経理をアウトソーシング・外注する際に注意すべき7つのこと

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経理のアウトソーシングについて、一度は社内で議論があった会社も多いかと思います。

何事もリスクはつきものであり、経理を外注するにあたっても当然に、メリットもあればデメリットもあります。

そこで今回は、経理をアウトソーシングする際の注意点を7つ紹介していきます。

外注を検討している人は、本記事の内容を踏まえ、外注の可否について判断してください。

 

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1. なぜアウトソーシングする必要がある?

なぜアウトソーシングする必要がある?

まず、そもそもなぜ経理のアウトソーシングが必要なのか?について、その理由を4つ解説していきます。

 

1) 本来やるべき業務に集中できる

1つ目の経理のアウトソーシングが必要な理由としては、「コアな業務に経営資源(人・モノ・金)を集中できる」ことが挙げられます。

定型的な誰でもできる業務をアウトソーシングすることで、経理として本来取り組むべき業務にリソースを集中することができます。

経理が本来やるべき業務としては、例えば、非定型的な取引について会計上の処理を検討したり、財務諸表を分析して経営判断に資する情報を経営層に提供するなどが考えられます。

AIやRPAの導入が進んでいる中で、各人が経理としてスキルアップする必要があり、そのために定型業務は外注して、本来経理に求められている業務の数をこなす必要があります。

以上より、「コアな業務に経営資源を集中できる」ことは、経理のアウトソーシングが必要な理由と言えます。

★AIやRPAで経理はなくなる??
AIやRPAの台頭により経理の職が奪われる、という話を一度は聞いたことがあるかもしれません。
ただ、AIやRPAにも苦手分野があり、また、AIやRPAを経理業務に導入するためにはむしろ経理の知識が必要となるため、経理がなくなることはまずないと考えられます。

AIやRPAと経理の関係については、以下の記事をご参照ください。
・AI:「経理はAIでなくなる!?人工知能に負けないためには??
・RPA:「経理の将来性は?RPA導入で経理業務はどう変わる?

 

2) コストダウン

2つ目の経理のアウトソーシングが必要な理由としては、「コストダウン」が挙げられます。

経理部員複数人のコストを外注費に一本化することができ、また、一般的に外注先は複数の会社から経理業務を受注することで、1社あたりの受注金額を抑えることができるため、結果的にコストダウンとなります。

例えば、経理部員一人を雇うだけでも、給与・賞与だけでなく、採用コストや教育コスト、退職金などが発生します。

さらに、定期的に退職することで人数が足らなくなるため、その都度新たに人を雇う必要があり、上述の費用が発生します。

外注すればこれらのコストは発生しません。

以上より、「コストダウン」は、経理のアウトソーシングが必要な理由と言えます。

★安定したパフォーマンスを期待できる
経理部員の場合は、メンバーが辞めるたびに一から教育が必要となり、離職率をかなり下げないと、経理部全体としてのパフォーマンスに波ができてしまいます。

一方で、アウトソーシングであれば、毎回支払った金額に比例した安定的なパフォーマンスが期待できます。
経理に求められているのは、毎月・毎年変わらない安定したパフォーマンスですので、パフォーマンスが一定であることも、アウトソーシングを採用する理由の一つとなります。

 

3) 作業量に応じて変動費化できる

3つ目の経理のアウトソーシングが必要な理由としては、「作業量に応じて変動費化できる」ことが挙げられます。

経理部員を雇用した場合、給料や社会保険、福利厚生費などの費用が毎月発生します。

毎月の作業量が一定であり、その作業量に対して適切な人員配置であれば問題ないのですが、実際は年度や四半期の決算月と通常の月とで作業量が異なります。

つまり、月によっては必要のない費用が発生している可能性があります。

一方で作業をアウトソーシングした場合は、毎月の作業量に応じて外注費をコントロールできるため、必要な月に必要な量だけ費用を発生させることができます。

また、固定費である経理部員の人件費は、売上に関係なく毎月一定額が発生するのに対して、変動費である外注費は、毎月の売上に応じて調整できるため、売上が減少している局面においては固定費を減少しないと利益が圧迫されます。

以上より、「作業量に応じて変動費化できる」ことは、経理のアウトソーシングが必要な理由と言えます。

 

4) 属人化を防げる

4つ目の経理のアウトソーシングが必要な理由としては、「属人化を防げる」ことが挙げられます。

「その作業は○○さんに聞かないとわからない。」といった会話を聞いたことがないでしょうか?

