ビジネス会計検定試験に興味を持った際に検討すべき事項の1つに、試験日程・試験日があります。
試験日程・試験日が定まれば、後はそこから逆算して勉強計画を立てることができるためです。
そこで今回は、ビジネス会計検定試験の日程・試験日について、紹介していきます。
1. ビジネス会計検定試験とは?
〜メリット・簿記との違い〜
まず、ビジネス会計検定試験そのものについて、紹介していきます。
既にビジネス会計検定についてご存知の方は、次の項目「2. 日程・試験日」へお進みください。
1) ビジネス会計検定とは?
ビジネス会計検定を主催する大阪商工会議所の公式HPでは、ビジネス会計検定について以下のように説明されております。
「財務諸表に関する知識や分析力を問うもので、財務諸表が表す数値を理解し、ビジネスに役立てていくことに重点を置いています。」
財務諸表というのは、企業が利害関係者に向けて情報開示をするために作成する書類であり、決算書とも呼ばれます。
売上・費用・利益といった経営成績を開示する「損益計算書」や、資産・負債・純資産といった財産状況を開示する「貸借対照表」などが、財務諸表に含まれます。
ビジネス会計検定とは、これらの財務諸表を「読む」能力を測る検定なのです。
(ビジネス会計検定3級の詳細については、「ビジネス会計検定3級が必要ない人とは?受験要項や難易度は?」をご確認ください。)
2) 財務諸表に関する検定
ビジネス会計検定は、財務諸表に関わるものだ、ということはわかりました。
一方で、財務諸表を扱う会計資格と聞くと、「簿記検定」を想像する人も多く、「ビジネス会計検定と簿記検定の違いは何だろう?」といった疑問が浮かんできたかもしれません。
就職やスキルアップに有利な会計資格として、多くの人に知られている、簿記検定。
簿記検定試験の詳細は記事後半で解説するとして、ビジネス会計検定試験を受験するメリットを知るためには、まずはビジネス会計検定と簿記検定の違いを理解する必要があります。
3) 簿記検定との違いとは?
2つの検定では、簡単に言ってしまえば、それぞれ以下のようなスキルを測っています。
⇒財務諸表の「作成」スキル
・ビジネス会計検定
財務諸表の「分析」スキル
簿記検定試験では、受験者の財務諸表をルールに従って「作成する」ための知識を測るのに対し、ビジネス会計検定試験では、受験者の財務諸表を分析し「読み解く」ための知識を測ります。
どちらも財務諸表に関する検定ですが、検定に合格するのに必要な知識、ひいては検定に合格することでアピールできる能力に違いがあるのです。
ビジネス会計検定と簿記検定の関係の詳細につきましては、「ビジネス会計検定と簿記検定の共通点、相違点は?」も合わせてご確認ください。
4) ビジネス会計検定受験のメリット
ビジネス会計検定の知識を持っていれば、決算書の内容を理解することができ、
・ビジネスパーソンなら取引先企業
・投資をする人なら投資先企業
について、経営の健康状態をチェックし、判断の基準とすることができます。
つまり、ビジネス会計検定の知識は、企業の経理部門で働く、あるいは経理部門への就職を目指す人に限らず、学生からベテランビジネスパーソンまで、より多くの人が日常的に活かすことができる知識なのです。
その他のビジネス会計検定の役立て方については、「ビジネス会計検定は意味ない?役に立つ?」をご参照ください。
2. 日程・試験日
それでは本題である、ビジネス会計検定試験の試験日程・試験日について、見ていきましょう。
直近の試験日程は、以下となります。
ビジネス 会計検定 |
35回 | 36回 |
試験日 | 2024 10/20(日) |
2025 3/9(日) |
実施級 | 3級/2級 | 3級/2級/1級 |
申込期間 | 8/23(金) ~9/12(木) |
1/10(金) ~1/30(木) |
合格発表日 | 11/21(木) | 3級/2級:4/10(金) 1級:5/7(水) |
1) 試験日のスケジュールと試験時間、受験地
ビジネス会計検定の試験日は、年に2回、3月と10月に設定されています。
試験時間はそれぞれ、1級が2時間30分、2級と3級が2時間となります。
受験地は、全国各地から選択可能です。
札幌、仙台、さいたま、東京、横浜、新潟、金沢、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、山口、松山、福岡の中から受験地を選択し、後日、受験票で会場が知らされます。
試験開始時間は2級であれば10時から、3級であれば13時半からとなっております。
ただ、例えば2級であれば、試験の注意事項説明や問題用紙・解答用紙・計算用紙の配布を10時から行うので、実際の開始は少し後になります。
私が受験した会場では15分程度かかり、10時15分から試験がスタートしていました。
もちろんその時点から2時間が試験時間であり、15分短縮されるわけではないので、その点はご安心ください。
2) 併願は可能?
