社会人として生活するにあたって、ふと頭をよぎるのが『キャリアアップ』についてです。
なにか自分だけの強みを持ちたい、プラスアルファの知識を身につけて今の仕事の質を上げたい、少しでもお給料をもらえるようにしたい・・・など。
なにかしらの能力を身につけることは、自分の環境をより良いものにしていくことに直結します。
そこで、今回は文系資格のなかでおすすめの資格をランキング形式でご紹介したいと思います。
10位. 秘書検定
9位. AI検定(G検定)
8位. 公認会計士
7位. 司法試験・予備試験
6位. 中小企業診断士
5位. 宅建(宅地建物取引士)
4位. MOS
3位. 日商簿記検定(3・2級)
2位. TOEIC
1位. ビジネス会計検定
終わりに
まとめ
10位. 秘書検定
難易度:★★☆☆☆
おすすめ度:★★★☆☆
1) 試験概要
・実施級:3級~1級
・試験時間:約2時間(実施級により異なる)
・試験日程:毎年2、6、11月に実施。(2月は2級と3級のみ実施)
・試験形式:筆記試験は「理論」と「実技」でそれぞれ60%以上の正答で合格。1級、準1級については二次試験(面接試験)あり。
・受験料:3級・・2,800円
2級・・4,100円
準1級・・5,300円
1級・・6,500円
・受験地:全国各地で実施
詳細は公式HPより
・合格発表:筆記試験の3~4週間後。二次試験(面接試験)の合否は面接試験の約1か月後。
『秘書検定』とは、その名の通り一般的な秘書業務に必要とされる文章作成やファイリング、スケジュール管理、マナーや接遇などの職務知識についてなどを幅広く学ぶことができる、文系の方におすすめの検定試験です。
有名人では、女優で活躍されている橋本環奈さんも取得されています。
秘書検定を主催する「公益財団法人 実務技能検定協会」は主な目的として『人柄育成』を掲げており、相手に「感じが良い」という印象を持ってもらえるように、「態度」や「言葉遣い」などの表し方が試験範囲となっています。
秘書として仕事をされている方にはもちろん、職場においての立ち回りや全体を見通すための能力について感覚的な部分以外で身につけたいという方におすすめの資格です。
2) 勉強方法、合格のポイント
様々なテキストや問題集がありますが、主催している「実務技能検定協会」から公式テキストとしている問題集が発売されているため、こちらを利用するのが合格の近道となることでしょう。
時間がなかなか取れない方向けにPCやスマホで学習ができるサービスなども提供されているため、興味はある方は一度調べてみてはいかがでしょうか。
9位. AI検定(G検定)
難易度:★★★☆☆
おすすめ度:★★★☆☆
1) 試験概要
・試験時間:120分
・試験日程:2019年は3月、7月、11月に実施
・試験形式:選択式(直近の2018年11月実施回は226問)
・受験料:13,200円(学生は5,500円)
・受験地:自宅
・公式HP
近年話題となっているAI(人工知能)についての検定試験がこちらの『AI検定(G検定)』です。
日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催している検定試験で、G検定の「G」はジェネラリストを指します。
『ディープラーニング』というコンピューターによる機械学習についての基礎知識、動向や問題点、具体的手法などを学習することが可能です。
G検定とは別にE検定もありますが、こちらはエンジニア向けですので文系の方にはG検定がおすすめです。
2) 勉強方法、合格のポイント
AI検定(G検定)についても主催の日本ディープラーニング協会(JDLA)監修の公式テキストが発売されています。
また、知識の習得という意味では公式HPで基礎講座などの様々な種類の講座や資格対策コースが開かれているので、独学が難しいと感じる方はこちらを利用してみるのも良いでしょう。
8位. 公認会計士
難易度:★★★★★
おすすめ度:★★★★☆
1) 試験概要
・試験日程:短答式・・5月、12月(*)
論文式・・8月(*)
・試験形式:短答式・・マークシート
論文式・・筆記方式
・受験料:19,500円
・受験地:東京、大阪など全国11カ所
・公式HP
*短答式試験の合格者のみ、論文式試験を受験することができる。
日本三大試験の1つとして有名なのが、こちらの『公認会計士試験』です。
文系、特に経済学部の方であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
主な業務としては上場企業等が作成した財務諸表が適正であるかどうかを第三者の立場から評価するという独占業務などがあります。
『監査論』、『財務会計論』、『管理会計論』、『企業法』など公認会計士として仕事を行っていくうえで必要不可欠な知識が試験範囲となります。
クライアントが主に大企業になるので、大きな仕事や責任感のある仕事をしたいという方におすすめです。
