中小企業診断士の通信講座・予備校おすすめ2選!費用と合格実績を比較

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受験生の多くが社会人である、中小企業診断士試験。

仕事をしながら効率的に合格するためには、独学や通学講座よりも、通信講座の利用がおすすめと言えます。

そこで今回は、コストパフォーマンスの観点から、まず以下の7つの予備校の通信講座を比較していきます。

・TAC
・スタディング
・診断士ゼミナール
・クレアール
・LEC
・アガルート
・フォーサイト

その上で、おすすめの2つの通信講座について、メリット・デメリットや講座の特徴をお伝えしていきます。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・中小企業診断士講座の元運営責任者
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. 講座費用と合格実績の比較

通信講座選びのポイントとして、「コストパフォーマンス」が挙げられます。

以下では順に、「コスト(講座費用)」と「パフォーマンス(合格実績)」の観点から、7つの通信講座を比較していきます。

 

1) 講座費用の比較

中小企業診断士試験の通信講座における「コスト」とは、講座費用のことを指します。

以下の前提条件のもと、7つの通信講座のコストを比較してみましょう。

・税込価格
・Web通信講座
・2025年合格目標
・1次/2次フルパックの講座
スクール 講座費用
(2024年3月)
TAC 360,000円
LEC 286,000円
クレアール 156,000円
アガルート 107,800円
フォーサイト 77,800円
診断士ゼミナール 59,780円
スタディング 59,400円

*アガルート、フォーサイトは2024年合格目標

大手であるTACやLECが一番高く、後発のベンチャーであるスタディング、診断士ゼミナールが、最も安い講座代金となります。

 

2) 合格実績の比較

中小企業診断士試験の通信講座における「パフォーマンス」とは、合格実績のことを指します。

と言っても実は他資格とは異なり、明確な合格実績を公表している予備校がほとんどなく、予備校間の比較が困難となっております。

ただし、中小企業診断士講座を運営していた私の経験上、以下の2点を満たしていなければ、合格実績は高くないと言えます。

・顔or名前出しの合格者はいるか?
・最新年度合格者を公表しているか?(合格年度を公表しているか?)

特に合格者の合格年度の公表については、他社と合格者数を比較されたり、過去からの合格者数の推移がわかってしまうため、実績のある予備校でないと公表が難しいのが実情です。

そこで、上記2点の観点から、7つの予備校の合格実績を、比較してみましょう。

通信講座 顔or名前 最新年度
2022年
or2023年
スタディング
220名以上
TAC
169名
診断士ゼミナール ×
クレアール ×
LEC ×
アガルート × ×
フォーサイト × ×

実は、TACとスタディング以外は、そもそも合格実績が疑わしく、パフォーマンスが低い通信講座である可能性が高いのです。

以上より、

・コスパが高い『スタディング 』
・コストは高いが実績がある『TAC』

の2つが、おすすめの通信講座となります。

 

2. 通信講座・予備校おすすめ2選

それでは、TACとスタディングのメリット・デメリットや講座の特徴について、順に見ていきましょう。

 

1) スタディング

2024年3月スタディング中小企業診断士講座
【こんな人におすすめ!】
・コスパ重視
・最短合格したい

「通勤講座」の名称で、2008年から中小企業診断士講座を提供しているのが、現スタディング。

オンライン講座に特化しており、各種デジタル教材(テキスト、問題集、学習マップなど)やAIによる復習、学習管理によって、効率的な学習が可能となっております。

15年以上の実績ある講座であり、運営会社であるKIYOラーニング株式会社が2020年にマザーズに上場するなど、信頼性の高い通信講座です。

私が中小企業診断士講座の運営責任者を担当していた際の講師陣にも、スタディング出身者が複数人いましたが、人によって能力も様々であり、「人を選ばずに合格に導くことのできる通信講座」といった印象が強かったです。

 

メリット&講座の特徴

・業界最安の講座費用。
・合格者数の増加:19年29名⇒22年167名
・令和5年1次試験合格者数No.1(510名)
・講義の画質レベルが非常に高い。
・講義動画のダウンロードが可能。
・他の受講者のQ&Aを閲覧できる。
・スマホでスキマ時間に勉強できる。
・スキマ時間で勉強しやすい短時間講義。
・学習マップ(*)を活用した知識の整理。
・講義ごとにチェックテストで知識を確認。
・短期合格者の勉強法から開発された講座。
・合格御祝い金1万円。

