「公認会計士になったら毎日数字に追われて、楽しいことなんてないのかな。。」
公認会計士の仕事内容やキャリアについて、一般的に知られていないことの方が多く、上記のようなイメージを持っている人も多いかもしれません。
そこで今回は、公認会計士である筆者が、実際に公認会計士になって楽しかったことについて、以下の人達に向けて、具体的に5つにお伝えしていきます。
・公認会計士の勉強をしている人
・公認会計士試験に合格した人
公認会計士となった後に、楽しいことはたくさんあります。
本記事でその一例を確認して、モチベーションアップに利用してください。
1. 公認会計士になって楽しかったこと
1) プライベートが充実した
2) 多様なキャリアを経験できた
3) おもしろい同僚に会えた
4) 表には出ない内部数値を知れた
5) 監査以外で活躍できた
2. 楽しくなくても3年は待って!
3. 終わりに
4. まとめ
1. 公認会計士になって楽しかったこと
1) プライベートが充実した
1つ目の公認会計士になって楽しかったことは、「プライベートが充実した」ことです。
公認会計士試験に合格して監査法人に勤め始めると、プライベートが充実していきました。
その主な要因としては、以下が考えられます。
公認会計士は繁忙期は忙しいですが、閑散期はそれなりに余裕があり、定時帰りや有休取得などを行いやすい環境と言えます。
「公認会計士の年収の現実とは?トーマツの場合は・・・万円でした!」でお伝えしている通り、大手監査法人であれば初めから500万~700万円程度は給料を貰え、無駄遣いしなければ自由に使えるお金はそれなりにあります。
海外旅行が好きだったので、イギリス・アイスランド・スイス・デンマーク・台湾・グアム・韓国・シンガポールなどを旅行して、とても楽しかった記憶があります。
また、平日終わりに個人参加のフットサルに行ったり、シェアハウスに住んでいたので、休日はシェアハウスでのイベントに参加したりもしていました。
さらに、結婚もできたため、とてもプライベートが充実していました。
プライベートの充実に必ずしも公認会計士が関係していたわけではありませんが、メリハリを持って働けて、かつ、一定の給料がもらえたため実現したという側面もありました。
以上より、「プライベートが充実した」ことは、公認会計士になって楽しかったことと言えます。
2) 多様なキャリアを経験できた
2つ目の公認会計士になって楽しかったことは、「多様なキャリアを経験できた」ことです。
公認会計士試験に合格したら、ほとんど人がまず監査法人に就職します。
ただ、その後キャリアは必ずしも、監査法人に居続けることだけとは限りません。
むしろ、監査法人からの転職が普通になってきている昨今では、公認会計士には多様なキャリアが用意されています。
私自身、大手監査法人から20名程度のベンチャー企業に転職して、今は独立して自営業として働いております。
監査法人時代には、外資系投資銀行の経理に1年程度出向もしておりました。
公認会計士という資格を軸に、多様なキャリアを経験でき、非常に楽しい毎日を過ごせています。
例えば、数千人規模の監査法人や投資銀行とわずか20名程度のベンチャーでは、当たり前ですが環境が全く異なり、それぞれのおもしろさがありました。
また、監査法人時代は金融業界を中心に監査や経理を行っておりましたが、ベンチャー時代や自営業では教育やIT業界でのビジネスを経験してきました。
人数による規模の違いや業界の違いなどを経験することは、私自身のキャリア形成において非常に役に立っております。
以上より、「多様なキャリアを経験できた」ことは、公認会計士になって楽しかったことと言えます。
(筆者の経歴については、「公認会計士のキャリア:監査法人⇒ベンチャー⇒自営業の私の経験談!」をご参照ください。)
3) おもしろい同僚に会えた
3つ目の公認会計士になって楽しかったことは、「おもしろい同僚に会えた」ことです。
公認会計士というと、勉強しかしてこなかった、いわゆる優等生タイプの人ばかりを想像する人も多いはずです。
ですが、実際に私が監査法人時代に出会った同僚は、多様なバックグラウンドや個性を持っており、非常におもしろかったです。
例えば、以下のような同僚達がいました。
・元バンドマン会計士
・東大卒パチプロ失敗会計士
・東大数学科卒会計士
・エンジニアになった会計士
・元エンジニア会計士
・奥さん大好き会計士
・ポケモン大好き会計士
また、ベンチャー時代にも多くの公認会計士や公認会計士試験合格者と働きましたが、試験合格後ベトナムのベンチャーで働いていた人、司法試験にも合格した人、ベンチャーの社長室で働いる人など、やはり多様な人材が多く楽しかったです。
公認会計士というのは、資格さえ取れば学歴や職歴に関係なく、皆同じラインからスタートできるので、このような多様な同僚に出会えたのかもしれません。
