簿記は2級から評価される?3級は評価されない?元面接官が語ります

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資格の中でも、とりあえず取得しておくと良いと言われるのが、「簿記検定」

ただ、簿記を持っているからといって本当に評価されるのか、疑問に思っている人も多いはずです。

また、簿記と一口に言っても、3級なのか?2級なのか?で、客観的な評価は変わってきます。

そこで今回は、以下の3つのケースに分けて、元面接官でもある筆者が、簿記の客観的な評価について、解説していきます。

・簿記3級でも評価されるケース
・簿記2級でないと評価されないケース
・3級も2級も評価されないケース

簿記の客観的な評価について理解し、自分が何級まで取得すべきなのか、冷静に判断してください。

筆者の情報
・公認会計士
・監査法人➡経理に出向➡ベンチャー➡自営業

 

 

1. 簿記3級でも評価される

簿記3級でも評価されるケース

簿記検定の中でも難易度が低い、簿記3級。

難易度が低い分、大きな評価を期待できるわけではありませんが、全く評価されないわけでもありません。

ここでは、簿記3級が評価されるケースについて、具体的に3つ見ていきましょう。

 

1) 会計・税理士事務所のスタッフ

1つ目の簿記3級でも評価されるケースとしては、「会計・税理士事務所の事務スタッフ」が考えられます。

後述する監査法人・税理士法人と比べて、数十名程度の比較的小規模な組織である、会計事務所・税理士事務所。

簿記3級を活かせる場所と聞いて、経理と合わせ真っ先に思いつく場所ではないでしょうか?

実際に「簿記3級 求人」でGoogleで検索してみると、会計事務所・税理士事務所の求人が、数多く見つかります。

例えば、以下のような求人が該当します。

【業務内容】
・仕訳入力、各種書類作成、書類整理、決算書・税務申告書作成など。
・メイン担当者のアシスタントとしてのサポート業務。
【応募要件】
・日商簿記3級以上の方歓迎。
【業務要件】
社内アシスタント パソコンでの入力業務など。
【応募条件】
年齢不問、実務未経験可、日商簿記3級以上。

求人の応募要件として簿記3級の記載があるということは、会計事務所・税理士事務所において、簿記3級が一定の評価を受けている証拠となります。

以上より、「会計・税理士事務所の事務スタッフ」は、簿記3級でも評価されるケースと言えます。

 

2) 監査・税理士法人のスタッフ

2つ目の簿記3級でも評価されるケースとしては、「監査・税理士法人の事務スタッフ」が考えられます。

数百~数千名規模の大きな組織であることが多い、監査法人・税理士法人。

どうせ簿記3級を活かして働くのであれば、少しでも規模が大きく待遇がいい場所で働きたいと考え、監査法人や税理士法人を検討する人も多いかと思います。

一方で、会計・税務の専門家が集まる組織で、会計の入門資格である簿記3級が評価されるのか、不安に思うかもしれません。

この点、監査法人や税理士法人の事務スタッフに求められる知識は、簿記3級程度の知識で十分と言えます。

私が大手監査法人に在籍していた時も、各監査チームごとに事務スタッフを複数人採用していましたが、簿記3級を持っていれば十分という風潮がありました。

逆に言えば、簿記3級程度は取得しておいてほしい、といった空気感があったのも事実です。

あくまで会計の専門的な内容は公認会計士や税理士が対応するため、事務スタッフは簿記3級程度の知識で十分である一方で、最低限の会計用語や会計書類の意味を一から説明する余裕もないので、簿記3級程度は取得しておいてほしい、といった背景がありました。

以上より、「監査・税理士法人の事務スタッフ」は、簿記3級でも評価されるケースと言えます。

★なぜ事務スタッフを雇うの?
公認会計士や税理士などの専門家集団である監査法人や税理士法人において、なぜ事務スタッフを複数人雇う必要があるのか、疑問に思った人もいるかと思います。

この点、毎年公認会計士試験や税理士試験に合格できる人数は、当然のことながら限られており、公認会計士や税理士を増やそうと思っても、簡単に増やすことは困難です。

一方で、毎年のようにやるべき仕事が増えていき、さらに、働き方改革により一人当たり労働時間を減らす必要があります。


つまり、公認会計士や税理士でなくてもできる業務については、事務スタッフを雇って任せることで、公認会計士や税理士が限られた時間で成果を出せる体制を、構築する必要があるのです。

 

3) 経理・会計に関わるエンジニア

3つ目の簿記3級でも評価されるケースとしては、「経理・会計に関わるエンジニア」が考えられます。

意外に思われるかもしれませんが、エンジニアも簿記3級が評価されるケースがあります。

例えば、管理(経理・総務・人事など)周りのシステム開発を行うエンジニアであれば、最低限の会計・経理知識を有しておく必要があり、簿記3級を持っておくことで評価される可能性があります。

あるいは、会計システムを商品としている会社であれば、自社の商品を理解して、よりよりシステム開発を行う観点から、簿記3級を持っていた方が有利に働きやすいです。

一方でこれらの場合は、あくまで会計の基礎を理解する程度でよいため、簿記2級まで取得する必要はないと考えられます。

以上より、「経理・会計に関わるエンジニア」は、簿記3級でも評価されるケースと言えます。

 

2. 簿記2級でないと評価されない

簿記2級でないと評価されないケース

それでは反対に、簿記3級ではなく簿記2級でないと評価されないケースとは、どのようなケースなのでしょうか?

