中小企業診断士の魅力とは、何でしょうか?
中小企業診断士という肩書に、魅力があるのでしょうか?
実は、中小企業診断士という肩書自体には、大して魅力はないです。
ではなぜ、毎年2万人もの受験申込者がいる、人気の資格となっているのでしょうか?
今回は、そんな中小企業診断士の魅力について、5つ解説していきます。
また、後半では、中小企業診断士に魅力を感じたら、まず取るべき行動についてもお伝えしておりますので、ぜひご一読ください。
1. 中小企業診断士の5つの魅力
1) 人的ネットワークが形成できる
2) キャリアの選択肢が広い
3) 経営者目線で考えられるようになる
4) ロジカルシンキングが身に付く
5) AIに代替されにくい
2. 魅力を感じたら取るべき4つの行動
1) 魅力を書き出して貼る
2) 試験情報を集める
3) 過去問を見る
4) 講座を申し込む
3. 終わりに
4. まとめ
1. 中小企業診断士の5つの魅力
![中小企業診断士の5つの魅力](https://kaikei-shop.net/wp-content/uploads/2020/05/2719007_s.jpg)
1) 人的ネットワークが形成できる
1つ目の中小企業診断士の魅力としては、「人的ネットワークが形成できる」ことが挙げられます。
中小企業診断士は、活動領域の広さや、診断士同士の横のつながりの広さから、非常に多くの人的ネットワークを形成することができる士業です。
人的ネットワークの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
・中小企業の社長、従業員とのつながり
・弁護士、公認会計士、社会保険労務士などの、他士業とのつながり
・公的機関とのつながり
・上記の人達から紹介されるつながり
「人脈ってそんなに大事なもの?」と思う人もいるかもしれませんが、人脈は大切です。
独立開業するために中小企業診断士を目指している人にとっては、始めのうちは人脈がないと、そもそも仕事がない状況となってしまいます。
また、キャリアアップするために中小企業診断士を目指している人にとっては、中小企業診断士の人脈を駆使して、新たな取引先などを巻き込んでビジネスを拡大させることが可能となります。
以上より、「人的ネットワークが形成できる」ことは、中小企業診断士の魅力と言えます。
2) キャリアの選択肢が広い
2つ目の中小企業診断士の魅力としては、「キャリアの選択肢が広い」ことが挙げられます。
中小企業診断士試験で学ぶ内容やスキルは多岐にわたり、非常に汎用性が高いです。
つまり、中小企業診断士を取得した後は、多くのキャリアの選択肢があります。
そのため、とりあえず中小企業診断士試験の勉強を始めて、勉強する中で自分の将来のキャリアの選択肢を考えることも可能となります。
中小企業診断士のキャリアの選択肢としては、例えば以下のようなものがあります。
・中小企業の経営企画室やコンサルティング会社に転職する。
・経営コンサルタントとして独立する。
・簿記をより詳しく学び、ビジネスを理解した経理として、jobチェンジする。
・プログラミングを学んで、ビジネスを理解したエンジニアとして、jobチェンジする。
・中小企業向けのセミナー講師になる。
以上より、「キャリアの選択肢が広い」ことは、中小企業診断士の魅力と言えます。
3) 経営者目線で考えられるようになる
3つ目の中小企業診断士の魅力としては、「経営者目線で考えられるようになる」ことが挙げられます。
従業員の立場であれば、通常は自分自身に与えられた仕事の内容、あるいは自分が所属する部署の仕事内容しか把握しておらず、会社全体を俯瞰して見る、経営者の視点で物事を考えることはありません。
木を見て森を見ずという言葉があるように、一従業員の立場でしか物事を考えられなければ、いつまでたっても事業戦略立案などの、大局的な業務に関わることができません。
この点、中小企業診断士試験で学ぶ知識は、社内の経営資源をいかに効果的かつ効率的に運用していくか?といった、経営者目線の内容となります。
中小企業診断士試験の勉強を通じて、経営者視点の思考の基礎を学び、実務の中でさらにブラッシュアップしていくことで、ビジネスパーソンとしてキャリアアップしていくことが可能となります。
以上より、「経営者目線で考えられるようになる」ことは、中小企業診断士の魅力と言えます。
4) ロジカルシンキングが身に付く
4つ目の中小企業診断士の魅力としては、「ロジカルシンキングが身に付く」ことが挙げられます。
中小企業診断士試験の問題、特に2次試験においては、論理的な思考(ロジカルシンキング)が問われます。
例えば、与えられた前提条件(与件文)をもとに、以下のような内容が問われます。
A社長がトップに就任する以前のA社は、苦境を打破するために、自社製品のメンテナンスの事業化に取り組んできた。それが結果的にビジネスとして成功しなかった最大の理由は何か。100字以内で答えよ。
第2問
A社長を中心とした新経営陣が改革に取り組むことになった高コスト体質の要因は、古い営業体質にあった。その背景にあるA社の企業風土とは、どのようなものであるか。100字以内で答えよ。
(2019年 2次試験 事例Ⅰより抜粋)
上記の問いを見ていただければわかる通り、単に一問一答の知識が問われるのではなく、与えられた条件の中から論理的に答えを導き、端的に解答するロジカルシンキングのスキルが必要となります。
