簿記で合格点をとる勉強方法7選

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みなさんの中には、何か資格を取得したいと考えている方がいるのではないでしょうか。

数ある資格の中でも「簿記」は人気のある資格の1つですよね。

簿記の資格は経理事務で活かすことができる他、確定申告に役立ったり、家計簿を複式簿記でつけてみたりなど日常生活にも役立つでしょう。

そこで今回は、簿記の中でも代表的な日商簿記試験で合格点を取る勉強法について解説します。

この記事を読むことによって、簿記の勉強をしたことがない初心者の方でも、簿記の勉強の仕方について理解が深まります。

【監修者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・ビジネス会計検定講座講師
・前職で簿記講座の運営責任者を担当

 

 

1. 簿記の合格点とは?

簿記の合格点とは?

日商簿記の勉強を始める前に、まずは試験の概要について確認しましょう。

 

1) 日商簿記試験とは?

日商簿記試験は、全国の商工会議所が実施している簿記の試験です。

日商簿記試験には1~3級、初級、原価計算初級がありますが、一般的に取得を目指す方が多いのは「3級」と「2級」です。

3級では経理事務に役立つ基本的な内容、2級では財務諸表を読み取り企業の経営状況が把握できる内容となっています。

ちなみに、日商簿記1級を取得すると税理士の受験資格が得られます。

税理士や公認会計士などの国家資格を目標としている方は、日商簿記1級を目指しましょう。

 

2) 試験科目

3級:商業簿記
2級:商業簿記・工業簿記

3級は商業簿記のみですが、2級は商業簿記に加えて工業簿記があり、3級に比べると試験範囲が広くなっています。

 

3) 日商簿記試験の合格点

3級・2級ともに、合格基準は70%以上

全体の7割を取れば合格です。

合格率に左右されませんので、確実に「7割」を意識して取れるように勉強していきましょう。

 

4) 日商簿記試験の合格率

合格率は、3級が40%前後2級が20%前後となります。

この数字でもわかるように、きちんと勉強をしないと合格できない試験ですから、自分に合った勉強をすることが大切です。

次の項目から、おすすめの勉強方法を解説していますので、ぜひご覧ください。

 

2. 試験範囲に対応したテキスト・問題集を1つ選択:勉強法①

試験範囲に対応したテキスト・問題集を1つ選択:勉強法①

1) 2019年度試験より試験範囲が大幅変更

2019年度の試験から、主に日商簿記3級において試験範囲が大幅に変更されました。

というのも、以前は個人商店に焦点が当てられていたのですが、昨今では個人商店よりも株式会社に勤めている人の方が圧倒的に多いですよね。

こうした事情を踏まえて、日商簿記3級の試験範囲が個人商店から小規模な株式会社に改められることとなったのです。

 

2) テキスト・問題集は1つずつでOK

上記のような大幅な変更が毎年あるわけではありませんが、年度によって軽微な変更がされることがあります。

ですから、きちんと試験範囲が網羅されているテキスト・問題集を購入するようにしましょう。

また、購入するテキスト・問題集はそれぞれ1つずつにすることをおすすめします。

複数のテキスト・問題集を少しずつ勉強するよりは、良質なテキスト・問題集を1つずつ購入し、その1つを極めた方が効率よく理解できるからです。

特に社会人で日商簿記試験を受けようと考えている方は、時間との勝負になるでしょう。

限られた時間の中で複数のテキスト・問題集を極めることは難しいので、1つのテキスト・問題集を繰り返し勉強することをおすすめします。

 

3) 自分に合ったテキスト・問題集とは?

ネットで評判の良いテキスト・問題集をそのまま購入しても良いのですが、できれば中身を確認してから購入することをおすすめします。

テキストの見やすさ・感じ方は人それぞれ。

何冊か手に取って中身を確認して、理解しやすいものを選びましょう。

また、問題集の選び方で大切なポイントが、解説。

解説が簡潔すぎたり、表現がわかりにくかったりすると、問題を間違えた時に理解ができません。

必ず、自分が理解できる解説が載っている問題集を購入しましょう。

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3. いきなり勉強計画を立てない:勉強法②

いきなり勉強計画を立てない:勉強法②

勉強をする上で、勉強計画を立てることは非常に重要なことです。

しかし、簿記の勉強をまったくしたことがない人がいきなり勉強計画を立てると、計画通りに進められない可能性が高いです。

ここでは、おすすめの勉強法、勉強計画の立て方を解説します。

 

