公認会計士と学歴の関係は?東大・慶應ばかりの監査チームでの経験談

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公認会計士と聞くと、高学歴の人を想像してしまうかもしれません。

実際に、私が監査法人時代に所属していた監査チームは、東大や慶應の出身者など、高学歴の人が多かったです。

そこで今回は、自身の経験も踏まえながら、以下の2つの観点から、公認会計士と学歴について解説していきます。

・公認会計士試験と学歴の関係
⇒学歴が高い方が試験で有利?
・公認会計と学歴の関係
⇒学歴が高い方が実務で有利?

また後半では、公認会計士試験の勉強に臨むにあたり、学歴に関して考えておくべきことについてもお伝えしておりますので、ぜひご一読ください。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・前職で公認会計士講座の責任者を担当
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. 公認会計士試験と学歴の関係

公認会計士試験と学歴の関係

ここでは、公認会計士「試験」と学歴の関係、つまりは、高学歴の人の方が公認会計士試験を有利に進められるのか?といった点について、お伝えしていきます。

 

1) 大学別合格者数

まずは、大学別の公認会計士試験合格者数について、見ていきましょう。

公認会計士三田会の調査結果によると、2020年~2022年公認会計士試験の大学別合格者数は、以下の通りとなっております。

2020 2021 2022
1位 慶應
169名
慶應
178名
慶應
187名
2位 早稲田
98名
早稲田
126名
早稲田
109名
3位 中央
74名
明治
72名
明治
86名
4位 明治
60名
中央
65名
東京
57名
5位 立命館
52名
東京
58名
中央
54名
6位 東京
49名
立命館
49名
立命館
54名
7位 神戸
47名
京都
41名
神戸
50名
8位 京都
43名
神戸
38名
京都
47名
9位 法政
42名
大阪
36名
同志社
44名
10位 同志社
34名
一橋
35名
一橋
38名

いかがでしょうか?

上位には、慶応大学・早稲田大学・東京大学・京都大学など、いわゆる高学歴の大学がランクインしております。

また、中央大学や明治大学のように、学内に経理研究所(通称「経理研(ケイリケン)」)を設けており、経理研から多くの合格者を輩出している大学があるのも特徴的です。

上記を見て人によって感じ方は異なるかもしれませんが、やはり高学歴と言われる大学出身者が合格者に多い、つまり学歴はある程度公認会計士試験の合否に関係していると考えることができます。

 

2) 学歴が関係している理由

それではなぜ、学歴と公認会計士試験の合格者数は、関係しているのでしょうか?

ここでは考えられる理由について、順に3つ紹介していきます。

 

① 勉強に対する耐性がある

公認会計士試験に学歴が関係している1つ目の理由としては、「勉強に対する耐性がある」ことが考えられます。

誰しも一度は「勉強は苦手だな…」と思った経験が、あるのではないでしょうか?

勉強というのは基本的に同じ作業の繰り返しであり、多くの人が逃げ出したくなるものです。

高学歴の人達も例外ではなく、勉強から逃げ出したくなったことがあるはずです。

ただ、高学歴の人達は長期間勉強に取り組んだ実績があり、勉強そのものに対するストレス耐性ができています。

つまり、本当に追い込まれれば、少なくとも大学受験と同じくらいの勉強量をこなす馬力があります。

また、勉強に対するストレスを減らすコツを理解している人も多いです。

公認会計士試験の勉強時間は3,000時間?私は3倍必要でした」でお伝えしている通り、公認会計士試験は非常に長丁場の試験となるため、勉強に対する耐性がありストレス軽減策を持っていることは、大きなメリットとなります。

さらに、高学歴の人の中には、そもそも勉強自体を楽しめる人も一定数いるため、公認会計士試験において有利な位置にいると考えられます。

以上より、「勉強に対する耐性がある」ことは、公認会計士試験に学歴が関係している理由と言えます。

 

