて、財務諸表を作成するための基礎を学ぶことができます。
(仕訳のルールについては、「簿記の仕訳の基本ルールをマスターしよう!」をご参照ください。)
経理は営業と異なり、オリジナリティを出す職種ではなく、簿記のルールに沿って作業をする必要があります。
そのため、初心者の方はまず簿記のルールを覚えてください。
経理であれば、簿記2級までは取得しておく必要があります。
簿記2級の勉強時間は200時間程度ですが、経理実務に触れながら勉強していけば、勉強時間は短縮できるかと思います。
(簿記の勉強時間・期間については「簿記3級・2級の勉強時間は?一ヶ月・二ヶ月での合格は可能?」で解説しております。)
経理は資格の勉強がそのまま実務に活きるというめずらしい職種ですので、簿記を勉強しない手はないです。
簿記講座の元運営責任者が、「講座代金(安さ)」と「講座との相性(わかりやすさ)」の観点から、おすすめ通信講座を以下の5つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。
・クレアール
・フォーサイト
・ネットスクール
・CPA会計学院
・スタディング
詳細は「簿記の通信講座おすすめ5選!安さとわかりやすさで比較すると..」をご確認ください。
2) ビジネス会計検定
前述の通り、経理には経営層などに月次・年次の財務数値を報告する業務があります。
この際に、ただ決算数値を読み上げるだけでは意味がありません。
経理に真に求められているのは、過去の数値である決算数値から経営課題を見つけ、将来の事業計画に反映することです。
この経営課題を見るけるために、決算数値を分析するスキルの基礎を身に付けることができるのが、ビジネス会計検定となります。
難易度は簿記検定よりやや簡単となっておりますが、簿記検定のように仕訳のルールを学ぶものではなく、あくまで仕訳のルールをもとに作成された財務諸表を分析する側に視点が置かれた検定試験となります。
各級の詳細については、以下をご確認ください。
・「ビジネス会計検定3級が必要ない人とは?受験要項や難易度は?」
・「ビジネス会計検定2級とは?3級との違いは?挑戦すべき5つの理由」
ビジネス会計検定で得ることができる「財務数値を分析する力」は、経理のみならず他の職種や株式投資でも非常に役に立つ知識となります。
私自身も監査法人時代やベンチャー企業時代に、競合や自社の財務数値を分析して、経営の課題点や今後の事業戦略を考えていました。
非常に実践的な力が身に付きますので、ぜひこの機会に勉強してみてください。
3. 経理に関する本を読む
経理初心者がまずやるべき3つ目のことは、経理に関する本を読むことです。
人によっては今の時代ネットで調べるから、わざわざ本を読む必要はないと思われるかもしれません。
しかし、ネット上の記事は玉石混合であり、また、網羅的に書かれているものが少ないです。
そのため、経理業務に関する名著や評判が高い書籍などについて、まずは勉強してみるのがおすすめです。
ある程度経理の経験を積めば、ネット上の記事でも自身で良し悪しの判断がつくため問題ありませんが、まずは書籍で勉強してみてください。
以下に「経理実務の勉強におすすめの本4選!」でご紹介している書籍について簡単に列挙しておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
・3年で「経理のプロ」になる実践PDCA
・コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方
・ビジネス会計検定公式テキスト2級
また、少し上級者向けの本もありますが、決算書分析におすすめの本としては以下があります。(詳細については「決算書の読み方がわかる本!おすすめランキング8選」をご参照ください。)
2位. コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方
3位. 決算説明会資料
4位. 有価証券報告書を使った決算書速読術
5位. IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ
6位. 決算書を楽しもう!
