ファイナンシャルプランナー3級・2級の勉強をする方法として、独学・通信講座・通学講座の3つがあります。
皆様はどの方法で受験を検討していますでしょうか?
今回は、独学・通信講座・通学講座それぞれで勉強するメリットとデメリットについて紹介していきます。
どの勉強方法が合うかをしっかりと検討して、合格を確実なものにしましょう。
1. 独学のメリット・デメリット
1) 独学のメリット
① 費用を最小限にできる
独学で勉強するメリットの1つ目は、費用を抑えられる点です。
大手の予備校であれば、FP3級と2級の両方を合わせて10万円程度の講座代金がかかります。
一方で、独学であれば3級と2級のテキストを合わせても1万円程度で勉強することができますので、金銭的にはかなりお得となります。
また、ずっと自宅で勉強し続けることも可能であり、移動するための交通費もかからないので、この点でもお得となります。
② 自分のペースで勉強できる
独学で学習する2つ目のメリットは、マイペースに勉強できる点です。
独学には特に決まったカリキュラムがあるわけではないので、勉強計画は全て自分で立てることができます。
どうしても外せない予定や仕事の繁忙期がある場合にも、勉強計画を前倒しや後ろ倒しすることができ、柔軟に対応することが可能です。
特に2級までの受験を考えた場合、3級で50時間、2級で200時間の合わせて250時間の勉強時間が必要となりますので、自分のペースに合わせた柔軟な計画が必要となります。
自分のペースで柔軟な勉強計画を立てられるのは良いのですが、あまり柔軟過ぎると「今怠けても後から頑張ればいいや」という発想になってしまいます。
適度な緊張感は必要ですので、例えば両親やパートナー、友達や職場の人などにFPを受験することを伝えて、他人の目を監視として利用するのも1つの方法です。
③ どこでも勉強できる
3つ目の独学のメリットとしては、どこでも勉強できる点が挙げられます。
独学であればテキストと参考書を持ち歩けば、カフェや図書館など、どこでも勉強が可能です。
場所に縛られないというのも非常に大きなメリットとなります。
特に家族と暮らしている方は、家に帰れば両親や奥さん・旦那さん、あるいは子供がいるので勉強に集中できません。
そのため、出社前、お昼休み、仕事終わりにカフェなどで勉強できる独学はおすすめとなります。
2) 独学のデメリット
① 挫折しやすい
独学のデメリットの1つ目としては、挫折しやすい点が挙げられます。
独学の場合プロの講師に教わるわけではないので、勉強のポイントがわからず、ついつい端から端まで全ての論点を勉強してしまいがちです。
特にファイナンシャルプランナー2級の場合は、論点が広く深いため、全ての論点を完璧に勉強しようとすると、途中で挫折してしまいます。
(ファイナンシャルプランナー2級の難易度については「ファイナンシャルプランナー2級の難易度/合格率は?3級と何が違う?」も合わせてご確認ください。)
挫折しないためには初めに重要な論点を把握しておく必要があります。
、、、どうやって?と思うかもしれませんが、過去問を利用すれば可能です。
過去問を3年分程度用意して、ざっと最初から最後まで眺めてください。
解く必要はありません。
初めに過去問を見ることで何となくの傾向を把握することができ、テキストを勉強する際に「見たことある!」といった論点を発見できます。
そこが重要論点ですので、一巡目は重要論点を重点的にやり、後はさっと流すことで、途中で挫折するのを防ぐことができます。
② 合格する実力がつきにくい
2つ目の独学のデメリットとしては、その道の専門家に教わるわけではないので、我流の勉強となり、必ずしも合格に必要な力がつきにくいことが挙げられます。
当たり前のことですが、合格したことがない分野について、合格者の助言なしに勉強を進めることはハードルがかなり高いです。
もちろん市販のテキスト自体がその道のプロが作成したものなので、それに従えば合格する可能性はありますが、テキストはある程度網羅的に論点が載っており、本来はその中から重要論点をプロ講師に教わる必要があります。
独学で合格した人の合格体験記などを見ながら、正しい勉強法で独学を進める必要があります。
市販のテキストは良くも悪くも網羅的に論点が載っており、重要な点だけを予想したテキストというのはほとんどないです。
これはテキスト作成者の立場に立って考えればわかるのですが、ある程度網羅的に作成しておいた方が、本試験でどの論点が出題されても、「この点はテキスト○○ページで扱っています」ということができるためです。
③ 孤独
独学の3つ目のデメリットとしては、一人で勉強することとなり、孤独である点が挙げられます。
そもそも勉強仲間は必要ないという人もいますが、ずっと一人で勉強し続けるのは想像以上につらいです。
