経理と財務と会計の違いは?

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はじめに

経理と財務と会計の違いは?と聞かれてみなさん答えられますでしょうか?

よく耳にする言葉であり何となく3つとも似た概念というのは理解できていても、意外に正確に内容を答えられる人は少ないかと思います。

そこで今回は、経理と財務と会計の違いについてお伝えしていきます。

各用語を正確に把握することで、ビジネスパーソンとして会話の中でボロがでないようにしましょう。

 

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1. 会計とは?

会計とは?

1) 会計とは?

「会計」とは、英語で「accounting」(=説明する)と言われ、その本質は説明することにあります。

具体的には、企業の経営成績(※1)や財政状態(※2)を利害関係者(※3)に報告することを意味します。

(※1) 経営成績
特定の会計期間(通常1年間)の間に収益や費用がいくら発生した結果として利益がいくらとなったという期中のフロー情報のことを指す。

(※2) 財政状態
特定の会計期間末に資産・負債・純資産がいくら残っているかという期末のストック情報のことを指す。

(※3) 利害関係者
企業経営を行う上で関わる全ての対象のことであり、投資家・株主・債権者・取引先・従業員・地方公共団体などがある。

そして会計には大きく分けて「財務会計」と「管理会計」の2つの分野があります。

 

2) 財務会計

財務会計とは先ほどお伝えした会計の意味と同義であり、企業の経営成績や財政状態を損益計算書(※)や貸借対照表(※)などの財務諸表にまとめて、利害関係者に報告することを言います。

(※) 企業の経営成績は損益計算書に、財政状態は貸借対照表にまとめられます。

(損益計算書と貸借対照表の違いについては「損益計算書と貸借対照表の違いは??」をご参照ください。)

有価証券報告書に記載される情報やニュースなどででてくる「○○社の売上が××百万円でした」という情報は財務会計にもとづき作成されています。

 

3) 管理会計

これに対して管理会計とは、経営者や経営層・管理職の意思決定に必要な情報を企業ごとの基準に基づき集計して経営者などに報告することを言います。

財務会計と比べて会社の内部報告用であり経営者の意思決定に利用するため、情報の粒度が細かく形式が会社ごとに異なるのが特徴です。

例えば財務会計では売上として単に記載されていた情報も、販売単価・販売数量などの商品ごとの情報が管理会計では必要となっていきます。

 

2. 経理とは?

経理とは?

1) 経理とは?

「経理」とは、会計(利害関係者への報告)のために必要となる各種情報を作成する部署のことを言います。

最終的な成果物として、財務会計であれば損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書などの財務諸表が対象となり、管理会計であれば取締役会用の資料などが対象となります。

既に完了している過去のビジネスに関する数字を集めて各書類を作る部署であると言い換えることもできます。

 

2) 経理の仕事内容

経理の主な仕事内容としては以下のようなものがあります。

・お金の流れの管理
・伝票の作成
・帳簿への記帳
・買い手に対する請求
・売り手に対する支払い
・税金関係の申告や支払い
・決算書の作成

 

3. 財務とは?

財務とは?

1) 財務とは?

これに対して「財務」とは、経理が作成した各情報をもとに、今後の資金調達計画を立て、実際に資金を調達・運用(投資やM&Aなど)する部署のことを言います。

経理が過去の情報をまとめるのに対して、財務はそれらをもとにこれからの資金調達の意思決定を行う部署と言い換えることもできます。

金融機関との交渉が発生するため専門性が求められる点も特徴としてあげられます。

中小・零細企業の場合は財務担当者を設けずに経理が財務を兼務していることが多いです。

 

2) 財務の仕事内容

財務の主な仕事内容としては以下のものがあげられます。

・資金管理
会社は赤字になっても倒産しませんが、資金がショートすると倒産します。
そのため、将来の資金繰り予測、売掛金の回収一覧や買掛金の支払一覧、現状の借入金の返済スケジュールや新規の借入スケジュールなどを日ごろから用意しておいて、資金ショートを起こさないように管理します。
この資料の質で新規の借入ができるかどうかが左右されるため、財務部の腕の見せ所です。