2) 勉強方法、合格のポイント
合格者の平均勉強時間が3,000時間~4,000時間と言われており、最低でも1.5~2年と長期間のスパンでの勉強が必要となります。
独学での勉強は難しいため、資格スクールを利用して、準備をすすめていきましょう。
また、とにかく範囲が膨大ため1日でも勉強を怠ってしまうとそれだけ知識が薄れてしまいます。
とにかくまずは毎日勉強をするという習慣を身につける事を意識するようにしましょう。
公認会計士講座の元運営責任者が、費用と合格者数の観点から、以下の5つの公認会計士スクールを比較してみました。
・CPA会計学院
・TAC
・大原
・LEC
・クレアール
詳細については「公認会計士スクールを費用と合格者数で比較!元講座運営者のおすすめは?」をご参照ください。
7位. 司法試験・予備試験
難易度:★★★★★
おすすめ度:★★★★☆
1) 試験概要
・試験日程:短答式・・5月(*)
論文式・・7月(*)
口述式・・10月(*)
・試験形式:短答式・・マークシート
論文式・・筆記方式
口述式・・試験官2人との問答形式
・受験料:17,500円
・受験地:東京、大阪など
*短答式の合格者のみ論文式試験を受けることができ、論文式試験の合格者のみ、口述式試験を受けることができる。
『司法試験・予備試験』とは、『法科大学院修了程度の知識、能力があるかを判定する試験』です。
司法試験を受験するには、法科大学院を卒業するか予備試験を合格する必要があり、時間的・経済的な負担を減らしたいと考える方は、こちらの予備試験を受験し弁護士を目指すことになります。
こちらも日本三大試験の1つであり、難易度は最高峰の試験ですが、その分社会的地位や年収が高くやりがいもあるため、挑戦しがいのある試験であると言えます。
文系、特に法学部の方の多くが一度は目指されるかと思います。
2) 勉強方法、合格のポイント
公認会計士と同様、難易度が高く試験範囲も膨大であるため、独学での受験はまず不可能です。
勉強時間が約3,000時間~8000時間必要と言われる試験のため、効率の良い学習計画を立てるためにも、資格スクエアや伊藤塾などの受験専門学校で学習されることを強くおすすめします。
6位. 中小企業診断士
難易度:★★★★☆
おすすめ度:★★★★☆
1) 試験概要
・試験日程:一次・・8月上旬
二次・・10月上旬~下旬
・試験形式:一次・・マークシート(*)
二次・・記述と口述方式
・受験料:一次・・13,000円
二次・・17,200円
・受験地:東京、大阪など全国各地
・公式HP
*3年以内に7科目合格する必要のある科目合格制。
企業の財務状態や経営状態などの分析を行い、問題点の抽出や解決策を助言、提案する経営コンサルタント。
『中小企業診断士』はそんな経営コンサルタントの技能を証明する唯一の国家資格です。
試験範囲に経営学やマーケティング、財務会計全般、会社法などの知識が含まれているため、30代~40代、いわゆる管理職の方の受験の割合が大変高く、『日本版MBA』と呼ばれるだけあってレベルの高い知識を身に着けることが可能です。
社会人経験を多く積んでこられた方、あるいは、ゼネラリストとして活躍したい文系の方のスキルアップの資格として、大変おすすめの資格です。
2) 勉強方法、合格のポイント
一次試験については、総点数の60%以上の得点率で、かつ1科目でも満点の40%未満の科目はないことが合格条件となります。
よって、短期間で合格するなら、全科目をまんべんなく勉強することが合格の近道となります。
スケジュールをしっかりたてて、この曜日はこの科目を勉強する、など自分なりの勉強方法の確立を意識するようにしましょう。
また、『中小企業診断士』は『科目合格制』を採用しています。
科目合格については、満点の60%を得点した科目については3年間効力が有効のため、短期間での学習が難しいようなら、長期間での勉強計画を設定することができます。
そういったところも『中小企業診断士』試験の魅力の1つです。
元中小企業診断士講座の運営者である筆者が、以下の7つの通信講座のコストパフォーマンスを比較して、おすすめ2つのメリット・デメリットについて解説してみました。
・TAC
・スタディング
・診断士ゼミナール
・クレアール
・LEC
・アガルート
・フォーサイト
詳細は「中小企業診断士の通信講座おすすめ2選!元講座運営者が比較します」をご確認ください。
5位. 宅建(宅地建物取引士)
難易度:★★★★☆
おすすめ度:★★★★☆
1) 試験概要
・試験日程:毎年10月の第三日曜日に実施
・試験形式:マークシート方式
(4肢択一式)
出題数50問
試験時間2時間
35点前後で合格
・受験料:7,000円
・受験地:全国各地で実施
・公式HP
『宅建(宅地建物取引士)』とは、宅地建物取引業法で定められた国家資格です。
