ビジネス会計検定の過去問・テキストは公式一択で決まり!

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ビジネス会計検定の過去問・テキストについて、合格者は何を使用しているのでしょうか?

結論からお伝えすると、合格者のほとんどは、「ビジネス会計検定試験公式テキスト&過去問題集」を使用しております。

そこで今回は、公式テキスト&過去問題集の詳細について、解説していきます。

(公式過去問題集の解説については、「公式過去問題集の解説(ビジネス会計検定試験)」をご確認ください。)

また後半では、各書籍を利用して、合格者はどのような勉強をしているのか?についても解説しておりますので、ぜひご一読ください。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・ビジネス会計検定講座講師
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. ビジネス会計検定試験とは

ビジネス会計検定試験

ビジネス会計検定試験は、財務諸表を「分析・利用」するための実践的な知識を問う試験であり、実際のビジネスに役立つことに重点を置いた試験となります。

似たような会計資格として簿記検定がありますが、簿記検定は財務諸表を「作成」するための知識を主に問う試験となります。

両資格のポイントについては、以下をご参照ください。

【ビジネス会計検定】
・決算書を「分析」するスキル
・年間受験申込者数:2万人弱
・合格率:3級70%、2級50%
・大阪商工会議所が主催
・年2回実施
・マーク式

【簿記検定】
・決算書を「作成」するスキル
・年間受験申込者数50万人弱
・合格率:3級40%、2級20%
・日本商工会議所が主催
・年3回実施
・記述式

詳細につきましては、「ビジネス会計検定と簿記検定の共通点、相違点は?」も合わせてご確認ください。

 

2. 過去問・テキストは公式一択

過去問題集・テキスト(参考書)

ビジネス会計検定に合格するために必要なテキスト・過去問としては、ビジネス会計検定を主催している大阪商工会議所が作成した公式テキスト・過去問題集一択となります。

ビジネス会計検定の公式テキスト・過去問題集を使用するメリット・デメリットについては、以下の通りとなります。

 

メリット

・試験範囲を過不足なく学べる。
・そのままの表現で出題される。
・試験に対応して改訂される。
・3級~1級まで揃っている。
・予備校の講座で使用されている。

 

デメリット

・少し堅苦しい表現がある。
・問題集の解説が少ない部分がある。

 

Amazonや楽天などのオンラインショップで購入できるため、受験する級に応じて必ず公式テキスト&過去問題集を用意してください。

また、定期的に改訂されており、受験予定の試験回に対応した版を用意する点には、注意してください。

古い版でも問題ないのでは?と考える人もいますが、やめた方が良いです。

「どこが改定されたのか?」といった疑問を常に持ったまま学習することとなり、勉強効率が落ちてしまうためです。

公式テキスト&過去問題集の詳細について、各級ごとに見ていきましょう。

 

◆3級

ビジネス会計検定試験3級公式テキスト(第5版)公式問題集(第6版)
・公式テキスト3級 第5版
・公式過去問題集3級 第6版
 目次
【第1章】「財務諸表」とは
【第2章】貸借対照表
【第3章】損益計算書
【第4章】キャッシュ・フロー計算書
【第5章】財務諸表分析

3級のテキスト&過去問題集は、財務諸表を理解するための、基礎的な力を身につける内容となっております。 

3級のテキストでは、第1章~4章で分析の基礎となる財務諸表に対する知識を養い、第5章でその知識をもとに具体的な分析を行います。

また、3級のテキストでは、個別財務諸表を前提としております。

さらに、過去問題集はテキストの各章に対応して問題が用意されている他、第6章で総合問題も用意されております。

3級の詳細につきましては、「ビジネス会計検定3級が必要ない人とは?受験要項や難易度は?」をご参照ください。

 

◆2級

ビジネス会計検定試験2級公式テキスト(第6版)公式問題集(第6版)
・公式テキスト2級 第6版
・公式過去問題集2級 第6版
 目次
【第1章】企業会計の意義と制度
【第2章】財務諸表
【第3章】貸借対照表
【第4章】損益計算書
【第5章】連結包括利益計算書
【第6章】株主資本等変動計算書
【第7章】連結キャッシュフロー計算書
【第8章】附属明細表と注記
【第9章】財務諸表分析

2級のテキスト&過去問題集は、財務諸表を分析するための、基礎的な力を身につける内容となっております。

2級のテキストでは、第1章~8章で分析の基礎となる知識をつけ、第9章で具体的な財務諸表分析に入っていきますが、3級と異なり連結財務諸表を前提としております。

損益分岐点分析やセグメント分析など、3級と比べてより実務的な内容が掲載されているのも特徴です。

また、3級同様に過去問題集はテキストの各章に対応しており、第10章で総合問題が準備されております。

2級の詳細につきましては「ビジネス会計検定試験の2級とは?挑戦すべき5つの理由」をご参照ください。

 