経理作業の一部について、特定の人間しかやり方を知らない状況を作ってしまった場合、非常にリスクが高いです。

例えば、その人が病気や急な用事で休んでしまった場合、その業務を誰もできない状況となってしまいます。

また、その業務において重大なミスが発生していた場合でも、その人以外はやり方がわからないため、そもそもミスに気付くことができません。

会社としてもその人しかわからない業務があった場合、その業務についてはいいなりになることしかできません。

この点、経理業務をアウトソーシングすれば、業務が属人化することなく、また、アウトソーシングする際に作成するマニュアルがあるため、最悪の場合自分達でもやり方を把握することはできます。

以上より、「属人化を防げる」ことは、経理のアウトソーシングが必要な理由と言えます。

★なぜ属人化は起こる?
属人化はどの組織でも、どの職種でも起こりうるものですが、そもそもなぜ属人化が起こるのでしょうか?
属人化しようとする側からしてみれば、自分にしかできない業務を作ることで、自分の雇用を守ることができるというのも1つの理由として考えられます。

あるいは、他人にノウハウを共有することにメリットを感じないことも、理由としては考えられます。
ただ、自分にしかできない業務に固執すると、新たな業務に取り組む機会を失ってしまい、成長することができません。

また、今の自分ができることを「1」とすると、自分で全てやることを繰り返して力をつけてもせいぜい「1.5」くらいしかできませんが、ノウハウを共有して相手が自分と共に成長すれば最終的に「1.5×人数」の成果をだせるようになります。

 

2. 外注する際に注意すべき7つのこと

外注する際に注意すべき7つのこと

1) 業務フローのマニュアル化は済んでいるか?

外注する際に注意すべきことの1つ目としては、「業務フローのマニュアル化は済んでいるか?」といった点が挙げられます。

外注する際は外注先に、依頼する業務のマニュアルを渡す必要があります。

属人化している業務を外注したい場合によく起こるのですが、その人しか業務内容を知らないため、その業務をマニュアル化するのにかなり苦労することがあります。

また、属人化の有無に関係なく、そもそも業務マニュアルがないパターンも多いかと思います。

経理担当の方であればわかると思うのですが、経理は定型業務に見えて意外にイレギュラーな業務も多く、マニュアル化しづらいと感じる人も多いです。

ただとりあえずは、基本的な業務フローをマニュアル化して、例外的対応についてはいくつか例示する程度で始めは問題ないかと思います。

また、マニュアルというと文字情報を思い浮かべる方が大半かと思いますが、必ずしも文字情報である必要ありません。

動画や音声のマニュアルの方が外注先に伝わりやすければ、そちらでも問題ありません。

大切なのは形式ではなく、相手に業務フローを正しく伝えることです。

以上より、「業務フローのマニュアル化が済んでいるか?」といった点は、アウトソーシングする際に注意すべきことと言えます。

 

2) 信頼できる業者か?

外注する際に注意すべきことの2つ目としては、「信頼できる業者か?」といった点が挙げられます。

ものすごく当たり前のことではありますが、外注先の業者は慎重に比較検討する必要があります。

経理のアウトソーシングに対する知見を増やすためにも、複数社を比較検討した方が良いです。

金額や外注できる業務内容ばかりに目が行きがちですが、情報漏洩対策については特に目を光らせる必要があります。

経理は各部署からの情報が集まっており、会社の根幹とも言える情報を外注先に渡すことになります。

場合によっては、お客様の情報を共有することもあるかもしれません。

そのため、外注先のセキュリティ環境については、しっかりと確認してください。

パスワードもつけずに情報をやり取りするような業者であれば、即刻手を切るべきです。

情報漏洩はたったの一回でも企業の社会的信用力を下げ、売上や会社の存続に直結する重大なことです。

この際に重要となるのが、以下のような点となります。

・自社内で外注に関する明確なセキュリティ基準を作成しておく。
・外注先をセキュリティ基準に基づいて評価し、リスクを判断する。
・契約締結後も継続的にセキュリティ基準を満たしているかフォローアップする。

「セキュリティ対策は万全です!」という外注先の言葉を鵜呑みにせずに、自ら主体的に確認する必要があります。

以上より、「信頼できる業者か?」といった点は、アウトソーシングする際に注意すべきことと言えます。

★将来的には独立して業務を受注する!?
今回は発注者側の立場で解説しておりますが、将来的には自分自身が独立して、経理業務を受注する側にまわるのも一つの方法です。

前述のように経理のアウトソーシングはメリットが多く、今後もその市場は拡大していく可能性があるため、興味がある場合は今のうちから準備をしておいた方がいいです。

フリーランス経理については「経理がフリーランスになるのは可能?押さえるべきポイントは?」もご参照ください。

 

3) 本当に業務は効率化されるか?

外注する際に注意すべきことの3つ目としては、「本当に業務は効率化されるのか?」といった点が挙げられます。

前述のように一般論としては、定型作業を外注することでコア業務に集中でき、業務が効率化されると言われております。

しかし、外注した場合は外注先業者のマネジメントが追加で必要となり、報連相がスピーディーに行われなければ、むしろ余計な手間が発生してしまう可能性があります。

また、始めにどこまでやってくれるか明確にしておかないと、例えば専門的な論点が発生して顧問税理士と相談する際は、自分達でやらなければならないなど、結局最終的には自分達でやることがたくさん残ることもあります。

アウトソーシング先は「何ができて、何ができない」のか?「何をしてくれて、何をしてくれない」のか?について、契約前にしっかりと打ち合わせを重ねるべきです。

以上より、「本当に業務は効率化されるのか?」といった点は、アウトソーシングする際に注意すべきことと言えます。

★まずは経理としてのスキルを上げる!
外注して業務を効率化することは組織全体としては大事ですが、個人として考えた場合は、まずは自身の経理スキルを上げて業務を効率化する必要があります。

経理としてスキルアップするための勉強方法やおすすめの書籍については、以下をご参照ください。
・勉強方法:「経理の勉強方法とは?おすすめ4選をご紹介!
・書籍:「経理実務の勉強におすすめの本4選!

