経理部の人数は、会社によって異なります。
人手が足りず「猫の手も借りたい。。」という経理部からすると、人数の多い経理部が羨ましく見えるかもしれません。
しかし、経理部の人数が多いことは、必ずしも良いこととは言えません。
そこで今回は、経理部の人数が多いことのメリット・デメリットについて、お伝えしていきます。
1. 人数が多い場合のデメリット
1) 余計な人間関係が発生する
2) リストラの可能性がある
3) 経験を積みにくい
4) 必要以上にチェックされる
5) 成長性のない会社かもしれない
2. 人数が多い場合のメリット
3. 終わりに
4. まとめ
1. 人数が多い場合のデメリット
1) 余計な人間関係が発生する
経理の人数が多い場合の1つ目のデメリットとしては、「余計な人間関係が発生する」ことが挙げられます。
経理部の人数が多くなると、一人当たりの業務負担も少なくなり、心にゆとりが生まれます。
この面だけを見れば確かにいいことなのですが、精神的な余裕ができると、足の引っ張り合いが発生することが多いです。
例えば、「○○さんは自分より楽をしている。」といったものもあれば、逆に、「○○さんばかり仕事をしている。」といったものもあり、足並みを揃えていないと攻撃(口撃)される可能性があります。
これとは反対に人数が少ない場合は、日々の業務に追われて人間関係を考える余裕などありません。
結果として人間関係でもめるといったことが、あまり発生しません。
経理部のチーメンバーそれぞれが、適度に忙しいくらいの人員数が、本来は望ましいのかもしれません。
以上より、「余計な人間関係が発生する」ことは、経理の人数が多い場合のデメリットと言えます。
2) リストラの可能性がある
経理の人数が多い場合の2つ目のデメリットとしては、「リストラの可能性がある」ことが挙げられます。
会社の業績が傾いた時に、まず人件費の削減に手をつけることは、十分考えられます。
この場合に、人数が多い部署はターゲットになりやすいです。
極端な例で考えてみるとわかりやすいのですが、例えば一人で経理業務を回している場合は、会社の業績が傾いてもその人を辞めさせることはまず考えられません。
その人にしかできない業務があるからです。
一方で人数が多い場合は、誰か一人をリストラしても残りの人でその業務を分散して引き継げばいいので、リストラしやすいと言えます。
人数が少なければ少ないほど、業務の属人化が起こりやすく、結果としてリストラの対象とはなりにくいです。
以上より、「リストラの可能性がある」ことは、経理の人数が多い場合のデメリットと言えます。
人数が多い経理部に既に所属している場合は、副業を検討してみてください。
人数が多い分、早く帰宅できる可能性があり、副業のための時間を作れるかと思います。
また、前述のようなリストラの可能性に備えて、会社からもらう給料とは別の収入を確保しておく必要もあります。
経理におすすめの副業については、「経理におすすめの副業6選!経理代行の他には何がある??」をご確認ください。
3) 経験を積みにくい
経理の人数が多い場合の3つ目のデメリットとしては、「経験を積みにくい」ことが挙げられます。
経理を経験した人であればわかるかと思うのですが、経理業務というのは多岐にわたります。
例えば、「経費精算」「請求書チェック」「伝票作成」「会計システムへの入力」「売掛金の消し込み」「決算整理」「税務申告」「決算発表用の資料作成」などがあります。
また、財務部も兼ねている経理部の場合、資金の管理・運用についても経理の仕事となります。
(経理と財務の違いについては「経理と財務と会計の違いは?」をご参照ください。)
経理部の人数が多い場合、業務内容ごと、あるいは勘定科目ごとに担当が分けられるため、自分が経験できる業務の幅が限られてしまいます。
もちろん定期的にジョブローテーションをすれば、いくつかの業務を経験することはできますが、人数が少ない場合と比較すると、どうしても経験スピードに差が出てしまいます。
経理としてどのようなキャリアを歩みたいかによって、経験すべき業務内容や成長スピードは異なりますが、早く多くの業務を経験するに越したことはありません。
(経理のキャリアについては「経理のキャリアプラン5選!働き方から見えるメリット・デメリット」も合わせてご確認ください。)
以上より、「経験を積みにくい」ことは、経理の人数が多い場合のデメリットと言えます。
4) 必要以上にチェックされる
経理の人数が多い場合の4つ目のデメリットとしては、「必要以上にチェックされる」ことが挙げられます。
業務量に対して人数が多かった場合、その人員はどの業務に割り当てられる可能性が高いと思いますか?
この場合、チェック体制をダブルチェック、トリプルチェックと増やすことで対応することが考えられます。
会社としては、チェック体制を増やしてミスを少しでも減らすことができれば、とりあえずは御の字です。
ただ、チェックされる側からしてみれば、必要以上にチェック体制を増やされると、業務が進まず余計に時間を食うこととなってしまいます。
また、自分も他の人の作業を何度もチェックする必要があり、肉体的・精神的に疲れます。
上場企業などであれば、そもそも内部統制の観点から一定以上のチェック体制が必要となりますが、そうでない企業であれば、いたずらにチェック体制を増やすのは費用対効果の観点から考えると、得策とは言えません。
以上より、「必要以上にチェックされる」ことは、経理の人数が多い場合のデメリットと言えます。
5) 成長性のない会社かもしれない
経理の人数が多い場合の5つ目のデメリットとしては、「成長性のない会社かもしれない」ことが挙げられます。
経理の人数が多いということは、経理の人件費にお金をかけていることと同義となります。
経理はバックオフィスと呼ばれ、売上を直接生み出す部署ではないため、本来あまりお金を割いてもらえる部署ではありません。
経理に割くお金があるならば、営業などのフロントオフィスや、事業の成長のために設備やシステムなどにお金を投入する企業が多いのが実情です。
つまり、経理にお金を投入しているということは、他に投資するものがなかったということを意味している場合があります。
そのため、資金が潤沢にあっても、事業を成長させるための投資先を見出せていない状況と言えるため、成長性に乏しい会社である可能性があります。
競争が激しい現代のビジネス環境において、成長性は非常に大事な要素であるため、長期的にみると経理部の環境も悪化するかもしれません。
以上より、「成長性のない会社かもしれない」ことは、経理の人数が多い場合のデメリットと言えます。
経理の人数を減らそうと思った場合、あるいはこれ以上増やさないための1つの方法として、アウトソーシングも検討してみてください。
エンジニアやデザイナーであれば、アウトソーシングのイメージがわくかと思いますが、経理のアウトソーシングと聞くと尻込みしてしまう人も多いかと思います。
ただ、経理のアウトソーシングには、「本来の経理業務に集中できる」「コストダウン」「作業量に応じて変動費化できる」「業務の属人化を防げる」などの多くのメリットがあるため、1つの候補として考えてみる価値はあります。
詳細については、「経理をアウトソーシング・外注する際に注意すべき7つのこと」をご確認ください。
2. 人数が多い場合のメリット
経理の人数が多い場合のメリットは、上記で説明したことの反対となり、以下のような項目となります。
・人数が多い分、助け合うことができ、一人当たりの業務負担が少なくてすむ。
・チェック体制がしっかりしているので、ミスをする可能性が低い。
・資金的余裕があるので、短期的な安全性は高い会社と言える。
3. 終わりに
経理の人数が多い場合のメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
メリットとデメリットを冷静に見極めながら、経理部への就職や転職の際は、ご自身に合った経理部を選んでください。
4. まとめ
◆リストラの対象となりやすい。
◆業務経験を積みにくい。
◆過度なチェック体制で疲れる。
◆成長性の鈍い会社である可能性がある。