公認会計士試験に過去問は必要なのか?私は全く使いませんでした!

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一般的に資格試験の勉強において、過去問は重要と言われることが多いです。

それでは、公認会計士試験の場合も、過去問は必要なのでしょうか?

この点、私は公認会計士試験の受験生時代に、全く過去問を使いませんでしたが、合格することができました。

一方で、公認会計士試験で過去問を使用することには、いくつかのメリットがあるのも事実です。

そこで今回は、私自身の経験も踏まえながら、前半では公認会計士試験に過去問がいらない理由について、お伝えします。

後半では反対に、過去問を使用するメリットと、過去問の具体的な利用方法についても解説しますので、ぜひご一読ください。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・前職で公認会計士講座の責任者を担当
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. 過去問がいらない4つの理由

過去問がいらない4つの理由

それではまず、公認会計士試験に過去問がいらない理由について、順に4つ見ていきましょう。

 

1) 同じ問題は出題されない

1つ目の公認会計士試験に過去問がいらない理由としては、「同じ問題は出題されない」ことが考えられます。

公認会計士試験において、過去問と全く同じ問題が出題されることは、基本的にありません。

もちろん、似た内容が出題されることはありますが、必ずしも過去問をやっていたから解けるといったものではありません。

特に、直近数年分の過去問に関しては、同じ分野が出題されない可能性が高いです。

であれば、毎年の出題傾向を分析した各予備校の予想問題の方が、少なくとも出題分野を的中できる可能性は高いと言えます。

実際に私が論文式試験を受験した時は、予備校が予想していた組織再編のとある論点が見事に出題され、予備校の予想を信じてその論点を重点的に勉強していた私は、高得点を獲得することができました。

以上より、「同じ問題は出題されない」ため、公認会計士試験に過去問はいらないと言えます。

 

2) 改正箇所の取り組み方に迷う

2つ目の公認会計士試験に過去問がいらない理由としては、「改正箇所の取り組み方に迷う」ことが考えられます。

公認会計士試験の出題範囲となる会計基準や監査基準は、定期的に改正されます。

そのため、過去問を解く際に「この問題は改正前のものか?」「改正後の解釈だとどうなるのか?」といった迷いが毎回発生し、無駄な時間を使ってしまいます。

一方で、予備校の答練や模試などは、当然に改正後の内容を扱っておりますので、まずは過去問ではなく予備校のアウトプット教材をこなす方が、費用対効果が高いです。

以上より、「改正箇所の取り組み方に迷う」ため、公認会計士試験に過去問はいらないと言えます。

★最新の講座を受講すべき?
再受験の人達の中には、今まで受講していた公認会計士講座の教材があるため、再受験時は最新の講座を受講しなおす必要はない!と考える人もいます。

ただ、この場合も過去問を解く際と同様に、「この内容は改正に関連していないか?」「改正後だとどうなるのか?」といった点を常に気にする必要があり、非常に勉強効率が悪いです。

もちろん出費面は増えますが、1年でも早く合格すれば、十分に元は取れますので、ぜひ最新の講座を受講してください。

 

3) モチベーションが下がる

3つ目の公認会計士試験に過去問がいらない理由としては、「モチベーションが下がる」ことが考えられます。

過去問というのは、当たり前のことですが、本試験レベルの問題です。

つまり、かなり難しい内容であり、相当勉強をやり込んだ状態でないと、解くことすらできない可能性があります。

そんな難易度の高い過去問にヘタに取り組んでしまうと、現状の自分の実力とのギャップに落ち込み、モチベーションが下がってしまいます。

公認会計士試験は、数年単位の非常に長丁場の試験です。

そのため、モチベーションをいかに保ち続けるか?というのは、試験合格において非常に重要な要素となりますので、過去問にむやみに手を出すのは得策ではないです。

以上より、「モチベーションが下がる」ため、公認会計士試験に過去問はいらないと言えます。

(モチベーションについては、「公認会計士試験のモチベーションアップ方法!会計士厳選の6つの方法」も合わせてご確認ください。)

 

4) 過去問を解く時間がない

4つ目の公認会計士試験に過去問がいらない理由としては、「過去問を解く時間がない」ことが考えられます。

過去問を解こうと思ったら、本試験の試験時間と同じか、あるいはそれ以上の時間が必要となります。

参考までに、各科目の試験時間について、以下に記載しておきます。

【短答式試験】
・財務会計論:2時間
・管理会計論:1時間
・監査論:1時間
・企業法:1時間
【論文式試験】
・会計学:5時間
・監査論:2時間
・企業法:2時間
・租税法:2時間
・選択科目:2時間

また、上記の時間にプラスして、採点&復習の時間も必要となります。

さらに、本試験の問題を解くには集中力が必要となり、解き終わった後は疲れ切っていることが想定されます。

つまり、1科目1年分の過去問に、最低でも丸1日程度費やすことを、覚悟しなければなりません。

ただでさえ時間がない公認会計士試験の勉強においては、そもそも物理的に過去問に費やす時間がないのです。

以上より、「過去問を解く時間がない」ため、公認会計士試験に過去問はいらないと言えます。

 

2. 過去問のメリット

過去問のメリット

私自身の実体験から、過去問がいらない理由についてお伝えしてきました。

しかし、過去問にはメリットがあるのも、1つの事実です。

ここでは、過去問のメリットについて、3つ紹介していきます。

 