 

4) 本当にコストダウンになるのか?

外注する際に注意すべきことの4つ目としては、「本当にコストダウンになるのか?」といった点が挙げられます。

前述のように、一般的には外注することで経理部員の人件費などが削減でき、コストダウンにつながると考えられており、外注する側もコストメリットが一番大きな要因となることが多いです。

ただ、コストについては最終的な段階で、もう一度冷静になり判断すべきです。

実は経理担当者一人を雇った方安上がりなのでは?といったケースもあるかと思います。

また、スタート時のコストは安く見えても、追加コストが必要となるケースもあり、慎重な見極めが必要です。

経理のアウトソーシングの場合は、外注先が高度な専門知識を持った集団である可能性もあり、その場合は当然にコストもそれなりとなります。

以上より、「本当にコストダウンになるのか?」といった点は、アウトソーシングする際に注意すべきことと言えます。

★安ければ安いほどいい?
コストに関しては、必ずしも安い方が良いとは限りません。
あくまで依頼内容と見比べて、費用対効果が高いか低いかを見るべきです。

安く受注できれば一時的に社内の評価は高まるかもしれませんが、長い目で見れば業務内容と比べて適正な価格で引き受けた方が、会社にとってはいいです。

 

5) 経理担当者のモチベーションは大丈夫か?

外注する際に注意すべきことの5つ目としては、「経理担当者のモチベーションは大丈夫か?」といった点が挙げられます。

外注しようとしている業務を現在担当している経理社員にとってみれば、自分の職が奪われてリストラされるのでは?と不安になってしまいます。

会社としては必要に応じてリストラするケースもあるかもしれませんが、基本的には本来集中すべきコア業務に経理社員をシフトさせて、コア業務のパフォーマンスを上げていく方向かと思います。

であれば、その旨をしっかりとメッセージングしないと、経理担当者のモチベーションは下がっていくばかりです。

場合によっては外注に反対して、いっこうに外注が進まないかもしれません。

以上より、「経理担当者のモチベーションは大丈夫か?」といった点は、アウトソーシングする際に注意すべきことと言えます。

★辞めるのはちょっと待って!
もしあなたが外注するための業務を今担当しており、「外注するなら辞めたいな。。」と思っているのであれば、ちょっと待ってください。

辞めたいのは本当に外注が原因でしょうか?
その他の要素があるのではないでしょうか?

経理を辞めたいと思ったら考えるべき12のこと」を参考にしながら、本当に辞めるべきか冷静に判断してください。

 

6) 本当に今外注すべきか?

外注する際に注意すべきことの6つ目としては、「本当に今外注すべきか?」といった点が挙げられます。

経理の外注により直接的に売上が上がることはなく、事業を成功させるために他にやることがあるのではないか?といった問いかけは常に必要となります。

外注する場合、最終的に外注化が安定するまで、想像以上の労力がかかります。

場合によっては他の作業を中断させて、外注化に専念することも考えられます。

外注先はあの手この手で「今すぐ外注すべき」といった話を持ち掛けてくるかもしれませんが、今会社の置かれている状況を冷静に判断して、外注のタイミングを見極めなければなりません。

以上より、「本当に今外注すべきか?」といった点は、アウトソーシングする際に注意すべきことと言えます。

 

7) 自社の事業は外注に向いているか?

外注する際に注意すべきことの7つ目としては、「自社の事業は外注に向いているか?」といった点が挙げられます。

スタートアップやベンチャー企業のように、毎月・毎年事業内容や業績に大きな変化が予想される企業であれば、そのたびに費用を調整できる外注は向いております。

一方で、大企業のように事業内容や業績が安定している企業であれば、必要な人員数なども明確であるため、経理部員を直接雇用した方が会社内にノウハウもたまり、長期的には望ましい可能性があります。

また、会社に対するコミットメントも直接雇用の方が高いため、事業が安定している場合は直接雇用の方が向いていると言えます。

以上より、「自社の事業は外注に向いているか?」といった点は、アウトソーシングする際に注意すべきことと言えます。

 

3. 終わりに

経理をアウトソーシングする際に注意すべきことについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

外注にはメリットもデメリットもあります。

一般論に振り回されずに、自社の状況を見ながら、適切な判断をしてください。

 

4. まとめ

Point!

◆マニュアルはできているか?
◆外注業者のセキュリティは大丈夫か?
◆業務削減に寄与するか?
◆コストメリットはあるか?
◆経理担当者のやる気は落ちてないか?
◆外注のタイミングは今が適切か?
◆事業内容は外注に向いているか?

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