・現役経理の方
・経理に興味のある方
・これから経理として働く方
立場は違えど、皆様一度は「経理の勉強方法」について、調べたことがあるのではないでしょうか?
そこで今回は、経理としてレベルアップをするための、勉強方法についてお伝えしていきます。
今回紹介する方法の、どれか1つでいいので実践して、経理としてキャリアアップをしていきましょう。
1. 資格の勉強
1) なぜ資格の勉強がいいのか?
1つ目の勉強方法は王道ですが、資格の勉強です。
なぜ資格の勉強がいいのでしょうか?
経理の業務と一言でいっても、請求書や経費のチェック・帳簿の作成・決算業務・資金調達・財務面からのアドバイスなど、多様な業務があります。
分野が明確であればその分野に関する勉強をすればいいのですが、おそらく多くの人は漠然と、経理としてレベルアップしたいと考えているかと思います。
そのような場合に、経理として必ず必要となる知識が体系的に整理された、資格の勉強はおすすめと言えるのです。
最終的に経理としてどの分野に特化するにせよ、土台となる知識をしっかりと蓄えておくことが必要となります。
具体的におすすめしたいのが「簿記検定」と「ビジネス会計検定」となります。
2) 簿記検定
経理として最低限必要となるのが、簿記の知識です。
簿記の知識なしに、経理としてやっていくことはできないと言えるほど、経理にとって簿記は必須です。
近年は難易度が上がってきており、2級の合格率が10%~20%の間を推移しております。
既に実務を経験されている方であれば、そもそも簿記とは何か?といった点はクリアしているかと思われますので、3級と2級の併願を検討してみるのも1つの方法です。
(簿記検定の併願については「簿記の併願(同時受験)はやめた方がいい??」も合わせてご確認ください。)
併願受験をすることで、勉強期間を短縮できるだけでなく、適度な負荷を自身にかけることができます。
簿記講座の元運営責任者が、「講座代金(安さ)」と「講座との相性(わかりやすさ)」の観点から、おすすめ通信講座を以下の5つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。
・クレアール
・フォーサイト
・ネットスクール
・CPA会計学院
・スタディング
詳細は「簿記の通信講座おすすめ5選!安さとわかりやすさで比較すると..」をご確認ください。
3) ビジネス会計検定
簿記検定と合わせて経理の方におすすめしたいのが、ビジネス会計検定です。
財務諸表などに記載される、各財務数値を分析する知識が問われる検定となります。
経理と言えば単に経費などをチェックして、期限にうるさい職種と思われている人もいるかもしれません。
もちろんそれも経理の重要な業務の1つなのですが、単なるチェック作業などは今後AIなどに代替されると言われており、今後の経理には作成した財務数値を分析して、会社の課題を考え提案する力が求められます。
安全性分析や収益性分析など、各財務数値を分析する上での基礎的な指標を学べるのがビジネス会計検定であり、今後の経理に求められる力と言えます。
ビジネス会計検定の詳細については、「ビジネス会計検定とは?試験の内容をご紹介!」も合わせてご確認ください。
ビジネス会計検定を学ぶなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。
「頻出論点」×「短時間」で最短合格を目指します。
大手予備校の半額程度で受講可能ですので、費用対効果も高いです。
まずはガイダンス動画をチェックしてみてください!
2. 最新の会計情報をチェックする
経理の勉強方法の2つ目は、最新の会計情報をチェックする習慣をつけることです。
会計基準や会計に関わる制度の変更は定期的に行われており、今後の流れをいち早く把握して、自社の会計処理の方向性を考えておくのも、経理の重要な仕事です。
以下に最新の会計情報をチェックする方法を列挙しますので、さっそく取り入れてみてください。
1) 監査法人のサイトをチェック
まずおすすめしたいチェック方法は、会計のプロ集団である監査法人のサイトのチェックです。
トピックニュースとして、最新の会計情報が掲載されております。
上場企業などで監査対応が必要な企業の経理であれば、監査法人とやりとりをする際に事前に情報を仕入れておいて、監査対応に役立てるのも良いでしょう。
2) 企業会計基準委員会(ASBJ)のサイトをチェック
次におすすめするのは、日本の会計基準の設定主体である企業会計基準委員会(ASBJ)のサイトです。
会計基準に関する網羅的な情報を入手でき、また、国際財務報告基準の情報についても扱っているため非常に勉強になります。
3) 金融庁のサイトをチェック
会計基準というよりは制度について情報がほしい場合は、金融庁のサイトを見るのが良いです。
会計や財務と関係のありそうなトピックだけを、ざっと読んでみてください。
4) キュレーションアプリの利用
キュレーションアプリを利用するのもおすすめです。
キュレーションアプリとは、ウェブ上のニュースや記事の中から、アプリ利用者の興味・関心に合うものを抽出してくれるアプリのことを言います。
Googleニュースなどのアプリで、トピックとして「会計」「財務」「税務」などを登録しておけば、これらに関連したニュースを提供してくれますので、非常に便利です。
ぜひ利用してみてください。
5) SNSをチェック
最後におすすめしたいのが、FacebookやX(旧Twitter)などのSNSを利用した情報収集です。
現役の経理や公認会計士などで、最新の会計情報などを配信している人は多数いるため、友達なったりフォローしたりしてみてください。
メリットとしては、上述の各団体のサイトの情報をさらに噛み砕いて解説してくれており、理解しやすくなっている点です。
逆にデメリットとしては、個人の主観が入っていたり情報の信頼性が不明瞭なため、慎重な判断が必要となる点です。
最新の会計情報だけでなく、現場の生の声やちょっとした実務のコツなども知ることができるため、気軽に始めてみると思いのほか効果があるかと思います。
3. 仕事ができる先輩・上司に聞く
1) できる経理は勉強好き
3つ目の経理の勉強方法としては、同じ経理に所属する先輩や上司に勉強方法について聞いてみるという方法です。
ポイントとしては、あなたから見て「仕事ができる」人に聞くことです。
経理で仕事ができる人は、総じて勉強好きです。
そして、ただの勉強ではなく、実務に活きる勉強方法を知っています。
簡単には教えてくれないと思うかもしれませんが、勉強好きな人は勉強した内容を誰かに披露したいと思っている人が多く、案外あっさりと教えてくれることもあるので、とりあえず気軽に聞いてみてください。
2) 先輩・上司に気に入られる
先輩や上司に勉強方法を聞くことには、もう1つメリットがあります。
それは、先輩や上司に気に入られる可能性が、高くなるということです。
やはり自分を慕って教えを乞いにくる後輩は、可愛いものです。
もちろんただ聞くだけではなく、その方法を実践する必要があります。
先輩や上司からしてみても、後輩が自分と同じ方法で成長して自分が今やっている業務を任せられるようになったら、他の作業に時間を充てることができるため、お互いにメリットがあります。
4. 会社のビジネスを理解する
1) 経理処理だけを切り離しても上達しない!?