特に2級までの合格を考えた場合、短期間で合格できる試験ではないので、長期間一人で勉強し続ける必要があります。
X(旧Twitter)などのSNSではFPの受験者が多数いますので、その人達をフォローして、仲間を作るのも1つの方法です。
ただ注意していただきたいのは、その人達もあくまで受験生なので、勉強法などについては鵜呑みにしないことです。
まだ合格していないということは、あなたと立場は同じです。
3) 独学におすすめの勉強法
① テキスト・問題集は1冊だけ
独学におすすめの勉強法の1つ目は、テキスト・問題集は1冊だけをやり切ることです。
独学の場合テキストや問題集を選ぶのに、どうしても時間がかかってしまいます。
迷えば迷うほど、隣の芝生は青く見えてしまい、複数のテキスト・問題集に手を出してしまいがちです。
ただ、複数の参考書に手を出して勉強が中途半端になるよりは、1つの参考書に絞ってそれをやり切った方が、合格可能性は間違いなく上がります。
初めのテキスト選びはしっかり迷って問題ないですが、一度選んだらその教材を信じて最後までやり切ってください。
② 全ての論点を満遍なく勉強しない
2つ目の独学の勉強法は、テキストの内容を満遍なく勉強しないことです。
先ほどお伝えしたように、特にファイナンシャルプランナー2級は範囲が広く、全ての論点を勉強していたら時間がいくらあっても足りませんので、過去問を利用してある程度重要論点を把握しておく必要があります。
また、一巡目は理解できない箇所はとりあえずそのままにして、どんどん先に進めていくことも必要です。
一巡目から全ての箇所について満遍なく理解できるように勉強しようとしたら、必ずどこかでつまずき、そこから先に進めなくなってしまいます。
重要な論点をまず全て潰すことを意識して、勉強を進めていきましょう。
③ 勉強の習慣をつける
3つめの独学におすすめの勉強法は、勉強の習慣をつけることです。
通学講座や通信講座の場合は全何回といった講義があるので、講義をペースメーカーにして勉強の計画を立てることで、勉強の習慣がついてきます。
一方で独学の場合は、自分で勉強の習慣をつける必要があります。
習慣化のコツとしては、とりあえず確実に毎日できそうな勉強の目標を立てることです。
例えば、毎日10分でいいので必ず勉強する、といった目標を立てます。
大事なのは1日も欠かさずにその目標を継続することです。
そうすると勉強することがお風呂に入ることと一緒で習慣となり、勉強しないと違和感を感じるようになります。
この状態まで持ってこれれば、後は少しずつ勉強時間を増やしていけばいいだけです。
ぜひ一度お試しください。
2. 通学講座のメリット・デメリット?
1) 通学講座のメリット
① 手厚いフォロー
通学講座のメリットの1つ目は、受講生に対するフォロー制度が手厚いことが挙げられます。
対面で毎回会うので、直に受講生の悩みを聞いてくれて、気軽に講師やスタッフなどに質問や進路相談ができるのは大きなメリットとなります。
② 講義がペースメーカーになる
2つ目の通学講座のメリットは、講義に通うこと自体が、勉強のペースメーカーになることが挙げられます。
予備校や受験する級に応じて異なりますが、通学の場合週1程度で授業が開催されることが多く、毎週講義を中心に勉強計画を立てることができます。
特に今まで勉強経験があまりない方にとっては、ペースメーカーとなる講義があることは、非常に大きなメリットと言えます。
③ 受験仲間ができる
3つ目の通学のメリットは、受験仲間ができることが挙げられます。
同じ教室で勉強している仲間がいると、自分も怠けてはいられないと気が引き締まり、モチベーションアップにつながります。
また、講師という合格者も存在するグループになるので、単に受験生同士でつながるよりも有益なグループとなります。
さらに、対面であった受験仲間とは、試験合格後も関係性が続きやすいため、必要に応じて今後の人生で相談し合える相手が得られるかもしれないのも、通学のメリットです。
2) 通学講座のデメリット
① 費用が高い
通学講座の1つ目のデメリットは、金銭的負担が大きい点です。
大手予備校であれば、3級・2級の合格に10万円以上必要となることもあります。
10万円というと、社会人でもなかなか簡単には出せない金額ですので、費用が高い点は通学講座のデメリットと言えます。
一方で、講座の費用が高いことは必ずしも悪いことばかりではありません。
単純に高い方が講座内容が充実しているというのもあるのですが、高いお金を払って受講した場合、ちょっとやそっとのことではかけたお金がもったいないので、あきらめません。
高いお金を払っていることが、損をしたくないという心理を刺激して、結果としてモチベーションにつながることもあります。
