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決算書の読み方の勉強をしようと考えたはいいけど、何からすればいいのだろう、、、
このような悩みを持たれている方も多いかと思います。
本記事では決算書分析の1つの勉強方法として、決算書分析に関する本を読むことをおすすめします。
数多くの決算書を分析してきた先人たちの英知を1冊で得ることができるので、非常におすすめの方法です。
それでは1冊ずつ、おすすめランキング順に見ていきましょう。
1位. MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣
2位. コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方
3位. 決算説明会資料
4位. 有価証券報告書を使った決算書速読術
5位. IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ
6位. 決算書を楽しもう!
7位. 会社四季報
8位. ビジネス会計検定公式テキスト
終わりに
まとめ
1位. MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣
1) 目次
第2章:ECビジネスの決算
第3章:FinTechビジネスの決算
第4章:広告ビジネスの決算
第5章:個人課金ビジネスの決算
第6章:携帯キャリアの決算
第7章:企業買収(M&A)と決算
終章:決算を読む習慣をつける方法
2) 内容紹介
楽天の経営企画室で決算分析について実践しながら学び、その後シリコンバレーにて起業する傍ら、note(webマガジン)にて決算が読めるようになるための方法を公開している著者の1冊。
著者のnoteの購読者が、決算分析の力をどのように仕事に活かしているのか?といった点が冒頭に紹介されており(以下参照)、会計・税務の専門家に向けたものではなく、あくまで一般のビジネスパーソンや経営者向けの分析手法を紹介していることがわかります。
・広告代理店の営業担当
コンペの際に「競合他社と比べて○○の指標が悪いので、この広告戦略でいきましょう」とクライアントごとに合わせた提案ができる。
・シリコンバレーのエンジニア
「競合のあのサービスは○○機能を追加したからアクティブユーザーが△△%増えた」など、決算関連の数値を把握するようにしたら、営業から「あの会社のユーザー数が増えたみたいなんだけど、原因分かる?」と質問にされるようになり、事業そのものをコントローできるエンジニアになることができた。
インターネット・ソフトウェア業界の分析に範囲は絞られていますが、業界ごとに独自の方程式や決算を読むコツを紹介しております。
さらに、方程式とコツをもとに、具体的な企業を取り上げて、決算読解の実演も業界ごとに解説されております。
ECビジネス・Fintechビジネス・広告ビジネス・個人課金ビジネスなど、皆さん一度は耳にしたことがある今ホットなビジネスモデルを、決算を通じて理解することができます。
机上の空論ではない実践的な決算分析を身に付けたい、全てのビジネスパーソンにおすすめの一冊となります。
3) 書籍URL(楽天)
2位. コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方
1) 目次
習慣2 「3つのレベル」と「5つのポイント」をおさえよう
習慣3 身近な企業で数字の感覚をつかもう
習慣4 大きな数字は分解しよう
習慣5 投資家やアナリストの目で見よう
習慣6 「個人の家計」と「企業の会計」の違いを理解しよう
習慣7 イメージだけで判断するのをやめよう
習慣8 今すぐできる会計センスの磨き方
付 録 決算書の仕組みと読み方
2) 内容紹介
40年近く経営コンサルタントとして活躍した著者が、簿記や会計の専門知識がない人でもわかるように書いた内容となっております。
一般のビジネスパーソンや投資家、就活生が会計センスを磨くためには、会計の専門用語を学ぶ前に、身近な企業や商品を題材にして考えた方が、会計センスは磨かれるという考え方に基づいて書かれております。
会社の状態は全て数値で表すことができ、具体的例題として
・「高収益企業とはどの数字がどうなっている企業のことを言うのか?」
・「設備を多く用いる企業とは、どの数字がどうなっている企業のことを言うのか?」
・「薄利多売の企業とは、どの数字がどうなっている企業のことを言うのか?」
などを挙げて解説しております。
また、投資家目線で見た場合に、キャッシュリッチ企業がなぜダメなのか?などについても書かれております。
さらに、企業の意外な姿として、
・売上は同業他社よりも小さいのに時価総額が大きい企業が意味するところとは!?
