ビジネス会計検定2級とは?3級との違いは?挑戦すべき5つの理由

posted in: ビジネス会計検定 | 0
・ビジネスに役立つ会計知識がほしいな
・まずは簿記2級から取得しようかな
・でも、簿記は本当に実務で使えるの?
・そもそも簿記は経理の資格なのでは?

ビジネス会計検定は、そんな風に悩んでいるビジネスパーソンにうってつけの資格です。

簿記が財務諸表を「作成」する知識を測る試験ならば、ビジネス会計検定は財務諸表を「分析」する力を測る試験です。

実は、経理職以外のビジネスパーソンにとっては、簿記よりもビジネス会計検定の勉強をした方が、仕事に必要な会計知識が身につきやすいです。

企業において財務諸表を作るのは経理の仕事ですが、財務諸表を分析する知識は、あらゆる職種にとって役に立てられる知識だからです。

ビジネス会計検定は3級から1級まで実施されていますが、本格的に仕事に活かせるレベルは2級以上です。

3級よりも実践的で、1級よりも易しい問題が出題される2級。

そんなビジネス会計検定2級とはどのような資格なのか?について、本記事では解説していきます。

筆者の情報
・公認会計士
・ビジネス会計検定合格
・監査法人➡経理に出向➡ベンチャー➡自営業
・ビジネス会計検定2級に一発合格した経験をもとにビジネス会計検定講座2級講師を担当。

 

 

1. 3級と何が違うの?

ビジネス会計検定3級と何が違うの?

ビジネス会計検定2級と聞いてまず思い浮かぶのが、「3級と何が違うの?」といった点ではないでしょうか?

そこではじめに、ビジネス会計検定2級と3級の違いについて、解説していきます。

ビジネス会計検定3級と2級は、大きく分けると前半部分の「知識」の章と、後半部分の「分析」の章に分かれます。

以下で、それぞれの章における3級と2級の違いについて、お伝えしていきます。

 

1) 知識

「知識」の章は、3級の公式テキストであれば第1章~第4章、2級の公式テキストであれば第1章~第8章が該当します。

そして、ビジネス会計検定2級で新たに出てくる論点が、『連結財務諸表』です。

連結財務諸表と聞くと、「何が難しそうだな、、」と思う人もいるかもしれません。

確かに、簿記検定2級で出てくるような連結財務諸表の仕訳作成問題は、難易度の高い問題となります。

一方で、ビジネス会計検定では、仕訳が問われることはなく、「連結の範囲」や「連結財務諸表特有の用語」などが出題されます。

これは、簿記検定が財務諸表を「作成する」ことに重きを置いているのに対して、ビジネス会計検定が財務諸表を「分析する」ことに重きを置いているための違いとなります。

「連結財務諸表を作るのではなく、とりあえず読めるようになりたい!」という人には、ビジネス会計検定2級がおすすめと言えます。

(連結会計の詳細については、「連結の範囲の決め方は?そもそも連結とは何?なぜ必要??」も合わせてご確認ください。)

 

2) 分析

「分析」の章は、3級の公式テキストであれば第5章、2級の公式テキストであれば第9章が該当します。

そして、ビジネス会計検定2級で新たに出てくる論点としては、以下の4つがあります。

・キャッシュフローの分析
・セグメント情報の分析
・連単倍率、規模倍率
・損益分岐点分析

さらに、3級で扱った安全性分析・収益性分析や1株当たり分析などについても、新たな分析指標が2級から追加されております。

、、、具体的にどのような指標が問われるの?と思われたかもしれません。

そこで、ビジネス会計検定2級から新たに出てくる指標について、いくつか例題を掲載しておきますので、3級との違いを押さえる意味でも、確認してみてください。

 

① 安全性分析

安全性分析(ビジネス会計検定2級):固定比率 固定長期適合率ー問題

 

② 収益性分析

収益性分析(ビジネス会計検定2級):キャッシュコンバージョンサイクルー問題

 

③ キャッシュフロー分析

CF分析(ビジネス会計検定2級):営業CFマージンー問題

 

④ 連単倍率・規模倍率

連単倍率・規模倍率(ビジネス会計検定2級):資産規模の割に収益性は高い低いー問題

 

⑤ 損益分岐点分析

損益分岐点分析(ビジネス会計検定2級):損益分岐点売上高ー問題

 

⑥ 1株当たり分析

1株当たり分析(ビジネス会計検定2級):配当利回りー問題

 

⑦ 1人当たり分析

1人当たり分析(ビジネス会計検定2級):労働装備率-問題

いかがでしょうか?