② 成功体験を積んでいる

公認会計士試験に学歴が関係している2つ目の理由としては、「成功体験を積んでいる」ことが考えられます。

成功体験というのは、過去に自分が経験してきたことのうち、自分が「成功した!」と思える経験のことを指します。

高学歴の人は、その学歴を手に入れたこと自体が、本人にとって成功体験となっていることが多いです。

そして、成功体験には、以下のメリットがあります。

・自信がつく。
・物事を楽しめる。
・物事に主体的に取り組める。

これを勉強に当てはめてみると、以下の通りとなります。

・合格できる!と信じている。
・勉強を楽しめる。
・主体的に勉強計画を立てられる。

つまり、高学歴の人達は成功体験を積んでおり、公認会計士試験の勉強においても上記のように取り組むことができ、合格する上で有利な状況にあると考えられます。

以上より、「成功体験を積んでいる」ことは、公認会計士試験に学歴が関係している理由と言えます。

 

③ 地頭がいい

公認会計士試験に学歴が関係している3つ目の理由としては、「地頭がいい」ことが考えられます。

高学歴の人達の多くは、地頭の良さが一定以上だと考えられます。

例えば、誰でも努力すれば必ず東京大学に入れるか?と言うと、そんなことはなく、一定程度の地頭の良さが要求されます。

勉強のパフォーマンスとは、「地頭×勉強量」で、ある程度計算できます。(集中力や試験当日の体調など、他にも多くの要素が考えられます。)

つまり、大学受験などの勉強期間が限られている試験においては、勉強量の最大値が決まっているため、ある程度の地頭の良さが必要となります。

裏を返せば、大学受験で成果を出している人達は、一定程度の地頭の良さを持っていることとなります。

公認会計士試験においては、司法試験のように受験回数が決まっているわけではなく、勉強期間の制限は特にないため、勉強量で勝負することができます。

しかし、あくまで勉強量でも勝負できるというだけであり、地頭が良いに越したことはなく、やはりこの点でも、高学歴の人は有利な位置にいると考えられるのです。

以上より、「地頭がいい」ことは、公認会計士試験に学歴が関係している理由と言えます。

 

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2. 公認会計士と学歴の関係

公認会計士と学歴の関係

ここまでは、公認会計士試験と学歴の関係について見てきました。

ここでは、公認会計士として監査法人で活動する上で、学歴が有利に働くか否か?といった点について、私の実体験を踏まえながら見ていきます。

 

1) 東大・慶應ばかりの監査チーム

まずはじめに、私が監査法人時代に所属していた監査チームの学歴について、紹介していきます。

チームメンバーがころころ変わることもありましたが、おおよそ以下のような学歴のメンバーで構成されていました。

・東京大学出身×9名
・慶應大学出身×4名
・京都大学出身×1名
・東京工業大学出身×1名
・東北大学出身×1名
・九州大学出身×1名
・その他×数名

割と極端な例かもしれませんが、かなり高学歴の人が揃っていた監査チームに所属していました。

(普通の監査チームは、もっと学歴がバラバラなはずです。)

 

2) 学歴による派閥はある?

仕事と学歴の関係と聞いて、学歴による派閥を思い浮かべる人も、いるのではないでしょうか?

この点については、おそらくですが、ほとんど関係ないかと思います。

合格者を多く輩出している大学出身者は、当然監査法人内でも一定の人数を占めるため、結果的に出世している人の中にも、多くいるように見えることはあります。

ただ、基本的には本人の実力や直属の上司の評価で出世できるか否かは決まり、学閥の影響を受けることはないと考えられます。

強いて言うならば、一番はじめに配属される監査チームにおいて、学歴がある程度考慮されることはありました。

監査チームのメンバー選考は、野球のドラフト会議のようなものであり、監査チームのマネージャーなどが「この人がほしい」と互いに言い合い、譲り合いながらメンバーを選ぶこととなります。

そして、1年目のスタッフの選考においては、参考にすべき実務の評価がないため、学歴や年齢が一定の選考基準となりやすかったです。

 

3) 学歴と仕事のできは関係ある?