ここでは順に、2つ見ていきましょう。

 

1) 経理

1つ目の簿記2級でないと評価されないケースとしては、「経理」が考えられます。

簿記を活かせる職種と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべる職種である、経理。

実は、一般的に募集されている求人を見てみると、簿記3級程度を条件としている求人も多いです。

ただ、この条件をそのまま鵜呑みにしてしまうと、面接や実務で痛い目に合う可能性があります。

少なくとも経理実務を考えると、簿記2級までの知識が必要となるケースが多いです。

にもかかわらず簿記3級を条件としているということは、それだけ人気のない企業であるか、または、任される仕事が非常に単調なものであり、自身の成長があまり期待できない環境である可能性があります。(もちろん、そうでない優良企業の可能性もあります。)

とりあえず給料をもらえるのであれば、単調な仕事で問題ないと思うかもしれません。

しかし、これからの時代は、経理と言えど少しずつでも実務の中で成長していかないと、いつか職がなくなるかもしれません。

そのため、最低限成長できる環境であるか否かというのは、非常に大切な要素となります。

経理と簿記については、「経理に簿記は必須!?」も合わせてご確認ください。

以上より、「経理」は、簿記2級でないと評価されないケースと言えます。

 

2) 経営企画

2つ目の簿記2級でないと評価されないケースとしては、「経営企画」が考えられます。

経営企画とは、企業の中長期的な戦略を立案して、実行・管理する仕事のことを指します。

企業の花形ポジションとして位置づけられることも多く、優秀な人材が多く配置されやすいです。

そんな経営企画では、他社の決算書から経営成績や財産状況、事業戦略などを読み取る能力が求められます。

この点、簿記2級の範囲である連結会計や工業簿記の知識が必要となるケースも多く、簿記3級ではなく簿記2級までの知識が必要となります。

また、論理的に会社の経営資源を組み合わせて戦略を練る必要があり、経営コンサルの国家資格である中小企業診断士の資格なども、経営企画では評価されやすいです。

(中小企業診断士については、「中小企業診断士の5つの魅力」をご参照ください。)

以上より、「経営企画」は、簿記2級でないと評価されないケースと言えます。

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3. 3級も2級も評価されない

3級も2級も評価されないケース

簿記3級や2級が評価されるケースについてお伝えしてきましたが、実は簿記が全く評価されないケースも考えられます。

ここでは、簿記が評価されないケースについて、2つお伝えしていきます。

 

1) スタートアップ企業

1つ目の簿記3級も2級も評価されないケースとしては、「スタートアップ企業」が考えられます。

スタートアップ企業、つまりは創業間もない企業においては、簿記は経理職であっても、評価されないと考えた方が無難です。

そもそもスタートアップの場合、経理職がない場合も多いです。(社長が自分で帳簿を作成しているケースが多いです。)

スタートアップの場合は特定のスキルというよりは、身を粉にして働くメンタルと体力が求められます。

以上より、「スタートアップ企業」は、簿記3級も2級も評価されないケースと言えます。

 

2) 自営業

2つ目の簿記3級も2級も評価されないケースとしては、「自営業」が考えられます。

自分で独立して何か自営業をやる場合、そもそも誰も自分を評価してくれません。

つまり、評価されたいからといった理由で簿記をとっても、そもそも評価者がおらず無意味です。

取引先がいる場合も、簿記を持っているからといって、何か評価が変わるわけでもありません。

ただ、自営業にとって、簿記が意味ないわけではありません。

自営業に役立つ資格とは?ビジネス会計検定・簿記・FP」でお伝えしている通り、簿記の資格は非常に役に立ちます。

「評価」とうい観点では自営業にとって簿記は無意味ですが、「実利」という観点からは自営業にとって簿記は非常に意味のあるものとなります。

以上より、「自営業」は、簿記3級も2級も評価されないケースと言えます。

★簿記はビジネスの共通言語!?
簿記と英語はこれからのビジネスの共通言語!?」でお伝えしている通り、簿記は「英語」や「IT」と並んで、ビジネスの共通言語と言えます。

そのため今後は、簿記を持っているから評価されるというよりは、簿記を持っていないから評価されないと考えた方がよいかもしれません。

非常に費用対効果の高い資格なので、この機会にぜひ勉強を開始してみましょう。

 

4. 終わりに

簿記3級や2級が評価されるケースについて、具体例を交えながら解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

ビジネスパーソンとしての長いキャリアを考えた際に、簿記は必ずどこかで役に立つ資格です。

現時点での評価の有無にとらわれ過ぎずに、長期的な視点で簿記を学習してみてはいかがでしょうか?

 

5. まとめ

Point!

◆簿記3級が評価されるケース
・会計事務所の事務スタッフ
・監査法人の事務スタッフ
・管理サイドを担当するエンジニア
◆簿記2級が評価されるケース
・経理
・経営企画

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