ビジネス会計検定は独学で勉強した方がいいのか?
それとも予備校を利用した方がいいのか?
今回はこのような疑問をお持ちの皆様に、独学での合格について解説していきます。
1. 独学のメリット&デメリット
まず初めに、独学のメリットとデメリットについて、箇条書きでまとめておきますので、参考にしてみてください。
【メリット】
・予備校代がかからない。
・自分のペースで勉強できる。
・主体性が身に付きやすい。
【デメリット】
・多くの教材に手を出してしまう。
・モチベーションが維持できない。
・勉強期間が長期化しやすい。
・試験のポイントがわからない。
2. 3級は独学で合格可能?
難関試験である公認会計士試験から比較的簡単な簿記検定まで、どの試験でも独学で合格する人は当然に存在します。
ビジネス会計検定3級も例外ではなく、以下の点から独学でも十分合格可能と言えます。
・記述式ではなくマーク式の試験。
・公式テキスト、問題集から出題。
「ビジネス会計検定試験公式テキスト3級<第5版>」「ビジネス会計検定試験公式過去問題集3級<第6版>」の2つの教材を繰り返すことが、独学合格のポイントとなります。
ただ、ここで問題となるのが、「合格可能性」が独学であると下がるか否か?といった点です。
ビジネス会計検定3級を受験する方々は、基本的に会計に対してまだ知識がない人が多いです。
このような人達が、会計に関する前提知識のないまま、公式テキスト数百ページを読むのはとても非効率的であり、勉強時間が足りない、または受験を途中であきらめてしまうといった結果になってしまいがちです。
経理部などに所属しており、ある程度会計知識がある人、または、勉強時間がしっかり確保できる人は、独学でも合格する可能性は十分あります。
しかし、経理部でもなく勉強時間も確保できない人は、予備校のビジネス会計検定講座を受講して、合格可能性を高めるのがおすすめです。
また、「必要な勉強時間」についても、独学を検討する場合は考慮する必要があります。
初学者の方がビジネス会計検定3級を受験する場合、100時間程度の勉強時間が必要となりますが、独学の場合は、追加で20~50時間程度の勉強時間が必要となることが考えられます。
そのため、必要な勉強時間の点からも、予備校を利用した効率的な勉強がおすすめとなります。
ビジネス会計検定3級の詳細につきましては「ビジネス会計検定3級が必要ない人とは?受験要項や難易度は?」をご確認ください。
3. 2級は独学で合格可能?
まず、ビジネス会計検定3級の内容が頭に入っていない人は、2級を独学で受験するのは避けた方が良いです。
「会計には触れたことがあるけど、自分が3級程度の知識を持っているかわからない。。」
そんな人は、試しに以下の問題に目を通してみてください。
いかがでしょうか?
上記の問題に即答できた人は、ビジネス会計検定3級の内容がしっかりと身に付いているため、2級を独学で受験できる、最低限の実力はあると言えます。
一方で、即答できなかった人は、そもそも3級の内容が不十分なので、2級を独学で受験するか否か判断する前に、3級の勉強を始めてみてください。
(参考までに、解答を載せておきます。)
また、ビジネス会計検定3級と2級の受験上の一番の違いは「連結財務諸表」に関する知識が問われるか否かです。
一般的なビジネスパーソンであれば、「連結財務諸表」について、あまり馴染みがないことが想定されます。
そのため、「連結財務諸表」と聞いてぱっとイメージがわかなければ、予備校の講座を受講することをおすすめいたします。
中途半端な知識で試験に臨むと結局何も得られないので、ぜひとも実務でも使える知識を身につけて、試験に臨んでください。
さらに、ビジネス会計検定2級に初学者が合格するには、通常200時間程度の勉強時間が必要となりますが、3級同様に独学の場合は、追加での勉強時間が必要となることが考えられます。
特に2級の場合、連結財務諸表に関する知識を独学で学ぶのは骨が折れるため、簿記2級合格者以上の実力がなければ、予備校の講座を受講するのがおすすめとなります。
ビジネス会計検定2級の詳細につきましては「ビジネス会計検定試験の2級とは?挑戦すべき5つの理由」をご確認ください。
4. 独学を検討する上で大事なことは?