などについても解説しております。
最終章ではより実践的に、日常生活において会計センスを磨く方法がいくつか紹介されておりますので、ビジネスに関わるあらゆるビジネスパーソンに読んでほしい1冊となります。
3) 書籍URL(楽天)
3位. 決算説明会資料
3つ目は書籍ではないのですが、決算書分析の力を磨くためにおすすめなのが、決算説明会資料となります。
決算短信や有価証券報告書、あるいは財務諸表などは様式が決まっており、それを満たすためにかなり堅苦しい内容となり、初心者の方が読み解くには大変な作業となります。
一方で、決算説明会資料は各企業が投資家などの利害関係者のために独自に作成したものであり、大事な要点をスライド形式で視覚的に見やすくまとめているので、基礎的な決算書分析の力をつけるには非常におすすめです。
無料で手に入れることができるため、気軽に取り掛かれる点もおすすめの理由となります。
まずは特定の業界に絞って複数社を見てみるのが良いかと思います。
例示として2018年6月に上場したメルカリの決算説明会資料のURLを掲載しますので、参考にしてみてください。
注意点として、企業側が作成しているものなので、自社にとって不利なことは基本的には記載されておりません。
そのため、決算説明会資料は参考程度に見て、本記事で紹介している他の書籍などを参考にしながら、自身で独自に決算書分析をする必要があります。
4位. 有価証券報告書を使った決算書速読術
1) 目次
第2章 有価証券報告書から会社の情報を入手する
第3章 有価証券報告書を使って決算書を速読する
2) 内容紹介
決算書分析の対象となるものは何か即答できますでしょうか?
決算書とは財務諸表のことを指しますが、決算書分析の対象の1つに、財務諸表が掲載されている有価証券報告書があります。
本来有価証券報告書には投資家などの利害関係者に向けた、とても多くの情報が詰まっていますが、
・財務諸表の数値のところだけを見ている、、
といった方が多いのではないでしょうか。
そこで本書では、吉本興業・ブルドックソース・ミクシィなど具体的な会社の有価証券報告書をもとに、見るべきポイントを解説していきます。
財務諸表が掲載されている「第5【経理の状況】」だけでなく、「第1【企業の概況】」「第2【事業の状況】」「第3【設備の状況】」「第4【提出会社の状況】」の情報についても、実は見るべきポイントが多数ありますので、有価証券報告書全体を読み解けるようになりたい方におすすめの1冊となります。
発刊年度がやや古いですが、基本的な有価証券報告書の読み方は今も変わりませんので、その点はご安心ください。
3) 書籍URL(楽天)
5位. IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ
1) 目次
第1章 リアルな経営分析とは何か?
第2章 リアル経営分析の進め方
第3章 生き残る会社と消え去る会社―実例に学ぶ分析枠組み編
第4章 生き残る会社の数字のつくり方―ケーススタディーで分析訓練編
おわりに―「会社」も「事業」も無形物
2) 内容紹介
企業再生のスペシャリストである著者による、決算書分析というよりは、より広義な経営分析について書かれた1冊。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)や産業再生機構での経験に基づいた解説は説得力があり、リアルな経営分析について学ぶことができます。
会計の基本的な知識は必須としながらも、いわゆる分析手法に頼った経営分析ではなく、泥臭く1つ1つの企業に当たっていくといった心構え、考え方が解説されております。
「○○比率」などの具体的決算書分析の手法を学びたい方には不向きな一冊ですが、経営分析の勘どころ理解したい方には非常におすすめの書籍となります。
3) 書籍URL(楽天)
6位. 決算書を楽しもう!
1) 目次
序章 「決算短信」はこういうふうにできている!
01 気になる企業の決算短信を見てみよう!
02 副業が本業を救う!?アサツーディ・ケイにみる利益のねじれ現象
03 企業の健康状態は「貸借対照表」でわかる!
04 貸借対照表で「負債」の中身をチェック!
05 キャッシュ・フローをマスターしよう!
06 営業キャッシュ・フローがマイナスの会社!?
