公的資格であるビジネス会計検定。
民間資格よりは何となく良さそうだけど国家資格よりは評価は高くないのかな、、、
そんな疑問を持たれている皆様に、今回はビジネス会計検定の評価・評判についてお伝えしていきます。
1. やはり国家資格の方が評価は高い
いきなり結論になってしまうのですが、ビジネス会計検定と比べて現段階では国家資格の方が評価は高いと考えられます。
というのも、国家資格と比べるとビジネス会計検定は受験者数がまだ少なく、その価値を理解している人が相対的に少ないからです。
しかし、価値を理解している人からするとビジネス会計検定の方が評価が高く、今後市場価値はさらに高まっていくと考えられます。
その理由を次項以降で3つご紹介いたします。
2. 受験者数の増加(評価される理由①)
多くの国家資格で受験者数が減少しているのをみなさんご存知でしょうか?
皆さん一度は耳にしたことがある弁護士(司法試験)・公認会計士・司法書士・行政書士・社会保険労務士などの国家資格や日商簿記検定などの公的資格について、実は受験者数はここ数年減少しております。
そんな中でビジネス会計検定は開始以来受験者数を伸ばして、公的資格ながら徐々に評価が高まっており、その将来性が期待されています。
以下では、各資格の受験者数の推移を見ながら、ビジネス会計検定がいかに伸びているのかを、見ていきましょう。
1) 弁護士(司法試験)
2000年代の初めに弁護士・検察官・裁判官の増員という目標がかかげられ、大幅な合格者数の増加が実施されました。
その結果、合格者の質の低下や資格を取得しても弁護士として生計を立てられない人達の増加など、現場から不満の声が上がり、今度は合格者数を絞る方向に舵をとりました。
しかし、合格者数を絞った結果として受験者数も減少してしまい、現在も減少傾向にあります。
司法試験 | 出願者数 |
2009年 | 9,734 |
2010年 | 11,127 |
2011年 | 11,891 |
2012年 | 11,265 |
2013年 | 10,315 |
2014年 | 9,255 |
2015年 | 9,072 |
2016年 | 7,730 |
2017年 | 6,716 |
2018年 | 5,811 |
2019年 | 4,930 |
2020年 | 4,226 |
2021年 | 3,754 |
2022年 | 3,367 |
2023年 | 4,165 |
2) 公認会計士
2008年ごろから内部統制監査や四半期レビューにより人員増加が叫ばれていたため、弁護士同様に合格者数の大幅な増加が実施されました。
その結果就職難が発生し、「会計士は合格しても就職口がない」とのイメージが受験生に浸透して、それ以降願書提出者数が減少しておりました。
しかし近年は毎年願書提出者数が増加しており、人気を取り戻しております。
公認会計士 | 願書提出者数 |
2009年 | 21,255 |
2010年 | 25,648 |
2011年 | 23,151 |
2012年 | 17,894 |
2013年 | 13,224 |
2014年 | 10,870 |
2015年 | 10,180 |
2016年 | 10,256 |
2017年 | 11,032 |
2018年 | 11,742 |
2019年 | 12,532 |
2020年 | 13,231 |
2021年 | 14,192 |
2022年 | 18,789 |
2023年 | 20,318 |
3) 司法書士
試験の難易度は司法試験並みに難しい割に、取得しても働き口が少なく、独立も難しいため、ここ10年で出願者数が半数程度まで減少しております。
また、司法書士の主な業務である登記作業は今後AIに代替される定型作業であることが、減少に拍車をかけております。
司法書士 | 出願者数 |
2009年 | 32,558 |
2010年 | 33,166 |
2011年 | 31,228 |
2012年 | 29,379 |
2013年 | 27,400 |
2014年 | 24,538 |
2015年 | 21,754 |
2016年 | 20,360 |
2017年 | 18,831 |
2018年 | 17,668 |
2019年 | 16,811 |
2020年 | 14,431 |
2021年 | 14,988 |
2022年 | 15,693 |
2023年 | 16,133 |
4) 行政書士
取得後の働き口が少ないと考えられており、近年受験者数が急激に減少しておりましたが、2019年から増加傾向にあります。
手ごろな難易度で司法試験受験生などが腕試しとして受けるケースなど、従来から法律資格の登竜門として一定のニーズはありました。
それに加えて、昨今の社会情勢を踏まえて、手に職をつけたいというニーズが増加した結果、受験者数増加につながっていると考えられます。
行政書士 | 出願者数 |
2009年 | 83,819 |
2010年 | 88,651 |
2011年 | 83,543 |
2012年 | 75,817 |
2013年 | 70,896 |
2014年 | 62,172 |
2015年 | 56,965 |
2016年 | 53,456 |
2017年 | 52,214 |
2018年 | 50,926 |
2019年 | 52,386 |
