営業を長く続けていると、営業以外の仕事への転職を考える時もあるはずです。
では、企業で営業を経験してきたあなたは、営業以外の仕事としてどのような職種にチャレンジできるのでしょうか?
実は営業は、幅広い職種にも活用できる、様々な職種の基礎ともいえる仕事なのです。
今回は、営業以外の仕事で転職におすすめの5つの職種や、転職方法までを幅広くご紹介していきます。
1. 営業以外の仕事に転職したい理由
他の業界や営業以外の仕事に転職したい場合は、まずはあなたが転職したい理由を明確にすることが大切です。
自分の営業経験や今までの業界での仕事を振り返りながら、丁寧に向き合っていきます。
営業以外の仕事にチャレンジしたい理由が明確になれば、転職したい業界や職種がはっきりするだけでなく、意欲も向上します。
今後の転職やキャリアにも良い影響を及ぼす、あなたにとって大切な内容と言えます。
丁寧に自分と向き合ってみましょう。
1) 初対面の人に会うのに疲れた⇒経理
営業だけど初対面が苦手な方や、初対面の人に会うのに疲れてしまったという方もいるでしょう。
営業職種を続けていく場合は、これから先も初対面の方と会い続ける必要があります。
初対面を楽しいと思える方は営業に向いていると言えますが、初対面がストレスになる方は、営業向きではない可能性もあります。
もちろん、誰にでも職種や業界の不向きはあるものです。
ストレスを抱えて仕事をするのは、効率も悪く、体調に悪影響を及ぼす場合もあります。
精神的に安定し、あなたらしく仕事を進められる環境に転職するのがおすすめです。
初対面を避けたい方には、メーカーや企業の社内業務だと、基本的に仲間とのやり取りで仕事を進められます。
将来的なキャリアやスキルも考慮するならば、経理職種を選ぶと良いかもしれません。
2) ノルマに疲れた⇒法務
営業の職種につきものなのが、ノルマと言えます。
どんな企業や業界の営業でも、営業ノルマはついてまわるものです。
また、営業ノルマのプレッシャーに耐えられず、疲れてしまう方も少なくないはずです。
自分のスキルや精神的な強さを振り返って、この先も営業を続ける自信がない場合は、営業以外の職種を選ぶのがおすすめです。
無理に仕事を続ければ、楽しく暮らすための仕事のはずが、仕事で生活がつまらくなる場合もあります。
実際に企業やメーカーには、ノルマの無い職種も多数あります。
例えば、ノルマに疲れてしまった方は、知識で会社をバックアップする法務の職種も良いかもしれません。
社内に居ながら多くの人と出会う機会もあり、営業経験を活かしながら幅広い仕事に関われる職種と言えます。
営業で培った好奇心や企画力も活かせる職種と言えるでしょう。
3) 手に職が欲しい⇒エンジニア
営業職種を長く続けるイメージがわかず、手に職をつけたいと感じる方もいるでしょう。
確かに営業職で平社員の場合は、地道な仕事を先々も続けることになります。
また、管理職や上層部へ昇格しても、将来は企業の舵取り次第であると言えます。
将来のキャリアを考える上で、手に職が欲しい方にも、おすすめの職種はあります。
ネットワークやパソコンを使った技術がある方は、ITエンジニアもおすすめ。
将来のキャリアを考えると、パソコンやネットワークを中心としたエンジニアであれば、比較的安定した求人もあるでしょう。
システム開発するエンジニアから、プログラム開発を行うプログラマーまで、職種も幅広くあります。
手に職が欲しい方であれば、技術を身に付けながら、長く活躍できる職種と言えるかもしれません。
4) もっと違う刺激がほしい⇒マーケター
営業職は長く仕事をしていると、もっと違う刺激が欲しいと思うこともあります。
また、企業やメーカーによっては、同じ取引先をまわるような、ルーティーンワークであることも少なくありません。
自分の願望として、もっと違う刺激で、新しいスキルを身に付けたいと思う方も少なくないはず。