1) 実際の自分の勉強ペースを確認する

簿記の勉強をまったくしたことがない方、勉強自体を久しくしていない方は、勉強計画を立てる前に、実際に自分の勉強ペースを確認してみてください。

ネット上には日商簿記試験の合格体験談がたくさんありますが、もともとの知識量など人それぞれスタート地点や計画の立て方が異なります。

ですから、まずは1週間程度、勉強計画なしで勉強をしてみましょう。

自分のできる勉強ペースを確認できてから、勉強計画を立てます。

そうすることで、無理のない計画が立てられるようになるので、合格まで目標を見失わずに勉強できるでしょう。

 

2) 予備日を作る

無理のない勉強計画を立てたつもりでも、急な予定が入ったり、体調が悪くなったりするなど予想外のことで計画が狂ってしまうことがあります。

こうした予想外なことが起こることも踏まえて、予備日を作っておくことをおすすめします。

 

3) 短期・長期それぞれの計画・目標を立てよう

勉強計画を立てるとき、短期・長期に分けてそれぞれの計画・目標を立てましょう。

例えば、「この1週間はテキストのここまでを進める。今月テキスト1周を目標とする」など。

計画や目標を具体的にすることで達成しやすくなり、モチベーションアップにもつながるでしょう。

勉強計画の前提となる簿記検定合格に必要な勉強時間については「簿記3級・2級の勉強時間は?一ヶ月・二ヶ月での合格は可能?」も合わせてご確認ください。

 

4. インプット・アウトプットの繰り返し:勉強法③

インプット・アウトプットの繰り返し:勉強法③

それでは、日商簿記試験の具体的な勉強法について解説していきます。

 

1) まずはテキストを読み込む

内容を理解しないと問題は解けません。

まずはテキストを読み込み、内容を理解するところから始めましょう。

予備校に通っている方は、講義をよく聞いて内容を頭に入れます。

 

2) 問題を解く

内容を理解したら、問題を解いてみましょう。

問題を解いた後は正誤を確認し、間違えた問題に着目します。

なぜ間違えてしまったのか、正解との違いは何だったのか、きちんと解説を読んで理解しましょう。

間違えた問題こそ、次に同じミスをしないようにしっかり復習します。

 

3) インプットとアウトプットの繰り返し

基本的には、上記の1)2)を繰り返すことです。

テキストを読み込んだり、講義を受けたりしてインプットした後に、問題を解くというアウトプットを繰り返すということ。

インプットとアウトプットの繰り返しというのは日商簿記試験に限らない王道の勉強方法ですが、この繰り返しが合格への一番の近道となるのです。

テキストを読んだだけでは内容を忘れてしまいますし、問題を解くだけでは理解が追い付かない可能性があります。

結局のところ、愚直な繰り返しが一番ですので、日商簿記試験合格のため、面倒だと思わずにコツコツと繰り返し学んでいきましょう。

 

5. 当日・1週間後・1か月後の復習:勉強法④

当日・1週間後・1か月後の復習:勉強法④

勉強を進めていくと、以前勉強をしたところの内容を忘れてしまうことがありますよね。

人間なので忘れること自体は仕方ないことですが、復習することによって記憶を定着させることが可能です。

ここでは、復習について解説します。

 

1) 人間の記憶力について

人間は、1日経過すると記憶した内容の67%を忘れてしまい1カ月経過すると記憶した内容の79%を忘れてしまうと言われています。

ですから、「今日はこの範囲を完璧に覚えた!」と感じたとしても、次の日には半分以上忘れてしまうという結果になりがちです。

1カ月経過すれば約8割を忘れてしまうということですから、勉強をする上では適度に復習をすることが非常に大切です。

 

2) 良い復習のタイミングとは?

