簿記を大学生が学習するメリット・デメリット

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大学生のうちに何か資格を取ろうと考えた場合、真っ先に思い浮かぶのが「簿記検定」かと思います。

ただ、大学生活も楽しみたいし、他にもやりたいことがたくさんある中で、本当に簿記は勉強する価値があるのでしょうか?

そこで今回は、大学生が簿記の勉強をするメリット・デメリットについて、お伝えしていきます。

また後半では、大学生のうちに簿記以外に勉強すべきことについても解説しておりますので、ぜひご一読ください。

筆者の情報
・公認会計士
・監査法人➡経理に出向➡ベンチャー➡自営業

 

 

1. 簿記を大学生が学ぶメリット

簿記を大学生が学ぶメリット

1) 就活で有利

大学生が簿記を学ぶ1つ目のメリットとしては、「就活で有利」なことが考えられます。

「就職活動で少しでも有利な状況になるために、何か準備できることはないだろうか。。」

就活を控えた多くの大学生が、このように考えているのではないでしょうか?

確かに、就活では面接などのその場のパフォーマンスも大事ですが、今まで積み上げてきたもの、つまりは事前に準備してきたもので評価される側面もあります。

私も前職で採用を担当していたことがありましたが、過去の経歴や持っている資格などが、採用担当者に与える影響は少なからずあるのは事実です。

この点、簿記の資格を持っていることで、最低限の専門用語を知っており、また、目標に向けて頑張れる人であることを、アピールすることができます。

ただ、正直なところ、「簿記を持っていたから採用!」というケースは、経理でもない限りほとんどないかと思います。

一方で、なぜ簿記を取得しようと思ったのか?どうやって勉強したのか?取得後何かに活かせたのか?といった点についてストーリーを語ることができ、そこに一貫性があれば、面接官に与える印象はかなり良いかと思います。

以上より、「就活で有利」なことは、大学生が簿記を学習するメリットと言えます。

 

2) 決算書を読む基礎が身に付く

大学生が簿記を学ぶ2つ目のメリットとしては、「決算書を読む基礎が身に付く」ことが考えられます。

「就職先が本当に将来性のある企業なのか、よくわからない。。」
「最低限の会計用語も知らないで、就職後うまくやっていけるだろうか。。」
「ニュースで企業の決算情報が流れているけど、よく意味がわからない。。」

大学生であれば、このような疑問を持っている人も、多いのではないでしょうか?

私も大学生時代は、同様の疑問を持っていました。

この点、簿記の勉強をすれば、決算書を読む基礎が身に付き、上記のような疑問を解消することが可能となります。

具体的には、決算書を読めるようになることで、以下のメリットがあります。

 

① 就職先企業の財務分析

就職先の決算情報を事前に分析しておくことで、本当に就職しても大丈夫な企業なのか、おおよそのあたりを付けることができます。

また、事前に分析しておいた企業の財務状態について、面接の場で語ることで、面接官の心象を良くすることもできます。

 

② 就職後に役に立つ

簿記と英語はこれからのビジネスの共通言語!?」でお伝えしている通り、簿記は英語と並んで、ビジネスパーソンに必須の共通言語と言えます。

そのため、就職後に役に立つ、もっと言うと、簿記がないと就職後に損をすることとなるでしょう。

 

③ 株式投資

決算書を読むことができるようになれば、株式投資の際に投資対象企業の選定に役立てることもできます。

投資対象企業の決算情報を入手して、売上・利益の推移や資産・負債の状況などを確認して、投資の可否を判断することができます。

 

以上より、「決算書を読む基礎が身に付く」ことは、大学生が簿記を学習するメリットと言えます。

★ビジネス会計検定もおすすめ!
決算書を読む力を身に付けるのであれば、簿記検定にプラスして、ビジネス会計検定もおすすめです。

簿記検定が主に財務諸表を「作成する」内容であるのに対して、ビジネス会計検定は主に財務諸表を「分析する」内容となっております。

両検定の詳細については、「ビジネス会計検定と簿記検定の共通点、相違点は?」をご参照ください。

 

3) 公認会計士等の適性を測れる

大学生が簿記を学ぶ3つ目のメリットとしては、「公認会計士等の適性を測れる」ことが考えられます。

「時間が取れる大学生のうちに、手に職を持てる資格を取りたい!」

このように考えて、公認会計士や税理士を目指す人も、一定数いるかと思います。

ただ、公認会計士や税理士を目指す場合は、何千時間という時間を費やす必要があり、勉強を始めるのに慎重な判断が必要なのも事実です。

公認会計士試験の勉強時間は3,000時間?私は3倍必要でした」でお伝えしている通り、実際に私は公認会計士試験に合格するまでに、9,000時間もの時間を必要としました。

