簿記の仕訳の基本ルールをマスターしよう!

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簿記の勉強で必ず必要になるのが仕訳をマスターすることです。

逆に言うと1つ1つの仕訳を身につければ、簿記のその他の論点は難しくありません。

そこで今回は仕訳の基本ルールについてご紹介していきます。

何事も基本が大事です。

簿記の土台となる仕訳の基本的な知識をマスターすることで応用的な論点にも対応でき、簿記検定で合格点が取れるようになります。

 

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1. 借方と貸方

借方と貸方

取引が発生して会計上仕訳を切る際には、少なくとも2つの勘定科目が発生します。

そして、それは借方(左側)で最低1つ、貸方(右側)で最低1つ発生します。

例えば現金で商品10万円分を購入した際は、

借方 貸方
仕入 100,000 現金預金 100,000

という仕訳を切ります。

どんな取引にも必ず2つの側面が存在します。

今回の取引であれば「仕入れという費用が10万円分増える」といった側面と、「現金という資産が10万円減る」といった2つの側面があります。

そのそれぞれを借方と貸方に分けて記帳するというのが仕訳の前提となるルールとなります。

 

余談ですが、簿記や会計の世界で数字を表記する時は、一定の区切りで「,(コンマ)」を打つことで、パッと見て金額がすぐにわかるように工夫されています。

覚え方のコツとしては、コンマがつく直後の単位を覚えることです。

以下を参考にしてみてください。

・1,000:千円
・1,000,000:百万円
・1,000,000,000:十億円

 

それでは次項以降で仕訳の基本的ルールのポイントについて見ていきましょう。

 

2. 8つの基本ルールを暗記する:Point①

8つの基本ルールを暗記する:Point①

仕訳には基本となる以下の8つのルールがあります。

借方 貸方
資産の増加 資産の減少
負債の減少 負債の増加
資本の減少 資本の増加
費用の発生 収益の発生

こちらは大前提となる知識ですので暗記してください。

小学校で算数を勉強したときに、「1+1=2」になるという前提は理屈で覚えるのではなく、そういうものだと覚えたかと思いますが、それと同じです。

とにかくこのルールは暗記してください。

8つも覚えるのは大変と思うかもしれませんが、実質的には4つ覚えれば良いだけです。

例えば「資産の増加が借方になる」と覚えておけば、資産の減少が貸方になるのを覚えていなくても、反対なのですぐ思い出せます。

たった4つ覚えればいいだけですので、しっかり覚えてください。

ちなみに、上の3行に記載されている「資産」「負債」「資本(純資産)」は貸借対照表と呼ばれる会社の財政状態(ストック情報)を表す書類に掲載されるものであり、下1行の「収益」「費用」は損益計算書と呼ばれる会社の経営成績(フロー情報)を表す書類に掲載されます。

貸借対照表と損益計算書の違いについては「損益計算書と貸借対照表の違いは??」をご参照ください。

貸借対照表や損益計算書は財務諸表と呼ばれる書類の1つとなるのですが、財務諸表にはこの他に株主資本変動計算書やキャッシュフロー計算書などがあります。

「資本」については上述の通り貸借対照表に掲載されるだけでなく、株主資本等変動計算書でその詳細が記述されております。

いい機会ですので、ご自身が興味のある企業の財務諸表をネットで調べて実際に見てみるのもおすすめです。

 

3. 勘定科目の分類を暗記する:Point②

勘定科目の分類を暗記する:Point②

仕訳の8つの基本ルールを暗記したら、次は各勘定科目が「資産」「負債」「資本(純資産)」「収益」「費用」のいずれに該当するのかを暗記してください。

代表的な例を以下に記載しますのでご確認ください。

【資産】
現金預金・売掛金・受取手形・商品・貸付金・建物・土地・貸倒引当金

【負債】
買掛金・支払手形・借入金

【資本】
資本金・繰越利益剰余金

【収益】
売上・受取利息

【費用】
仕入・給料・広告宣伝費・貸倒引当金繰入額・支払利息

簿記に関連する勘定科目一覧については「簿記の勘定科目一覧&覚え方のポイント!」をご参照ください。

 

4. とにかく数をこなす!:Point③

とにかく数をこなす!:Point③

8つの基本ルールと勘定科目の分類をある程度頭に入れたら、後はひたすら数をこなしてください。

仕訳を切って、切って、切りまくってください。

よく理屈で仕訳を理解しようとする方がいますが、初めは理屈ではなく体に覚え込ませることが大事です。

そのためにはテキストや問題集で多くの仕訳を見て・解いてを繰り返してください。

また、この際に実際に手を動かして問題を解いてみてください。

手を動かすとただ見るより時間がかかり非効率だと思われるかもしれませんが、視覚だけでなく触覚も刺激することとなり、1回あたりの記憶の定着度合いが格段に上がります。

さらに、手を動かすことでやる気物質であるドーパミンが増加するので、モチベーションの維持にもつながります。

急がば回れ。

騙されたと思って手を動かしながら数をこなしてみてください。

 