独学か否かを検討する際にぜひ押さえていただきたいのが、いかにして「合格する知識」を得るか?といった点です。
市販教材やネットの知識を集めて、何とかビジネス会計検定の知識を理解することは、可能かもしれません。
しかし、「理解」することと「合格」することの間には、大きな差があります。
そして、検定試験である以上、合格することをまず第一に考えて取り組む人が、大多数かと思います。
「合格」するための知識を得るためには、専門の知識を持った講師に最短ルートを教わるのが一番ですので、この点でも予備校の講座を受講することがおススメと言えます。
独学と予備校の比較については、「ビジネス会計検定の対策・勉強は通信講座(予備校)がいい理由」もご参照ください。
短期間でビジネス会計検定に合格したいなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。
頻出論点を短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。
・3級講義時間:約15分×20回
・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき
5. 勉強の4つのポイント
ここでは、独学派・予備校派に共通して大切となる、勉強の4つのポイントを解説していきます。
1) 公式テキストと公式問題集の繰り返し
公式テキストで学習した範囲については、その日のうちに(難しければ翌日までに)公式問題集を解いてください。
人間の脳は1日・1週間と経過するうちに、ものすごい勢いでインプットしたことを忘れていきます。
エビングハウスの忘却曲線と呼ばれる研究結果で、時間と忘却の関係について数値化された以下の結果がでております。
・1時間後:記憶した56%を忘れる
・9時間後:記憶した 64%を忘れる
・1日後:記憶した 67%を忘れる
・2日後:記憶した 72%を忘れる
・6日後:記憶した 75%を忘れる
・31日後:記憶した 79%を忘れる
独学でやるにしろ予備校を使用するにせよ、記憶した内容を忘れることからは逃げられません。
ただ、適切なタイミングでインプットした内容をアウトプット(復習)をすることで、忘却を遅らせ長期的な記憶にすることができるという研究結果もあります。
そのタイミングとは、①「 1日以内」、②「1週間以内」、③「1か月以内」の3回です。
この3回のタイミングで復習することができるかが鍵となりますので、1日以内・1週間以内・1か月以内の3回のタイミングで問題集による復習の習慣をつけましょう。
公認会計士試験を受験する際に、ネットや書籍から様々な勉強方法を収集していましたが、結果として始めは落ちてしまいました。
では合格した年に何をしたかというと、自分に合った勉強法を見つけた、、、のではなく、ただ単にテキストと問題集を愚直に繰り返しただけでした。
今回ご紹介したように、適切なタイミングで復習するなどの勉強方法を実践することも大切ですが、結局のところ、何回インプットとアウトプットを繰り返したかが重要となってきます。
もし結果が出なければ、それは単に繰り返しが足りないだけだと思います。
苦しい時期もあるかもしれませんが、「あと1回繰り返したら合格できるかもしれない」という気持ちで、諦めずに頑張ってください。
2) はじめは答えを見ていいので全ての問題を解く
問題集を解いていてわからない箇所がある場合は、はじめはすぐに解説を見てください。
後から時間が経つと自然とわかることもあるため、まずは一通り学習することを第1に考えて、1問1問にあまり時間を割かない方が効率的です。
特に独学で勉強している場合は途中でつまずきやすく、そこから前に進めない状況に陥ることが多々あるため、まずは全体を一度やり切ることを頭に入れておいてください。
3) わからなかった箇所は付箋を付けるorノートにまとめる
解けなかった箇所だけを後から復習する方が、費用対効果が非常に高いです。
解けた問題も次に解いてみたら忘れているかもしれないと、不安になる気持ちもわかりますが、一度解けた問題は案外忘れないものです。
そのため、解けなかった問題のみ後から解けるように、付箋等を貼っておきましょう。
また、時間は少しかかりますが、わからなかった箇所をノートにまとめることで、理解できていない箇所が明確になりますので、時間がある際はぜひ試してみてください。
4) 受験することを周りに宣言する
自分ひとりで勉強していると、どうしても途中であきらめたくなるものです。
そんな時は、近しい人でかまいませんので、「ビジネス会計検定を受験します!」と宣言してみてください。
周りに言うことで、周りの人がモチベーション管理機能を果たしてくれることがあります。
「勉強進んでる?」と聞かれるとドキッとして、勉強しなければという思いに駆られます。
宣言する人がいない場合は、X(旧Twitter)などのSNSでもかまいません。
また、可能な範囲でかまいませんので、勉強の経過も報告してみてください。
他人に報告することで、自分の現在の進捗状況を客観的に把握することができます。
6. 終わりに
いかがでしたでしょうか?
独学はお金がかからないと考えがちですが、時間という資源を余分に使ってしまう可能性があります。
独学のリスクを理解した上で、ご自身で納得のいく方法で、勉強を開始しましょう。
7. まとめ
◆ただ、合格可能性や勉強時間を考えると、時間をお金で買った方が得。
◆3級の内容が頭に入っていない、「連結」の意味が分からない場合は、2級の独学は避ける。
◆勉強のポイント
・公式テキスト・問題集の繰り返し。
・答えを見てもいいので全ての問題を解く。
・わからなかった箇所は付箋を付ける。
・受験することを宣言する。