② 通学に時間がかかる
通学講座の2つ目のデメリットは、通学時間がかかってしまうことです。
立地にもよりますが、普段の通勤時間に加えて、予備校への通学時間が余分にかかってしまいます。
もちろんこの移動時間中に勉強できれば良いのですが、路線次第ではなかなか勉強しづらい環境となることもあります。
移動時間は1回であればあまり気になりませんが、複数回になると負担が大きいです。
そのため、もし通学講座を選択されるのであれば、極力移動時間が短い場所を選択してください。
③ 勉強をした気になってしまう
通学講座の3つ目のデメリットは、校舎に通うことで勉強した気になってしまうことが挙げられます。
通うという行為自体が一つの目的となってしまい、校舎に着いて席に座って時間を過ごせば、それイコール勉強したことになるという考えになってしまいがちです。
大事なのは通うことではなく、合格につながる勉強をすることです。
本来の目的を見失わないようにしましょう。
3) 通学講座におすすめの勉強法
① 通学時間を利用して勉強する
通学講座におすすめの勉強法1つ目は、通学時間を有効活用する方法です。
通学時間はデメリットではありますが、うまく利用すれば毎日一定時間確保できる、貴重な勉強時間となります。
おすすめの通学時間の勉強法としては、テキストで覚えられない箇所、問題集で間違えた箇所をスマホで撮っておき、移動時間に見返す方法です。
テキストや問題集は常に持ち歩けるわけではなく、仮に持ち歩けてもどこでも開けるわけではありません。
一方で、スマホであれば基本的に、ほとんどの時間持ち歩くことができます。
一度見た箇所であれば、移動時間に写真をみるだけでも、効果的に復習ができます。
② 講義後毎回講師に質問する
通学講座におすすめの2つ目の勉強法は、毎回講義後に講師に質問をしに行くことです。
質問しようとすることで、毎回の講義自体を聞き漏らさないようになり、また、ただ聞くだけでなく質問内容を考えるので、積極的に頭を使って受講することができます。
質問できる環境は大事ですが、何も考えずいきなり質問するのは良くありません。
自分で考え抜く習慣がつかないので、環境が変わって質問できなくなったら詰んでしまいます。
質問したいときは一度立ち止まって、自問自答してみてください。
それでもわからなければ、何がわからないのかを自問自答してみてください。
そして質問をしてみてください。
3. 通信講座のメリット・デメリット
1) 通信講座のメリット
① いつでも、どこでも、何度でも受講できる
通信講座のメリットの1つ目は、いつでも、どこでも、何度でも受講できる点が挙げられます。
時間も、場所も、回数も気にせず受講できるので、自由度は非常に高いです。
仕事やプライベートの用事などに応じて柔軟に予定を組みながら、プロの講師の講義を視聴することができます。
場所に関して言うと、勉強「しか」やらない場所を持つことは大事です。
自宅であれば、ご飯を食べるリビングなど勉強以外のことをする場所ではなく、この部屋では勉強しかやらないといった部屋を持つと良いです。
自宅が難しければ、カフェや図書館でも問題ありません。
大事なのはそこでは勉強「しか」やらないということです。
通学講座の人達が教室に入ったら講義を聞く態勢になるように、その部屋に行けば反射的に勉強を開始するといった部屋を持つと、勉強がはかどります。
② 通学より費用を抑えることができる
2つ目の通信講座のメリットは、通学講座よりも費用を抑えることができる点が挙げられます。
10万円程度の通信講座であれば、通学の場合より1~2万円値引きされた価格となっておりますので、お得に受講することができます。
通学講座の場合は、店舗の家賃や受付などのスタッフの人件費が必要となります。
この費用がそのまま講座代金に転嫁されるため、通学講座の方が通信講座と比べて割高となります。
③ 独学・通学より効果的・効率的に勉強できる
独学の場合は我流の勉強となるのに対して、通信講座の場合はプロ講師の講義で重要な論点を押さえることができるため、「効果的」に勉強をすることができます。
また、通学講座の場合は金銭的・時間的・場所的な制約があるのに対して、通信講座の場合はそのような制約がなく、「効率的」に勉強することができます。
効果的かつ効率的に勉強できるのも、通信講座のメリットと言うことができます。
FP講座の元運営責任者が、以下の7つの通信講座を比較して、おすすめ4つのメリット・デメリットや、講座の特徴について解説してみました。
・TAC
・大原
・LEC
・ユーキャン
・フォーサイト
・アーティス
・ECC
詳細は「FPの通信講座おすすめ4選:FP講座の元運営責任者が解説します!」をご確認ください。
2) 通信講座のデメリット
① モチベーション管理が大変