この点、いきなり多くの勉強時間を費やすのはリスクが高いので、まずは簿記検定の勉強をしてみて、公認会計士・税理士に対する適性を測ってみるのがおすすめです。

具体的には、簿記検定3級の勉強をしてみて、割と苦なく合格できれば、最低限の適性はあると言えます。

反対に、3級合格に1年を費やした、あるいは合格できなかったといった場合は、公認会計士・税理士の道は避けた方が無難かもしれません。

以上より、「公認会計士等の適性を測れる」ことは、大学生が簿記を学習するメリットと言えます。

 

4) 時間があり合格しやすい

大学生が簿記を学ぶ4つ目のメリットとしては、「時間があり合格しやすい」ことが考えられます。

簿記3級、あるいは簿記2級に合格するためには、何時間の勉強時間が必要なのでしょうか?

簿記3級・2級の勉強時間は?一ヶ月・二ヶ月での合格は可能?」でお伝えしている通り、簿記3級の場合は100~150時間簿記2級の場合は200~250時間程度の勉強時間が必要になると考えられます。

社会人が簿記3級を目指そうと考えた場合、平日30分・休日3時間の勉強を4か月間継続することで、150時間程度の勉強時間を確保することができます。

一方で大学生の場合は、平日も授業以外は勉強時間にあてることができ、毎日3時間勉強すれば前述の社会人と同じ勉強時間を、2か月以内で達成することができます。

また、同じ内容を4か月かけて勉強するのと、2ヶ月間に詰め込むとのでは、後者の方が学習効率が高く、望ましいです。

社会人よりも大学生の方が勉強時間を確保でき、より短期で合格することができるのです。

以上より、「時間があり合格しやすい」ことは、大学生が簿記を学習するメリットと言えます。

 

5) 起業の役に立つ

大学生が簿記を学ぶ5つ目のメリットとしては、「起業の役に立つ」ことが考えられます。

何の事業をするかは漠然としているけど、とりあえず将来的に起業したいと考えている大学生も、多いのではないでしょうか?

ただ、具体的に何か行動を起こせているわけではなく、そんな自分に焦る人もいるかと思います。

そんな大学生には、とりあえず簿記の勉強をしてみることをおすすめします。

簿記ができるからといって、起業に成功するとは限りません。

一方で、起業するのであれば以下の理由から、最低限簿記の内容は知っておくべきです。

・自社や他社の経営成績や財務状態を正確に把握できる。
・取引先に対する説明に会計知識を加えることで説得力が増す。
・公認会計士、税理士などの専門家との共通言語ができる。

ただ、あくまで目的が起業なのであれば、起業のためにすべきことはたくさんあるため、簿記3級までの勉強で問題なく、無理して簿記2級まで取得する必要はありません。(もちろん、2級まで取得できるのであれば、それに越したことはありません。)

以上より、「起業の役に立つ」ことは、大学生が簿記を学習するメリットと言えます。

 

6) テスト対策になる

大学生が簿記を学ぶ6つ目のメリットとしては、「テスト対策になる」ことが考えられます。

これは学部により異なりますが、文系、特に経済学部においては、講義の中に簿記が組み込まれている、あるいは、簿記の講義を選択できることが多いかと思います。

私も経済学部だったのですが、必修科目の中に簿記がありました。

この点、簿記検定の勉強をしておけば、大学の簿記講義のテスト対策を事前に行うことができます。

大学のテストの時期は、他の講義のテスト勉強もしなくてはならないため、事前に1つでもテスト対策を終わらせておくことができれば、大きなメリットとなります。

また、テストで点数をとれば出席しなくても良い講義の場合は、講義に出席する必要がなく空き時間が増えます。

さらに、簿記の勉強で予備校の講座を利用する人にとっては、大学の簿記の講義よりも予備校の簿記講座の方がわかりやすく、理解が深まる可能性があります。

以上より、「テスト対策になる」ことは、大学生が簿記を学習するメリットと言えます。

★結局何級までとればいいの?
「簿記のメリットはわかったけど、結局何級まで勉強すればいいの?」
と思われた人も、いるかもしれません。

結論としては、簿記2級までの取得をおすすめします。

後述するように、大学生には他にも学ぶべきことがあるため、簿記にあまり時間をかけすぎないのが理想です。
一方で、実用性を考えた場合、より高い級の取得が望ましいのも事実です。