特に営業で行うこともある、企画やマーケティングに関わる部分が好きな方は、マーケターという職種もおすすめです。
商品の製造企画から、消費者の手元に届くまでを企画し、プロジェクトの実行もしていく職種。
現代では、WEBサイトや通販サイトでもWEBマーケターが活躍しているんです。
好奇心が強い方や面白いことを実行したい方には、営業以外の仕事として非常に向いている職種と言えます。
5) やりたことがある⇒起業
営業以外の仕事を考える上で、明確にやりたいことが出てきた方や、自分のやりたいことに気づいた方もいるでしょう。
今の会社での営業経験や身につけたスキルは、どんな業界や職種であっても活用できると言えます。
就活を通して現在の会社に就職し、あなたのキャリアを作ってきた努力は、いずれ役に立つときがくるものです。
1人ででもやりたい事業がある場合や、チャレンジしたいことがある場合は、起業するのもおすすめです。
意思が強ければきっと上手く進められますし、起業の方法が分からなければ、WEBなどで専門サイトの記事を読み込むこともいいでしょう。
自分の想いや情熱をカタチにするのは、誰にでもできることではありません。
あなたの情熱を大切に、目標にチャレンジしてみるのもおすすめです。
その他の営業以外の仕事に転職したい理由として、そもそも営業に自分が向いていないといったことも考えられます。
営業の向き・不向きについては「営業に向いている人・向いていない人の8つの特徴」も合わせてご確認ください。
次項以降では、それぞれの職種の詳細について解説していきます。
2. 経理
経理の仕事は、会社や企業のあらゆるお金を計算し、管理する仕事と言えます。
まさに会社や企業を支える、縁の下の力持ち的な役割で、どの組織にも欠かせない役割。
社内のコミュニケーションは、むしろ経理の方が必要かもしれませんが、初対面の人に会う機会は営業に比べぐっと減るでしょう。
また初対面の方に会う場合も、社内で出会うことが多いため、負担もかなり少なくなるはずです。
几帳面で丁寧な仕事の能力を、少しずつ育てていくことで、あなたなりのキャリアを構築していくことが可能です。
経理職種での就職を目指す場合は、転職サイトの求人でも容易に見つけることができます。
自信がない方は、経験しながら仕事をすすめられる環境を選ぶのが、おすすめです。
企業によっては分業となっている場合も多いため、企業やメーカーの規模が大きいほど、業務負担が小さい場合もあります。
自分の能力やスキルにあった環境から、まずはチャレンジしてみると良いでしょう。
また、具体的な仕事内容は企業にもよりますが、「売上・仕入れ管理」や「給与や保険など従業員周りのお金の計算」、「税金や決算書作成」に携わる場合もあります。
経理が行う計算を基に、給与が決定したり起業方針を決めることもある大切な業務。
その分、会社のメンバーから頼られることも多く、スキルや経験を積むことで、あなたなりのキャリアプランを構築していくこともできます。
キャリアプランの例として一般的なのは、社内での総務部長や経理管理職を経て、上位職へ就くこと。
しかし、経験やスキルを積むことで、中小企業から有名企業への転職や、独立なども可能な職種でもあります。
(経理のキャリアプランについては「経理のキャリアプラン5選!働き方から見えるメリット・デメリット」をご参照ください。)
そのためには、日々の業務を丁寧に確実にこなすことが必要。
そのうえで、経理のキャリアアップに必要となる、様々な資格を取得していくと良いかもしれません。
例えば「日商簿記」や経理・財務のスキル検定である「FASS」など。
日商簿記は経理職だと所持している方も多い検定で、就職の際においても応募条件に入っていることもあります。
1級から3級までレベル分けされており、2級以上が必要とされる場合が多いのも特徴です。
(簿記検定については「簿記の必要性とは?3級、2級、1級それぞれに分けて解説!」も合わせてご確認ください。)
