MBAと中小企業診断士はどっちがおすすめ?

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MBAと中小企業診断士は、似て非なるものです。

ただ、共通する部分もあり、「結局のところどっちがいいの?」と悩まれている方もいるかと思います。

そこで今回は、MBAと中小企業診断士について、以下の4つの面で比較して、どちらがおすすめなのか、解説していきます。

① 費用
② 学習期間
③ 学習内容
④ 得られる人脈
【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・中小企業診断士講座の元運営責任者
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. MBAとは?

MBAとは?

1) MBAとは?

MBA(Master of Business Administration)とは、経営学の大学院修士課程(ビジネススクール)を修了すると得られる「学位」のことを言います。

昇進のため、キャリアを積むため、スキルアップのため、起業のため、あるいは純粋に経営学という学問が好きといった、様々な目的の人達が、MBAを取得しております。

 

2) 取得方法

MBAを取得するためには、まず各大学院(ビジネススクール)の試験・選考を受けて、合格する必要があります。

その後、1~2年の間カリキュラムをこなしていく中で、必要な単位数を取得し修了することで、MBAを取得することができます。

 

3) MBAの種類

MBAを獲得できる大学院は、世界中に多数ありますが、主に以下の3つの切り口から、それぞれ区分することができます。

 

① 所在地の区分

卒業生の評価が高いビジネススクールは、一般的に欧米に多いため、MBAと言えば欧米のイメージが強い方も多いかと思います。

ただ近年では、シンガポール国立大学など、アジアのビジネススクールも盛り上がっており、地理的要因やコストパフォーマンス、卒業後の就職先などの観点から、日本国内のスクールも含め、アジア地域のビジネススクールが盛んになっていくことが予想されます。

 

② 受講スタイルの区分

ビジネススクールの受講スタイルとしては、以下の2つの区分があります。

【フルタイム】
休職・退職して、ビジネススクールの受講に専念する。

【パートタイム】
働きながら、平日夜や休日にビジネススクールを受講する。

 

③ 学習スタイルの区分

従来は、ビジネススクールと言えば通学が主流でしたが、近年ではオンラインによるMBA取得カリキュラムを実践しているスクールもあります。

 

上記のような大枠の区分はありますが、結局のところビジネススクールごとに、得られるもの・難易度は異なりますので、個別にオープンキャンパス・卒業生の面談・体験クラスなどを利用して、自分に合ったビジネススクールを見つける必要があります。

★Global MBA Ranking
MBAの順位付けについては、FT(Financial Times)が毎年公表している、「Global MBA Ranking」が参考になります。
例えば、2020年公表のランキングトップ10は、以下の通りとなります。

Rank
in 2020
School name Country
1 Harvard Business School US
2 University of Pennsylvania: Wharton US
3 Stanford Graduate School of Business US
4 INSEADFeatured business school France
Singapore
5 Ceibs China
6 MIT: Sloan US
7 London Business SchoolFeatured business school UK
8 Columbia Business School US
9 HEC Paris France
10 University of Chicago: Booth US

 

2. 中小企業診断士とは?

中小企業診断士とは?

1) 中小企業診断士とは?

中小企業診断士は、経営コンサルに関する「国家資格」です。

独占業務はありませんが、経営コンサルに必要な基礎的かつ多岐にわたる知識について学習することができ、取得することで多くのメリットがある資格と言えます。

(中小企業診断士のメリットについては、「中小企業診断士のメリット・デメリット4選!」も合わせてご確認ください。)

MBAが「学位」であるのに対して、中小企業診断士は「資格」となります。

 

2) 取得方法

MBAがビジネススクールごとに、受験要件や卒業要件が異なるのに対して、中小企業診断士は全国一律に実施される、中小企業診断士試験に合格することで、取得することができます。

中小企業診断士試験は、1次試験・2次試験・口述試験の3つから構成されており、総合的な合格率は、6%程度となります。

中小企業診断士試験の詳細については、以下をご参照ください。

・日程:「中小企業診断士試験の日程・スケジュールは?

・難易度:「中小企業診断士試験の難易度・合格率は?

 

3. どっちがおすすめ?

どっちがおすすめ?