・資金調達
単純に日々の資金がショートしそうになった場合に必要となる資金調達もありますが、新規事業に投資する場合やM&Aを行う場合などにも当然に資金調達の必要性は生じてきます。
その際に金融機関からの借り入れや資本市場からの社債・株式での資金調達などを機動的に行う必要があります。
日々会社の状況を把握して必要な情報は資料にまとめておき、いざという時にすぐに利用できるようにしておく必要があります。
また、日ごろの金融機関との付き合い方にも左右されることがあるため注意が必要です。

・資金運用戦略の立案
会社の資金の流れを健全化させるために、回収状況や条件の悪い取引先との取引中止や、より良い投資案件の模索、M&Aの財務面での妥当性の判断など、資金の運用面に関しても財務が戦略を立案する必要があります。

 

4. 経理部と財務部はどっちがいい?

経理部と財務部はどっちがいい?

1) 可能なら小さい企業で両方経験する

それでは経験を積むとすれば経理部と財務部のどちらか良いのでしょうか?

この点について、可能なら財務を経理が兼務しているような割と小さめの企業で両方の経験を積むのが望ましいです。

経理と財務はどちらが優れているというものではなく、共にビジネスパーソンとして必要な能力を身に付けられる部署となります。

特に将来的に出世して経理・財務部長やCFO(最高財務責任者)を目指すのであれば、経理と財務の両方の知識が必要となります。

ただ、どちらかを選ばなければならない人も多いかと思いますので、それぞれおすすめの人を次項以降で紹介していきます。

 

2) 粛々と業務をこなしたいなら経理部

まず、日々の業務を淡々とこなしていきたいなら経理部がおすすめです。

経理の仕事というのは良くも悪くも起伏が少なく、フラットに働けるためです。

経理に向いている人・向いていない人については「経理に向いていない人、向いている人の特徴10選!」も合わせてご確認ください。

 

3) 活発に動きたいなら財務部

これに対して、どちらかというとアクティブに仕事をしていきたい方には財務部がおすすめです。

財務部では計画力だけでなく、銀行との交渉や社内での交渉などに必要な実行力が求められ、経理部と比べると比較的日々の仕事に起伏があると言えます。

ちなみに外部との交渉があるため財務部に向いている人の特徴として社交性も考えられますが、社交性がある人は経理部にも向いています。

経理部は社内の数字をまとめる必要があり、その際に社内の各部署とのコミュニケーションが多々求められるためです。

経理部と社交性についても先ほどご紹介した「経理に向いていない人、向いている人の特徴10選!」をご参照ください。

 

5. 簿記検定は経理部におすすめ!

簿記検定は経理部におすすめ!

経理部を目指す方、あるいは現役経理部員の方には「簿記検定」がおすすめです。

財務諸表を作成するために必要な知識が身に付きます。

実務で応用できるレベルを考えると2級までの取得が必要となるため、通常であれ300時間程度の勉強時間が必要となります。

詳細につきましては「簿記3級・2級の勉強時間は?一ヶ月・二ヶ月での合格は可能」をご参照ください。

また、その他の経理の勉強方法については「経理の勉強方法とは?おすすめ4選をご紹介!」も合わせてご確認ください。

 

6. ビジネス会計検定は財務部におすすめ!

ビジネス会計検定は財務部におすすめ!

財務部を目指す方、あるいは現役財務部員の方には「ビジネス会計検定」がおすすめです。

経理部によって作成された財務諸表を分析する力が身に付きます。

こちらも実務での応用を考えた場合は2級までの取得が必要となります。

勉強時間についても簿記検定と同様に3級と2級を合わせて300時間程度必要となります。

詳細につきましては「ビジネス会計検定の勉強時間・勉強期間はどのくらい??」をご確認ください。

また、簿記検定との違いについては「ビジネス会計検定と簿記検定の共通点、相違点は?」をご参照ください。

 

7. 終わりに

経理と財務と会計のそれぞれの意味について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

似て非なる概念ですので、それぞれの意味を正確に覚えて実務で使用していきましょう。

 

8. まとめ

Point!

◆会計:利害関係者に会社の状況を説明すること。
◆経理:利害関係者への報告のために必要となる財務諸表などの書類を作成する部署。
◆財務:経理が作成した各種情報をもとに資金の管理・調達・運用を行う部署。
◆可能なら小規模企業で経理と財務の両方を経験する。
◆経理には簿記検定が役立つ。
◆財務にはビジネス会計検定が役立つ。

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