経理として働いている方、あるいはこれから働きたいと考えている方の中には、在宅・リモートワークについて一度は検討した人も多いのではないでしょうか?
文字通り在宅ワークの人は家で働いているため、普段見かけることはなく、その実態が世間一般に知られる機会があまりありません。
そこで今回は、在宅ワークのメリット・デメリットについて紹介していきます。
後半では、在宅ワークに向いている人の特徴についてお伝えしていきますので、ぜひご一読ください。
1. 在宅ワークのメリット
1) 通勤時間がいらない
2) 作業に集中できる
3) 比較的柔軟に働ける
4) 人間関係を気にしなくてよい
2. 在宅ワークのデメリット
1) 孤独である
2) 不明点をすぐ解消できない
3) 私生活との境界線が曖昧に
4) 頑張りが評価されない
5) 気分転換しづらい
3. 在宅ワークに向いている人とは?
4. 終わりに
5. まとめ
1. 在宅ワークのメリット
1) 通勤時間がいらない
在宅ワークの1つ目のメリットとしては、「通勤時間がいらない」ことが挙げられます。
「通勤時間が20分増えることは、給料が2割減ったのと同じくらい満足度が低下する」といった研究結果を、イギリスの西イングランド大学が公表しております。
もちろん一概に言えることではありませんが、要は通勤時間というのは、人々の満足を大なり小なり低下させているということです。
皆様も思い当たる経験が1つや2つあるのではないでしょうか?
この点、在宅ワークであれば、当然に通勤時間は必要ありません。
本来通勤に往復で毎日1時間かかるとすると、1ヶ月で22時間、1年間で264時間の時間を無駄にしています。
この時間を例えば副業にあてることで、時間を節約できるだけでなく、収入を増やすことも可能となります。
(副業については「経理におすすめの副業6選!経理代行の他には何がある??」も合わせてご確認ください。)
以上より、「通勤時間がいらない」ことは、在宅ワークのメリットと言えます。
2) 作業に集中できる
在宅ワークの2つ目のメリットとしては、「作業に集中できる」ことが挙げられます。
経理の作業はクリエイティブな作業というよりは、淡々とこなす事務作業が多いです。
つまり、自分の殻にこもって、いかに集中して作業を進めていくかが重要となります。
会社であれば、各部署からの問い合わせや、あるいは同僚とのちょっとした雑談などが発生してしまいます。
これらは予測することが難しく不定期に発生するため、自分でコントロールすることができません。
その結果として、作業がぶつ切りになり、集中がその都度途切れてしまうこととなります。
この点、在宅ワークであれば誰に邪魔されるわけでもありませんので、集中して経理作業に取り組むことができます。
以上より、「作業に集中できる」ことは、在宅ワークのメリットと言えます。
3) 比較的柔軟に働ける
在宅ワークの3つ目のメリットとしては、「比較的柔軟に働ける」ことが挙げられます。
在宅を考えている人の中には、育児や介護のために在宅が必要な人も多いかと思います。
在宅の場合、働いている時間というよりは、作業の成果物が重要となってきます。
つまり、帳簿や各種書類などの成果物をちゃんと作成していれば、いつ働こうが問題ないケースが多いです。(会社によっては指定時間が厳密に定められている場合もあります。)
そのため、自宅で必要な時に育児や介護をしながら、その傍ら仕事をすることが可能となります。
以上より、「比較的柔軟に働ける」ことは、在宅ワークのメリットと言えます。
4) 人間関係を気にしなくてよい
在宅ワークの4つ目のメリットとしては、「人間関係を気にしなくてよい」ことが挙げられます。
突然ですが、一般的に会社を辞めたいと思う理由として、何が一番多いでしょうか?
待遇面でしょうか?
仕事内容でしょうか?