1) 費用の比較

1つ目の比較軸としては、「費用」が挙げられます。

結論からお伝えすると、MBAの方が圧倒的に費用がかかります。

海外のMBAの場合、授業料だけで700万円~2,000万円程度かかります。

また、MBAの場合、休職・退職によりビジネススクールに通う間は無収入になることが多く、家賃・食費・生活費・航空券代金などについて、事前に用意しておく必要があり、合計すると2年間で1,500万円~3,000万円程度用意しておく必要があります。

国内のMBAの場合は、数百万円で済む可能性が高いですが、いずれにしろ大金であることには変わりありません。

これに対して、中小企業診断士の場合は、通常働きながら試験勉強をするため、収入が減ることはありません。

独学での合格は難しいため、予備校代金が必要となりますが、大手予備校を利用しても数十万円程度であり、MBAに比べると圧倒的に安いです。

以上より、費用の面からは、中小企業診断士の方がおすすめと言えます。

★おすすめ通信講座
中小企業診断士講座の元運営責任者が、以下の7つの通信講座のコストパフォーマンスを比較して、おすすめ2つのメリット・デメリットについて解説してみました。

・TAC
・スタディング
・診断士ゼミナール
・クレアール
・LEC
・アガルート
・フォーサイト

詳細は「中小企業診断士の通信講座おすすめ2選!元講座運営者が比較します」をご確認ください。

 

2) 学習期間の比較

2つ目の比較軸としては、「学習期間」が挙げられます。

海外MBAの場合は、2年程度のビジネススクールの期間とは別に、さらに2年程度の入学準備期間が必要と考えられます。

具体的には、英語力を測るTOEFL・IELTSの対策、基礎学力を測るGMATの対策、エッセイ・インタビュー・履歴書の準備などに、時間を割くこととなります。

現在の英語力により、準備期間は2年よりも短くも、長くもなります。

国内MBAの場合は準備期間が大幅に短縮されますが、ビジネススクールでの2年程度の期間は発生します。

これに対して、中小企業診断士の場合は、試験合格のために最低でも1,000時間程度の勉強時間が必要となります。

平日2時間・休日5時間の勉強を1年間継続できれば、1,000時間の勉強時間を確保することができます。

ただ、働きながら上記の時間を確保するのは至難の業であるため、通常は2年程度必要となりますが、MBAよりも短い学習期間で取得できることが想定されます。

以上より、学習期間の面からは、中小企業診断士の方がおすすめと言えます。

 

3) 学習内容の比較

3つ目の比較軸としては、「学習内容」が挙げられます。

MBAも中小企業診断士も共に、経営に関する基礎的な内容を、網羅的に学習できる点では共通しております。

ただ、それぞれの学習内容には、以下のような違いも存在します。

【MBA】
・ビジネススクールごとに、学習内容が大きく異なる。
・必要な戦略を立てるだけでなく、経営者・役員として自ら意思決定することができる能力の獲得を目的としている。
【中小企業診断士】
・学習内容が以下の7科目に絞られる。(1次試験の場合)
 A. 経済学・経済政策
 B. 財務・会計
 C. 企業経営理論
 D. 運営管理
 E. 経営法務
 F. 経営情報システム
 G. 中小企業経営・政策
・経営コンサルタントとして中小企業の経営者に対して、客観的にアドバイスすることができる能力の獲得を目的としている。

MBAの方が、自分が学びたい学習内容のスクールを選択することができ、また、より主体的に経営に取り組むための内容を学ぶことができると考えられます。

以上より、学ぶ内容の面からは、MBAの方がおすすめと言えます。

 

4) 得られる人脈の比較

4つ目の比較軸としては、「得られる人脈」が挙げられます。

MBAや中小企業診断士は、取得の過程で得られる知識にももちろん価値はありますが、取得の過程で、あるいは取得後に得られる人脈に、一番の価値があると言っても過言ではありません。

MBAの場合はビジネススクール在籍時の2年間で、中小企業診断士の場合は合格後の研修会や仕事を通じて、多くのつながりを持つことができます。

ただ、MBAと中小企業診断士それぞれにおいて、獲得できる人脈の質が、以下のように異なることがあります。

【MBA】
・大企業勤務。
・起業家。
【中小企業診断士】
・中小企業勤務。
・官公庁勤務。

どちらが優れているといった話ではなく、「どのようなつながりがほしいのか?」「何のために取得するのか?」といった目的を大切にする必要があります。

以上より、人脈の面からは、目的に合わせた選択が必要と言えます。

 

4. 終わりに

MBAと中小企業診断士の比較についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

どちらも一長一短あり、一概にどちらの方が良いとは言えませんが、どちらも価値あるものであることは間違いないです。

ご自身の目的や、投下できるリソース(時間・お金など)を考えて、悔いのない選択をしてください。

 

5. まとめ

Point! ◆費用面では、中小企業診断士の方が圧倒的に安い。
◆学習期間の面では、中小企業診断士の方が短くて済む。
◆学習内容の面では、MBAの方が多様でより実践的な内容を選択できる。
◆得られる人脈の面では、どちらが優れているというよりは、目的に合わせた選択が必要。

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