1) 漠然とした不安を解消できる

1つ目の公認会計士試験における過去問のメリットとしては、「漠然とした不安を解消できる」ことが考えられます。

前述の通り、過去問を解くことで現状の実力とのギャップを感じ、モチベーションが低下する可能性は確かにあります。

ただ、過去問を解くことで、「本試験ってどの程度のレベルなのだろうか…」「本試験は答練と同じような形式なの?」といった、本番に対する漠然とした不安を消し去ることができます。

また、漠然とした不安を解消し現状を正しく把握することで、合格に向けて本当に必要な勉強量・勉強方法が見えてくるという側面もあります。

以上より、「漠然とした不安を解消できる」ことは、過去問のメリットと言えます。

 

2) 予備校の形式に慣れるのを防ぐ

2つ目の公認会計士試験における過去問のメリットとしては、「予備校の形式に慣れるのを防ぐ」ことが考えられます。

各公認会計士予備校が用意しているアウトプット教材は、基本的に本番を想定した形式であることが多いです。

とは言っても、各予備校のオリジナルな部分もあり、本試験と全く一緒というわけでもありません。

そのため、過去問を解かずに予備校の問題ばかりを解いていると、本番でいつもと少し形式が違うことに戸惑うかもしれません。

たかが出題形式の違いでしょ?と思われるかもしれませんが、本番ではそんなちょっとした違いから足元をすくわれて、不合格になってしまうのです。

以上より、「予備校の形式に慣れるのを防ぐ」ことは、過去問のメリットと言えます。

 

3) 出題傾向を自分で把握できる

3つ目の公認会計士試験における過去問のメリットとしては、「出題傾向を自分で把握できる」ことが考えられます。

今年はどの分野の問題が出題されるのか?といった予測は、基本的には予備校に任せて、自分はそれに従った方が良いかと思います。

ただ、過去問を使って自分で出題傾向を事前に把握しておくことも、実は大切なことです。

予備校から「この論点が大切ですよ」と言われるがままに盲目的に勉強するのと、自分で実際に過去問を使って出題傾向を分析した上で、予備校の予想に従うのとでは、腹落ちの度合いが異なります。

巷に溢れるHow to本などでも、実際のHow toに関しては後半部分で述べており、前半部分はなぜそのHow toが大事なのか?といった説明に終始しているのと、理屈は似ています。

以上より、「出題傾向を自分で把握できる」ことは、過去問のメリットと言えます。

 

3. 過去問の効果的な使い方

過去問の効果的な使い方

前述の通り、私は公認会計士試験の勉強において、過去問を一切使用しませんでした。

ただ後から考えてみると、過去問の効果的な使い方があったと思っております。

そこでここでは、過去問の効果的な使い方について、順に2つ紹介してきます。

 

1) はじめに過去問を見る

1つ目の過去問の効果的な使い方は、「はじめに過去問を見る」ことです。

まず押さえていただきたいのは、過去問を「解く」ではなく「見る」といった点です。

前述の通り、まともに過去問を解く場合、時間がいくらあっても足りません。

この点、過去問を「見る」だけであれば、数十分の一の時間で終えることができます。

次に、なぜはじめに過去問を「見る」ことが大切なのかというと、試験の勘どころを掴むことができるためです。

過去数年分の過去問の問題と解説をざっとはじめに見ておくことで、テキストや問題集を進めている際に、「見たことあるな」といった、デジャブのような箇所に出会うことがあります。

その箇所こそが、公認会計士試験において大切な内容となります。

公認会計士試験の範囲は非常に膨大であり、全てを満遍なく理解・暗記することは、実質的には不可能です。

そのため、ある程度「ここは試験に出そうだな」といった、試験の勘どころを押さえておく必要があるのです。

以上より、「はじめに過去問を見る」ことは、過去問の効果的な使い方と言えます。

 

2) 途中で過去問を見る

2つ目の過去問の効果的な使い方は、「途中で過去問を見る」ことです。

正直なところ、はじめに過去問を見るだけでは、大きな効果は期待できない可能性が高いです。

と言いますのも、全くインプットがない状態で過去問を読むことは、知らない言語の本を読むようなもので、ほとんど内容が頭に入ってこないからです。

そのため、勉強をある程度進めた段階で、定期的に過去問を見ることも必要となります。

ある程度のインプットを終えた段階であれば、少なくとも過去問を見て何となく意味がわかる程度にはなっているかと思います。

また、前述の通り過去問には現状を把握できるというメリットがありますが、そのメリットを活かすためには(モチベーションが下がらない程度の頻度で)定期的に過去問を見て、現状とのギャップを把握しておく必要があります。

以上より、「途中で過去問を見る」ことは、過去問の効果的な使い方と言えます。

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詳細については「公認会計士スクールを費用と合格者数で比較!元講座運営者のおすすめは?」をご参照ください。

 

4. 終わりに

過去問がいらない理由や過去問のメリット・効果的な使用方法についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

過去問が必要か不要かは、人によって異なります。

周りの人がどうであれば、自分に必要と思えば使用すればいいですし、不要と思えば使用しなければいいだけです。

過度に過去問にとらわれることなく、勉強を積み重ねていきましょう。

 

5. まとめ

Point! ◆いらない理由
・同じ問題は出ない。
・改正対応が大変。
・やる気が下がる。
・解く時間がない。
◆メリット
・本番に対する不安を解消できる。
・予備校の試験形式への慣れを防ぐ。
・自分で出題傾向を把握できる。
◆過去問を「見る」のは効果的。

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