そのため、できるだけ少ない勉強時間で、できるだけ多くの実用的なスキルを身に付けることを考えた場合、簿記2級を目標とすべきと言えます。

 

2. 簿記を大学生が学ぶデメリット

簿記を大学生が学ぶデメリット

1) お金がかかる

大学生が簿記を学ぶ1つ目のデメリットとしては、「お金がかかる」ことが考えられます。

簿記の勉強をするためには、最低限の教材代金が必要となります。

また、予備校の簿記講座を利用する場合は、講座の代金も必要となります。

具体的には、簿記2級まで勉強することを考えると、少なくとも2万円以上のお金がかかると考えられます。

社会人ならまだしも、大学生にとっては数万円というのは、それなりに大きな金額です。

本来であれば好きな物や好きなことに使っていたはずの数万円を、簿記のために使うこととなってしまいます。

以上より、「お金がかかる」ことは、大学生が簿記を学習するデメリットと言えます。

★簿記講座の料金比較!
参考までに、各予備校の簿記講座の料金を掲載しておきます。

TAC 84,000円
大原 80,100円
ユーキャン 88,000円
フォーサイト 41,580円
クレアール 33,500円

*通信講座。
*3級と2級の合計金額。

 

2) 時間がかかる

大学生が簿記を学ぶ2つ目のデメリットとしては、「時間がかかる」ことが考えられます。

当たり前のことですが、簿記検定に合格するためには、一定の勉強時間を費やす必要があります。

具体的には、前述の通り2級までの取得を前提とすると、300~400時間の勉強時間が必要となります。

一方で、大学時代にやりたいことは、山のようにあるかと思います。

そのため、数百時間の勉強時間がかかることは、大学生にとっては大きなデメリットとなります。

もちろん、初めにお伝えしている通り、簿記取得には多くのメリットがあるのも事実ですので、費やす時間とメリットをしっかりと見比べて、冷静に判断する必要があります。

以上より、「時間がかかる」ことは、大学生が簿記を学習するデメリットと言えます。

 

3) 理解しづらい

大学生が簿記を学ぶ3つ目のデメリットとしては、「理解しづらい」ことが考えられます。

実は簿記を勉強するにあたり、大学生は社会人よりも圧倒的に不利な点があります。

それは、ビジネス経験がない点です。

簿記とは、ビジネスの結果発生した各取引を、勘定科目と金額に置き換えるスキルであり、背景にあるビジネスを理解することが、非常に大切なこととなります。

(簿記につきましては、「簿記とは何かを簡単に初心者にわかりやすく解説します!」も合わせてご確認ください。)

しかし、ビジネスを全く経験したことがない大学生に、ビジネスについて理解しろというのは、かなり無理があります。

そのため、大学生が簿記を勉強しても、単なる数字遊びにしか見えない可能性があり、勉強が進まないことがあります。

この点については、インターンやアルバイトで、多少なりともビジネスに触れている人の方が、簿記学習にあたり有利となります。

以上より、「理解しづらい」ことは、大学生が簿記を学習するデメリットと言えます。

 

4) 会計系キャリアに固執してしまう

大学生が簿記を学ぶ4つ目のデメリットとしては、「会計系キャリアに固執してしまう」ことが考えられます。

将来のキャリアを考えて、とりあえず簿記の取得を検討している人も、多いかと思います。

簿記はビジネスの共通言語であり、非常に汎用性が高いため、この考え自体は間違っていません。

しかし、気付くと「簿記を活かせそうなキャリア」、つまりは会計系のキャリアに自分が固執してしまっている、というケースもあります。

簿記はあくまでキャリアの選択肢を広げるための「手段」でしかないはずなのに、簿記という資格を活かすことが「目的」となってしまわないように、注意が必要です。

大学生のうちは、自分が考えているキャリアプランがころころ変わること自体は、大した問題ではありません。

むしろ、柔軟にキャリアを描けない方が問題です。

簿記を取得することで、自分がキャリアの選択肢を狭めそうだと思うのであれば、簿記の勉強を大学生のうちにするのは、やめた方が良いかもしれません。

以上より、「会計系キャリアに固執してしまう」ことは、大学生が簿記を学習するデメリットと言えます。

★簿記のおすすめ通信講座
元簿記講座の運営者である筆者が、「講座代金」と「講座との相性」の観点から、おすすめ通信講座を以下の3つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。