以上より、「おもしろい同僚に会えた」ことは、公認会計士になって楽しかったことと言えます。
4) 表には出ない内部数値を知れた
4つ目の公認会計士になって楽しかったことは、「表には出ない内部数値を知れた」ことです。
公認会計士の独占業務である監査業務では、外部に公表される前の事業の各種数値を監査することとなり、多くの数値に触れることができます。
また、そもそも外部に公表されない内部数値についても、知ることができます。
例えば、各従業員の給料や賞与といった内部情報について、人件費の監査をする際に閲覧することとなります。(もちろん個人情報は全て消されており、個人は特定できないようになっております。)
また、各商品ごとの売上や債権の格付け情報などの内部数値も、必要に応じて監査資料として取り寄せることとなります。
財務諸表に出てくるような大きな数値の分析も楽しいのですが、その背後にある会社のリアルな内部数値に触れることで、各財務数値をよりリアルなものと感じることができ、非常におもしろい経験でした。
さらに、内部統制監査を通じて、上流から下流への各業務フローについて理解するのも、楽しかったです。
以上より、「表には出ない内部数値を知れた」ことは、公認会計士になって楽しかったことと言えます。
5) 監査以外で活躍できた
5つ目の公認会計士になって楽しかったことは、「監査以外で活躍できた」ことです。
公認会計士の業務というと、代表的なのは独占業務である監査業務です。
しかし、監査以外の業務の方が、正直なところ楽しさはあります。
私の場合は、監査法人時代であれば、監査以外に出向先で経理業務を担当しておりました。
財務諸表を監査する側ではなく作る側の作業は、当時の私にとっては新鮮で楽しかったです。
また、ベンチャー時代には、営業やマーケティング、経営戦略などを担当しました。
公認会計士の知見を監査以外で活かしながら活躍でき、毎日刺激的で非常に楽しかったです。
公認会計士試験や公認会計士としての実務の中で学ぶ「数値を分析する力」は、監査や経理以外の多くの場面で活かすことができます。
例えば私の場合、経営戦略において予算を作成する際に、市場のあらゆる数値を分析する必要があり、会計士の強みを活かすことができました。
監査以外の公認会計士としての楽しみを見つけられたことが、今でも大きな財産となっております。
以上より、「監査以外で活躍できた」ことは、公認会計士になって楽しかったことと言えます。
公認会計士講座の元運営責任者が、費用と合格者数の観点から、以下の5つの公認会計士スクールを比較してみました。
・CPA会計学院
・TAC
・大原
・LEC
・クレアール
詳細については「公認会計士スクールを費用と合格者数で比較!元講座運営者のおすすめは?」をご参照ください。
2. 楽しくなくても3年は待って!
1) 修了考査までは待って
反対に、公認会計士として働いて、楽しくない場面も多々あります。
もしこの先、公認会計士試験に合格して監査法人で働き始めた際に、「あんまり楽しくないな。。」と思っても、3年は監査法人で働き続けることをおすすめします。
その主な理由としては、3年後に控えている修了考査に合格して公認会計士として登録するまでは、監査法人にいた方が有利だからです。
修了考査は公認会計士試験合格者のうち3割程度が落ちる試験であり、しっかりと対策をとらないと落ちてしまう試験です。
また、修了考査の受験資格を得るためには、約2年間実務補修所の講義や試験をこなす必要があります。
この点、監査法人に所属していれば、実務補修所を考慮して仕事を調整してくれたり、修了考査直前に1ヶ月程度試験休みをもらえるため、非常に有利な環境と言えるのです。
2) 3年後からは自由
3年と聞くと長く感じるかもしれませんが、3年後の修了考査に合格すれば、後は自分が楽しめるキャリアを選択することができます。
外資の経理やコンサルに転職するもよし、ベンチャーでCFOを目指すもよし、独立開業するもよし、いくつものキャリアの選択肢があるのが、公認会計士です。
オンリーワンの公認会計士としてのキャリアを築いてください。
3. 終わりに
公認会計士として楽しかったことについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
当たり前ですが、どの仕事にも楽しい面もあれば、苦しい面もあります。
ただ、働くモチベーション、あるいは勉強して公認会計士を目指すモチベーションを保つためには、楽しい面に注目してみることが大切です。
本記事の内容をもとに、皆様のやる気が少しでも湧いてきたら幸いです。
4. まとめ
◆多様なキャリアの経験。
◆個性あふれる同僚との出会い。
◆表には出ない内部数値の分析。
◆監査以外での活躍。