◆1級

ビジネス会計検定1級試験公式テキスト(第3版)&過去問題集(第4版)
・公式テキスト1級 第3版
・公式過去問題集1級 第4版
 目次
【第1章】ディスクロージャー
【第2章】財務諸表と計算書類
【第3章】財務諸表項目の要点
【第4章】財務諸表の作成原理
【第5章】財務諸表分析
【第6章】企業価値分析

1級のテキスト&過去問題集は、 財務諸表を詳細に分析し企業評価できる力を身につける内容となっております。

ビジネス会計検定1級の詳細については、「ビジネス会計検定は1級まで取得する必要がある??」をご参照ください。

★ビジネス会計検定講座
短期間でビジネス会計検定に合格したいなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。

頻出論点短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。

・3級講義時間:約15分×20回
・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき

 

3. 勉強法(全体)

全体的な勉強法

(1) 過去問で試験の傾向をつかむ

突然ですが、過去問はいつ解くのが良いのでしょうか?

多くの人は試験直前になって、実力試しに解くのではないでしょうか?

ここではあえて、「始めに」過去問を「見る」ことをおすすめいたします。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」と言いますが、まずはどのような問題が出題されるのか把握して、出題者の意図を理解することが非常に重要です。

始めに漠然とでも出題の傾向をつかんでおけば、後から学習する際に、大事なところ・覚えておくべきところが自然とわかり、勉強の効率が大幅にあがります。

 

(2) インプット・アウトプットの繰り返し

勉強を開始する際に、ついつい何か楽に覚えられる方法を、探していないでしょうか?

私自身も難関資格である公認会計試験を受験する際に、同じことを考えてしまったのですが、最終的に受かった際にわかった合格の秘訣は、インプットとアウトプットの愚直な繰り返しでした。

当たり前すぎて何の秘訣にもなっていないかもしれませんが、急がば回れで結局のところ、愚直にインプットとアウトプットを繰り返していくことが、一番の合格術となります。

テキストや講義で学んだ単元は、すぐに過去問題集で同じ単元を解くクセをつけてください。

過去問題集で解けなかった問題は、再度テキストや講義に戻ってください。

ただひたすらこれを繰り返せば、気が付くと合格する力が身につきます。

 

(3) まずは最初から最後まで一通り学習

3点目の勉強法は、「1つの」テキスト・講義・問題集を「最初から最後まで」まずは一通り終わらせることです。

ポイントは、以下の2点となります。

 

①やり切るテキスト・講義・問題集はそれぞれ「1つ」

勉強を進めていくと他の教材にも手をだしたくなってしまいますが、どれも中途半端に終わってしまうため、1つの教材に集中するのが、結局とのころ合格への近道となります。

 

②途中でつまずいてもとりあえず「最初から最後まで」やる

途中でわからない点があったとしても、とりあえずは最後まで勉強を進めてください。

全体を勉強することで見えてくる部分もありますし、また、その時はわからなくても、時間を置けば理解できることも多々あるため、わからない点で悩み多くの時間を使用するのは非効率的です。

 

(4) 過去問題集は時間を測って解く

スポーツと同じく、普段の勉強の時から本番と同じ環境で取り組むことで、本番で実力を発揮することができます。

そのためには、普段の勉強で過去問題集を使用する際に、時間を測るくせをつけてください。

始めは目標時間を決めずに、ただ測るだけで問題ないです。

毎回測っていると自然と「1問あたり○○分程度で解ける」といった感覚がついてきますので、あとはそれを毎回少しずつ早めていけば良いだけです。

 

4. 勉強法(分野別)

分野別勉強法

ここでは、分野別の学習法を見ていきましょう。

(1) 知識問題

「流動資産には、現金、1年以内に期限の到来する預貯金、受取手形、売掛金、すべての有価証券が含まれる。」

このような知識問題につきましては、ただこの肢を覚えるのではなく、全体をしっかり理解してください。

本問であれば、

「売買目的有価証券と決算日の翌日から起算して1年以内に満期の到来する国債・地方債・他社の社債のみが流動資産に含まれ、それ以外の有価証券は原則として固定資産に分類される」

という全体像を理解した上で、誤っていると答えられるようにしてください。

 

(2) 分析問題

「X2年度の総資本回転率は○○回であり、X1年度より資金効率や投資効率が高いといえる。」

このような分析問題につきましては、しっかり定義を暗記してください。

問題の数をこなすことも当然重要なのですが、出題パターンは限られているため、1つ1つの定義をしっかり頭にいれれば、そんなに難しい問題はありません。

本問であれば、「総資本回転率」は「売上高÷総資本」で計算されるということを、しっかり覚えておいてください。

 

5. 終わりに

ビジネス会計検定試験の公式テキスト・過去問題集や勉強のポイントについてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

公式テキスト・過去問題集を用意して、「愚直に繰り返す」という王道の勉強法で、合格を勝ち取りましょう。

 

6. まとめ

Point! ◆公式テキスト・過去問題集がおすすめ。
◆過去問で試験の傾向をつかむ。
◆インプット・アウトプットの繰り返し。
◆まずは最初から最後まで一通り学習。
◆過去問題集は時間を測って解く。
◆知識問題は理解中心に、分析問題は暗記中心に勉強する。

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