7位. 会社四季報
8位. ビジネス会計検定公式テキスト
本を読むと勉強した気になってしまいますが、大事なのは、学んだ内容をすぐアウトプットすることです。
本で学んだ知識を忘れないうちに身に付けるためには、読んだらすぐに実務で使ってみるくらいのフットワークの軽さが必要です。
また、X(旧Twitter)などのSNSを利用して、本の内容を自分なりに噛み砕いて、発信してみるのも効果があります。
4. 経理のポイントを押さえる
経理初心者がまずやるべき4つ目のことは、経理のポイントを押さえることです。
ここでは経理としてまず押さえておいてほしいポイントを、4点お伝えしていきます。
1) スピードよりも正確さ
1つ目のポイントは、経理に一番求められるのは「正確さ」であるという点です。
経理が作成した数値をもとに、多くの利害関係者が自身の行動を決定します。
・経営者:事業計画を考える
・従業員:もらえるボーナスが決まる
・投資家:投資するか否かを判断する
・銀行:融資するかどうかを判断する
・取引先:取引するか否かを判断する
スピードがいくら早くても、間違った数値で仕訳を切ってしまったら、経営者・従業員・投資家・銀行・取引先などの多くの利害関係者の判断を誤らせることになります。
また、経理はバックオフィスと呼ばれ、営業などのフロントオフィスからあがってきた数値を精査する最後の砦です。
そのため、経理には一にも二にも正確性が求められます。
2) とは言えスピードも大事
と言っても、実はスピードも求められるのが、経理という職業です。
先ほどの利害関係者の中でも、特に経営者と投資家は、より早く財務数値を把握したいと考えています。
経営者にしてみれば、早ければ早いほど次の事業戦略を早く立てることができ、結果として稼げる金額も増える可能性があります。
また、投資家からしてみれば、早ければ早いほど追加投資や損切りなどの投資判断を早く決定することができ、結果として儲けが拡大する可能性があります。
経理業務を早くするコツとしては、データを集計して50%程度まで作業が進んだら、一度上司に確認してもらうことが挙げられます。
初心者の方は、集計すべき取引先を集計していなかったり、桁を1桁間違えていたりと、単純なケアレスミスが多いです。
経験を積んだ上司であれば、割と短時間でこのようなミスには気付いてくれます。
そして、このようなミスは早く見つかれば見つかるほど、上司には喜ばれます。
というのも、速報値として「だいたい当月はこのあたりの数値になりそうです。」という報告を、経営層なり他部署に早い段階で行うことがあり、この際に大きな取りこぼしがあると、経理部に対する信頼を損なう可能性があるからです。
3) 会計基準などの法律が絶対的存在
3つ目のポイントとしては、経理には会計基準や各種税法の規定、社内規定といった、絶対的に従うべき基準があるという点が挙げられます。
決算数値を作るのに、主観はいりません。
経理処理でわからない論点が発生した場合、必ず原典に戻ってください。
会計基準では何と書かれているのか?税法の規定ではどうなっているか?など、あるべき処理を常に追い求める必要があります。
人によっては窮屈さを感じるかもしれません。
しかし、世の中には答えが用意されていない職業がたくさんあり、そのような職業では上司や取引先のよくわからない裁量で、全ての物事が決まってしまいます。
この点、経理であれば、上司や経営者が何と言おうが、基準や規定に書いてあることが絶対なので、非常に明快であり、納得がいくはずです。
4) 完璧を求めすぎない
4つ目のポイントは、完璧をあまり追及しすぎないことです。
先ほど正確性が必要と言いましたが、ここでいう正確性とは、経営者や投資家などの意思決定に影響を及ぼすレベルの重要なミスを見逃さないことを意味します。
つまり、例えば100円の経費について、使用した営業に使途を聞き、領収書がなければ支払先に確認し、といったことまで求めているものではありません。
正確性と矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、経理業務は突き詰めればきりがありませんので、完璧を求めるのではなく、「重要なミスはない」と思えるところで一区切りをつけるのも大事なことです。
5. ググる習慣をつける
突然ですが、皆様は「ググる」と言われて意味がわかりますでしょうか?
