ビジネス会計検定2級とは?3級との違いは?挑戦すべき5つの理由

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・ビジネスに役立つ会計知識がほしい!
・まずは簿記2級から取得しようかな..
・でも、簿記は本当に実務で使えるの?
・そもそも簿記は経理の資格なのでは?

ビジネス会計検定は、そんな風に悩んでいるビジネスパーソンに、おすすめの資格です。

簿記が財務諸表を「作成」する知識を測る試験ならば、ビジネス会計検定は財務諸表を「分析」する力を測る試験です。

実は、経理職以外のビジネスパーソンにとっては、簿記よりもビジネス会計検定の勉強をした方が、仕事に必要な会計知識が身につきやすいです。

企業において財務諸表を作るのは経理の仕事ですが、財務諸表を分析する知識は、あらゆる職種にとって役立てられる知識だからです。

ビジネス会計検定は3級から1級まで実施されていますが、本格的に仕事に活かせるレベルは2級以上です。

3級よりも実践的で、1級よりも易しい問題が出題される2級。

そんなビジネス会計検定2級とはどのような資格なのか?について、本記事では解説していきます。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・ビジネス会計検定講座講師
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. 3級と何が違うの?

ビジネス会計検定3級と何が違うの?

ビジネス会計検定2級と聞いてまず思い浮かぶのが、「3級と何が違うの?」といった点ではないでしょうか?

そこではじめに、ビジネス会計検定2級と3級の違いについて、解説していきます。

ビジネス会計検定3級と2級は、大きく分けると前半部分の「知識」の章と、後半部分の「分析」の章に分かれます。

以下で、それぞれの章における3級と2級の違いについて、お伝えしていきます。

 

1) 知識

「知識」の章は、3級の公式テキストであれば第1章~第4章、2級の公式テキストであれば第1章~第8章が該当します。

そして、ビジネス会計検定2級で新たに出てくる論点が、『連結財務諸表』です。

連結財務諸表と聞くと、「何が難しそうだな、、」と思う人もいるかもしれません。

確かに、簿記検定2級で出てくるような連結財務諸表の仕訳作成問題は、難易度の高い問題となります。

一方で、ビジネス会計検定では、仕訳が問われることはなく、「連結の範囲」や「連結財務諸表特有の用語」などが出題されます。

これは、簿記検定が財務諸表を「作成する」ことに重きを置いているのに対して、ビジネス会計検定が財務諸表を「分析する」ことに重きを置いているための違いとなります。

「連結財務諸表を作るのではなく、とりあえず読めるようになりたい!」という人には、ビジネス会計検定2級がおすすめと言えます。

 

2) 分析

「分析」の章は、3級の公式テキストであれば第5章、2級の公式テキストであれば第9章が該当します。

そして、ビジネス会計検定2級で新たに出てくる論点としては、以下の4つがあります。

・キャッシュフローの分析
・セグメント情報の分析
・連単倍率、規模倍率
・損益分岐点分析

さらに、3級で扱った安全性分析・収益性分析や1株当たり分析などについても、新たな分析指標が2級から追加されております。

、、、具体的にどのような指標が問われるの?と思われたかもしれません。

そこで、ビジネス会計検定2級から新たに出てくる指標について、いくつか例題を掲載しておきますので、3級との違いを押さえる意味でも、確認してみてください。

 

① 安全性分析

安全性分析(ビジネス会計検定2級):固定比率 固定長期適合率ー問題

 

② 収益性分析

収益性分析(ビジネス会計検定2級):キャッシュコンバージョンサイクルー問題

 

③ キャッシュフロー分析

CF分析(ビジネス会計検定2級):営業CFマージンー問題

 

④ 連単倍率・規模倍率

連単倍率・規模倍率(ビジネス会計検定2級):資産規模の割に収益性は高い低いー問題

 

⑤ 損益分岐点分析

損益分岐点分析(ビジネス会計検定2級):損益分岐点売上高ー問題

 

⑥ 1株当たり分析

1株当たり分析(ビジネス会計検定2級):配当利回りー問題

 

⑦ 1人当たり分析

1人当たり分析(ビジネス会計検定2級):労働装備率-問題

いかがでしょうか?