4つ目の勉強方法は、自社のビジネスを理解することです。
経理と何の関係があるの?と思われたかもしれません。
経理が作成する会計帳簿は、あくまで実際のビジネスを内部管理や外部公表するために数字に落としたものであり、ビジネスの内容を理解していないと、仕訳1つ1つの意味がわからなくなってしまいます。
経理の作業だけを切り離してスキルを上げていっても、最終的には数字の裏にあるビジネスを理解していないと。ただの数字遊びとなります。
それでは、具体的に会社のビジネスを理解する方法の例を、いくつか紹介していきます。
2) 営業のプレゼン資料を見る
1つ目の会社のビジネスを理解する方法としては、「営業がお客さんに見せているプレゼン資料を見る」ことが考えられます。
自社のプロダクト(商品)について、その特性や他社との差別化ポイントなど、非常にコンパクトに要点がまとまっています。
もちろん営業用に少し誇張された表現になっていたり、マイナス点が記載されていなかったりしますが、それでも自社のプロダクトを理解するには非常にいい教科書となります。
入手が難しい場合もありますが、営業に配属された同期や、経理部の先輩経由で入手してもらうなど、いくつかルートはあるかと思います。
3) 大口の取引先のホームページを見る
2つ目の会社のビジネスを理解する方法としては、「大口の取引先(取引金額が大きい取引先)の会社情報をホームページなどで見る」ことが考えられます。
経理であれば、取引先別の売上データなどは、閲覧できるかと思います。
自社のビジネスを理解する上で、以下のような取引相手の情報を理解することは、非常に重要です。
・会社の規模は?
・主要な商品は?
・主要な顧客は?
など、ホームページやウェブ上の記事などを、チェックして調べてみてください。
4) 広告宣伝費の使途を把握する
広告宣伝費の内訳を見るのも、会社のビジネスを理解する上では重要です。
広告宣伝費は人件費と並び、費用の多くを占める勘定科目となります。
広告宣伝費の内訳を見ることで、会社が売上を伸ばすためにどこに投資しているのか?といった点について把握できます。
製造業などであれば設備などの固定資産に投資するケースもありますが、小売業やサービス業などでは広告宣伝費が多くを占めることは、珍しくありません。
・リアルな広告(駅中広告やパンフレットなど)に投資しているのか?
・テレビやラジオなどに投資しているのか?
など、広告宣伝費の内訳を把握することで、会社の戦略の一部を理解することができます。
5) 先輩・上司に聞いてみる
先ほど勉強方法を先輩・上司に聞いてみるという方法を紹介しましたが、その際にビジネスモデルについても聞いてみると理解が深まります。
できる先輩や上司であれば、必ず自社のビジネスモデルを把握しているため、素直に聞いてみてください。
ただ、漠然と聞くのはNGです。
最低限は自分で調べて「私は○○だと思うのですが合っていますでしょうか?」「○○について調べてもわからず、教えていただけないでしょうか?」などの聞き方をしてみると、良いかと思います。
6) 業界の情報をニュースや記事で仕入れる
自社が所属している業界のニュースを見て、業界動向について調べてみるのも、ビジネスを理解する上でおすすめです。
ビジネスは自社だけでなく業界全体の動向に左右されやすいため、業界全体の動向を把握しておくと、季節のトレンドや最近のホットなトピックなどがわかります。
また、ライバル企業についても把握して調べておくと、より自社のビジネスに対する理解が深まります。
日経や先ほどご紹介したキュレーションアプリなどで、調べてみてください。
5. 終わりに
経理の勉強方法について4つお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
自分に合いそうな方法はありましたでしょうか?
経理としてキャリアを重ねていく上で、勉強は必要不可欠です。
逆に言えば、勉強すればキャリアを積み重ねることができます。
ぜひこの機会に、勉強を始めてみてください。
6. まとめ
◆監査法人のサイトなどから最新の会計情報の確認。
◆経理部の中で仕事ができる人に聞いてみる。
◆自分の会社のビジネスの流れを理解する。