中小企業診断士試験の難易度・合格率は?

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「中小企業診断士試験は難易度が高そうだな。。」

漠然とこのように思い、受験をためらっている方も多いかと思います。

漠然とした不安は、実態以上に大きく感じてしまうものです。

そこで今回は、中小企業診断士試験の難易度・合格率について、数値データに基づいて解説していきます。

また、他資格との比較についても紹介しておりますので、ぜひご一読ください。

筆者の情報
・前職で中小企業診断士講座を運営
・公認会計士
・監査法人➡経理に出向➡ベンチャー➡自営業

 

 

1. 中小企業診断士試験の難易度・合格率

中小企業診断士試験の難易度・合格率

1) 合格率

中小企業診断士試験の合格率は、以下の通りとなります。

 

【1次試験】

試験年度 合格率
2020 43%
2021 36%
2022 29%

 

【2次試験】

試験年度 合格率
2019 18%
2020 18%
2021 18%

 

年度によって合格率は異なりますが、1次試験・2次試験合算の合格率は、およそ「6%(=1次30%×2次20%)」程度となります。

合格率だけを見ると、中小企業診断士試験は、非常に難易度の高い試験と言えます。

 

2) 受験者層

次に、受験者層の具体的なデータについて、見ていきましょう。

 

① 男女別

【1次試験】

(合格者数) 2020年 2021年 2022年
男性 4,655 5,436 4,661
女性 350 403 358
合計 5,005 5,839 5,019

 

【2次試験】

(合格者数) 2019年 2020年 2021年
男性 993 1,076 1,428
女性 95 98 172
合計 1,088 1,174 1,600

 

上記の通り、圧倒的に男性の方が合格者数が多い試験と言えます。

ただ、逆に言えば、女性の中小企業診断士の数は相対的にかなり少ないので、女性が中小企業診断士を取得すれば、かなり希少価値が高く、差別化された存在となることができます。

 

② 年齢別

【1次試験】

(合格者数) 2020年 2021年 2022年
20歳未満 19 22 9
20~29 816 889 769
30~39 1,609 1,779 1,593
40~49 1,398 1,674 1,424
50~59 906 1,152 966
60~69 237 306 238
70歳以上 20 17 20
合計 5,005 5,839 5,019

 

【2次試験】

(合格者数) 2019年 2020年 2021年
20歳未満 0 1 2
20~29 137 218 283
30~39 406 501 687
40~49 354 296 426
50~59 161 143 193
60~69 28 13 19
70歳以上 2 2 0
合計 1,088 1,174 1,600

 

30代・40代が、合格者数のかなりの人数を占めております。

中小企業診断士試験は、ある程度キャリアを積んだマネージャー層・経営層が多く受験する試験と言われており、合格者の年齢層からもそのことが見て取れます。

 

③ 勤務先区分別

【1次試験】

(合格者数) 2020年 2021年 2022年
経営コンサルタント自営業 49 76 50
税理士・公認会計士等自営業 174 168 135
上記以外の自営業 106 116 104
経営コンサルタント事務所等勤務 153 145 119
民間企業勤務 3,085 3,632 3,166
政府系金融機関勤務 91 129 109
政府系以外の金融機関勤務 496 572 470
中小企業支援機関 91 109 83
独立行政法人・公益法人等勤務 63 81 61
公務員 186 231 209
研究・教育 22 27 23
学生 108 140 115
その他(無職含む) 381 413 375
合計 5,005 5,839 5,019

 

【2次試験】

(合格者数) 2019年 2020年 2021年
経営コンサルタント自営業 7 13 14
税理士・公認会計士等自営業 37 38 56
上記以外の自営業 17 24 30
経営コンサルタント事務所等勤務 33 55 55
民間企業勤務 705 733 1,016
政府系金融機関勤務 22 32 33
政府系以外の金融機関勤務 95 133 162
中小企業支援機関 15 16 27
独立行政法人・公益法人等勤務 17 13 20
公務員 58 39 72
研究・教育 7 1 10
学生 11 20 36
その他(無職含む) 64 57 69
合計 1,088 1,174 1,600

 

合格者のうち、民間企業勤務が圧倒的多数を占めています。

一方で、金融機関勤務や公務員、他士業なども一定数おり、幅広い層にとって魅力的な資格であると言えます。

 

④ 科目合格者数

【1次試験】

(科目合格者数) 2020年 2021年 2022年
経済学・経済政策 2,311 3,026 1,661
財務・会計 1,161 3,446 2,087
企業経営理論 2,226 5,253 2,498
運営管理 912 2,796 2,580
経営法務 1,390 2,013 4,470
経営情報システム 2,868 1,457 3,018
中小企業経営・政策 1,905 1,093 1,888

*全科目合格者は除く

 

1次試験は科目合格制度があり、60点以上取得した科目は、翌2年間試験を免除することができます。

上記のデータからわかるように、年度ごとに科目ごとの合格者数にかなりのバラツキがあり、「科目合格しやすい試験科目」がどれなのか、一概には言えないことがわかります。

 

3) コストパフォーマンスの高い資格

前述の試験の難易度を踏まえても、中小企業診断士はコストパフォーマンスの高い資格と考えられます。

その理由について、以下で順に3つ解説していきます。

 

① 科目合格制度

1つ目の中小企業診断士がコストパフォーマンスの高い資格と言える理由としては、「科目合格制度」が考えられます。

中小企業診断士の1次試験は、以下の7科目が試験範囲となります。

A. 経済学・経済政策
B. 財務・会計
C. 企業経営理論
D. 運営管理
E. 経営法務
F. 経営情報システム
G. 中小企業経営・政策

科目数が多く、一見するとかなり難易度が高く見えるかもしれませんが、1次試験には科目合格制度があり、前述の通り科目によっては3,000人程度の科目合格者が存在します。

