簿記の勉強をしていると、「何だかつまらない..」と感じる方もいるかもしれません。
今回はそんな皆様に簿記の面白さ、すごさについてお伝えしていきます。
だから何だという当たり前の内容もありますが、ちょっとした休憩がてら見てください。
簿記のことを少しでも面白く感じれば、勉強にさらに前向きに取り組めるようになります。
1. 600年間使用されている複式簿記
2. 貸借が必ず一致する
3. 四則演算がわかればできる手軽さ
4. 仕訳の先に財務諸表がある
5. 身近な話題に関する理解が深まる
6. 終わりに
7. まとめ
1. 600年間使用されている複式簿記
普段勉強されている、あるいは使用されている複式簿記の起源を、皆様ご存知でしょうか?
歴史の長さから考えると、4,000年の歴史を持つ中国で考案された?と思う方もいるかもしれません。
しかし実は、14~15世紀にかけてのルネサンス期にイタリアのヴェネツィア商人によって複式簿記が考案されたと言われております。
数々のビジネスモデルを生み出し、ビジネスの中心を走っているアメリカ合衆国の歴史がまだ250年弱と考えると、それより長い600年という期間にわたり、世界で使用されている簿記のすごさがわかるかと思います。
身近な商品や世の中の慣習でもそうですが、長く使われているものにはそれだけの価値・意味があります。
今あなたが勉強している簿記は長年世界中の人に使用され、今や常識となっているすごいものなんだということを、心の片隅に置いておいてください。
*ちなみに日本で複式簿記を普及させたのは、1万円札でお馴染みの福沢諭吉です。「帳合之法(ちょうあいのほう)」と呼ばれる当時のアメリカの簿記のテキストを翻訳して、日本に簿記を普及させました。
簿記の歴史については『「簿記におすすめの本は?レビューから3選を徹底解説」の「1. 帳簿の世界史」』をご参照ください。
2. 貸借が必ず一致する
複式簿記では借方と貸方の合計が必ず一致します。
「当たり前ではないか」と思われた皆様、その通り簿記の前提となる当たり前のことです。
でもよく考えてみると、かなりすごいことだと思いませんか?
(借方) 材料 8,000円
(貸方) 現金 8,000円
・銀行から1億円お金を調達したら現金という資産が増えるが借入金という負債も増える。
(借方) 現金 1億円
(貸方) 借入金 1億円
・簿価5,000万円の建物を6,000万円で売却したら建物という資産は減るが現金という資産と売却益という収益が増える。
(借方) 現金 6,000万円
(貸方) 建物 5,000万円
(貸方) 固定資産売却益 1,000万円
このようにビジネス上のあらゆる取引は簿記で仕訳を切ることができ、その貸借は必ず一致します。
集計したときに借方・貸方の合計金額が一致しなかったり、資産合計と負債・純資産合計の金額が合わなかったりした際には、必ずどこかで仕訳をミスしています。
必ず貸借が一致するという絶対的な原則があるから全ては成り立っています。
もし仕訳の貸借が一致しないものだった場合、簿記は世界に広まっておらず、企業の財政状態や経営成績を外部に客観的に報告する手段がなく、各企業の自己主張(「今年は何となくうまくいきそうだ!」など)でその企業の良し悪しをはかる世界となっていたかもしれません、、。
簿記講座の元運営責任者が、「講座代金(安さ)」と「講座との相性(わかりやすさ)」の観点から、おすすめ通信講座を以下の5つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。
・クレアール
・フォーサイト
・ネットスクール
・CPA会計学院
・スタディング
詳細は「簿記の通信講座おすすめ5選!安さとわかりやすさで比較すると..」をご確認ください。
3. 四則演算がわかればできる手軽さ
少しでも簿記を勉強したことがある人であればわかると思うのですが、簿記は四則演算ができれば理解でき、実際のビジネスでも使用できます。
高度な数学の知識などは一切不要です。
つまり、小学生でも勉強することができます。
大人と小学生の子供がいきなりビジネスについて語り合うことは難しいですが、共に簿記を学ぶことで簿記を通じて会社やお金の流れについて話し合うことはできます。
また、国籍が異なり言葉が通じなくても、簿記は数字で語り合う学問なので、互いのビジネスについて理解し合えます。
年齢や国籍を問わない共通言語を身につけられるという点は、簿記の面白みの1つです。
4. 仕訳の先に財務諸表がある
簿記の勉強をしていると、どうしても1つ1つの仕訳に目がいってしまいその先に何があるのかを実感しにくいです。
経理部に所属している方ならわかるかもしれないのですが、日々1つ1つの仕訳を正確に切っていくことで、決算の時に財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書など)という会社の業績報告書を作成することができ、世の中に自分の会社の成果をアピールすることができます。
1つ1つの作業は地味かもしれませんが、積み重ねていった先に皆さんがニュースで見るような「○○社は対前年比130%の増収増益」「○○社の株主総会が開かれ、社長から昨期の業績と当期の戦略について発表がありました」などの決算報告が行われます。
簿記の先にあるものを意識することで、簿記の面白さが少しわかるのではないでしょうか?
5. 身近な話題に関する理解が深まる
テレビやネットのニュースで経済の話題に関して聞かない日はないかと思います。
そんな経済の話題についていけておりますでしょうか?
経済などのニュースについて理解を深めるのに実は簿記が役立ちます。
⇒増資って何?
・「○○社純利益3.4倍で過去最高益」
⇒純利益って何?
このように今までよくわからずに放置していた経済ニュースについて、簿記を学ぶことで理解することができるようになります。
また、より身近な家計に関するニュースなどについても理解が深まり、ものによってはそのおかげでニュースの内容を実践できるようにもなります。
身近な出来事に対する理解が深まるのも簿記の面白さの1つです。
より企業に対する分析力を身につけたい場合は近年注目されているビジネス会計検定もおすすめです。
ビジネス会計検定については「国家資格並みに評価・評判が高い?!ビジネス会計検定」をご参照ください。
6. 終わりに
いかがでしたでしょうか?
簿記に対する興味を少しでも持つことで、勉強や仕事に対するモチベーションをアップさせましょう。
7. まとめ
◆借方と貸方が何があっても一致するのが簿記。
◆「+-×÷」がわかれば簿記は理解できる。
◆財務諸表は簿記の仕訳でできている。
◆ニュースに対する理解が簿記で深まる。