*学習マップ

スタディング中小企業診断士講座の学習マップ
出典:スタディング中小企業診断士教材・カリキュラム

 

デメリット

・一定回数以上の質問は有料。
・総講義時間がそれなりに多い。
(全部で約150時間)
・教材の網羅性が必ずしも高くない。
(高得点ではなく合格点狙いの網羅性。)

 

③ スタディングのFAQ

Q. デジタル教材だけで合格できるの?
A. 合格できる。(冊子の購入も可能)

紙の教材なしで本当に合格できるの?と疑問に思うかもしれません。

しかし、デジタル教材には以下のようなメリットがあるため、デジタル教材だけでも合格は可能です。

・どこでも学習できる。
・持ち運びの手間がない。
・情報を一元管理できる。
・検索できる。
・AI機能をフル活用できる。
・ノートを簡単に作成できる。

デジタル教材であれば、スマホ1台でどこでも勉強ができ、持ち運びの手間がありません。

テキストや問題集の進捗など、情報が一元管理されているため、学習計画も立てやすく、必要な情報をまとめて検索することもできます。

また、過去の成績をもとに、AIが復習すべきタイミングや問題を自動で設定してくれるなど、データをもとにAIをフル活用できます。

さらに、テキストの必要な箇所をコピペすることで、自分専用の復習ノートを、簡単に作成することも可能です。

*どうしても紙の教材が必要な場合は、有料オプションで冊子を購入できます。

 

④ 合格体験記

一次試験の対策では、電車での移動時間など、ありとあらゆるスキマ時間を勉強時間にかえました。それができたのはスマホで学習できるスタディングのおかげです。
AIでの自分の弱点を掴んでいただけることには効率的に勉強を進める上で、非常に助かりました。また、ロジックマップの習得により二次試験は1発合格できました。
2歳児を抱えての試験勉強でしたが、完走できたのは間違いなくスタディングのおかげです。 なんといっても、スマホアプリの使いやすさが抜群で、「スキマ時間を活用」というスタディングのコンセプト通りでした。

 

⑤ 詳細情報

・Youtube(合格者インタビュー)

・公式HP

スタディング 中小企業診断士講座

 

2) TAC

2024年3月TAC中小企業診断士講座
【こんな人におすすめ!】
・通学も検討したい
・サポートを重視したい

言わずと知れた資格予備校の最大手である、TAC。

中小企業診断士講座も1989年から開講しており、多数の合格者を輩出している、信頼のおける講座となります。

また、中小企業診断士試験のNo1.市販テキスト・問題集である、「スピードテキスト」「スピード問題集」はTACが出版しており、独学受験生の多くが実質的にはTACを利用していると言えます。

通信講座については通信に特化しているスタディングに劣りますが、通学講座も含めた全体的なサポート体制はさすがの大手予備校であり、申し分ないです。

 

メリット&講座の特徴

・毎年100名超の合格実績。
・講師に直接質問できる。
・自習室を利用できる。
・最新情報を反映したオリジナル教材。
・層の厚い講師陣(講師数が多い)。
・通学講座も検討できる。

 

デメリット

・スタディングの何倍もの講座費用。
・通信講座と通学講座の講座費用が同じ。
・通信講座に特化した講義動画ではない。
(通学講座の講義を収録した動画。)

 

③ TACのFAQ

Q. 講座費用に見合う価値はあるの?
A. 通学講座は見合う価値がある。

TACの通信講座は通学講座と同額であり、非常に高額です。

そのため、TACの教材だけをそろえて、独学で勉強する方法も考えられます。

しかし、独学でも最低5万円程度はかかるため、それであればスタディングの通信講座を選択したほうが賢明です。

それでは、TACは講座費用に見合う価値はないのか?というと、通学講座であれば見合う価値があります。

生の講義や自習室、あるいは受験仲間と切磋琢磨しあえる学習環境を利用して短期合格できれば、結果的に時間や費用を節約することができます。

過去に1人で学習してうまくいった経験がないのであれば、必要な投資と割り切って、TACの通学講座を選択するのも1つの考えです。

 