通信講座のデメリットの1つ目は、独学同様に一人で勉強することとなるため、モチベーションの管理が大変だという点が挙げられます。
前述のSNSでFPの勉強仲間を募る方法や、周りの人に受験することを宣言して周りの人の目を監視に使うのも1つの方法です。
また、「ファイナンシャルプランナー試験に合格する」といった大きな目標を、1つ1つの小さな目標に分解して、少しずつ達成感を感じながら勉強を進めていくことも大事です。
例えば、「第1章の問題演習で9割解けるようにする」「タックスプランニングの過去問で9割以上解けるようにする」などの目標が考えられます。
モチベーションについてあれこれ悩むこともあるかと思いますが、とりあえず「行動」することが大事です。
「できない理由」を100個見つける時間があるなら、「できる理由」を10個見つけた方が良いです。
「できる理由」を10個見つける時間があるなら、今すぐ1つのことを「行動」に移す方が良いです。
理由を考えるよりも、まず「行動」してみることで、自然とモチベーションは上がっていきます。
② PCとネット環境が必要
通信講座のデメリットの2つ目は、PCとインターネット環境が必要となる点が挙げられます。
このご時世多くの方が持っているので問題ないかもしれませんが、特にインターネット環境は契約しているギガ数によっては、すぐに速度制限がかかってしまうといったことも考えられます。
通常のPCのスペックやインターネット環境であれば、そこまで問題になることはないかと思いますが、念のため確認しておくことをおすすめいたします。
③ 独学よりは費用がかかる
3つ目の通信講座のデメリットは、独学と比べると費用がかかってしまう点が挙げられます。
ただ、その分効果的に勉強を進めることができ、結果として勉強時間をお金で買ったと思えば、割に合う投資とも言えます。
独学が一番安上がりの方法となりますが、場合によってはかなりのお金が発生するケースもあります。
必要以上にテキスト・問題集を買ったり、勉強法や合格体験記に関する書籍などを買いあさったり、不合格となり何年もこれらの書籍を買うこととなったりした結果、最終的には通信講座並みに金銭が発生してしまったということもあり得ます。
3) 通信講座におすすめの勉強法
① 聞き返さずまず一通り視聴する
通信講座におすすめの勉強法の1つ目は、講義はとりあえず聞き返さずに一通り最後まで聞くことが挙げられます。
何度でも聞き返せることがあだとなり、気持ちのゆるみがでて、講義視聴に集中できないことがあります。
そうならないためにも、まずは聞き返さずに最後まで視聴しきるといった覚悟を決めてください。
実質的には何度でも視聴できるけれども、自分自身の中で制約を設けることで、適度な緊張感といざという時の安心の両方を備えながら勉強することができます。
② オフラインでやることを決めておく
2つ目の通信講座におすすめの勉強法は、オフライン環境でやることを決めておくことが挙げられます。
通信講座と聞くと、ついついオンライン環境に目がいきがちですが、オフライン環境を充実させることも重要です。
移動時間やちょっとしたスキマ時間に、インターネットにつながっていなくてもできることを用意しておいて、オンライン・オフラインどちらの環境でも勉強できるようにしておく必要があります。
③ 積極的に手を動かす
3つ目の通信講座におすすめの勉強法は、積極的に手を動かすことが挙げられます。
講義を聞いていれば自然に力がつくと思っている方もいますが、それだけでは絶対に力はつきません。
大切なのはどれだけ自分で手を動かして、アウトプットしたかということです。
問題集を解いたり、重要な論点、理解しづらい論点などについて一度書き出したりしてみることで、初めて力がつきます。
めんどくさがらずに、自分の手を積極的に動かしていきましょう。
4. 終わりに
ファイナンシャルプランナー3級・2級の勉強において、独学・通学講座・通信講座のそれぞれのメリット・デメリットについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
どの方法も一長一短ありますので、ご自身に合った勉強方法を見つけて、ファイナンシャルプランナー試験の合格を勝ち取ってください。
5. まとめ
費用面を抑えられる・マイペースに勉強できる・どこでも勉強できる。
◆独学デメリット
挫折しやすい・合格しづらい・孤独。
◆通学メリット
フォロー体制・ペースメーカーになる・受験仲間ができる。
◆通学デメリット
費用が高い・移動時間がかかる・勉強したと錯覚してしまう。
◆通信メリット
勉強の自由度が高い・通学より安い・効果的かつ効率的な勉強ができる。
◆通信デメリット
モチベーション管理が大変・ネット環境が必要・独学より高い。