・クレアール
・スタディング
・フォーサイト

詳細は「簿記の通信講座おすすめ3選!合格実績よりも相性が大切?」をご確認ください。

 

3. 簿記以外に学ぶべきこと

簿記以外に学ぶべきこと

それでは最後に、大学生が簿記以外に学ぶべきことについて、お伝えしていきます。

簿記と合わせて、1つずつ学習していきましょう。

 

1) 英語

1つ目の大学生が簿記以外に学ぶべきことは、「英語」です。

もはや説明は不要かもしれませんが、大学生のうちに英語を学んでおくことは、非常に大切です。

ただ、意外に見落としがちなのが、英語を学ぶ「目的」です。

何となく英語は大切だと理解していても、なぜ英語を学んだ方がいいのか、ちゃんと説明できる人は意外に少ないのではないでしょうか?

「留学に必要だから」という人もいますが、留学もあくまで「手段」であり、「目的」ではありません。

もちろん、目的は人によって異なりますが、例えば以下のようなものが、主な目的として考えられます。

・活躍できる分野の拡大。
・情報収集/発信できる領域の拡大。
・異文化の理解。
・世界から見た日本を理解。

目的意識を持って英語学習に取り組むことで、モチベーションを継続できるため、なぜ英語を勉強したいのか?といった点は、初めにしっかりと向き合ってください。

学習方法については調べれば山のように出てくるため、自分に合った方法を選択すれば良いかと思います。

スマホの音声認識機能を使って、自分一人でアウトプットトレーニングができる「トーキングマラソン 」などもおすすめですので、ぜひ利用してみてください。

以上より、「英語」は、大学生が簿記以外に学ぶべきことと言えます。

 

2) プログラミング

2つ目の大学生が簿記以外に学ぶべきことは、「プログラミング」です。

プログラミングと聞くと、「エンジニアを目指しているわけではないから、自分には関係ない」と考える人がいますが、これは大きな間違いです。

これからの時代、最低限のプログラミング知識は、どの職種においても要求されます。

その主な理由としては、以下が挙げられます。

・製品理解に役立つ。
・副業でお金を稼げる。
・転職や独立をしやすい。
・普段の業務を効率化できる。
・エンジニアとやりとりしやすい。

プログラミングは初めから我流で勉強しても、使える知識は身に付きません。

そのため、お金はかかりますが、TechAcademy 【テックアカデミー】 などのプログラミング専用の講座を受講するのが、おすすめとなります。

以上より、「プログラミング」は、大学生が簿記以外に学ぶべきことと言えます。

 

3) マーケティング

3つ目の大学生が簿記以外に学ぶべきことは、「Webマーケティング」です。

何の業界に就職するにせよ、Webでの集客は不可欠です。

営業であっても、Webマーケティングの施策を立案できる人の方が、重宝されます。

経理であっても、Webマーケティングの内容を理解して、広告宣伝費や代理店への外注費の内容を精査できる人の方が、重宝されます。

ただ、「大学生のうちからどうやってWebマーケティングを学べばいいの?」という壁にぶつかります。

この点、Webマーケティングの基礎を学ぶためには、自分でブログを運営して、Googleアドセンスやアフィリエイトを駆使し、実際に稼いでみるのがおすすめです。

収益を上げるための戦略や、読み手に伝わりやすいライティング、また、実際にモノを売る経験など、多くのことを学ぶことができます。

さらに、ある程度実績を出すことができれば、就活の際に武器となるエピソードとなります。

以上より、「Webマーケティング」は、大学生が簿記以外に学ぶべきことと言えます。

 

4. 終わりに

簿記を大学生が勉強する、メリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

長いようで短い大学生活を有意義なものとするために、簿記のメリット・デメリットをしっかりと理解しながら、簿記を学習すべきか冷静に判断してください。

 

5. まとめ

Point!

◆メリット
・就活の武器になる。
・決算書を読む基礎がつく。
・会計分野の適性を測れる。
・勉強時間を確保しやすい。
・起業に最低限必要な知識がつく。
・大学のテスト対策になる。
◆デメリット
・お金がかかる。
・時間がかかる。
・内容を理解しづらい。
・簿記を活かしたキャリアに固執してしまう。

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