5. 例題20選

例題20選

それでは仕訳の例題を見ていきましょう。

数をこなすことが大事ですので、少し多めですが20通りの仕訳を用意しております。

どれも基本的な仕訳ですのでしっかり頭に入れてください。

なお、各勘定科目の分類は以下に従って記載しております。

・資産の増加:「資産
・資産の減少:「資産
・負債の増加:「負債
・負債の減少:「負債
・資本の増加:「資本
・資本の減少:「資本
・収益の発生:「収益
・費用の発生:「資産

1) 200万円の商品を掛けで仕入れた。

借方 貸方
仕入(費用)
2,000,000
買掛金(負債)
2,000,000

*「掛け取引」については「簿記:売掛金と買掛金のポイント3選!」をご参照ください。

 

2) 買掛金200万円を仕入先に支払った。

借方 貸方
買掛金(負債)
2,000,000
現金預金(資産)
2,000,000

 

3) 300万円の商品を掛けで売り上げた。

借方 貸方
売掛金(資産)
3,000,000
売上(収益)
3,000,000

 

4) 売掛金300万円の代金を取引先から受け取った。

借方 貸方
現金預金(資産)
3,000,000
売掛金(資産)
3,000,000

 

5) 1,000万円を銀行から借り入れた。

借方 貸方
現金預金(資産)
10,000,000
借入金(負債)
10,000,000

 

6) 借入金の利息50万円を支払った。

借方 貸方
支払利息(費用)
500,000
現金預金(資産)
500,000

 

7) 借入金1,000万円を銀行に返済した。

借方 貸方
借入金(負債)
10,000,000
現金預金(資産)
10,000,000

  

8) 2,000万円を取引先に貸し付けた。

借方 貸方
貸付金(資産)
20,000,000
現金預金(資産)
20,000,000

 

9) 貸付金の利息100万円を受け取った。

借方 貸方
現金預金(資産)
1,000,000
受取利息(収益)
1,000,000

 

10) 貸付金2,000万円の返済を取引先から受け取った。

借方 貸方
現金預金(資産)
20,000,000
貸付金(資産)
20,000,000

 

11) 増資を行い3,000万円調達した。

借方 貸方
現金預金(資産)
30,000,000
資本金(資本)
30,000,000

 

12) 土地5,000万円と建物3,000万円を購入した。

借方 貸方
土地(資産)
50,000,000
建物(資産)
30,000,000
現金預金(資産)
80,000,000

 

13) 広告宣伝費30万円を広告代理店に支払った。

借方 貸方
広告宣伝費(費用)
300,000
現金預金(資産)
300,000

 

14) 取引先に対する売掛金について貸倒引当金300万円を計上した。

借方 貸方
貸倒引当金繰入額(費用)
3,000,000
貸倒引当(資産)
3,000,000

 

15) 商品40万円分を仕入れ、代金は手形で支払った。

借方 貸方
仕入(費用)
400,000
支払手形(負債)
400,00

*「手形取引」については「簿記:約束手形とは?裏書譲渡・割引きとは?」をご参照ください。

 

16) 支払手形40万円を仕入先に支払った。

借方 貸方
支払手形(負債)
400,000
現金預金(資産)
400,000

 

17) 商品60万円分を売り上げ、代金は手形で受け取った。

借方 貸方
受取手形(資産)
600,000
売上(収益)
600,000

 

18) 受取手形60万円の代金を取引先から受け取った。

借方 貸方
現金預金(資産)
600,000
受取手形(資産)
600,000

 

19) 従業員に対して給料40万円を支払った。

借方 貸方
給料(費用)
400,000
現金預金(資産)
400,0000

 

20) 商品30万円分を仕入、代金は小切手で支払った。

借方 貸方
仕入(費用)
300,000
現金預金(当座預金)(資産)
300,000

*「小切手」については「簿記:小切手とは?」をご参照ください。

 

6. 終わりに

いかがでしたでしょうか?

簿記の大前提となる仕訳。

その仕訳の基本的ルールについて見ていきました。

基本を押さえたら、後は多くの仕訳にあたるだけで実力は自然とついていきます。

始めは無味乾燥のただの暗記に思えるかもしれませんが、勉強を続けていくといつか「わかった!」とスラスラ解けるようになるので、それまで学習し続けてください。

 

7. まとめ

Point!

◆借方(左側):資産の増加・負債の減少・資本の減少・費用の発生。
◆貸方(右側):資産の減少・負債の増加・資本の増加・収益の発生。
◆勘定科目が資産・負債・資本・収益・費用のいずれに分類されるかを暗記する。
◆基本ルールをマスターするためにも多くの仕訳に触れることが大切。

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