営業畑一筋で企業に貢献し続けてきた人が、考えるべきことは何でしょうか?
ビジネス誌にもとりあげられる日本の代表的な社長の多くも、営業経験者。
社長を目指さなくても、少し立ち止まって考えることが、今後の明るいキャリアにも繋がるはずです。
今回は営業畑一筋の人が考えておきたいことを、4つ厳選してお伝えしていきます。
自分の実力を確認し、今後の人生を明るくしていく内容です。
ぜひ参考にしてみて下さい。
1. 確かな実績はあるか?
営業畑で頑張ってきた人がまず考えてみたいのは、自分に確かな実績はあるかということ。
技術職や専門的な職人の世界では、一芸に秀でた技術力で自分の実力を表現することができます。
しかし、製品を制作したり、価値が表現しづらい営業職の実力は、明確に分からないのが特徴です。
その為に、まずは自分で自分の実力を確認してみることが大切です。
では、営業の実力は何で確認すれば良いのでしょうか?
一番簡単に、他者にも明確にわかる実力は「実績」でわかると言えます。
明確なのは、目標数値に対しての達成率。
多くの場合、企業の目標は「前年比×業界トレンド」のようなロジックで設定されるもの。
目標を大きく超える実績を残した場合は、企業の期待を超える成果を残したと言えます。
月間トップや年間トップ営業などで表彰されることも、確かな実績となり実力を表せる内容でしょう。
しかし、企業が設定する目標数値は、リアルな現場感やトレンドを表さない場合も少なくありません。
その為、達成率だけが実力だとは言いづらい側面があるのも、また事実です。
営業をしていれば目標を達成できなかったけど、「実力が上がったな」「実力がついてきたな」と感じることはあるはず。
そういった現場のなかでのリアルな努力や工夫を、言語化することでも自信になります。
「確かな実力」とは表面的な数字だけではありません。
自分のなかに蓄積された経験や数字にならない実績も、あなたの実力です。
営業の現場で目標に追われると、自分の実力は見失いがちなものです。
時にはしっかりと立ち止まって、数字にならない自分の頑張りを認めることで、日々のモチベーションとやりがいも向上していくはずです。
そして、キャリア構築の面からも、自分の実力を丁寧に振り返ることで、相手にも伝えやすく、伝わりやすいものになります。
実力が満足いくものでない場合は、確かな実力をつけたい意欲が湧くことも期待できます。
営業畑一筋で頑張ってきた方は、意識して時間を取って、「確かな実力があるか」ゆっくり考えてみることがおススメです。
(実績を出すために押さえるべき営業の基本については、「営業の基本と言えば?営業が押さえるべき基本6選!」をご確認ください。)
2. 転職は経験しているか?
転職を経験しているかというのは、自分に真の営業力があるかどうかということ。
大手メーカーや商品力が強い商材の営業においては、営業力よりも商品力やプロモーションが優れている場合もあるからです。
営業ランキングトップであることや、販売金額で他社の営業と比較する人もいますが、それは明確な営業力ではありません。
周囲の評価に惑わされないよう、大手企業の営業も、中小企業の営業も真の営業スキルに向き合うことが大切です。
自分の営業力を判断する為には、転職してからの実績はわかりやすい材料になります。
商材や環境が全く違ったなかで営業職に向き合うことは、まさに自分と向きあうこと。
通用する点と通用しない点が明確に表れる為、真の実力を把握する方法として大変分かりやすいのです。
転職後、変わらず営業として実績を残しているのであれば、一定の営業力はあると言えます。
逆に、転職後急に実績が残せなくなった場合は、商材の相性もありますが、実力が足りない部分があるのも事実です。
そういった意味で、転職しているかどうかは、営業にとって実力を把握する方法にもなるのです。
営業は常に競争を強いられ、実績が出れば賞賛されるもの。
多くの一般的な営業職の場合は、この賞賛に目がくらみ、自分の実力を見失いがちです。
その為、大手でトップ営業であった人材が、別の企業で埋もれてしまう場合も少なくありません。
営業畑一筋で頑張ってきた方は、営業力こそこれからも使う商売道具です。
実績のある方なら、売れた理由を振り返り、実績の無い方なら、売れない理由を考えたうえで、今後どのようにしていけば良いかを明確にすることが大切です。
自分の真の実力から目をそらさず向きあって、きちんと把握することこそ、今後の明るいキャリアの為になります。
頑張ってきた方も一旦立ち止まって、振り返ってみると良いでしょう。
3. 後輩は成果をあげているか?