もし上記の問題全てに迷いなく解答できたのであれば、ビジネス会計検定2級を受験する必要はありません。

反対に、少しでも解答に迷いがあった、あるいは全くわからなかった人は、ビジネス会計検定2級の受験を検討してみてください。

また、3級の勉強をしていない人は、いきなり2級から勉強を始めるのではなく、3級から勉強するのがおすすめです。

3級の詳細につきましては、「ビジネス会計検定3級とは?なぜ今注目を集めているの?」をご参照ください。

それでは、ビジネス会計検定2級の詳細について、次項から見ていきましょう。

 

*参考:先ほどの答え

① 安全性分析:固定比率・固定長期適合率

安全性分析(ビジネス会計検定2級):固定比率 固定長期適合率ー解答

 

② 収益性分析:キャッシュコンバージョンサイクル

収益性分析(ビジネス会計検定2級):キャッシュコンバージョンサイクルー解答

 

③ キャッシュフロー分析:CFマージン

CF分析(ビジネス会計検定2級):営業CFマージンー解答

 

④ 連単倍率・規模倍率

連単倍率・規模倍率(ビジネス会計検定2級):資産規模の割に収益性は高い低いー解答

 

⑤ 損益分岐点分析:損益分岐点売上高

損益分岐点分析(ビジネス会計検定2級):損益分岐点売上高ー解答

 

⑥ 1株当たり分析:配当利回り

1株当たり分析(ビジネス会計検定2級):配当利回りー解答

 

⑦ 1人当たり分析:労働装備率

1人当たり分析(ビジネス会計検定2級):労働装備率-解答

 

2. 2級の出題形式と受験要項

ビジネス会計検定2級

ビジネス会計検定2級は、大阪商工会議所が主催している検定試験です。

2級では、有価証券報告書に記載されている連結財務諸表の項目や、計算構造について問われます。

さらに、キャッシュフローの計算や、企業の採算性をチェックする損益分岐点なども出題範囲となります。

 

1) 出題形式

出題形式は、4択か5択のいずれかによるマークシート方式で、制限時間は120分。

正誤問題、穴埋め問題、計算問題などが出題されます。

全50問(各2点)の100点満点であり、70点以上取得すると合格です。

大問4つ(前半2つ:個別問題、後半2つ:総合問題)から構成されており、例えば第25回・26回の試験問題の構成は、以下の通りとなります。

(*個別問題:1問1問が独立した問題。)
(*総合問題:与えられた財務諸表に関連した複数の問題。)

 

■第25回試験(2019年9月実施)

【大問Ⅰ:個別問題(全9問)】

出題内容はこちら
・開示書類の種類
・連結の範囲
・リース資産
・減価償却
・包括利益
・連結株主資本等変動計算書
・キャッシュフロー循環
・短期の安全性分析
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル

【大問Ⅱ:個別問題(全7問)】

出題内容はこちら
・持分法
・満期保有目的の債券
・有利子負債
・経常利益
・キャッシュフロー計算書の現金の範囲
・安全性分析
・税金等調整前当期純利益の計算

【大問Ⅲ:総合問題(全17問)】

出題内容はこちら
・連結財務諸表の穴埋め
・非支配株主持分
・持分法による投資利益
・債権/債務の増減
・安全性分析
・収益性分析
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・フリー・キャッシュフロー
・キャッシュフロー分析
・規模倍率
・セグメント分析
・1株当たり分析
(時価総額/配当性向/配当利回り)
・1人当たり分析

【大問Ⅳ:総合問題(全17問)】

出題内容はこちら
・連結財務諸表の穴埋め
・短期の安全性分析
・長期の安全性分析
・収益性分析(資本利益率)
・収益性分析(回転期間・回転率)
・収益性分析(ROE)
・キャッシュフロー分析
・CVP分析

 

■第26回試験(2020年3月実施)

【大問Ⅰ:個別問題(全6問)】

出題内容はこちら
・資産の評価
・株主資本
・当期製品製造原価
・非支配株主に帰属する利益
・会計方針の変更
・1株当たり分析(BPS/PBR/EPS)

【大問Ⅱ:個別問題(全7問)】

出題内容はこちら
・連結計算書類の範囲
・連結財務諸表に特有の科目
・営業外費用
・株主資本の変動事由
・営業活動によるキャッシュフロー
・有価証券の評価
・売上原価の計算