ググるとは、検索エンジンのGoogleで検索することを言います。
そして、このググる習慣が、経理初心者には必要となります。
先ほど、ネットの記事は玉石混合であり、本を読む方が良いとお伝えしたばかりなので、矛盾しているのでは?と思われたかもしれません。
しかし、本を読むというのは業務外での話であり、業務中にわからないことがあるたびに、本を開いて勉強して答えを見つけるというのは現実的ではありません。
経理初心者はわからないことだらけですので、業務のスピードを考えた場合、とにかくググってググってググりまくる必要があります。
普段のネットサーフィンと異なり、明確な目的を持って検索するので、割と早く答えにいきつくことができます。
ただ注意していただきたいのは、あくまでネットの記事なので、怪しい論点については、先輩などに逐一確認した方が良いです。
社会人1年目の監査法人初年度は、とにかくググりました。
わからない単語があれば、それをそのままコピーしてすぐにググりました。
毎日数十回はググっていたと思います。
ただ、時々ググってもでてこないものがありました。
それは、自社内だけ、あるいはクライアントだけが使っている専門用語でした。
このようにいくらググっても答えがないものもありますので、ある程度のところで周りの人に聞く習慣もつけておいた方が良いと思います。
6. 転職市場のチェック
6つ目の経理初心者がやっておくべきおことは、転職市場のチェックです。
えっ?まだ経理として働き始めたばかりなのにもう転職?と思われたかもしれません。
ただ、ここで言いたいのは、あくまで転職市場を「チェック」することであり、実際に転職することではありません。
ではなぜ転職市場をチェックする必要があるのでしょうか?
それは、自分に足りないもを客観的に分析できるからです。
自分が望んでいる年収、職場環境、企業規模などの条件を満たした会社がどのような求人を出しているかリサーチすることで、自分に足りないものを把握することができます。
例えば、以下のような点です。
・決算業務の経験は何回必要?
・簿記2級は必須?
また、転職市場をチェックして、自分に足りないものを補っていき、いつでも転職できる状況にしておけば、今の会社にすがりつく必要はなくなり、自身の人事評価などに対しても強く発言することができます。
将来的にはフリーランス経理として活躍するというのも1つの方法ですので、自身の市場価値をしっかりと確認しておいてください。
(フリーランス経理については「経理がフリーランスになるのは可能?押さえるべきポイントは?」をご参照ください。)
自分の市場価値を知っておくことは、非常に大切なことです。
ただ、実際にエージェントと接触してまで転職市場をチェックするかは、慎重な判断が必要です。
と言いますのも、経理業界内は広いようで意外にせまいところがあり、エージェントと会っていたという情報が、気付いたら同僚に漏れていた。。という話も少なからずあるからです。
転職サイトに登録して、求人情報を確認してみる程度が、無難な選択かもしれません。
7. 他部署の人とランチをする
7つ目の初心者経理がやっておくべきことは、他部署の人と昼ご飯に行くことです。
経理にはコミュニケーションは必要ないのでは?と思っている方も多いですが、他部署とのコミュニケーションは非常に重要です。
例えば、経理は営業が締め日までに請求書を提出していなければ、帳簿に反映することができず、非常に困ります。
日ごろから営業とコミュニケーションをとっておき、「○○さんが困るから、めんどくさいけど請求書早めに出しとくか。」と思わせる程度の関係性を築ければ、しめたものです。
あるいは、経理で月次の数値を分析した結果、ボトルネックとなる事項を営業に伝える際に、普段全く接したことがない人間から、悪い点を一方的に指摘されたらカチンときてしまうかもしれません。
普段から適度なコミュニケーションをとっておけば、穏便にその場を済ますこともできます。
苦手な方もいるかもしれませんが、ランチは効果的な手段ですので、ぜひ利用してみてください。
正直なところ、私は会社の人とランチに行くのがあまり好きではなかったです。
ただ、定期的に少人数で行くと、普段聞けないような本音をポロっと漏らす人が多かったです。
特に他部署の状況などは、興味深い話題でした。
8. 経理の将来性ついて理解する
8つ目の初心者経理がやっておくべきことは、経理の将来性について正しく理解することです。
経理を続けていくことのメリットとデメリット(リスク)を、初めのうちからしっかり理解しておくことで、自身のキャリアプランを描くときの助けになります。
そして、経理の将来性を考える際に無視できないのが、AIの存在です。
詳細については「経理はAIでなくなる!?人工知能に負けないためには??」をご確認いただきたいのですが、簡単にお伝えすると、以下のAIが得意な経理業務だけをやっていてはAIに代替されますが、AIが苦手な経理業務をしっかりとこなせるようになれば、これからも経理として活躍していくことができます。