2020年 | 54,847 |
2021年 | 61,869 |
2022年 | 60,479 |
2023年 | 59,460 |
5) 社会保険労務士
昨今のトレンドである人事・労務のスペシャリストとして人気の高い資格です。
しかし、合格率が一時期2.6%まで低下したことで、難しい試験というイメージがついて尻込みする受験者が増え、受験者数が減少しました。
一方で、ここ数年は合格率も安定してきており、受験者数が少し増加傾向にあります。
社会保険労務士 | 受験申込者数 |
2009年 | 67,745 |
2010年 | 70,648 |
2011年 | 67,662 |
2012年 | 66,800 |
2013年 | 63,640 |
2014年 | 57,199 |
2015年 | 52,612 |
2016年 | 51,953 |
2017年 | 49,902 |
2018年 | 49,852 |
2019年 | 49,570 |
2020年 | 49,250 |
2021年 | 50,433 |
2022年 | 52,251 |
2023年 | 53,292 |
6) 簿記検定
経理や総務に限らず、一度は取得を検討したことがある方も多い、資格の中で最も有名な簿記検定ですが、実は受験者数は減少しております。
厳密に言うと公認会計士のところで説明したように、一時期会計業界が盛り上がりを見せた際に簿記の受験生が増加しましたが、現在は昔の水準に戻っております。
簿記検定 | 受験者数 |
2009年度 | 710,118 |
2010年度 | 722,432 |
2011年度 | 622,860 |
2012年度 | 591,179 |
2013年度 | 566,171 |
2014年度 | 535,580 |
2015年度 | 576,645 |
2016年度 | 561,660 |
2017年度 | 525,263 |
2018年度 | 520,729 |
2019年度 | 491,980 |
2020年度 | 350,318 |
2021年度 | 580,825 |
2022年度 | 507,371 |
2023年度 | 505,319 |
(*2020年は試験が1回分中止となったため、受験者数が減少しております。)
7) ビジネス会計検定
ビジネス会計検定は国家資格も含めたメジャーな資格の中で、唯一200%を超える受験者数の増加を見せております。
市場からの期待の表れが反映された結果と言えます。
ビジネス会計検定 | 申込者数 |
2009年 | 6,304 |
2010年 | 7,376 |
2011年 | 8,470 |
2012年 | 8,420 |
2013年 | 9,147 |
2014年 | 9,369 |
2015年 | 10,945 |
2016年 | 12,075 |
2017年 | 13,258 |
2018年 | 14,227 |
2019年 | 16,171 |
2020年 | 16,163 |
2021年 | 15,433 |
2022年 | 14,100 |
2023年 | 13,489 |
ビジネス会計検定の難易度については「ビジネス会計検定の難易度・合格率は??」をご参照ください。
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頻出論点を短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。
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・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき
3. 受験者からの評判がいい(評価される理由②)
ビジネス会計検定が評価される2つ目の理由は、実際の受験者・合格者からの評判が非常に高いという点です。
・「経営者への報告や取引先との交渉にビジネス会計検定の知識が活用できた。」
・「起業後に自社の財務諸表を理解するのに役に立った。」
・「中小企業診断士試験の財務会計の分野の勉強に役に立った。」
・「新聞やニュースで普段から聞いていた企業の情報を以前よりよく理解できるようになった。」
実務・実生活で活きる知識を習得できるという点が、実際の受験者に評価されている大きな理由となっております。
4. AIに代替されない分析力(評価される理由③)
財務諸表を「作成」する業務などの定型作業については今後AIの台頭によりなくなる可能性があります。
一方で、財務諸表を「分析」して新たな経営課題を発見する仕事が今後経営者だけなく、現場の従業員にも求められてきます。
その際の土台となる知識を養える点もビジネス会計検定が評価されている理由です。
AIの得意分野と苦手分野については「経理はAIでなくなる!?人工知能に負けないためには??」も合わせてご確認ください。
5. 終わりに
いかがでしたでしょうか?
多くの国家資格の受験者数が減少している中で、勢い衰えず受験者数を増加させているビジネス会計検定の評価ポイントについて解説させていただきました。
この機会に一度受験を検討してみてはいかがでしょうか?
6. まとめ
◆実際に勉強した人たちからの評価が高い。
◆AIに負けない力をつけられる。