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プログラミングの重要性は、経理の方でも耳にしているかと思います。
ただ、自分には関係ないと思っていないでしょうか?
実は経理こそ、プログラミングを学習すべき職種だと言えます。
そこで今回は、経理こそプログラミングを学習すべき理由を、4つ紹介します。
具体的な学習すべきプログラミング言語や、学習方法についても後半で紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
1. 経理がプログラミングを学習すべき4つの理由
1) 経理の業務は自動化しやすい
伝票などの証票入力や仕訳の作成、毎回決まった分析数値の抽出など、経理の定型業務は自動化に非常に向いています。
そして、この自動化の際に、プログラミングの知識が役に立ちます。
定型業務を一生懸命こなして忙しいと言っているうちは、経理としてはまだまだ半人前です。
予算編成や資金計画・財務改善提案など、本来経理が集中すべき業務に人手を充てるためにも、定型業務は自動化する必要があります。
経理はAIに代替されるといった話が世間では噂されておりますが、その実態はAIが得意とする定型業務だけを生業とする経理は代替されるといったものです。
詳細につきましては「経理はAIでなくなる!?人工知能に負けないためには??」をご参照ください。
2) AIやRPAの導入支援に役立つ
上述の定型業務自動化の方法の1つに、AIやRPA(Robotic Process Automation)の導入があります。
(RPA:PCの中にあるソフトウェア型のロボットが、定型業務を代行・自動化するという概念。)
経理業務のうち、フローチャート(業務の流れ図)を描けるものであれば、その一連の作業はAIやRPAで代替できると言われております。
そして、このAIやRPAも、当然にプログラムからできております。
そのため、AIやRPAの導入支援にあたり、プログラミングの知識があれば、AIやRPAツールのベンダーの言いなりにならずに、自社にとってデメリットとなりそうな点を指摘するなど、経理として頭1つ抜けた存在になることができます。
監査法人時代はRPAについて知らなかったのですが、ベンチャーに勤務していた時にその存在を知りました。
人材派遣の部門を新たに立ち上げた際に、転職希望者に対して送るスカウトメールについて、実際にRPAツールを使用しておりました。
人力であれば、条件に合った候補者を見つけては、スカウトメールを送るという地道な作業を何時間もやる必要がありましたが、RPAツールを使用すれば、PC一台をつけっぱなしにしておくだけで、勝手にスカウトメールを送り続けてくれたので、非常に便利でした。
3) プログラミングネイティブの襲来
2020年度から、プログラミング教育が小学校から必修化されているのを、皆様ご存知でしょうか?
これが何を意味しているかというと、数年後にはプログラミングネイティブの人達が皆様の会社に入社してきて、経理部の後輩になると同時に、ライバルとなります。
こうなるともはや、プログラミングができることはライバルに差をつけることではなく、プログラミングができないとライバルに差をつけられるといった環境となります。
そのため、今のうちから経理の人達は、プログラミングを学習しておく必要があります。
4) 経理以外でもやっていける
最後にお伝えする経理がプログラミングを学習した方が良い理由は、経理以外の職でもやっていける点です。
経理職は一般的に、安定した職種と言われる一方で、上述のようにAIに代替されるとも言われております。
そんな状況の中で、もし経理として働くことが難しくなった場合のために、経理以外にも手に職を持っておくと安心です。
プログラミングを学習することで、エンジニアとしてやっていく道もありますし、IT導入コンサルタントとしてやっていくことも考えられます。
また、自分で何か事業を起こす際にも、プログラミングの知識は役に立ちます。
いずれにしろ、いざという時の備えとしても、経理がプログラミングを学習する意味はあります。
2. 経理におすすめのプログラミング言語
それでは、具体的に経理が学習すべきプログラミング言語とは、何なのでしょうか?
本記事では3つ、紹介させていただきます。
1) VBA
1つ目に経理におすすめしたいのが、「VBA」(Visual Basic for Applications)です。
マイクロソフトが開発した、Excelで使用できるプログラミング言語のことを言います。
経理と言えばExcelと言うくらい、皆様普段の業務でExcelを使用されているのではないでしょうか?