実は、「職場の人間関係」がかなり多くの割合を占めております。
自分にはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、多くの人が人間関係に問題を抱えているということは、それだけ多くの職場で人間関係に関する問題が発生しているということであり、自分も巻き込まれる可能性が高いということです。
そしてこの問題の難しいところは、事前に面接や会社のリサーチで見抜くのが非常に困難だという点です。
この点、在宅ワークであれば、自宅1人で仕事をするので、そもそも人間関係が発生しないため、この問題を回避することができます。
以上より、「人間関係を気にしなくてよい」ことは、在宅ワークのメリットと言えます。
在宅ワークをやるのであれば、フリーランス経理として、複数社から経理業務を受注するのも1つの方法です。
フリーランスというとエンジニアやデザイナーを思い浮かべる方も多いかと思いますが、経理でも十分やっていくことは可能です。
詳細については「経理がフリーランスになるのは可能?押さえるべきポイントは?」をご参照ください。
2. 在宅ワークのデメリット
1) 孤独である
在宅ワークの1つ目のデメリットとしては、「孤独である」ことが挙げられます。
先ほど在宅ワークのメリットとしてお伝えした、人間関係に巻き込まれないで済むことと裏表なのですが、在宅の場合は孤独な作業となります。
周りに切磋琢磨し合う仲間がいるわけでもなく、雑談を言い合う同僚がいるわけでもありません。
1週間や1ヶ月であれば、そこまで気にならないかもしれませんが、数か月以上となると、人によっては想像以上に精神的にきついかもしれません。
人間関係の煩わしさと孤独な作業であることはセットで考える必要があり、自分の性格をもとに、どちらを選択するか慎重に判断する必要があります。
以上より、「孤独である」ことは、在宅ワークのデメリットと言えます。
完全な在宅勤務を前提として話を進めておりますが、会社によっては在宅勤務の場合でも、週に1・2回は出社してほしいと言われることもあります。
週1程度であれば面倒な人間関係に巻き込まれることもなく、また、孤独になることもありません。
通勤時間が発生してしまいますが、週1回、あるいは月1回程度は出社する働き方も、検討してみる価値はあります。
次項以降で紹介する他のデメリットに関しても、定期的に会社に出社することで解消できるものも多いです。
2) 不明点をすぐ解消できない
在宅ワークの2つ目のデメリットとしては、「不明点をすぐ解消できない」ことが挙げられます。
隣に座っていれば口頭で聞いてすぐに解消できる問題でも、在宅だとすぐに解消できないケースが多いです。
すぐに解消できない理由としては、以下のようなものが考えられます。
・文章にすると相談者も回答者も時間がかかり、めんどくさくなってしまう。
・顔が見えないため相手の状況がわからず、「忙しかったら悪いな。。」と質問するのを遠慮してしまう。
後から聞ける時にまとめて聞いてもいいのですが、すぐに対応が必要なものも中にはあるかもしれないため、適時に疑問を解消できる体制が本来は必要となります。
自分で調べる力をつけたり、そもそも経理としてスキルアップすることで質問回数を減らすなどが、対応策としては考えられます。
(経理のスキルアップについては「経理の勉強方法とは?おすすめ4選をご紹介!」もご確認ください。)
以上より、「不明点をすぐ解消できない」ことは、在宅ワークのデメリットと言えます。
3) 私生活との境界線が曖昧に
在宅ワークの3つ目のデメリットとしては、「私生活との境界線が曖昧に」なることが挙げられます。
本来プライベート空間である自宅が職場となるため、仮に何時から何時までは仕事と区切っていても、プライベートと仕事の気持ちの切り替えがうまくいかなくなることがあります。
また、メリットでお伝えした柔軟に働けることの裏返しで、何時でも働くことができてしまうため、在宅の場合は余計にプライベートとの切り替えが難しくなります。
活動的に動く時に優位に働く交感神経と、リラックスしている時に優位に働く副交感神経とのバランスを整えることで、毎日精神的に安定することができます。