④ 合格体験記

カリキュラムも教材も試験に出やすいポイントがしっかり押さえられているので、独学よりずっと効率がいいと感じます。教室で講師に直接質問する機会がないぶん「質問メール」をよく使いましたが、レスポンスもよかったですし、知識だけではなく勉強方法につていのアドバイスをいただけて、正しい方向で勉強ができているか確認しながら合格まで突き進むことができました。大変、感謝しています。
講義の中では、講師の方が過去の受講生の失敗例なども話してくださって、「私もコレやってる!」といった気づきを与えてもらえたこともありました。子育てとの兼ね合いでスクーリング制度は使えなかったのですが、「2次直前演習 オンライ振り返りサポート・質問会」に複数参加して、講師の方と話しながらリアルタイムで疑問点を解決できたのがよかったです。

 

⑤ 詳細情報

・Youtube(ガイダンス)

・公式HP

TAC 中小企業診断士講座

 

3. 中小企業診断士講座選びのFAQ

1) 教育訓練給付制度は利用できる?

⇒スタディング、TACともに利用可

教育訓練給付制度(一般教育訓練)を利用すれば、ハローワークから講座費用の20%が、教育訓練給付金として支給されます。

確認テスト等に合格することや、一定の支給要件を満たすことなど必要条件はありますが、利用できるのであれば利用したほうがお得です。

前述のスタディングとTACの1次/2次フルパック講座のうち、2024年3月時点で教育訓練給付制度の対象となるのは、以下の講座となります。

 

① スタディング

講座名 講座費用 給付金額
1・2次合格
コース
(コンプリート)
69,300円 13,860円

 

② TAC

講座名 講座費用 給付金額
1・2次速修
本科生
240,000円 48,000円

 

教育訓練給付制度の指定講座の検索システムで「通信」「eラーニング」にもチェックを入れて、「中小企業診断士」と入力すれば、最新の情報を検索することができます。

 

2) 講座費用を安くする方法はある?

⇒条件に該当すれば方法はある

スタディングやTACの講座費用を安くする方法としては、「教育訓練給付制度」「再受講割引」「受験経験者割引」の3つが考えられます。

 

① 教育訓練給付制度           

教育訓練給付制度の対象講座であれば、実質的に20%引きで受講できます。((1) 教育訓練給付制度は利用できる?参照)

 

② 再受講割引

過去にスタディングやTACの中小企業診断士講座を受講していた場合は、再受講割引(スタディングの場合は更新割引)を適用できます。

スタディングは半額以下で、TACは最大21%割引で、中小企業診断士講座を受講できます。

またスタディングの場合は、過去に受講した講座が中小企業診断士以外の講座でも、Wライセンス応援割を利用すれば6,600円オフで受講できます。

 

③ 受験経験者割引

TACの場合は、過去に中小企業診断士試験を受験したことがある人であれば、受験経験者割引を適用できます。

受験票など受験を証明できる書類が必要となりますが、通常受講料の5~13%オフの価格で受講できます。

 

3) 無料の診断士講座はある?

⇒全科目を網羅した無料講座はない

例えば簿記検定であれば、1級から3級までの講義が無料で利用できる講座が存在します。

中小企業診断士試験でも、各科目の解説や体験講義などは、Youtubeなどに無料でアップされています。

しかし、全科目の講義が無料で提供されている講座は、今のところありません。

安くない費用ですが、中小企業診断士試験に本気で合格したいのであれば、早めに予備校の講座を利用するのがおすすめです。

 

4) 1次試験対策だけの講座でもOK?

⇒最初は1次試験対策だけでもOK

TACであれば、1次試験対策だけの講座も販売されております。

2次試験対策も含んだ講座の場合、1次試験に不合格だった場合、2次試験対策分の料金が無駄になってしまいます。

一方で、結果的に1発合格した場合は、2次試験対策も含んだ講座を最初から購入したほうがお得です。

ただ、1次試験を合格レベルまでもっていければ、「ふぞろいな合格答案」など市販の2次試験対策教材を利用して、独学で2次試験合格の力をつけることは十分可能です。

 

5) 単科目受講で科目合格狙いもあり?