1級から3級までの3つのレベルのうち、それぞれ隣り合う2つの級を併願することが可能となっております。
つまり、1級と2級、2級と3級を一緒に受験することができます。
3) 申し込み・合格発表のスケジュール
①申し込み
申し込み受付は試験日の2〜3ヶ月前に始まり、1ヶ月ほどの期間を経て受付終了となります。
通常、試験日の2週間ほど前に、受験票が届きます。
②合格発表
合格発表は、成績表の発送によって行われます。
1級は2ヶ月ほど、2・3級は1ヶ月強で発送されます。
短期間でビジネス会計検定に合格したいなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。
頻出論点を短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。
・3級講義時間:約15分×20回
・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき
3. 同時取得推奨!「簿記検定試験」
最後に、簿記検定試験についても、簡単に紹介していきます。
本記事上では既に、ビジネス会計検定試験と同様、財務諸表に関する試験として紹介しました。
もう少し詳しく見ていきましょう。
1) 簿記検定試験とは?
簿記検定試験では、上で述べたとおり、財務諸表を作成するスキルを測ります。
試験に合格するための知識を得ることで、企業の経営活動をルールに従って記録したり、整理したりする方法を知ることができる資格です。
それゆえに、企業の経理部門担当者の間では、一般的な資格となっております。
財務諸表を読むスキルを測るビジネス会計検定試験の、対になる資格と言えるでしょう。
2) 簿記検定試験受験のメリット
いずれも財務諸表に関する知識を問う検定ですので、必要な知識に共通する分野はありますが、あらかじめビジネス会計検定試験に合格するだけの知識を持っておく必要はありません。
試験に合格すると、企業の一定期間の財務状況や経営成績等を整理し、書類で開示するためのスキルを証明することができます。
言い換えると、経営管理の基礎的な知識があることを、示すことができるのです。
そのため、組織の中、特に経理部門で、より責任のあるポジションにチャレンジしやすくなります。
また、学生の場合は、会計に関する一定の知識・リテラシーを証明し、就職活動の際にアピール材料になるかもしれません。
簿記の詳細については、「簿記とは何かを簡単に初心者にわかりやすく解説します!」も合わせてご確認ください。
3) 日程・試験日
次は、簿記検定試験の日程・試験日について、案内していきます。
直近の試験日程は、以下となります。
簿記 検定 |
167回 | 168回 | 169回 |
試験日 | 2024 6/9(日) |
2024 11/17(日) |
2025 2/23(日) |
実施級 | 3~1級 | 3~1級 | 3~2級 |
*簿記検定の3級&2級は、ネット試験が随時開催されております。
①試験日のスケジュールと試験時間
簿記検定の試験日は、年に3回、2月、6月、11月に設定されています。
試験時間は、1級が3時間、2級が1.5時間、3級が1時間となります。
また、3級と2級についてはネット試験も実施されており、随時受験が可能となっております。
②申し込みスケジュール・合格発表
申込受付日時・方法は各地で異なり、目標とする試験日の約2ヶ月前に、希望受験地の商工会議所に問い合わせる必要があります。
合格発表の方法やスケジュールも、商工会議所ごとに異なります。
ネット試験の場合は、試験終了と同時に合否がわかります。
4. 終わりに
いかがでしたでしょうか?
この記事をきっかけに、ビジネス会計検定・簿記検定に興味を持っていただければ、嬉しく思います。
財務諸表を扱う能力は、経営管理のスキルです。
財務諸表に対して「作成・分析両方の視点からアプローチできる」スキルを身に付けることは、社会人として大きなアドバンテージとなることは、言うまでもありません。
両資格に少しでも興味のある方は、ぜひチャレンジしてみましょう!
5. まとめ
◆ビジネス会計検定は財務諸表を「読む」スキルを測る。
◆簿記検定は財務諸表を「書く」スキルを測る。
◆いずれの資格も、取得すれば財務諸表にアプローチする能力をアピールできる。
◆学生・ビジネスパーソンや、投資をする人にも役に立つ。
◆同時取得がオススメで、試験の開催頻度は簿記検定の方が多い。