学閥が特に関係ないのであれば、学歴と仕事の評価は特に関係ないのでは?と思われたかもしれません。

この点については、みな公認会計士試験合格者であり、同じスタート時点から開始するため、学歴は関係ないと言えます。

ですが、私自身の実体験としては、学歴の高い人は、仕事でもすごい成果を出していたように思います。

前述の通り、東大や慶應出身者が多かったのですが、そもそもみな頭の回転が速く、かつ、英語が得意・数学が得意・プログラミングが得意など、会計以外にも一芸に秀でている人が多かったです。

また、良くも悪くも自信家の人が多く、クライアントに対しても物怖じせず、業務を遂行していました。

もちろん、たまたま学歴が関係していただけとも考えられますが、それでも1つの実体験であることは事実なので、何かの参考になればと思います。

 

3. 試験勉強に臨むにあたり

試験勉強に臨むにあたり

それでは最後に、公認会計士試験の勉強をするにあたり、学歴について考えるべきことについて、3つお伝えしていきます。

 

1) 自分の学歴を気にしない

公認会計士試験の勉強に臨むにあたり考えるべき1つ目のこととしては、「自分の学歴を気にしない」ことが挙げられます。

「学歴が低い自分が公認会計士試験に受かるなんて、無謀なのかな…」

もしかしたら、このように考えてしまう人も、いるかもしれません。

ただ、あくまで学歴は過去の結果であって、これからの成果を何ら保証するものではありません。

また、そもそも学歴は今さらどうしようもないことであり、考えるだけ無駄です。

ないものねだりをしても、しょうがなく、自分が持っているものに目を向ける方が大事です。

そしてもっと大事なのは、今持ってないが頑張れば手に入るものに、目を向けることです。

考えるべきは過去の学歴ではなく、これからどうやって公認会計士試験に臨むか?といった未来についてです。

公認会計士試験の勉強法や暗記法については、以下の記事にまとめておりますので、学歴について考える暇があるなら、ぜひ以下の記事を読んでみてください。

以上より、「自分の学歴を気にしない」ことは、公認会計士試験の勉強をする際に考えるべきことと言えます。

 

2) 学歴の高い人に関わらない

公認会計士試験の勉強に臨むにあたり考えるべき2つ目のこととしては、「学歴の高い人に関わらない」ことが挙げられます。

「周りは高学歴の人ばかりで優秀そうだな…」と、コンプレックスを感じてしまう人も多いです。

前述の通り、学歴を気にしないことが大切なのですが、近くに学歴の高い人がいると、どうしても気になってしまうものです。

そのため、学歴にコンプレックスを感じやすい人は、少なくとも試験に合格するまでは、学歴が高い人と関わらないことをおすすめします。

物理的に近くによらない、あるいは、SNSなどで高学歴の人をフォローしないことなどが考えられます。

あえて関わることで、コンプレックスを解消する方法も考えられますが、その時間があるなら勉強をした方がいいです。

以上より、「学歴の高い人に関わらない」ことは、公認会計士試験の勉強をする際に考えるべきことと言えます。

 

3) サクセスストーリーを想像する

公認会計士試験の勉強に臨むにあたり考えるべき3つ目のこととしては、「サクセスストーリーを想像する」ことが挙げられます。

これは、低学歴であることを、むしろ強みとして考える方法となります。

開成高校の生徒が東大に合格しても大して話題になりませんが、学年ビリだったギャルが東大に合格したら大きな話題となりました。

これと同じで、もし自分が公認会計士試験に合格したら、それ自体が大きな価値を生み出すと信じ込むことで、試験に対するモチベーションをアップすることができます。

例えば、「三流大出身の僕が公認会計士試験で一発逆転!」といったタイトルで本を出版したり、受験生に対して講演したりしている未来を想像するなどが考えられます。

サクセスストーリーの内容が具体的であればあるほど、やる気が出やすいので、可能な限り具体的に想像するのがポイントとなります。

自分の中で想像するだけであり、誰に見られるわけでもないため、思いっきり都合の良い未来を想像してみてください。

以上より、「サクセスストーリーを想像する」ことは、公認会計士試験の勉強をする際に考えるべきことと言えます。

 

4. 終わりに

公認会計士試験や公認会計士の仕事と学歴の関係についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

今持っているもの・持っていないものに執着するよりも、これから手に入るかもしれないものに、一生懸命になることの方が大切です。

学歴に悩む気持ちもわかりますが、時間がもったいないので、合格に向けて手を動かしましょう。

 

5. まとめ

Point! ◆合格者数:1位慶応大学、2位早稲田大学。
◆勉強に対する耐性・成功体験・地頭の良さなどの点から、高学歴の人の方がある程度は合格しやすい。
◆実務においては、学歴はあまり関係しない。

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