営業畑一筋で頑張ってきた方なら、後輩への指導も行なったのではないでしょうか?
教育した後輩が成果を上げているか否かで、ご自身の営業力を知る方法もあります。
後輩が、教えた営業方法で成果を出している場合は、あなたの営業力もあると言えます。
教えた手法を他人が実践しており、さらに実績が出ている場合、その手法は再現性があるものと言えます。
ポイントを押さえて解釈すれば、どんな業界にも通用する武器となるはずです。
実際に営業手法は、会員制の電子書籍などで販売されるものもあります。
有料の営業向けインタビューなどを購読する方が多いのも、まさにノウハウを吸収し、営業手法を確立したい方が多いからです。
実際に後輩が実績を出した手法は、あなたが自信を持っていい武器です。
どういった点がポイントか、しっかり振り返っておくと良いでしょう。
逆に後輩の実績が上がらない場合は、手法が悪いのか、伝わっていない点があるのか原因を探ってみましょう。
もしかすると手法は抜群なのに、大切なポイントが後輩に伝わっておらず、成果に結びついていない場合も考えられます。
後輩は実際どのように営業を行なっていて、何が理由で結果がでないのか、一緒に検証することがお薦めです。
振り返りを通して実績がでるようになった場合には、あなた自身の営業力も、さらに成長していきます。
営業手法を確立しながら、改善やコーチングできる技術は、今後管理職となった際にも使える武器となるでしょう。
4. お客様は喜んでいるか?
営業だけでなく、ビジネスは当然ですが数字が基準となります。
日経新聞などの情報や、日本経済についての記事をみても数字ばかりです。
企業の数字を伸ばす役割の大きい営業は、日々数字に追われるのが実情。
成果となる金額を実力だと考えるビジネスパーソンも多いですが、数字ばかりに意識を置くと、営業にとって一番なものを見失いがちです。
それは「お客様は喜んでいるか」ということです。
よく駆け出しの営業や、数字だけにこだわる営業にありがちなのが、強引な契約や受注をすること。
商品やサービスを誇張したり、嘘偽りを交ぜて営業をすることは、実績は一時的に上がりますが、信頼を大きく損ねる結果となります。
なにより、お客様は落胆し、悲しむことは目に見えていると言えます。
逆に、お客様にとってどのように役立つのか。不安に思われる点はどこか。デメリットとなる点も伝えよう。そういう意識があれば、お客様の信頼を得ることができます。
しっかりと商品やサービスの知識を得ることができ、適切な判断をサポートしてくれる営業であれば、必然的に実績もあがるはずです。
そして、お客様は信頼を置き、喜んでくれることが、営業のモチベーションになります。
お客様の利益が営業の利益になり、お客様の喜びが営業の活力になるのです。
自分の営業活動を振り返って「お客様は喜んでいるか?」について確認することは、今後の為にもとても良い機会になります。
お客様がいつも喜んでくれている場合は、営業の方向性は間違っていないと考えられます。
逆にいつもお客様が不満そうであったり、自分の気持ちにわだかまりがある場合は、長く続く営業手法ではないと言えます。
お客様が喜んでいない現状に気づいた場合は、どうやったら喜ばれるのか考え、手法を大きく変えるチャンスなんです。
自分の営業手法を見直すことができれば、大きく成長することができ、成果も飛躍的に伸びるはずです。
営業畑一筋でやってきた方は、お客様の方にも目を向け、「お客様は喜んでいるか」チェックしてみると良いでしょう。
(営業のモチベーションアップの方法については、「営業のモチベーションを上げる7つの方」も合わせてご確認ください。)
5. 終わりに
今回は、営業畑一筋の方が明るいキャリアを築く為に、考えておきたい項目を、4つに絞ってお伝えしました。
当たり前のことですが、日頃見落としがちなことばかりでしたね。
分かりやすく言えば、自分の営業力を客観的にみる時間をもつことが大切です。
今まで営業畑一筋で頑張っているので、スキルがあるのは間違いはありません。
公平で客観的に強みと弱みを整理しておけば、今後のキャリアにも活かして行くことができるでしょう。
6. まとめ
◆転職は経験しているか?から実績を確認してみよう。
◆後輩は成果をあげているか?結果の理由を振り返ることも大切である。
◆お客様は喜んでいるか?は営業にとって最も大切。