つまり、仮に1回で1次試験を合格できなくても、科目合格した科目については翌年の試験勉強を最小化できるため、効率的に試験合格を目指すことが可能となります。

結果として、中小企業診断士になるために先行投資する、時間というコストを抑えることができ、コストパフォーマンスを高めることにつながります。

以上より、「科目合格制度」があるので、中小企業診断士はコストパフォーマンスの高い資格であると言えます。

 

② 適度な勉強時間

2つ目の中小企業診断士がコストパフォーマンスの高い資格と言える理由としては、「適度な勉強時間」が考えられます。

試験開始時に持っている知識にもよりますが、一般的に中小企業診断士試験に合格するためには、最低でも1,000時間程度の勉強時間が必要となります。

1,000時間と聞くと、「多いな。。」と思うかもしれません。

ただ、例えば同じように難関資格である公認会計士の場合は、最低でも3,000時間程度必要となる一方で、「中小企業診断士と公認会計士の4つの共通点・相違点!」でお伝えしている通り、中小企業診断士の資格としての価値が、必ずしも公認会計士に劣っているわけではありません。

そのため、中小企業診断士試験の勉強時間は、得られる資格の価値に対して、適度な勉強時間であると考えられます。

以上より、「適度な勉強時間」であるため、中小企業診断士はコストパフォーマンスの高い資格であると言えます。

 

③ 多くのメリット

3つ目の中小企業診断士がコストパフォーマンスの高い資格と言える理由としては、「多くのメリット」があることが考えられます。

中小企業診断士には、以下のような、多くのメリットがあります。

・知識の過不足に気付き、必要な知識を補うことができる。
・資格を活かすことのできる分野が多岐にわたる。
・中小企業診断士同士の横のつながりを増やすことができる。
・独立開業に役立つ。

(詳細につきましては、「中小企業診断士のメリット・デメリット4選!」をご確認ください。)

科目合格制度や適度な勉強時間により先行投資を抑えることができることに加えて、上記のメリットの通り得られるものも多いため、中小企業診断士はコストパフォーマンスの高い資格であると言えます。

★おすすめ通信講座
元中小企業診断士講座の運営者である筆者が、以下の7つの通信講座のコストパフォーマンスを比較して、おすすめ2つのメリット・デメリットについて解説してみました。

・TAC
・スタディング
・診断士ゼミナール
・クレアール
・LEC
・アガルート
・フォーサイト

詳細は「中小企業診断士の通信講座おすすめ2選!元講座運営者が比較します」をご確認ください。

 

2. 他資格との難易度比較

他資格との難易度比較

ここでは、他資格と比較することで、中小企業診断士の難易度について見ていきましょう。

 

1) 公認会計士試験

公認会計士試験の短答・論文を合わせた合格率は、以下の通りとなります。

 

試験年度 合格率
2017 11%
2018 11%
2019 11%
2020 10%
2021 10%

 

単純に合格率だけを比較すると、中小企業診断士試験の方が、難易度が高く見えます。

ただ、一般的には公認会計士の方が、難関資格であると言われております。

その理由としては、「一般的に難関資格と思われており受験者層のレベルが高い」「受験専念層が多い」「勉強時が長い」ことなどが考えられます。

詳細につきましては、「公認会計士試験の難易度とは?難しいと言われる5つの理由」をご参照ください。

 

2) 司法試験・予備試験

司法試験の短答・論文を合わせた合格率は、以下の通りとなります。

 

試験年度 合格率
2018年 29%
2019年 34%
2020年 39%
2021年 42%
2022年 46%

 

単純に合格率を中小企業診断士試験と比較すると、非常に高い数字に見えてしまいます。

ただ、一般的には司法試験の方が、難関資格であると言われております。

主な理由は公認会計士試験と同様に、受験者層や勉強時間が考えられます。

特に受験者層に関しては、中小企業診断士試験には受験資格の制限がないのに対して、司法試験は以下の2つのうちいずれかの受験資格が必要となり、受験するまでに狭き門を通過する必要があります。

・法科大学院課程の修了者。
 または
・予備試験合格者。

このうち、司法試験の受験資格を得るための試験である予備試験の難易度は、中小企業診断士試験よりも高いため、その先にある司法試験も当然に、中小企業診断士試験よりも難易度が高い試験となります。

 

3) 社会保険労務士試験

社会保険労務士試験の合格率は、以下の通りとなります。

 

試験年度 合格率
2017年 7%
2018年 6%
2019年 7%
2020年 6%
2021年 8%

 

合格率からわかるように、かなりの難関資格となります。

特に近年では、合格率が減少しており、さらに難しくなっております。

中小企業診断士試験と比較すると、以下の点で社会保険労務士試験の方が、難しい資格と考えられます。

・科目数が多く、全科目に足切りがある。
・法改正が多く、過去問を利用しづらい。
・一般的に1,000時間程度で合格できると言われているが、実際はそれ以上の勉強時間が必要。

 

3. 終わりに

中小企業診断士試験の難易度・合格率についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

中小企業診断士試験は難関試験ですが、コストパフォーマンスの高い試験と言い換えることもできます。

興味がある方は、ぜひ勉強を開始してみてください。

 

4. まとめ

Point!

◆1次試験は「30%」、2次試験は「20%」前後の合格率。
◆合格者に占める割合は、男性が圧倒的多数。
◆30代・40代の合格者が多い。
◆科目合格は年度によって人数にばらつきがある。

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