公認会計士試験の暗記のコツ6選!

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公認会計士試験合格のためには、暗記と理解のどちらが大事なのか?という議論を時々見かけます。

この点については、どちらか一方が大事というわけではなく、暗記と理解のバランスが重要となります。

ただ、一般的に理解よりも暗記の方が苦手な人が多く、理解に偏りがちな人が多いのも事実です。

そこで今回は、公認会計試験に合格するために必要な、暗記のコツについて、順に6つ紹介していきます。

暗記は避けては通れないものですので、今回ご紹介するコツをぜひ利用してください。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・前職で公認会計士講座の責任者を担当
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. 暗記が必要な3つの理由

暗記が必要な3つの理由

まずは、そもそもなぜ公認会計士試験に暗記が必要なのか?といった点について、理由を3つお伝えしていきます。

 

1) 本番で時間内に解けるようにする

公認会計士試験において暗記が必要な1つ目の理由としては、「本番で時間内に解けるようにする」ことが考えられます。

公認会計士試験の各科目は、以下の試験時間内に解答する必要があります。

【短答式試験】
・企業法:1時間
・管理会計論:1時間
・監査論:1時間
・財務会計論:2時間
【論文式試験】
<1日目>
・監査論:2時間
・租税法:2時間

<2日目>
・会計学(午前):2時間
・会計学(午後):3時間

<3日目>
・企業法:2時間
・選択科目:2時間

特に論文式試験については2~3時間の試験時間があり、人によっては「長い試験時間だな。」と感じたかもしれません。

しかし、私自身の実体験を踏まえても言えることは、公認会計士試験は全く時間が足りないということです。

大げさでも何でもなく、いちいち試験本番で内容を思い出しながら答えている状態では、合格することはできません。

問題を見たら反射的に答えが出てくるレベルまで、暗記する必要があるのです。

例えば私が論文式試験の企業法を受験した時は、ある程度予想していた問題が出たので、実質的には事前に覚えていた内容をただ解答用紙に書くだけでしたが、時間はギリギリでした。

以上より、「本番で時間内に解けるようにする」ことは、暗記が必要な理由と言えます。

 

2) 応用論点を解けるようにする

公認会計士試験において暗記が必要な2つ目の理由としては、「応用論点を解けるようにする」ことが考えられます。

理論問題であれば定義や趣旨、計算問題であれば公式をまず暗記しないと、その先にある応用論点は解けるようになりません。

公認会計士試験においては、そもそも基礎を暗記していないと、応用論点に対応できないのです。

暗記しなくても基礎的な内容を理解していれば、応用論点も解けるのでは?と思われたかもしれません。

ただ、何の勉強でも、基礎中の基礎は、理屈抜きで暗記しなければなりません。

小学校で習った算数を思い出していただきたいのですが、「1+1=2」という基礎をとりあえず暗記しないと、それ以上の足し算を理解することは不可能です。

これと同じことが、公認会計士試験にも当てはまります。

以上より、「応用論点を解けるようにする」ことは、暗記が必要な理由と言えます。

 

3) 実務で使える知識を身に付ける

公認会計士試験において暗記が必要な3つ目の理由としては、「実務で使える知識を身に付ける」ことが考えられます。

実務こそ、わからないことがあれば、その都度Googleで調べればいいのでは?と思うかもしれません。

しかし、実務においては、公認会計士試験で出題されるような基礎的な内容は、知っている前提で話が進むため、いちいち調べる時間がありません。

また、「知っている(暗記している)」ことと、実際に「使える」ことは似て非なるものであり、知識を「使いこなす」には、最低限の知識を「知っている(暗記している)」ことが前提となります。

車の運手方法を知識として知っていても、実際に運転できるかどうかは全く別の話であることと、同じ理屈です。

以上より、「実務で使える知識を身に付ける」ことは、暗記が必要な理由と言えます。

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2. 公認会計士試験の暗記のコツ6選

公認会計士試験の暗記のコツ6選

それでは、具体的な公認会計士試験の暗記のコツについて、順に6つ見ていきましょう。

(公認会計士試験の勉強法については、「公認会計士の勉強法7選!私と同じ失敗をしないために伝えたいこと」をご確認ください。)

 

1) 講義で扱った箇所だけを暗記

1つ目の公認会計士試験の暗記のコツとしては、「講義で扱った箇所だけを暗記」することが挙げられます。

この方法は厳密に言うと、「まずは」講義で扱った箇所だけを暗記することを意味しております。

決して他の部分を暗記しなくていいというわけではありませんが、濃淡をつけて暗記することが大切となります。

例えば、覚える内容が10個あった場合、10個を満遍なく暗記しようとして全ての暗記度合が60%になるよりは、まずは講師が重要であるといった3個を90%暗記する方が、試験で使える知識が身に付き、また、長期記憶にも結び付きやすいです。

残りの7個を無視して良いというわけではありませんが、試験で使えない中途半端な暗記になるくらいであれば、まずは3個を完璧にした方が、合格できる可能性は高いです。

もし、講義で扱った箇所だけでも多く感じる場合は、さらにその中から自分が大事だと思った箇所に山を張って暗記することも、おすすめの方法です。

山を張るというとマイナスなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、以下のようなプラスの効果もあります。

・「どこが出題されるか?」と考えることで、作問者の意図を理解する力がつく。
・重要な箇所を特定するためにいつも以上に頭を使い、結果的に長期記憶に結びつきやすくなる。

以上より、「講義で扱った箇所だけを暗記」することは、公認会計士試験の暗記のコツとなります。

 