もし上記の問題全てに迷いなく解答できたのであれば、ビジネス会計検定2級を受験する必要はありません。

反対に、少しでも解答に迷いがあった、あるいは全くわからなかった人は、ビジネス会計検定2級の受験を検討してみてください。

また、3級の勉強をしていない人は、いきなり2級から勉強を始めるのではなく、3級から勉強するのがおすすめです。

3級の詳細につきましては、「ビジネス会計検定3級が必要ない人とは?受験要項や難易度は?」をご参照ください。

それでは、ビジネス会計検定2級の詳細について、次項から見ていきましょう。

 

参考:先ほどの答え

① 安全性分析:固定比率・固定長期適合率

安全性分析(ビジネス会計検定2級):固定比率 固定長期適合率ー解答

② 収益性分析:キャッシュコンバージョンサイクル

収益性分析(ビジネス会計検定2級):キャッシュコンバージョンサイクルー解答

③ キャッシュフロー分析:CFマージン

CF分析(ビジネス会計検定2級):営業CFマージンー解答

④ 連単倍率・規模倍率

連単倍率・規模倍率(ビジネス会計検定2級):資産規模の割に収益性は高い低いー解答

⑤ 損益分岐点分析:損益分岐点売上高

損益分岐点分析(ビジネス会計検定2級):損益分岐点売上高ー解答

⑥ 1株当たり分析:配当利回り

1株当たり分析(ビジネス会計検定2級):配当利回りー解答

⑦ 1人当たり分析:労働装備率

1人当たり分析(ビジネス会計検定2級):労働装備率-解答

 

2. 2級の出題形式と受験要項

ビジネス会計検定2級

ビジネス会計検定2級は、大阪商工会議所が主催している検定試験です。

2級では、有価証券報告書に記載されている連結財務諸表の項目や、計算構造について問われます。

さらに、キャッシュフローの計算や、企業の採算性をチェックする損益分岐点なども出題範囲となります。

 

1) 出題形式

出題形式は、4択か5択のいずれかによるマークシート方式で、制限時間は120分。

正誤問題、穴埋め問題、計算問題などが出題されます。

全50問(各2点)の100点満点であり、70点以上取得すると合格です。

大問4つから構成されており、例えば第28回~34回試験の問題構成や出題内容は、以下の通りとなります。

*個別問題(大問Ⅰ,Ⅱ)
⇒1問1問が独立した問題
*総合問題(大問Ⅲ,Ⅳ)
⇒与えられた財務諸表に関する複数の問題

(問題構成)

大問 28回 29回 30回 31回
9問 9問 8問 9問
9問 8問 9問 9問
16問 14問 17問 17問
16問 19問 16問 15問
大問 32回 33回 34回
10問 11問 10問
8問 8問 9問
17問 13問 15問
15問 18問 16問

(出題内容)