また、「FASS」はより実際の業務に近い能力を表す検定とされています。
債権から税務申告業務までの知識や能力を表す検定です。
他の企業や業界へのキャリアアップの意思があれば、業務を進めながら取得するのも有効でしょう。
初対面が苦手な方なら、陰から会社を支えられる適職とも言える職種です。
コツコツ仲間を支えたい方は、是非チャレンジして欲しい職種と言えます。
経理には日々の仕訳を切り、財務諸表を作成する簿記の知識は当然に必要となってきますが、経営層や他部署に対して財務数値を分析した結果を伝える力も必要となってきます。
この財務数値を「分析」する力を付けるには、「ビジネス会計検定」がおすすめです。
ビジネス会計検定は2級まで取得すれば、実務的な財務分析の基礎を身に付けることができます。
各級の詳細については以下をご参照ください。
・ビジネス会計検定3級:「ビジネス会計検定3級が必要ない人とは?受験要項や難易度は?」
・ビジネス会計検定2級:「ビジネス会計検定2級とは?3級との違いは?挑戦すべき5つの理由」
3. 法務
法務の仕事は、契約書の企画や作成から会社法まで、企業組織に関わる様々な法律に絡む業務を担当します。
現在では、企業運営にかかせないコンプライアンスの策定や、体制の整備にも関わる業務。
もちろん法務職種では、基本的にノルマは全くありません。
どちらかと言えば、日々起こることへの対処や、案件に対する相談を受けることも多い役割。
法律に絡む知識は必要となりますが、臨機応変な対応が必要な場合もあるので、マンネリを感じず働ける一面もあります。
法務の役割は、経験を積むことで、組織を守る相談役のような役割を果たします。
メーカーなどの場合では、消費者クレームの法的観点での対処法や、ネット上のトラブルについてアドバイスを行うこともある役割。
幅広い業務に携わることができるので、経験やキャリアを積むごとに、新たなやりがいを得られる職種とも言えます。
コンプライアンスも大切になってきた現代では、法務の役割も大きくなり、求人数が増えているのも特徴です。
特に法務部という法務専門の部署を立ち上げる場合も多く、未経験でも働ける間口は広がってきています。
探す方法は、求人サイトなどで転職先を探すのが一般的。
経験や知識があり、条件の良い企業への転職を考えている場合は、エージェントサービスを利用するのも良いでしょう。
未経験の方なら、研修制度や教育制度が確立されている企業への転職がおすすめです。
法務の具体的な業務の流れは、一般的にはほぼデスクワークです。
契約書類などのチェックや会議をこなし、イレギュラーな相談案件にも随時対応していきます。
またコンプライアンスの策定や改変などにも、多くの時間を割く場合があるでしょう。
法務の仕事は法律関連の四年制大学卒業でないと、就職しにくい側面もありますが、キャリアとして経験があるのは有利と言えます。
法務自体はどの企業でも必要となる上、ネットやコンプライアンスの重要度が高まり、法務の知識は以前にも増して高まっています。
信頼性や正義感、忍耐力も必要となる職種ですので、転職する際にも優遇される場合があります。
社内でのキャリアアップを目指す道もありますが、転職して収入などの条件を引き上げていく道があるのも、法務のメリットなのです。
ノルマはないのが一般的ですが、常に学び続ける姿勢と、地道な努力が必要な職種です。
経験を積めば積むほど有利となる職種でもあるので、コツコツ頑張るタイプの方に、ぴったりの職種と言えます。
4. エンジニア
に職をつけたい方にはエンジニアの職種がおすすめです。
とは言え、エンジニアは業界も職種も幅広い特徴があります。
まずはエンジニアの種類や内容を知ったうえで、あなたの方向性にあうものを選ぶと良いでしょう。
昔はエンジニアと言えば機械設計や、物理的な製品を作る技術者を指していましたが、現代ではITエンジニアが主流です。
PCに関連するITエンジニアも、実は多くの職種が存在しているのをご存知でしょうか?