2) キーワードにマーカーを引く

2つ目の公認会計士試験の暗記のコツとしては、「キーワードにマーカーを引く」ことが挙げられます。

暗記する際に、重要な箇所にマーカーを引く人も多いかと思います。

マーカーを引くことは、一種のアウトプットとなり、暗記に効果的な方法となります。

ただ、文章の最初から最後までマーカーを引いて暗記する方法は、効率的な暗記方法とは言えません。

一言一句間違えないように、文章全体を覚えるのは苦痛な作業です。

であれば、とりあえずキーワードだけにマーカーを引いて、暗記してみてください。

先程と同様に、暗記には濃淡をつけることが効果的であり、同じ一文の中でもキーワードの箇所とそうでない箇所とを、分けて暗記するのが効果的です。

また、試験本番で採点対象となるのは、キーワードの有無が大きな割合を占めると考えられます。

定義などもキーワードを押さえておけば、多少表現が変わっても大きく減点されることはないかと思います。

以上より、「キーワードにマーカーを引く」ことは、公認会計士試験の暗記のコツとなります。

 

3) 暗記するもの・暗記する時間を作る

3つ目の公認会計士試験の暗記のコツとしては、「暗記するもの・暗記する時間を作る」ことが挙げられます。

暗記はダラダラやるものではなく、暗記タイムを意識的に作って取り組む必要があります。

特に、ちょっとしたスキマ時間に暗記することで、集中力を切らさずに暗記に取り組むことができます。

そのためには、暗記したいものを常に持ち歩く必要があります。

ただ、暗記のためにリストを作成することは、余計な時間を使ってしまうので、テキスト内の暗記したい箇所について、スマホで写真をとっておけば、常に携帯することができます。

また、起床後15分、通学・通勤の時間、昼休み、トイレの時間、寝る前の15分など、意識的に暗記する時間を作ることで、毎日継続的に暗記作業に取り組むことができます。

以上より、「暗記するもの・暗記する時間を作る」ことは、公認会計士試験の暗記のコツとなります。

 

4) 5感をフル活用する

4つ目の公認会計士試験の暗記のコツとしては、「5感をフル活用する」ことが挙げられます。

テキストを見て暗記するという、視覚情報だけに頼った暗記よりも、他の5感を刺激しながら暗記した方が、効果的に暗記することができます。

実際に私も受験生時代に、監査基準を音声読み上げソフトで再生したものを、毎日聞いていました。

5感を刺激する方法としては、例えば以下のような方法があります。

・テキストの音読。(聴覚)
・暗記したい箇所を実際に手を動かして紙に書く。(触覚)
・アロマをハンカチなどに染み込ませて、暗記前に嗅ぐ。(嗅覚)
・暗記前は普段と異なる飲み物を飲んでみる。(味覚)

以上より、「5感をフル活用する」ことは、公認会計士試験の暗記のコツとなります。

 

5) 忘れることを受け入れる

5つ目の公認会計士試験の暗記のコツとしては、「忘れることを受け入れる」ことが挙げられます。

人は忘れる生き物であり、忘れることは当たり前のことなのですが、試験勉強となると完璧を求めて、毎回忘れてしまう自分に嫌気がさす人も多いです。

その結果、暗記に対するモチベーションが下がり、さらに忘れやすくなっていくという、悪循環に陥ってしまいます。

そうならないためにも、まずは忘れることを自分自身で受け入れてください。

最終的に公認会計士試験に合格することができた私も、覚えては忘れ、覚えては忘れ、といったことを繰り返していました。

忘れるたびにへこむだけ損ですので、「誰でも忘れる」という事実を受け入れてください。

以上より、「忘れることを受け入れる」ことは、公認会計士試験の暗記のコツとなります。

(その他の試験勉強のモチベーションを維持する方法については、「公認会計士試験のモチベーションアップ方法!会計士厳選の6つの方法」も合わせてご確認ください。)

 

6) 愚直に繰り返す

6つ目の公認会計士試験の暗記のコツとしては、「愚直に繰り返す」ことが挙げられます。

これはもはやコツと呼べるものではないですが、結局のところ暗記に一番必要なのは、反復です。

私自身、公認会計士試験に不合格となった年は、まさに皆様が今やられているように、「○○のコツ」といったノウハウを調べるのに、時間を費やしていました。

反対に、公認会計士試験に合格した年に何をしたかというと、ただ単に愚直にテキストと問題集を繰り返して、暗記しただけでした。

繰り返すだけなら簡単と考える人もいますが、公認会計士試験は長期間の勉強を要する試験であり、その間繰り返し続けることは、非常に大変です。

脅すわけではありませんが、私自身は一般的に言われている3,000時間の3倍の、9,000時間の勉強時間を必要としました。(詳細につきましては、「公認会計士試験の勉強時間は3,000時間?私は3倍必要でした」をご参照ください。)

長丁場の勝負となりますが、とにかく繰り返し・繰り返し同じ内容に触れることが、一番の暗記のコツとなります。

以上より、「愚直に繰り返す」ことは、公認会計士試験の暗記のコツとなります。

 

3. 終わりに

公認会計士試験の暗記のコツについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

暗記なくして、公認会計士試験に合格することは、不可能です。

早速今日から、暗記に取り組んでみてください。

 

4. まとめ

Point! ◆まずは講義で指摘のあった箇所だけを暗記する。
◆文章ではなくキーワードにマーカーを引く。
◆暗記のために時間を作り、暗記するものを携帯する。
◆5感を活用する。
◆忘れるという事実を受け入れる。
◆愚直に繰り返す。

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