【大問Ⅲ:総合問題(全21問)】

出題内容はこちら
・連結財務諸表の穴埋め
・短期の安全性分析
(手元流動性比率/ネットキャッシュ)
・長期の安全性分析
(固定長期適合率/負債比率)
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・収益性分析(資本利益率)
・収益性分析(回転期間・回転率)
・収益性分析(ROE)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・キャッシュフロー分析
・CVP分析
・1株当たり分析(株式益回り/時価総額)

【大問Ⅳ:総合問題(全16問)】

出題内容はこちら
・連結財務諸表の穴埋め
・会社状況の読み取り
・短期の安全性分析
(正味運転資本/当座比率)
・長期の安全性分析(自己資本比率)
・収益性分析(回転期間・回転率)
・収益性分析(ROA)
・キャッシュフロー分析
・1株当たり分析
(PER/PBR/配当性向/配当利回り)
・1人当たり分析

 

上記の通り、実施回によって前半部分の個別問題と、後半部分の総合問題の問題数の割合が異なります。

総合問題の問題数が多くなる方が、体感的には難しく感じやすいですが、全50問の配分が変わっただけなので、本番ではあまり気にする必要はないです。

また、回によって出題される分野に多少のバラツキはありますが、おおむね各分野の基本的な問題が満遍なく出題されておりますので、基礎をしっかりと押さえることが大切と言えます。

 

2) 受験要項

2020年度の受験要項は、以下の通りとなります。

  

■第27回試験

試験日:2020年10月18日
申込期間:8月12日~9月11日
8月31日(月)~9月11日(金)に短縮
受験票発送日:10月1日
成績票・合格証書発送日:11月26日

*第27回は、受験地・受験級ごとに、受験申込者の定員が設定されていますので、ご注意ください。

 

■第28回試験 

試験日:2021年3月14日
申込期間:1月6日~2月5日
受験票発送日:2月25日
成績票・合格証書発送日:4月22日

 

ビジネス会計検定2級の受験料は、6,600円(税込)です。

受験資格には制限がなく、誰でも受験可能です。

受験地は、札幌・仙台・さいたま・東京・横浜・新潟・金沢・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・山口・松山・福岡・より選択できます。

 

3. 2級の難易度

ビジネス会計検定2級の難易度

過去のビジネス会計検定2級の、合格率を見てみましょう。

◆第26回試験:合格率54%
◆第25回試験:合格率49%
◆第24回試験:合格率48%
◆第23回試験:合格率36%
◆第22回試験:合格率41%
◆第21回試験:合格率30%

このように、過去の合格率を見ると、40%前後であるとわかります。

これは、日商簿記2級の合格率20%前後よりも高めであり、決して難易度の高い試験とは言えません。

しかし、易しいというわけでもないです。

合格するためには、しっかりとした試験対策が必要な難易度と言えます。

ビジネス会計検定の難易度の詳細は「ビジネス会計検定の難易度・合格率は??」をご確認ください。

 

4. 勉強方法・勉強時間

ビジネス会計検定2級の勉強方法・勉強時間

すでに簿記検定3級やビジネス会計検定3級に合格している、あるいは会社で経理の仕事をしているなど、ある程度の会計知識がある場合、時間はかかりますが独学での合格も可能です。

勉強方法としては、大阪商工会議所が販売している「ビジネス会計検定試験 公式テキスト2級」及び「ビジネス会計検定試験 公式過去問題集2級」を使用しての勉強が基本となります。

ビジネス会計検定2級公式テキスト&公式問題集

 

公式テキストと公式問題集を使って独学で勉強する場合、3級約100時間2級約200時間程度が勉強時間の目安となります。

(勉強時間・勉強期間の詳細につきましては「ビジネス会計検定試験の勉強時間・勉強期間はどのくらい??」をご確認ください。)

しかし、全くの初学者であり、会計の知識に乏しい人にとっては、独学での2級合格は厳しいでしょう。

そのような人は、まずは3級の合格を目指しましょう。

または、ビジネス会計検定対策を行っている、予備校を利用するのも一つの方法です。

★最短合格を目指すにはどうすればいい?
誰しもできれば、最短合格したいと考えるのではないでしょうか?
検定や資格はあくまで「手段」であり、本来は「目的」のために時間を使うべきです。

例えば、株式投資のために財務分析力をつけたいので、ビジネス会計検定2級を勉強するのなら、ビジネス会計検定2級を最短合格して、その分の時間を株式投資の実践にまわすべきです。

会計ショップのビジネス会計検定2級講座では、出題可能性の高い頻出論点に的を絞り、最短合格を目指せるように設計されております。

一緒に最短合格を目指しましょう!

 

5. 2級に挑戦すべき5つの理由!