⇒1次試験のみの科目であればあり

例えばスタディングであれば、1科目14,300円で科目別コースを購入できます。

そのため、1年目は特定の試験科目に絞って1次試験の科目合格を狙い、2年目以降に最終合格を目指す方法も考えられます。

科目を絞ることで効率的に勉強ができたり、最低限のコストで試験勉強を開始できるなどのメリットがあります。

一方で、得意科目を捨てる可能性や、合格までに複数年かかるといったデメリットもあります。

(詳細は「中小企業診断士:1次試験の科目合格戦略メリット・デメリット」をご参照ください。)

もし科目合格を狙うのであれば、1年目は1次試験だけに出題される3科目(「経済学・経済政策」「経営法務」「中小企業経営・中小企業政策」)を選び、2年目に残りの科目を勉強するのがおすすめです。

1次・2次ともに出題される科目を、できるだけ後に回したほうが(つまり1次試験のみの科目を先に受験したほうが)、記憶がフレッシュな状態で2次試験に臨めるためです。

 

4. 中小企業診断士おすすめ記事

ここでは以下の4つの観点から、中小企業診断士・中小企業診断士試験について解説した記事の、概要をお伝えしていきます。

1) 中小企業診断士の魅力
2) 試験の難易度・合格率
3) 関連資格
4) MBAとの比較

興味のある記事がありましたら、ぜひ詳細を確認してみてください。

 

1) 中小企業診断士の魅力

中小企業診断士は、非常に魅力的な資格です。

そして、「中小企業診断士のどの点に魅力を感じているのか?」といった点を深堀りすることで、勉強のモチベーションをアップすることができます。

本記事では、そんな中小企業診断士の魅力について、以下の5つの点から解説しております。

・人脈の形成。
・キャリアプランの拡大。
・経営者視点の獲得。
・論理的思考の習得。
・AIに職を奪われない。

中小企業診断士の5つの魅力

 

2) 試験の難易度・合格率

中小企業診断士試験の受験を検討するにあたり、まず確認しなければいけないのが、試験の難易度、つまりは合格率です。

本記事では、中小企業診断士試験の合格率について解説した上で、以下の4つの切り口から、受験者層についてもお伝えしております。

・男女別
・年齢別
・勤務先区分別
・科目合格者別

さらに、公認会計士試験や司法試験などの、他の資格試験の合格率とも比較しておりますので、ぜひ確認してみてください。

中小企業診断士試験の難易度・合格率は?

 

3) 関連資格

中小企業診断士試験の1次試験の各科目には、それぞれ対応する関連資格があるのをご存知でしょうか?

具体的な対応関係は、以下の通りとなります。

【経済学・経済政策】
・ERE(経済学検定試験)

【財務・会計】
・日商簿記検定2級
・ビジネス会計検定2級
・経営学検定中級:経営財務

【企業経営理論】
・経営学検定中級

【運営管理】
・販売士検定2級

【経営法務】
・ビジネス実務法務検定2級

【経営情報システム】
・ITパスポート

本記事では、関連資格の詳細について解説した上で、関連資格を取得することのメリット・デメリットについてお伝えしております。

中小企業診断士試験の関連資格7選

 

4) MBAとの比較

中小企業診断士と比較されることが多い、MBA。

本記事では、MBAと中小企業診断士について、以下の4つの点から、どちらがおすすめなのか解説しております。

・費用
・学習期間
・学習内容
・得られる人脈

MBAと中小企業診断士はどっちがおすすめ?

 

5. 終わりに

中小企業診断士試験の通信講座について、主要7社の比較やおすすめ2社のメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

本記事でおすすめした2つの通信講座であれば、どちらを選んでも合格することは十分可能です。

通信講座選びに時間をかけず、1日でも早く勉強を開始して、合格に近づいてください。

 

6. まとめ

Point! ◆コスト(講座費用)とパフォーマンス(合格実績)の観点から考えると、「スタディング」or「TAC」の2択。