金融資格・会計資格・法律資格・IT資格など、資格の分野は多岐にわたりますが、各資格同士の相性を考えたことはありますでしょうか?
同じ分野で複数の資格を取得するのも専門性が増し良いですが、異なる分野の資格を取得して幅広く活躍できるようにするのも1つの資格の活かし方です。
そこで今回は、会計資格の代表例としてビジネス会計検定を取り上げ、会計資格と金融資格の相性について説明いたします。
会計資格と相性のいいおすすめ金融資格3選もご紹介しますので、ぜひご確認ください。
1. ビジネス会計検定と金融資格の相性は?
1) そもそも金融とは?
「金融」という言葉はよく耳にし、普段の会話で何気なく使用していますが、そもそもどういう意味か説明できますでしょうか?
「金融」とは、経済の資金流通(資金の流れ)全体のことを意味した言葉となります。
金融機関の代表例である銀行を思い浮かべると理解しやすいかもしれません。
銀行はお客様から資金を預かり、他方で企業に資金を貸し出し、また、場合によっては預かった資金を運用して資金を増やすなど、資金流通の中心となる機関となっているため金融機関と呼ばれております。
2) 資金の流れと会計は切り離せない?
「金融」と似た言葉に「会計」がありますが、「会計」の意味を説明できますでしょうか?
「会計」とは、資金の流れの結果発生した売上や費用・利益といった項目を利害関係者に説明することをいいます。
つまり、「金融」が意味するところの資金の流れの結果として何が起こったのかを説明する分野が「会計」となり、「金融」と「会計」は不可分な関係にあります。
資金の流れを管理する分野を「ファイナンス」と呼び、「ファイナンス」と「会計」の関係については「会計とファイナンスの違いは?関連資格もご紹介!」で解説しておりますのでご確認ください。
3) 会計・ファイナンス双方学べるビジネス会計検定!
資金の流れを管理するファイナンスという分野と会計の双方の知識が学べるのがビジネス会計検定となります。
そのため今回は会計の代表資格として、簿記ではなくビジネス会計検定を取り上げております。
ビジネス会計検定の詳細につきましては「ビジネス会計検定とは?試験の内容をご紹介!」をご確認ください。
それでは次項より、ビジネス会計検定と相性のいい金融資格3選をご紹介します。
短期間でビジネス会計検定に合格したいなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。
頻出論点を短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。
・3級講義時間:約15分×20回
・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき
2. 銀行業務検定
1) 銀行業務検定とは?
銀行業務検定とは、銀行・証券会社・保険会社に勤務する職員を対象に、業務上必要な知識の習得や実務能力の向上を目指して実施されている試験となります。
23系統、36種目と非常に科目数が多い試験となりますが、1科目ずつ受験することが可能となっております。
2) 受験資格
なし。(誰でも可能。)
3) 試験形式
各科目の3級や4級などはマークシートの択一式となっておりますが、2級以上は記述式となっております。
4) 難易度
科目や級により合格率のばらつきがありますが、おおむね2級が20~30%前後、3級が30~50%前後、4級が50%~となっており、過去問を繰り返し解くなどの方法で対策するのが一般的です。
5) ビジネス会計検定との関係
銀行業務検定の科目の1つである「財務」の内容がビジネス会計検定と共通している分野となります。
ビジネス会計検定2級までを事前に勉強しておけば、銀行業務検定の財務の勉強はかなり楽になります。
銀行業務検定の各級の詳細については、以下をご参照ください。
3級:「銀行業務検定財務3級とは?全国1位の勉強法やテキスト、過去問、合格率を解説」
2級:「銀行業務検定財務2級の難易度は?過去問やテキストについても解説!」
3. 証券アナリスト
1) 証券アナリストとは?
証券アナリストとは、投資の一連の意思決定プロセスにおいて各情報を分析・評価し、投資に対する助言や投資管理サービスの提供を行う金融・資本市場のプロのことを言います。
第1次レベルと第2次レベルがあり、それぞれ以下の試験科目となっております。
① 証券分析とポートフォリオ・マネジメント
② 財務分析
③ 経済
① 証券分析とポートフォリオ・マネジメント
② コーポレートファイナンスと企業分析
③ 市場と経済の分析
④ 職業倫理・行為基準
2) 受験資格
第1次レベル試験は第1次レベル講座受講者であることが受験資格となり、同様に、第2次レベル試験は第2次レベル講座受講者であることが受験資格となります。
また、第2次レベル講座を受講できるのは第1次レベル試験全科目合格者となります。
3) 試験形式
第1次レベル:マークシート。
第2次レベル:論述。
4) 難易度
合格率は第1次レベル、第2次レベルともに50%前後となり、専門的な内容が問われますが難易度はそこまで高くない試験となります。
5) ビジネス会計検定との関係
証券アナリストの第1次レベルの「②財務分析」と第2次レベルの「②コーポレートファイナンスと企業分析」の部分がビジネス会計検定と共通している分野となります。
証券アナリストを受験する前にビジネス会計検定2級までの知識を入れておけば、証券アナリストの財務分析や企業分析を得意分野とすることが可能となります。
4. FP(ファイナンシャルプランナー)
1) ファイナンシャルプランナーとは?
FP(ファイナンシャルプランナー)とは、個人の目標を実現するために総合的な資金計画を立て、経済的な側面からサポートする専門家のことをいいます。
扱う分野は以下の6つとなります。
② 金融資産運用
③ タックスプランニング
④ リスク管理
⑤ 不動産
⑥ 相続・事業承継
2) 受験資格
3級:誰でも受験可能。
2級:3級合格者など一定の条件あり。
3) 試験形式
3級:マークシート。
2級:マークシート+記述式。
4) 難易度
合格率は3級が70%前後、2級が40%前後となっており、国家資格の中では易しい試験となっております。
5) ビジネス会計検定との関係
お金の流れを管理するという点で共通点はありますが、試験内容的には直接的な共通点はありません。
個人のお金の流れを管理する知識を習得できるファイナンシャルプランナーと、会社のお金の流れを管理する知識を習得できるビジネス会計検定をともに学ぶことで、自身の専門性をより広くすることができます。
また、FPで株式投資の概要を学び、具体的な投資対象企業の財務分析についてはビジネス会計検定の知識を応用することができます。
この点で、ファイナンシャルプランナーとビジネス会計検定は相性がいい資格と言うことができます。
5. 終わりに
いかがでしたでしょうか?
今まで金融資格に興味がなかった人、あるいは既に金融資格を取得されている皆様には、会計資格としてビジネス会計検定の取得をおすすめいたします。
また、ビジネス会計検定を取得されている方で金融業界にお勤めの方は、銀行業務検定や証券アナリストの取得を、金融業界以外の方はファイナンシャルプランナーの取得を検討してみるのはいかがでしょうか?
6. まとめ
◆相性がいい金融資格は銀行業務検定・証券アナリスト・FP。
◆相性がいい会計資格はビジネス会計検定。