独占業務としては、取引の際の重要事項の説明(35条書面の記名、押印)や、契約締結後に交付を行う37条書面への記名押印などがあります。
さらに不動産会社には『宅地建物取引士の設置義務』があります。
設置義務については従業員5名に対し、必ず1人以上の宅建士を設置しなければならないと定められているため、取得するだけで個人としての需要は高まります。
不動産業界への転職を考えておられる方や、自分で家を購入する際に宅建業法などを勉強して役に立てたいという方にはおすすめの資格です。
2) 勉強方法、合格のポイント
宅建については、出題科目と出題数が定められており、内訳が以下の通りとなっています。
【法令上の制限】・・8問
【宅建業法】・・20問
【税・その他】・・8問
上記の内容からわかるように、【民法】と【宅建業法】の割合が高めとなっており、この2つだけで、問題の約7割を占めています。
合格のためには満点を取る必要が全くないため、この2つを重点的に勉強することが合格に直結します。
また、試験範囲についても、テキストと問題集がそれぞれ1冊分で収まる分量のため、独学での合格も十分可能です。
テキスト→問題集の往復により、知識の定着を図るようにしましょう。
4位. MOS
難易度:★★☆☆☆
おすすめ度:★★★★☆
1) 試験概要
・試験日程:全国一斉試験
⇒毎月1~2回
随時試験
⇒各会場の指定日
・試験形式:各試験会場設置のパソコンによる実技試験
・受験料:10,780円(学生8,580円) *Excelの場合
・受験地:全国各地で実施
・公式HP
『MOS』とは『マイクロソフト オフィス スペシャリスト』の略で、WordやExcelなどのマイクロソフト製品の操作スキルについての認定試験です。
簿記やTOEICなどと並ぶ事務職系資格の1つで、累計400万人以上が受験している人気資格です。
文系の方はどんな仕事に就くことになっても、パソコンを使っての業務は必ず存在します。
文章作成にはWordが、表や資料作成、集計作業にはExcelが必要不可欠です。
そういった意味ではMOSを取得していることで一定以上パソコン技能があることの証明になるので、就職や転職の場面で有利に働きます。
PowerPointやaccessなどの試験も用意されていますが、受験されるならまずは使用頻度の高い『Word』と『Excel』の2つを受験されるのが良いでしょう。
2) 勉強方法、合格のポイント
パソコンが得意な方については、日経BP社やFOM出版などから発売されているテキストを使って独学で勉強しても良いでしょう。
あまりパソコンに触ってこなかった方や、苦手だと感じている方については、パソコン教室などに通って正しい知識を身に着けることをおすすめします。
他の勉強と同様、パソコンについても正しい知識や勉強方法が存在します。
特にパソコンについては他の人と操作方法などを比べるという機会が少ないため、可能であればしっかりとした知識を身に着ける環境を整えたいところです。
3位. 日商簿記検定(3・2級)
難易度:★★★☆☆
おすすめ度:★★★★★
1) 試験概要
・試験日程:毎年6月、11月、2月
・試験形式:100点満点の計算問題で70点以上合格
・受験料:3級・・2,850円
2級・・4,720円
・受験地:全国各地で実施。
・公式HP
ここでは計系資格で抜群の知名度を誇る『日商簿記検定』をご紹介します。
簿記とは、企業の経済活動を記録し計算を行い、経営成績と財政状態を明らかにする会計のしくみを言います。
日本には約385万もの企業が存在しており、すべての企業は『簿記』を行うことによって会社の状態を把握しています。
簿記を理解していれば、経理に必須の会計知識を身に着けることが可能で、同時にビジネスを行っていくうえで必要なコスト感覚も養え、費用や利益を意識しながら仕事を進めていくことができます。
そういった意味では経理や財務担当者のみならず、多くの社会人にとっては必要不可欠な知識と言えるでしょう。
2) 勉強方法、合格のポイント
はじめて簿記を勉強される方にとっては、普通の計算とは異なり、借方貸方などまったく新しい考え方を覚えていくことになります。
よって、まずは『簿記のしくみを理解すること』を中心に勉強を進めていきましょう。
やみくもに手を動かして形で覚えてしまうと、解いたことのある形式以外の問題が出た際に対応が難しくなります。
簿記そのものについての構造を理解したうえで、反復して学習することが合格への最短ルートであると言えるでしょう。
簿記講座の元運営責任者が、「講座代金(安さ)」と「講座との相性(わかりやすさ)」の観点から、おすすめ通信講座を以下の5つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。
・クレアール
・フォーサイト
・ネットスクール
・CPA会計学院
・スタディング