第28回試験(2021年3月実施) 【大問Ⅰ:個別問題(全9問)】
出題内容はこちら ・連結会社間の取引
・満期保有目的の債券の貸借対照表価額
・棚卸減耗損
・有利子負債
・当期製品製造原価、売上原価
・労務費、経費
・連結損益計算書の表示
・連結株主資本等変動計算書の表示
・CF計算書の現金及び現金同等物
・1株当たり分析(PBR)
【大問Ⅱ:個別問題(全8問)】
出題内容はこちら ・連結財務諸表の定義
・経常利益の計算
・引当金の定義/分類
・財務活動によるキャッシュフロー
・連結附属明細表
・有形固定資産
・リース投資資産
・包括利益の計算
・1人当たり営業利益、資本集約率の計算
【大問Ⅲ:総合問題(全14問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・安全性分析(正味運転資本/当座比率)
・安全性分析(固定長期適合率/自己資本比率)
・収益性分析(総資本事業利益率)
・収益性分析(総資本事業利益率の分解)
・収益性分析(ROE)
・収益性分析(ROEの分解)
・セグメント分析
・収益性分析(売上債権回転期間)
・自己資本営業キャッシュフロー比率
・営業キャッシュフロー対流動負債比率
【大問Ⅳ:総合問題(全19問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・安全性分析(手元流動性比率/固定比率)
・安全性分析(ネットキャッシュ)
・安全性分析(負債比率/財務レバレッジ)
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・収益性分析(ROE/ROEの分解)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・営業キャッシュフロー・マージン
・設備投資額対キャッシュフロー比率
・CVP分析
・1株当たり分析(PER)
・1株当たり分析(PCFR/DOE)
・1株当たり分析(株式益回り)
第29回試験(2021年10月実施) 【大問Ⅰ:個別問題(全8問)】
出題内容はこちら ・有価証券届出書、目論見書の開示書類と交付対象
・四半期財務諸表の記載情報、連結財務諸表の作成者
・正味売却価額、再調達原価
・CP、資産除去債務
・自己株式の評価方法と処分差益
・キャッシュフロー計算書の資金の範囲
・後発事象
・セグメント情報
【大問Ⅱ:個別問題(全9問)】
出題内容はこちら ・持分法
・減損損失
・税効果会計
・包括利益
・有利子負債の計算
・売上原価の計算
・親会社株主に帰属する当期純利益の計算
・営業CF(間接法)の計算
・収益性分析(経営資本営業利益率の分解)
【大問Ⅲ:総合問題(全17問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・非連結または関連会社が存在するかの判断
・製造業か否かの判断
・税務上と会計上の税額の比較
・収益性分析(売上高営業利益率)
・安全性分析(固定長期適合率)
・収益性分析(ROE)
・収益性分析(総資本経常利益率の分解)
・収益性分析(棚卸資産回転期間)
・営業キャッシュフロー対流動負債比率
・連単倍率
・CVP分析
・1株当たり分析(PBR)
・1株当たり分析(CFPS)
・1株当たり分析(配当性向)
・1株当たり分析(配当利回り)
【大問Ⅳ:総合問題(全16問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・安全性分析(流動比率/当座比率)
・安全性分析(手元流動性比率/ネットキャッシュ)
・安全性分析(固定比率/負債比率)
・安全性分析(自己資本比率)
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・収益性分析(経営資本営業利益率)
・収益性分析(売上債権回転期間/棚卸資産回転率)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・収益性分析(ROE)
・営業キャッシュフロー・マージン
・設備投資額対キャッシュフロー比率
・CVP分析
・1株当たり分析(株式益回り)
・1株当たり分析(PER)
・1株当たり分析(時価総額)
第30回試験(2022年3月実施) 【大問Ⅰ:個別問題(全9問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の種類、連結財務諸表の作成者
・棚卸減耗損、商品評価損の計上区分
・社債の償却原価法、CP
・利益準備金の計上区分
・ストックオプション
・固定資産税の計上区分
・のれん償却額の計上区分
・当期純利益の区分
・持分法による投資利益
・株主資本等変動計算書の区分
・株主資本等変動計算書の株主資本の総額表示
・営業CFの直接法と間接法
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
【大問Ⅱ:個別問題(全9問)】
出題内容はこちら ・子会社の定義の穴埋め
・負債の定義、負債の区分の穴埋め
・注記(影響額の記載が必要でないもの)
・収益、費用の認識基準
・財務CFに区分されるもの
・株主資本の計算
・当期製品製造原価の計算
・包括利益の計算
・売上高原価率
・総資本当期純利益率
・売上債権回転期間
・棚卸資産回転率
・総資本回転率
【大問Ⅲ:総合問題(全17問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・退職給付制度を採用している会社の有無の判定
・製造業を営む会社の有無の判定
・非連結子会社、関連会社の有無の判定
・のれんの計上有無の判定
・安全性分析(流動比率、手元流動性比率)