代表的な種類は「ネットワークエンジニア」、「システムエンジニア」、「プログラマー」など。
この他にも「セールスエンジニア」や「WEBエンジニア」も存在します。
ちなみにセールスエンジニアは、技術知識を武器にセールスを行う、言わば営業職です。
営業経験を活かしたい方ならぴったりですが、手に職をつけるという目的には合致しない職種です。
目的に合った技術を身につける為にも、職種内容を知っておくことは大切と言えます。
エンジニア職種に就きたい場合は、どのカテゴリにおいても、まずは最低限の専門知識が必要です。
専門学校や大学で知識を学べるほか、現在ではエンジニア向けの一般スクールも多く見られます。
技術が資本の職種と言えますので、基本的な知識を身につけることが転職への第一歩です。
技術に自信がない方は、エンジニアのサポートから進めるのも良いかもしれません。
また、ある程度技術がある方は、必要な技術を身につけながら、キャリア構築していける企業がおすすめです。
エンジニアの場合も一般の求人サイトはもちろん、技術職専門の求人サイトでも転職先を探すことができます。
経験や知識がある程度備わっている方は、エージェントサービスやエンジニア専門の求人サービスが良いでしょう。
エンジニアは企業や業務内容によって、待遇が大きく変わる特徴もあります。
特に能力のある方は、自分のスキルを最大限に評価してくれる企業で勤務することが、今後の良いキャリア形成にも繋がります。
スキルを磨くことで独立もできるのが、エンジニア職種の特徴。
まさに手に職をつける事が可能な、技術職と言えるでしょう。
5. マーケター
営業以外の仕事で刺激を得たい方には、マーケターの職種がおすすめです。
マーケターは、商品開発から消費者の手元に渡るまでを、トータルに企画・実行する職種と言えます。
商品の売れ行きを左右する職種で、引き続き事業の数字に責任を持つ職業であり、営業とは異なった刺激が得られる特徴があります。
まさに、得難い経験や任される充実感から得られる刺激は、責任とセットと言える職種。
文系と理系の能力が、バランスよく必要な仕事でもあります。
現在では商品だけでなく、インターネットやWEBサイトにも必要とされている職種です。
マーケターの仕事内容は、企業やメーカーによっても大きく違います。
消費者の分析や、トレンド分析を経て商品企画し、最終的には広告の演出方法を企画し、商品がより求められるよう、広告宣伝に携わります。
多くの社外企業と連携して仕事を進めることも多く、毎日新しい刺激を得ることができるでしょう。
その分勤務時間は比較的長い場合も多いですが、活躍の幅も広いため、キャリアにも有利な職種です。
また、転職サイトや企業サイトでも採用を行っていますが、エージェントを利用する方法がいいかもしれません。
それは、特別な資格などが必要ない職種ですので、あなた自身のスキルや人柄、感性がより伝わる方が採用には有利だからです。
必要スキルは、企画力と世の中の流行に敏感な感性とも言えます。
就職した後も、トレンド記事を中心とした幅広い情報を得ながら、常に消費者目線に立った企画がもとめられます。
刺激を活力として働ける方には、成長し続けられる職種とも言えます。
6. 起業
営業以外の仕事で、明確にやりたいこと・成し遂げたいことがでてきた場合は、起業も1つの方法です。
全ての責任を自分で負いながらする仕事は、かけがえのない経験になるはず。
自分の意思や成し遂げたいことを、まずは明確にすることが大切です。
起業して良い時ばかり続くものではありませんが、最初の意志や想いが明確であれば、どんな時でも乗り切ることができます。
今まで営業で経験してきたことは、本当に幅広い内容だったはずです。
営業先選定、新規開拓、商談、契約、目標管理だけでなく、教育や指導を経験した方もいるでしょう。
営業を経験しているあなたは、起業後に必要なあらゆる業務にスキルを活用できるはずです。
今までの企業やメーカーでの経験を振り返り、想いを込めてしっかりカタチにしていきましょう。
7. 終わりに
今回は営業以外の仕事を考えている方に向けて、転職におすすめの職種と転職方法をご紹介しました。
ご自分にあった職種や方向性を、見つけることはできたでしょうか?
今回の記事でお伝えしてきた職種は、あくまでも一例でしかありません。
営業は、本当に幅広い業務に携わる仕事で、様々な職種に経験を生かすことができる職種なんです。
多くの仕事は人と関わり、対話していくことを必要とします。
営業以外の仕事を探していても、営業を経験しているあなたは、多くの職種に対応できるはずです。
ぜひ営業で培った経験と、あなたの能力を信じて、転職活動を自信を持って進めて下さい。
8. まとめ
◆ノルマに疲れた場合は法務を検討してみる。
◆手に職が欲しいなら、エンジニアもおすすめ。
◆もっと違う刺激が欲しい方はマーケターにチャレンジしてみる。
◆やりたことが明確な場合は起業してみる。