例えば、毎月A事業部とB事業部からそれぞれ月次の販売データがCSVで送られてきて、そのCSVデータから必要な部分を抜き取り、ピボットテーブルでまとめて分析するといった工程があったとします。
手作業でやるのを想像したら、毎月それなりの労力になりそうですが、VBAを使用すれば、ボタン1つ押すと後は数分待つだけで、プログラムが勝手に作業してくれます。
VBAのメリット・デメリットを以下に紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
・経理で普段使用するExcelを自動化できる。
・書籍やネット上の記事がたくさんあり、独学で勉強できる。
・業務を標準化できる。
・転記ミスなどのヒューマンエラーを減らすことができる。
・世間で言われているほど簡単に習得できるものではない。特に仕事で使用するとなると、根気よく勉強する必要がある。
・Excelの作業を自動化するものなので、自分が持っているExcelの知識以上のことはできない。そのためは、VBAの前にExcelを使いこなす必要がある。
2) Python
2つ目に経理におすすめしたいのが、「Python」(パイソン)です。
機会学習やディープラーニングの分野で注目されているプログラミング言語であり、VBAではできない数値計算なども行うことができます。
少ない簡潔なコードで、プログラムすることができるのも特徴です。
CSVデータの加工から始まり、例えば毎月初に送る「○日以内に請求書の提出をお願いします。」といった、社内向けの定型メールの自動化などにも利用できます。
また、経理がプログラミング言語を学習すべき4つの理由の最後でお伝えした、経理以外でもやっていける汎用的な知識をつけるためにも、Pythonはおすすめです。
ruby(ルビー)という言語も一時期人気がありましたが、今はPythonの方が人気があり、多くの企業でエンジニアとして働くための汎用的な知識がつきます。
機会学習やゲーム・アプリケーション開発など、Pythonを学べば実に多くのことができるようになります。
YoutubeやInstagramなどもPythonを使用して開発されており、その実用性が証明されております。
3) GAS
3つ目に経理におすすめしたいプログラミング言語は、「GAS」(Google Apps Script:通称「ガス」)です。
GASはGoogleが提供しているプログラミング言語であり、Googleのサービスを多用している人におすすめの言語となります。
具体的には、以下のようなサービスが挙げられます。
・Googleドキュメント
・Googleフォーム
・Googleスライド
・Googleドライブ
・Gメール
経理の場合セキュリティの関係上、エクセルやワードを使用しており、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントを使用できない会社も多いかと思います。
ただ、例えばベンチャー企業などあればスピードが重視されるため、営業などのフロント部門では、普通にGoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントが使用されております。
GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントであれば、オンライン上で共有して、リアルタイムでみんなで編集しながら会議を進められるため、非常に便利なツールであり、これからさらに普及していくことが想定されます。
Googleの各種ツールが普及すればするほどGASの利便性も高まるため、まだまだ黎明期ではありますが、今のうちから学習しておくのも1つの考えです。
ベンチャーに勤務していた際に、実際にGASを使用していました。
お客様から資料請求のお申し込みがあった場合に、Gmailで申し込みのデータが送られてくるため、そのデータをGASを使用してGoogleスプレッドシートに自動転記して、資料請求申込者のデータを管理していました。
手作業であればコピー&ペーストの単純作業を何回もする必要がありますが、GASを使用することで全て自動化することができました。
Googleのツールは今後さらに普及していくことが考えられるため、将来に対する投資としてGASを学ぶのはおすすめです。
3. プログラミングの学習は書籍?スクール?オンライン?
それでは、どのようにしてプログラミングを学ぶのでしょうか?
順に解説していきます。
1) 書籍で学習
プログラミングは実際にコードを書いてなんぼの世界ですので、書籍での学習はあまり向かないと思われるかもしれません。
しかし、書籍では体系的に分野ごとに必要な知識がまとめられており、学習方法としては悪くはないです。
注意点としては、書籍を読むだけでは具体的なイメージがわかないことが多く、実力がつかないため、書籍を読みながら実際にコードを書く必要があります。
2) スクールの利用
2つ目のプログラミングの学習方法としては、割と高額なプログラミングスクールに通うという方法です。
通うといっても、プログラミングの学習なだけあって、オンラインスクールとなります。
高額な分、メンターにchatで直接指導してもらうことができるため、一番実力がつきやすい方法と言えます。
デメリットとしては、やはり金銭的負担が大きい点が挙げられます。
代表的なスクールのリンクを掲載しておきますので、興味のある方は確認しておいてください。
プログラミングを学ぶのであれば、以下の理由からTechAcademy [テックアカデミー] がおすすめです。
・自宅にいながらオンラインで学べる。
・1人ずつプロのパーソナルメンターがつく。
・チャットで質問すればすぐに回答が返ってくる。
・オリジナルサービスやオリジナルアプリなどの開発までサポート。
3) オンライン学習
スクールに対して、より低額なオンライン上で学べるサイトもおすすめです。
Progate(プロゲート)などのサイトでは、無料で非常に多くのこと、多くの言語が学べます。
あまり費用はかけられない人、自分のペースで勉強したい人におすすめの方法となります。
デメリットとして、低額な分メンターがいるわけではないので、わからない時に自分で解決するしかない点が挙げられます。
ある程度金銭的に余裕のある方は、時間をお金で買うという意味でも、上述のスクールに通う方がおすすめです。
4. 終わりに
経理こそプログラミングを学習すべき理由や、経理が学ぶべき具体的なプログラミング言語について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
会計×プログラミングで他者との差別化を図り、変化の激しいこれからの時代を生き抜いていきましょう。
5. まとめ
◆経理業務にAIやRPAを導入する際にプログラミングの知識が役立つ。
◆プログラミングが当たり前の世代が数年後にやってくる。
◆経理以外に手に職をつけることができる。