・安全性分析(負債比率)
・安全性分析(固定長期適合率)
・収益性分析(棚卸資産回転期間、仕入債務回転率)
・収益性分析(総資本営業利益率)
・収益性分析(自己資本当期純利益率)
・営業キャッシュフロー・マージン
・営業キャッシュフロー対流動負債比率
・セグメント資産利益率
・セグメント売上高利益率
・セグメント資産回転率
・CVP分析
・1株当たり分析(PER)
【大問Ⅳ:総合問題(全15問)】
出題内容はこちら ・ファイナンスリース取引の借手、貸手の判定
・非支配株主持分
・安全性分析(当座比率)
・安全性分析(正味運転資本、ネットキャッシュ)
・安全性分析(固定比率)
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・収益性分析(総資本事業利益率)
・収益性分析(売上高営業利益率)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・自己資本営業キャッシュフロー比率
・設備投資額対キャッシュフロー比率
・1株当たり分析(PBR)
・1株当たり分析(配当性向)
・1株当たり分析(株式益回り)
・1株当たり分析(DOE)
・生産性分析(労働装備率、資本集約率)
・生産性分析(1人当たり売上高)
第31回試験(2022年10月実施) 【大問Ⅰ:個別問題(全9問)】
出題内容はこちら ・会社法の開示(四半期、CF計算書)
・連結会社間の取引
・再調達原価、正味売却価額
・純資産の部
・売上原価
・営業外収益、費用(有価証券評価益、手形売却損)
・非支配株主に帰属する当期純利益、包括利益の計算方法
・CF計算書の現金及び現金同等物の注記、当座借越の扱い
・営業キャッシュフロー・マージン
・設備投資額対キャッシュ・フロー比率
【大問Ⅱ:個別問題(全9問)】
出題内容はこちら ・連結財務諸表に特有のもの
・貸借対照表に時価で計上されないもの
・棚卸資産の払出単価の計算(総平均法)
・社債(償却原価法)
・販管費に該当しないもの
・利益剰余金の計算
・投資活動によるCFの計算
・附属明細表のうち個別財務諸表でも作成するもの
・財務レバレッジ、配当利回り
【大問Ⅲ:総合問題(全16問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・安全性分析(自己資本比率)
・安全性分析(ネットキャッシュ)
・安全性分析(固定比率)
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・収益性分析(総資本事業利益率)
・収益性分析(総資本事業利益率の分解)
・収益性分析(自己資本当期純利益率の分解)
・収益性分析(経営資本営業利益率)
・収益性分析(売上債権回転期間、棚卸資産回転率)
・フリー・キャッシュ・フロー
・連単倍率
・規模倍率
・CVP分析
【大問Ⅳ:総合問題(全16問)】
出題内容はこちら ・安全性分析(流動比率/当座比率)
・安全性分析(固定長期適合率)
・安全性分析(負債比率)
・安全性分析(正味運転資本)
・収益性分析(自己資本当期純利益率)
・収益性分析(総資本経常利益率の分解)
・収益性分析(自己資本当期純利益率の分解)
・収益性分析(仕入債務回転期間)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・フリー・キャッシュ・フロー
・営業キャッシュフロー・マージン
・自己資本営業キャッシュフロー比率
・営業キャッシュフロー対流動負債比率
・安全性分析(手元流動性)
・1株当たり分析(PER)
・1株当たり分析(PBR)
・1株当たり分析(DOE)
・1株当たり分析(PCFR)
・1株当たり分析(配当利回り)
・1株当たり分析(配当性向)
・1株当たり分析(株式益回り)
第32回試験(2023年3月実施) 【大問Ⅰ:個別問題(全10問)】
出題内容はこちら ・会社法の開示書類
・連結計算書類の作成義務
・子会社の判定
・事業用資産の定義、含まれるもの
・固定資産の部の区分
・ソフトウェアの区分(無形固定資産)
・引当金の定義、特別修繕引当金
・包括利益に含まれるもの
・連結損益及び包括利益計算書で表示されるもの
・連結損益計算書の売上高(相殺消去後)
・製造原価明細書の計算
・連結株主資本等変動計算書の変動事由
・営業、投資、財務CFから会社状況を判断
・棚卸資産回転率、回転期間
【大問Ⅱ:個別問題(全8問)】
出題内容はこちら ・有利子負債に該当しないもの
・株主資本の金額の計算
・経常利益の定義
・その他の包括利益に含まれるもの
・間接法の営業CFで加算されるもの
・投資活動によるCFに含まれるもの
・過年度の遡及修正が必要でないもの
・CVP分析
【大問Ⅲ:総合問題(全17問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・非連結子会社または関連会社の有無
・固定資産の売却の有無
・安全性分析(正味運転資本)
・安全性分析(当座比率)
・安全性分析(固定比率)
・安全性分析(負債比率)
・収益性分析(総資本経常利益率)
・収益性分析(総資本事業利益率の分解)
・営業キャッシュフロー対流動負債比率
・営業キャッシュフロー・マージン
・1株当たり分析(PER)
・1株当たり分析(PBR)
・1株当たり分析(配当性向)
・1株当たり分析(株主資本配当率)
・生産性分析(1人当たり経常利益)
・生産性分析(資本集約率)
・生産性分析(労働装備率)
【大問Ⅳ:総合問題(全15問)】
出題内容はこちら ・フリー・キャッシュ・フロー
・自己資本営業キャッシュフロー比率
・安全性分析(固定長期適合率)
・安全性分析(売上債権回転期間)
・安全性分析(棚卸資産回転率)
