簿記:売掛金と買掛金のポイント3選!

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簿記の試験で出題される勘定科目のうち、頻出の売掛金と買掛金。

皆様も一度は目にしたことがあるかと思います。

今回は売掛金と買掛金とはそもそも何なのか?を説明したうえで、押さえるべきポイントについてご紹介していきます。

頻出の勘定科目について理解を深めることで、応用的な論点にも対応できるようになりましょう。

 

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1. 売掛金と買掛金とは?

売掛金と買掛金とは?

1) 掛け取引とは?

今はあまり使われませんが、テレビなどで食事や飲みのお会計の際に「ツケといて」と言っているのを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

この「ツケる」とは、その場では代金を払わず「後払い」することを意味します。

掛け取引とはこのツケで取引をすることをいいます。

 

2) 掛け取引をする理由

それではなぜ掛け取引が必要なのでしょうか?

その都度ちゃんと支払いをした方がお互いにとっていいのではないでしょうか?

今まででの話で想定していたのは一回きりの支払いなので、その場で支払った方が確かにお互いに良いのですが、簿記で出題されるような商業取引は、反復継続的に同じ取引先と取引をします。

この際に毎回現金のやりとりをすると、事務手続きが非常に煩雑となり、お互いに余計な事務コストを負担することになります。

そのため、期中は掛けで取引しておいて、月に1回などの一定期間後に現金を支払う方法が一般的となっております。

 

3) 売掛金と買掛金

売掛金と買掛金の内容は以下となります。

・売掛金:商品を掛けで売り上げた際に後から代金を受け取る権利。
・買掛金:商品を掛けで仕入れた際に後から代金を支払う義務。

売掛金は販売代金を受け取る権利、つまり債権なので「資産」として、買掛金は仕入代金を支払う義務、つまり債務なので「負債」として貸借対照表に計上されます。

 

4) 仕訳

具体的な仕訳を例題で見ていきましょう。

 

① 商品1,000円を掛けで売り上げた場合

借方 貸方
売掛金(資産) 1,000 売上(収益) 1,000

 

② 月末に売掛金1,000円を現金で受け取った場合

借方 貸方
現金(資産) 1,000 売掛金(資産) 1,000

 

③ 商品1,000円を掛けで仕入れた場合

借方 貸方
仕入(費用) 1,000 買掛金(負債) 1,000

 

④ 月末に買掛金1,000円を現金で支払った場合

借方 貸方
買掛金(負債) 1,000 現金(資産) 1,000

 

2. 未収入金・未払金との違いは?:ポイント①

未収入金・未払金との違いは?

売掛金・買掛金と混同しやすいのが、未収入金・未払金です。

取引は行われているのに代金の受け渡しが完了していない際に使用する科目という点では共通しております。

相違点は「営業取引」により生じたのか否かとなります。

・売掛金/買掛金
 営業取引により生じた債権債務。
 「商品」の売買の際に使用される。

・未収入金/未払金
 営業取引以外により生じた債権債務。
 「商品以外」(土地・車両・備品や有価証券など)の売買の際に使用される。

 

3. 売掛金の回収は早く、買掛金の支払いは遅く:ポイント②

売掛金の回収は早く、買掛金の支払いは遅く

みなさまは「黒字倒産」という言葉をご存知でしょうか?

詳細は『「会計とファイナンスの違いは?関連資格もご紹介!」の「3. 黒字倒産」』を見ていただきたいのですが、端的に言うと会計上掛け取引で利益がでているのにお金の回収が間に合わず、仕入代金を支払えなくなり倒産してしまうことをいいます。

通常商品を先に仕入れてその後に販売するため、仕入代金の支払いの方が早いタイミングとなり資金ショートを起こしやすいです。

そのため、仕入代金の支払いである買掛金の支払いはできるだけ遅く、売上代金の受け取りである売掛金の回収はできるだけ早くしたいと企業は考えます。

 

4. その売掛金は本当に回収できる?:ポイント③

その売掛金は本当に回収できる?

売掛金については回収可能性について注意する必要があります。

詳しく見ていきましょう。

 

1) 債権には時効がある!?

債権には「5年」の時効があるのをみなさんご存知でしょうか?

さらに、民法でより短い期間を指定しております。

 

時効 該当項目
1年 ・ホテルなどの宿泊費
・タクシーやトラックなどの運送費
・飲食店の飲食費
2年 ・弁護士の報酬
・公証人の債権
・生産者、卸売・小売商人の債権
・塾の授業料
3年 ・医師の債権
・建設工事の設計や施工、管理についての債権

 

詳細は弁護士などの専門家に問い合わせていただきたいのですが、要は売掛金をしっかり管理していないと将来回収できなくなってしまうかもしれません。

 

2) 売上帳をつけて与信管理を徹底!

そのため、売掛金の与信管理(取引相手ごとに取引限度額を設定して管理すること)を徹底する必要があります。

取引先ごとの売掛金の明細を把握するのには売上帳が有効です。

特定の取引先の売掛金が増額してきたら、本当に全て回収できるのか確認し、回収できそうになければ会計上貸倒引当金を計上するなどの対策が必要です。

 

5. 終わりに

いかがでしたでしょうか?

売掛金と買掛金の背景や実務上のポイントなどを把握することで、簿記試験における売掛金と買掛金の理解が進みます。

各勘定科目の内容をしっかりと押さえて試験勉強を進めましょう。

 

6. まとめ

Point!

◆掛け取引とは「ツケ」で商品の売買を行うこと。
◆営業取引の場合は売掛金・買掛金を、それ以外の場合は未収入金・未払金を使用する。
◆売掛金の回収や買掛金の支払いタイミングは資金管理の観点から非常に重要。
◆売掛金の回収可能性を判断して必要に応じて貸倒引当金を積む必要がある。

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