詳細は「簿記の通信講座おすすめ5選!安さとわかりやすさで比較すると..」をご確認ください。
2位. TOEIC
難易度:★★★★☆
おすすめ度:★★★★★
1) 試験概要
・試験日程:年10回
(1、3、4、5、6、
7、9、10、11、12月)
・試験形式:マークシート方式
・990点満点
(リーディング495点満点、
リスニング495点満点)
・受験料:6,490円
・受験地:全国約80都市で実施
・公式HP
『TOEIC(トーイック)』とは、財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が運営する英語でのコミュニケーション能力を判定するための世界共通のテストをいいます。
外資系企業はもちろんのこと、大手企業を中心に英語力を求める多くの企業では、採用選考の際の英語力の基準としてTOEICの成績を考慮しています。
文系のみならず、理系の方々にもぜひ受験を検討してもらいたい試験となります。
2) 勉強方法、合格のポイント
一般的には990点満点のうち、『600点』が「読む」「聞き取る」のコミュニケーションが出来る最低ラインと考えられているため、まずは600点を目標に学習に取り組んでいきましょう。
英語を使用する仕事であれば、『800点』あれば企業からは評価されるようです。
800点以上であれば、「英語で書かれた資料から必要な情報を探し収集することができる。」、
「職場での会議、議論などを理解することができる。」とされているため、よりアピールポイントとして考えたいのであれば『800点』を目標としましょう。
また、TOEICの良いところとして、年に10回、ほぼ毎月のペースで試験が実施されているため、モチベーションを保ちやすいです。
継続した勉強によりスコアを伸ばすことが可能のため、努力が報われやすい試験と言えるでしょう。
1位. ビジネス会計検定
難易度:★★★☆☆
おすすめ度:★★★★★
1) 試験概要
最後にご紹介するのは、大阪商工会議所主催の『ビジネス会計検定』です。
『ビジネス会計検定』とは、会計のなかでも財務諸表に関する知識や分析力を問う資格試験であり、あらゆるビジネスパーソンにとってスキルアップのきっかけとなる検定です。
先程ご紹介した『簿記検定』との違いは、『簿記検定』が『簿記により貸借対照表や損益計算書という財務諸表を作成する事』を主な目的としているのに対し、『ビジネス会計検定』は『帳簿の作成時に用いられた会計基準や法令を理解し、財務諸表を分析して企業の経営状況を把握する事』を目的としているため、管理会計や経営について、より専門的な知識や財務の数値に対する判断力を、試験勉強を通じて学ぶことができます。
簿記検定のとの比較については「ビジネス会計検定と簿記検定の共通点、相違点は?」をご参照ください。
具体的な経営状況の把握については、ほかの資格試験では勉強する機会がないため、自分の仕事の分析を行い、より数字や利益をシビアに捉える能力は他の社会人と一線を画することができる強い武器となります。
2) 勉強方法、合格のポイント
・公式テキスト3級 第5版・公式過去問題集3級 第6版
主催する大阪商工会議所監修の公式テキストと問題集が発売されているため、こちらを使って勉強することをおすすめします。
また、日商簿記検定と同様、『しくみを理解すること』が合格の近道となるため、感覚で問題に取り組むのではなく、まずはテキストを読み込んで理解したうえで問題を解くという形でアウトプットを行うようにしましょう。
短期間でビジネス会計検定に合格したいなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。
頻出論点を短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。
・3級講義時間:約15分×20回
・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき
終わりに
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回いろいろな資格をご紹介しましたが、大事なのは『自分が興味を持ったものを勉強する。』ということです。
実益のみを考えて難易度の高い、難しい資格に挑戦してもその知識について興味を持てなければ、モチベーションを維持することができなくなってしまいます。
なにかの資格を勉強するにあたっては、知りたいものから試験の内容などをくわしく調べてみることをおすすめします。
まとめ
◆公認会計士、司法試験予備試験、中小企業診断士などの難関資格については、独学では厳しいため専門学校などでスケジュールを組んだうえで学習を行う。
◆ビジネス会計検定、TOEIC、簿記は費用対効果が高く特におススメ。
◆大事なのは『自分が興味を持ったものを勉強する。』ということ。