また、経営コンサルタントとしての実務の中でも、中小企業の社長からの多種多様な相談に受け答えする中で、ロジカルシンキングが磨かれていきます。
以上より、「ロジカルシンキングが身に付く」ことは、中小企業診断士の魅力と言えます。
5) AIに代替されにくい
5つ目の中小企業診断士の魅力としては、「AIに代替されにくい」ことが挙げられます。
2015年に公表された、野村総研と英オックスフォード大学の共同研究結果によると、各士業がAIに代替される可能性は、以下の通りとなります。
資格名 | AIによる代替可能性 |
弁護士 | 1.4% |
司法書士 | 78.0% |
弁理士 | 92.1% |
行政書士 | 93.1% |
公認会計士 | 85.9% |
税理士 | 92.5% |
社会保険労務士 | 79.7% |
中小企業診断士 | 0.2% |
上記を見ていただければわかる通り、中小企業診断士のAIによる代替可能性は、他士業と比べて圧倒的に低い割合となっております。
これは、中小企業診断士の主な仕事である経営コンサルは、クライアントである中小企業の社長ごとに相談内容が異なり、定型化できるものではないことが、大きく影響していると考えられます。
コンサルの対象となる中小企業がこの世からなくならない限り、中小企業診断士という資格の活躍場所は、今後も存在し続けることとなります。
以上より、「AIに代替されにくい」ことは、中小企業診断士の魅力と言えます。
中小企業診断士講座の元運営責任者が、以下の7つの通信講座のコストパフォーマンスを比較して、おすすめ2つのメリット・デメリットについて解説してみました。
・TAC
・スタディング
・診断士ゼミナール
・クレアール
・LEC
・アガルート
・フォーサイト
詳細は「中小企業診断士の通信講座おすすめ2選!元講座運営者が比較します」をご確認ください。
2. 魅力を感じたら取るべき4つの行動
![魅力を感じたら取るべき行動](https://kaikei-shop.net/wp-content/uploads/2020/05/379315_s.jpg)
1) 魅力を書き出して貼る
中小企業診断士に魅力を感じたら取るべき1つ目の行動は、「魅力を書き出して貼る」ことです。
中小企業診断士という資格のどこに魅力を感じたのか?といった初心を忘れないことは、後々の勉強のモチベーションを維持する上で、非常に大切となります。
そのため、自分が感じた中小企業診断士の魅力を書き出して、普段勉強する机や壁に貼り付けて、常に目に付くようにしてみてください。
モチベーションが下がりそうになった時に見返すことで、やる気を維持することができます。
(その他のモチベーション維持の方法については、「中小企業診断士試験のモチベーションを維持する6つのコツ」をご参照ください。)
以上より、「魅力を書き出して貼る」ことは、中小企業診断士に魅力を感じたら取るべき行動となります。
2) 試験情報を集める
中小企業診断士に魅力を感じたら取るべき2つ目の行動は、「試験情報を集める」ことです。
中小企業診断士に魅力をいくら感じても、試験に受からなければ意味がありません。
そのためまずは、中小企業診断士試験の情報を集めることが大切となります。
試験情報につきましては、必要に応じて以下をご参照ください。
・日程:「中小企業診断士試験の日程・スケジュールは?」
・難易度:「中小企業診断士試験の難易度・合格率は?」
・関連資格:「中小企業診断士試験の関連資格7選」
以上より、「試験情報を集める」ことは、中小企業診断士に魅力を感じたら取るべき行動となります。
3) 過去問を見る
中小企業診断士に魅力を感じたら取るべき3つ目の行動は、「過去問を見る」ことです。
いきなり過去問?と思われるかもしれませんが、まずは戦う相手を知ることが大切となるため、過去問を見てください。
当然この段階ではまだ解けないですが、どのような問題が問われるのか初めに把握しておくことで、後の勉強でポイントが掴みやすくなるため、過去問に事前に目を通しておいてください。
以上より、「過去問を見る」ことは、中小企業診断士に魅力を感じたら取るべき行動となります。
4) 講座を申し込む
中小企業診断士に魅力を感じたら取るべき4つ目の行動は、「講座を申し込む」ことです。
中小企業診断士試験は、最終的な合格率が約6%の難関資格です。
また、1次試験は7科目、2次試験は4科目から構成され、試験内容が非常に多岐にわたります。
そのため、独学で勉強するのは、あまりおすすめできません。
先行投資だと思って、始めから予備校の中小企業診断士講座を申し込むことが、結果的に合格時期を早め生涯賃金を上げることにつながります。
以上より、「講座を申し込む」ことは、中小企業診断士に魅力を感じたら取るべき行動となります。
3. 終わりに
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中小企業診断士の魅力について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
もし少しでも、中小企業診断士という資格に魅力を感じたのであれば、今すぐに勉強を開始してみてください。
勉強を進めていく中で、中小企業診断士の魅力に対する理解がさらに深まり、自分のキャリアをより具体的に考えるきっかけになるかと思います。
4. まとめ
◆キャリアプランが広い。
◆事業者の視点で考えるクセがつく。
◆論理的思考が身に付く。
◆AIに代替されにくい。