挑戦すべき4つの理由!

1) 2級だとより実践的な力がつき、実務に活かせる

ビジネス会計検定2級の学習で得られる知識は、財務諸表分析の応用的な知識です。

机上の空論ではなく、実際のビジネスの現場で活用できる実践的なものです。

例えば、営業の際、取引先の企業を会計の視点で分析できたり、前期と比較してどのような財務状況なのか判断したりできます。

経理職であれば、財務諸表の作成だけでなく、より実践的な分析を駆使して自社の財務状況を分析し、事業の課題を発見&提案することができます。

このように、ビジネス会計検定2級の知識があれば、実務に活かせる知識が身に付けられるのです。

 

2) 3級を受けるなら2級も同時受験した方がお得!?

ビジネス会計検定は、3級と2級の併願(同時受験)が可能です。

ビジネス会計検定3級は、財務諸表分析の基礎を学ぶものであり、まだビジネス会計検定3級に合格していない場合は、まず財務諸表分析の基礎を固める意味でも、3級から受験するのがおすすめとなります。

そして、どうせ3級を受験するのであれば、3級の知識が前提となる2級も併願で受験する方が、効率的に学習を進めることができます。

3級と2級を併願することで、もし2級に不合格でも、3級に合格すればビジネス会計検定3級に合格した実績が得られます。

試験は年に2回実施されるので、もし3級のみの合格でも、半年後に2級にチャレンジすることが可能となります。

3級と2級の同時受験については「ビジネス会計検定は併願(ダブル受験)がおすすめ?」も合わせてご確認ください。

 

3) 就職や転職で武器にできる

ビジネス会計検定2級の知識は、企業への就職や転職の際に武器となります。

会計の知識はビジネスにとって重要ですが、多くのビジネスパーソンは会計の知識に乏しく、会計を理解していることが差別化要因になるためです。

また、ビジネス会計検定の認知度もまだ低く、試験の合格者もまだ多くないため、市場にライバルが少ないとも言えます。

そこで、ビジネス会計検定2級の知識で会計力をアピールできれば、業務に必要なスキルにプラスして、会計や経営の視点で仕事ができる人材として評価されるかもしれません。

さらに、試験勉強で得た知識は、応募する企業の財務状態の分析にも活かせます。

事前に自分が希望する企業の成長性や安全性を分析することで、本当に就職・転職すべき企業か?といった点について、自分なりに判断を下すことができます。

このようにビジネス会計検定の知識は、就職や転職活動を進めるうえで大きな武器となるのです。

 

4) 2級の知識は起業・独立後に役に立つ

ビジネス会計検定2級の知識は、経営者や個人事業主として事業を行うときにも役に立ちます。

経営者や個人事業主にとって、事業計画の立案や見直しの際に、安全性・収益性・成長性や損益分岐点といった観点から財務分析ができれば、数字を使って客観的に自分の事業を分析できます。

私自身自営業として日々活動する中で、ビジネスを会計数値に置き換える力の重要性を実感しています。

ビジネス会計検定2級の知識は、事業の課題を会計数値を利用して乗り越えるのにも役に立つのです。

 

5) 株式投資にも役立つ

ビジネス会計検定2級では、連結財務諸表を前提とした財務分析知識を学べるため、理論上ほとんどの企業について、財務分析を行うことができます。

つまり、プライベートで資産形成のために株式投資を行う際に、より多くの企業を投資対象候補として扱うことができます。

収益性・安全性・成長性といった様々な切り口で財務分析を行い、株価の上がり下がりを予測する基礎的なスキルを、身に付けることができるのです。

 

6. 終わりに

ビジネス会計検定2級について、ざっと解説してきました。

簿記検定と比べるとまだまだ認知度が低く、受験者も多くありませんが、ビジネスに役に立つ試験であることが、おわかりいただけたかと思います。

すでにビジネス会計検定3級に合格した人は、次のステップとして2級を検討してみてください。

2級に合格すれば、この記事で紹介した様々なメリットを得られます。

財務諸表を中心とした数字に強いビジネスパーソンは、企業内で高く評価されます。

ビジネス会計検定2級に挑戦して、仕事のできる社会人を目指しましょう。

 

7. まとめ

Point!

◆3級との違い
・連結財務諸表が前提
・より応用的な分析指標の追加
◆合格率は40%前後であり、簿記検定2級の20%前後よりも高い。
◆挑戦すべき理由
・実践的な知識の獲得
・3級との併願が効率的
・就職、転職での評価
・起業、独立や株式投資に役立つ

ビジネス会計検定講座はこちら