・1株当たり分析(EPS)
・1株当たり分析(CFPS)
・CVP分析
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・安全性分析(手元流動性)
・安全性分析(ネットキャッシュ)
・安全性分析(自己資本比率)
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・収益性分析(ROE)
・収益性分析(ROEの分解)
第33回試験(2023年10月実施) 【大問Ⅰ:個別問題(全11問)】
出題内容はこちら ・会社法の開示書類
・計算書類の公告義務
・持分法
・連結会社間の相殺消去
・取得原価の定義、付随費用
・固定資産の減損
・社債、繰延税金負債の区分
・売上総利益、営業利益、販管費の定義
・当期純利益が誰に帰属するか
・法人税等調整額の減算と税法上、会計上の利益の大小
・その他の包括利益の帰属、税効果の適用
・定期預金と投資CFの関係
・有価証券と現金及び現金同等物の関係
・有形固定資産等明細表
・借入金等明細表
・配当性向
【大問Ⅱ:個別問題(全8問)】
出題内容はこちら ・子会社の判定
・投資その他の資産の計算
・株主資本に含まれるもの
・当期製品製造原価の計算
・持分法による投資損益の定義
・特別損失に含まれるもの
・株主資本等変動計算書の株主資本に影響を与えるもの
・営業CF(間接法)の計算
【大問Ⅲ:総合問題(全13問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・安全性分析(正味運転資本)
・安全性分析(ネットキャッシュ)
・安全性分析(当座比率)
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・安全性分析(負債比率)
・安全性分析(自己資本比率)
・収益性分析(経営資本営業利益率)
・収益性分析(自己資本当期純利益率)
・収益性分析(経営資本営業利益率の分解)
・セグメント資産利益率
・収益性分析(自己資本当期純利益率の分解)
・安全性分析(売上債権回転期間)
・安全性分析(仕入債務回転期間)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・営業キャッシュフロー対流動負債比率
・設備投資額対キャッシュフロー比率
【大問Ⅳ:総合問題(全18問)】
出題内容はこちら ・持分法による投資損失
・親会社以外の株主の有無
・連結上の売上高
・リース資産の貸手の有無
・売上高営業利益率の大小とその原因
・安全性分析(流動比率)
・安全性分析(手元流動性比率)
・安全性分析(固定比率)
・収益性分析(ROE)
・安全性分析(棚卸資産回転期間)
・フリー・キャッシュ・フロー
・営業キャッシュフロー・マージン
・自己資本営業キャッシュフロー比率
・当期純利益の連単倍率
・CVP分析
・1株当たり分析(PBR)
・配当性向
・1株当たり分析(配当利回り)
・1株当たり分析(株式益回り)
・1株当たり分析(DOE)
・1株当たり分析(PCFR)
・1株当たり分析(PER)
・時価総額
・生産性分析(労働装備率)
第34回試験(2024年3月実施) 【大問Ⅰ:個別問題(全10問)】
出題内容はこちら ・連結財務諸表の作成会社
・四半期包括利益計算書の開示情報
・無形固定資産の償却
・定率法の償却額
・資本準備金、自己株式の処分
・在外子会社の換算、為替換算調整勘定
・当期製品製造原価の計算、製造費用
・手形売却損、有価証券売却損の区分
・法人税等、配当金の支出はCF計算書のどの区分か
・連結財務諸表の注記(連結の範囲)
・負債比率、財務レバレッジ
・変動比率と限界利益率の比較
・総資本営業利益率と総資本経常利益率の比較
【大問Ⅱ:個別問題(全9問)】
出題内容はこちら ・有価証券報告書に記載しなくてよいもの
・連結財務諸表に特有のもの
・表示項目と表示区分の組み合わせ
・投資有価証券の金額の計算
・販管費に含まれるもの
・その他の包括利益に表示されるもの
・株主資本の当期変動額の計算
・営業CFに表示されるもの
・セグメント別の売上高利益率、資産利益率
【大問Ⅲ:総合問題(全15問)】
出題内容はこちら ・資産除去債務、繰延税金負債
・CF計算書:連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出、新株予約権の発行による収入
・CF計算書:有形固定資産の売却による収入、長期借入れによる収入
・安全性分析(流動比率)
・安全性分析(正味運転資本)
・安全性分析(固定長期適合率)
・インタレスト・カバレッジ・レシオ
・収益性分析(経営資本営業利益率)
・売上高営業利益率の大小とその原因
・収益性分析(総資本経常利益率)
・収益性分析(総資本事業利益率の分解)
・安全性分析(棚卸資産回転期間)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル
・営業キャッシュフロー対流動負債比率
・1株当たり分析(PBR)
・1株当たり分析(CFPS)
・1株当たり分析(PCFR)
・1株当たり分析(配当利回り)
・時価総額
【大問Ⅳ:総合問題(全16問)】
出題内容はこちら ・財務諸表の穴埋め
・安全性分析(当座比率)
・安全性分析(負債比率)
・安全性分析(固定比率)
・営業キャッシュフロー・マージン
・フリー・キャッシュ・フロー
・自己資本営業キャッシュフロー比率
・設備投資額対キャッシュフロー比率
・1株当たり分析(EPS)
・1株当たり分析(PER)
・1株当たり分析(株式益回り)
・安全性分析(手元流動性比率)
・安全性分析(ネットキャッシュ)
・収益性分析(ROE)
・収益性分析(財務レバレッジ)
・CVP分析