・毎月、毎年の定型業務
・エラーの発見業務
・分析数値を計算する業務
・AIの導入支援業務
・非定型業務
・分析結果から経営課題を考える業務
・M&Aや新規の投資などの経営判断
経理のキャリアプランについては「経理のキャリアプラン5選!働き方から見えるメリット・デメリット」も合わせてご確認ください。
9. 税理士や会計士との繋がりを作る
9つ目の経理初心者が押さえておくべきポイントとしては、税理士や公認会計士などの専門家とのつながりを持つことが考えられます。
経理業務をやっていたら、初めのうちはいくら調べても自分ではわかならいことが発生します。
もちろん上司に相談するのも間違っていないのですが、上司ですら判断に迷うような論点に出くわす時もあります。
そんな時に、事前に専門家の見解を聞いておき、それを上司に相談すれば、上司に「こいつできるやつだな。」と思わせることができるのです。
1) 社内の専門家とのつながり
一定以上の規模の会社であれば、顧問の税理士や公認会計士を抱えているので、まずはその人達とのつながりを持ってください。
と言っても、初めから何でもかんでも聞けと言っているのではないです。
相手も当然忙しいので、初めは挨拶程度で済ませておき、その後時間がある際にランチなどに誘ってみるのが良いかと思います。
あくまでいざという時のための下準備ですが、税理士や公認会計士も、事前にほとんど話しもしたことがない人に相談されるよりは、ある程度コンタクトをとったことがある相手の方が、気を許していろいろ教えてくれるものです。
2) 社外の専門家とのつながり
専門家とのつながりは、何も社内でないといけないというルールはありません。
可能であれば、社外の専門家ともつながっておくと、いざという時に助かると思います。
簡単に言うけど、税理士や公認会計士の人とどうやってつながればいいんだよ…と思われたかもしれません。
しかし、方法次第では意外に簡単につながりを持つことはできます。
例えば、士業の方が参加する交流会にでてみたり、専門家が開催するセミナーに出席してみたりなどが考えられます。
また、もっと手軽なところで言えば、X(旧Twitter)で情報を発信している専門家は多いので、気軽にフォローしてみるのも1つの方法です。
私も公認会計士という立場上わかるのですが、経理の方からの相談は割と嬉しいものです。
性善説に立った話をしているのではなく、単純に将来の顧客となる可能性があるからです。
その立場を利用して、経理の方は積極的に専門家にコンタクトをとるのは悪くないと思います。
ただ1点注意していただきたいのは、社外の専門家に相談する場合は、NDA(秘密保持契約)を結んでいるわけではないので、具体的な社内数値を伝えてはいけません。
あくまで一般化して、会計処理について相談する必要があります。
10. 1年間がむしゃらに頑張ってみる
最後は根性論になってしまいますが、とにかく経理初心者の人は初めの1年を、がむしゃらに頑張ってみることが大事です。
初年度というのは、本当に大事な年です。
初年度で周りから評価されれば、キャリアを順調に歩めるというのも大事な理由の1つなのですが、自身の成長の観点からも初年度は大事にしたい年です。
初めに仕事を頑張れる人材だと周りから思われれば、どんどん仕事を任せてもらえ、多くのスキルが身に付けられ、その結果としてまた多くの仕事を任されるという、成長のループに入ることができます。
「10年頑張って」と言われれば、自分には無理だよ。。。と思われるかもしれませんが、「1年頑張って」と言われれば、何とかなりそうな気がしませんか?
ぜひとも実りある1年にしてください。
監査法人時代、同じチームに配属された同期が1年目から存在感を発揮して、飛び級で昇進していきました。
初年度でのパフォーマンスの大切さを、この時身をもって実感しました。
次のベンチャー企業では、初年度からがむしゃらに頑張ったおかげで、経営戦略会議などに出席して会社全体の方向性を議論しあう立場になり、一従業員のままでは学ぶことができなかった、会社全体を見る経営者視点について学ぶことができました。
とにかく1年目は非常に大事なので、皆様もひたむきに頑張ってください。
11. 終わりに
経理初心者がまずやるべきことについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
右も左もわからない状況で不安かもしれませんが、誰しもが通ってきた道です。
自分を信じて、1つ1つ経験を積み上げていきましょう。
12. まとめ
◆資格取得。
◆読書。
◆要点を押さえる。
◆ググるスキルを上げる。
◆市場価値のチェック。
◆同僚とのランチ。
◆将来性についての理解。
◆専門家とのつながり。
◆1年本気で頑張る。