07 決算短信からビジネスモデルを推理する!
08 知識を総動員して決算書を味わおう!
おわりに 決算書の基本がわかれば妄想はかなり膨らむ
2) 内容紹介
公認会計士である著者が実際の各企業のデータをもとに決算書を分析している一冊。
決算書と言えば有価証券報告書に掲載されている財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書など)を普通は指しますが、本書の特徴としては、決算書分析の対象として決算短信を使用している点です。
決算短信とは、金融商品取引所の自主規制に基づいて開示が要求される、決算の速報値が記載されたレポートです。
資格試験などで試験当日・翌日に解答速報が公開されることがよくあるかと思いますが、決算短信は解答速報のようなもので、簡略化された概要が記載された速報値などが掲載されています。
ユニクロの売上高利益率や資本利益率から、躍進の秘密を紐解いたり、営業利益が赤字なのに経常利益が黒字となっている企業を例に挙げ、なぜこのような逆転現象が起こっているのか?といった点が解説されております。
また、損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書のいわゆる財務3表からバランスよく論点を抽出しており、総合力で決算書を読むトレーニングになります。
さらに、黒字倒産や決算短信からビジネスモデルを理解するなど、実践的な内容となっており、決算書の読み方をマスターしたい人にぜひおすすめしたい一冊となります。
注意点としては、発刊されたのが2010年度であり、掲載されている情報は当時のものとなっている点です。
ただ、分析方法としては今でも十分使用できる内容となっておりますので、その点はご安心ください。
3) 書籍URL(楽天)
7位. 会社四季報
7つ目は、文庫本ではなく雑誌になるのですが、会社四季報がおすすめとなります。
四季報と名前にある通り、年4回発刊となり、最新号を常に揃えようと思うと費用面の負担が大きいため、使う人を選ぶかもしれませんが、決算書分析においては非常におすすめの1冊です。
全上場企業約3,700社の財務データを扱っており、扱っている企業数の多さから決算書分析の辞書代わりにも使えます。
分析したい企業がある場合に、Googleなどで検索するとたくさん情報が出てきて、情報過多になってしまいます。
この点会社四季報では、1つ1つの企業の説明が、非常にコンパクトにまとまっており、この点さえ見れば会社の全体像が見えるといった勘どころを理解することができます。
オンライン版もありますので、継続的に決算書分析をされる方は使用を検討してみてください。
8位. ビジネス会計検定公式テキスト
最後におすすめしたいのが、ビジネス会計検定の公式テキストとなります。
ビジネス会計検定では、決算書分析に必要な基本的な財務諸表の知識と分析手法について学ぶことができます。
上述の各書籍では、より応用的な決算書分析の内容が学べますが、その前提として基礎的な知識が必要となります。
であれば簿記検定の方が良いのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、簿記は決算書を「作成」するための知識であり、ビジネス会計検定は決算書を「分析」するために必要な知識を養うことができます。
(簿記検定とビジネス会計検定の違いについては「ビジネス会計検定と簿記検定の共通点、相違点は?」をご確認ください。)
テキスト内の例題や別売りの問題集もあり、インプットした知識をアウトプットすることで、より知識の定着を図ることができます。
また、試験日を目標にしてスケジュールを組むことで、漫然と本を読むよりも、メリハリを持って決算書分析の学習をすることができます。
簡単すぎず、難しすぎないレベルなので、ぜひおすすめしたい検定試験となります。
(ビジネス会計検定の難易度については「ビジネス会計検定の難易度・合格率は??」も合わせてご確認ください。)
短期間でビジネス会計検定に合格したいなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。
頻出論点を短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。
・3級講義時間:約15分×20回
・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき
終わりに
決算書の読み方がわかる本を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
本を読んだだけではただの知識です。
内容を忘れないうちに1つでもいいので実践して、実務に使える知識を身に付けましょう。
まとめ
◆コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方
◆決算説明会資料
◆有価証券報告書を使った決算書速読術
◆IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ
◆決算書を楽しもう!
◆会社四季報
◆ビジネス会計検定公式テキスト