上記の通り、実施回によって前半部分の個別問題と、後半部分の総合問題の問題数の割合が異なります。

総合問題の問題数が多くなる方が、体感的には難しく感じやすいですが、全50問の配分が変わっただけなので、本番ではあまり気にする必要はないです。

また、回によって出題される分野に多少のバラツキはありますが、おおむね各分野の基本的な問題が満遍なく出題されておりますので、基礎をしっかりと押さえることが大切と言えます。

 

2) 受験要項

最新年度の受験要項は、以下の通りです。

■第35回試験

試験日:2024年10月20日
申込期間:8月23日~9月12日
受験票発送日:10月2日
合格発表日:11月21日

■第36回試験 

試験日:2025年3月9日
申込期間:1月10日~1月30日
受験票発送日:2月18日
合格発表日:4月10日

ビジネス会計検定2級の受験料は、7,480円(税込)です。

受験資格には制限がなく、誰でも受験可能です。

受験地は、札幌・仙台・さいたま・東京・横浜・新潟・金沢・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・岡山・広島・山口・松山・福岡・より選択できます。

 

3. 2級の難易度

ビジネス会計検定2級の難易度

過去のビジネス会計検定2級の、合格率を見てみましょう。

◆第34回試験:合格率45%
◆第33回試験:合格率47%
◆第32回試験:合格率59%
◆第31回試験:合格率53%
◆第30回試験:合格率54%
◆第29回試験:合格率52%
◆第28回試験:合格率52%
◆第27回試験:合格率46%
◆第26回試験:合格率54%
◆第25回試験:合格率49%
◆第24回試験:合格率48%
◆第23回試験:合格率36%
◆第22回試験:合格率41%

このように、過去の合格率を見ると、50%前後であるとわかります。

これは、日商簿記2級の合格率20%前後よりも高めであり、決して難易度の高い試験とは言えません。

しかし、易しいというわけでもないです。

合格するためには、しっかりとした試験対策が必要な難易度と言えます。

ビジネス会計検定の難易度の詳細は「ビジネス会計検定の難易度・合格率は??」をご確認ください。

 

4. 勉強方法・勉強時間

ビジネス会計検定2級の勉強方法・勉強時間

すでに簿記検定3級やビジネス会計検定3級に合格している、あるいは会社で経理の仕事をしているなど、ある程度の会計知識がある場合、時間はかかりますが独学での合格も可能です。

勉強方法としては、大阪商工会議所が販売している「ビジネス会計検定試験公式テキスト2級 第6版」及び「ビジネス会計検定試験公式過去問題集2級 第6版」を使用しての勉強が基本となります。

ビジネス会計検定試験2級公式テキスト(第6版)公式問題集(第6版)

公式テキストと公式問題集を使って独学で勉強する場合、3級約100時間2級約200時間程度が勉強時間の目安となります。

しかし、全くの初学者であり、会計の知識に乏しい人にとっては、独学での2級合格は厳しいでしょう。

そのような人は、まずは3級の合格を目指しましょう。

または、ビジネス会計検定の通信講座を利用するのも一つの方法です。

★ビジネス会計検定講座
短期間でビジネス会計検定に合格したいなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。

頻出論点短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。

・3級講義時間:約15分×20回
・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき

 

5. 2級に挑戦すべき5つの理由!

挑戦すべき4つの理由!