しかし、プライベートと仕事の境界線が曖昧になると、プライベートの時も仕事モードとなり交感神経が必要以上に働いてしまう、あるいは逆に、仕事の時もプライベートモードとなり副交感神経が必要以上に働いてしまうこととなります。
その結果として、精神的に不調をきたしてしまう可能性もあります。
以上より、「私生活との境界線が曖昧に」なることは、在宅ワークのデメリットと言えます。
4) 頑張りが評価されない
在宅ワークの4つ目のデメリットとしては、「頑張りが評価されない」ことが挙げられます。
在宅ワークの場合は、何時間働いていようと、成果物で評価されます。
会社側に立って考えてみればわかるのですが、在宅の場合そもそも途中の頑張りを確認するすべがないため、成果物で評価せざるを得ません。
そのため、作業過程をどんなに頑張っても、何らかの理由で最終的な成果物ができない、あるいは作成が遅れてしまった場合、低い評価を受けることとなります。
上司と同じ場所で働いていれば、「よく頑張っていたのは見ていたから、今回はしょうがないよ。」と言われるかもしれませんが、在宅の場合はそうはいきません。
また、目標設定を誤って、過度に高い目標になっていた場合も、成果物だけで判断されると低評価を受けることとなってしまいます。
「経理の目標設定とは?人事面談の前に押さえておきたい目標例7選!」を参考に、達成できそうな目標を設定して、自身の評価を高めてみるのも1つの方法です。
以上より、「頑張りが評価されない」ことは、在宅ワークのデメリットと言えます。
5) 気分転換しづらい
在宅ワークの5つ目のデメリットとしては、「気分転換しづらい」ことが挙げられます。
1日中ずっと自宅にいると息が詰まる、といった経験を皆様一度は経験されているのではないでしょうか?
在宅の場合はまさに、この状況となります。
特に経理の場合、会社の機密情報を扱うことが多く、気分転換にカフェで仕事をするといったことができないケースが多いです。
ランチは外に出る、プライベートの時間は積極的に外に出るなど、自分なりの気分転換方法を身に付ける必要があります。
以上より、「気分転換しづらい」ことは、在宅ワークのデメリットと言えます。
3. 在宅ワークに向いている人とは?
1) 自己管理ができる
在宅ワークに向いている人の1つ目の特徴としては、「自己管理ができる」ことが挙げられます。
在宅ワークの場合、最終的な成果物は本社の他の人が進捗状況を管理してくれますが、作業途中の状況を逐一誰かが管理してくれるといったことはありません。
また、自宅というのは怠けようと思えばいくらでも怠けられる環境です。
そのため、自分で自分を管理できる人でないと、在宅ワークは務まりません。
過去の自分の経験を思い返してみて、誰かに強制されて何かを始めることが多かった人は、在宅ワークには向かないかもしれません。
以上より、「自己管理ができる」ことは、在宅ワークに向いている人の特徴と言えます。
2) 楽観的
在宅ワークに向いている人の2つ目の特徴としては、「楽観的」なことが挙げられます。
デメリットでお伝えした通り、在宅ワークは孤独な作業であり、相談相手もいません。
何かミスが見つかった場合、あるいはミスが起きそうな場合に、悲観的な人だとどんどん物事を悪い方向に考えてしまい、本来時間をかけるべきでない作業に時間をかけてしまうことがあります。
また、「経理に向いていない人、向いている人の特徴10選!」で紹介している通り、そもそも経理はある程度大雑把で楽観的な人の方が向いており、在宅ワークとなると、なおさら楽観的な方が向いています。
「まあ何とかなるかな!」という思考の人ほど、在宅ワークが合っているかもしれません。
以上より、「楽観的」なことは、在宅ワークに向いている人の特徴と言えます。
4. 終わりに
在宅ワークのメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
どのような働き方にも一長一短あります。
今の自分の置かれている状況をしっかりと分析して、慎重な判断をしてください。
5. まとめ
◆デメリット:孤独、コミュニケーションが取りづらい、私生活との境界線が曖昧になる、過程が評価されない、気分転換しにくい。