1) 2級だとより実践的な力がつき、実務に活かせる

ビジネス会計検定2級の学習で得られる知識は、財務諸表分析の応用的な知識です。

机上の空論ではなく、実際のビジネスの現場で活用できる実践的なものです。

例えば、営業の際、取引先の企業を会計の視点で分析できたり、前期と比較してどのような財務状況なのか判断したりできます。

経理職であれば、財務諸表の作成だけでなく、より実践的な分析を駆使して自社の財務状況を分析し、事業の課題を発見&提案することができます。

このように、ビジネス会計検定2級の知識があれば、実務に活かせる知識が身に付けられるのです。

 

2) 3級を受けるなら2級も同時受験した方がお得!?

ビジネス会計検定は、3級と2級の併願(同時受験)が可能です。

ビジネス会計検定3級は、財務諸表分析の基礎を学ぶものであり、まだビジネス会計検定3級に合格していない場合は、まず財務諸表分析の基礎を固める意味でも、3級から受験するのがおすすめとなります。

そして、どうせ3級を受験するのであれば、3級の知識が前提となる2級も併願で受験する方が、効率的に学習を進めることができます。

3級と2級を併願することで、もし2級に不合格でも、3級に合格すればビジネス会計検定3級に合格した実績が得られます。

試験は年に2回実施されるので、もし3級のみの合格でも、半年後に2級にチャレンジすることが可能となります。

3級と2級の同時受験については「ビジネス会計検定は併願(ダブル受験)がおすすめ?」も合わせてご確認ください。

 

3) 就職や転職で武器にできる

ビジネス会計検定2級の知識は、企業への就職や転職の際に武器となります。

会計の知識はビジネスにとって重要ですが、多くのビジネスパーソンは会計の知識に乏しく、会計を理解していることが差別化要因になるためです。

また、ビジネス会計検定の認知度もまだ低く、試験の合格者もまだ多くないため、市場にライバルが少ないとも言えます。

そこで、ビジネス会計検定2級の知識で会計力をアピールできれば、業務に必要なスキルにプラスして、会計や経営の視点で仕事ができる人材として評価されるかもしれません。

さらに、試験勉強で得た知識は、応募する企業の財務状態の分析にも活かせます。

事前に自分が希望する企業の成長性や安全性を分析することで、本当に就職・転職すべき企業か?といった点について、自分なりに判断を下すことができます。

このようにビジネス会計検定の知識は、就職や転職活動を進めるうえで大きな武器となるのです。

 

4) 2級の知識は起業・独立後に役立つ

ビジネス会計検定2級の知識は、経営者や個人事業主として事業を行うときにも役に立ちます。

経営者や個人事業主にとって、事業計画の立案や見直しの際に、安全性・収益性・成長性や損益分岐点といった観点から財務分析ができれば、数字を使って客観的に自分の事業を分析できます。

私自身自営業として日々活動する中で、ビジネスを会計数値に置き換える力の重要性を実感しています。

ビジネス会計検定2級の知識は、事業の課題を会計数値を利用して乗り越えるのにも役に立つのです。

 

5) 株式投資にも役立つ

ビジネス会計検定2級では、連結財務諸表を前提とした財務分析知識を学べるため、理論上ほとんどの企業について、財務分析を行うことができます。

つまり、プライベートで資産形成のために株式投資を行う際に、より多くの企業を投資対象候補として扱うことができます。

収益性・安全性・成長性といった様々な切り口で財務分析を行い、株価の上がり下がりを予測する基礎的なスキルを、身に付けることができるのです。

 

6. 終わりに

ビジネス会計検定2級について、ざっと解説してきました。

簿記検定と比べるとまだまだ認知度が低く、受験者も多くありませんが、ビジネスに役に立つ試験であることが、おわかりいただけたかと思います。

すでにビジネス会計検定3級に合格した人は、次のステップとして2級を検討してみてください。

2級に合格すれば、この記事で紹介した様々なメリットを得られます。

財務諸表を中心とした数字に強いビジネスパーソンは、企業内で高く評価されます。

ビジネス会計検定2級に挑戦して、仕事のできる社会人を目指しましょう。

 

7. まとめ

Point! ◆3級との違い
・連結財務諸表が前提
・より応用的な分析指標の追加
◆合格率は50%であり、簿記検定2級の20%よりも高い。
◆挑戦すべき理由
・実践的な知識の獲得
・3級との併願が効率的
・就職、転職での評価
・起業、独立や株式投資に役立つ

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