復習のタイミングとしておすすめしたいのが、「①24時間以内」「②1週間以内」「③1カ月以内」の3回。

この3回のタイミングで復習をすることによって、短期記憶を長期記憶にすることができるのです。

①24時間以内に復習したときに間違えた箇所は印をつけておきましょう。

②1週間以内と③1カ月以内の復習のときは間違えた箇所だけをすることで、効率的に勉強することができます。

できなかったところだけを復習し、できたところは一切やらないというところがポイント。

復習によってできなかったところをできるようにすることで、点数を上げることに繋がります。

 

6. とにかく手を動かす:勉強法⑤

とにかく手を動かす:勉強法⑤

1) 習うより慣れろ

習うより慣れろ」ということわざがあります。

書籍などから学ぶよりも、まずは実際身をもって体験することの方が、理解が早いという意味です。

勉強についても同じことがいえます。

テキストを読むだけ、講義を聞くだけでは覚えられません。

手や体を動かして勉強することによって問題が解けるようになるのです。

また、勉強のやる気がないときでも、実際に手や体を動かして勉強を始めることでやる気スイッチが入ることがあります。

とにかく手を動かすことを心掛けてください。

 

2) 面倒でもすべて仕訳する

精算表の問題など、解答用紙は表だけです。

しかし、表を完成させるためには仕訳が必要不可欠です。

与えられた情報・問題を整理するためにも、手を動かして仕訳を切りましょう。

仕訳の数が多くて面倒だと感じる人がいるかもしれませんが、頭の中だけで勘定科目ごとの数字をまとめることは非常に困難です。

問題用紙の余白にすべて仕訳をして考えるようにしましょう。

 

3) 過去問や模擬試験で試験問題に慣れる

実際に日商簿記試験を受験する前に、過去問や模擬試験で試験問題に慣れておきましょう。

過去問や模擬試験は実際の試験問題に近いので、解いてみることで自分なりの発見があるはずです。

例えば、この大問ではたくさん計算したいけど余白が足りなそう、この解き方をしていると見直しがしづらいかもしれないなど。

些細なことでも、試験当日に気づいてしまうと意外とパニックになってしまうものです。

事前に過去問や模擬試験を解くことをおすすめします。

 

7. 自分に合った解き方を模索する:勉強法⑥

自分に合った解き方を模索する:勉強法⑥

自分に合った解き方を模索しましょう。

人によって、計算の仕方などが多少異なります。

何度も繰り返し問題演習をする中で、自分に合った解き方を見つけてみてください。

ここでは、いくつか事例をご紹介します。

 

1) 大問を解く順番

例えば日商簿記3級では、毎年大問が5つ出題されています。

第1問は仕訳問題、第2問は補助簿など、第3問は試算表、第4問は伝票記入など、第5問は精算表という流れになっています。

この中で、第1問の仕訳問題は短時間で解けそうですが、第3問の試算表、第5問の精算表の作成は時間を費やすでしょう。

また、第2問と第4問は試験によって難易度が大きく変化しています。

以上のように大問ごとに特徴がありますので、試験問題は大問1から順番に掲載されていますが、自分に合った順番で解くことをおすすめします。

例えば、「最初に問題を見て第2問・第4問が簡単そうなら先に解いておいて、時間がかかる第3問・第5問を後に解く」「第1問は得点比率が高いから、確実に落とさないように最初に取り組む」など。

ぜひ、ご自身で考えてみてください。

 

2) 表ごと覚える

試算表・精算表の各勘定科目をきちんと理解することが大切ですが、本当に時間がないという方は表ごと覚えるというのも1つの手でしょう。

表が全て頭に入っていれば、どの勘定科目が損益計算書・貸借対照表なのかということがすぐにわかります。

効率の良い覚え方を自分で見つけることも大切です。

 

8. 次の試験で必ず合格する!という強い気持ちを持つ:勉強法⑦

次の試験で必ず合格する!という強い気持ちを持つ:勉強法⑦

1) 強い意思を持つ

日商簿記試験は3級と2級ともに年3回実施されています。

「次の試験に受からなかったら、その次の試験で頑張ればいいや」という気持ちで勉強していたら、いつまでたっても合格できません。

次の試験で必ず合格する!」という強い気持ちを持って勉強しましょう。

 

2) 忙しい社会人は効率よく勉強する

特に、社会人の方は普段の業務に加えて簿記の勉強をするための時間がなかなか確保しにくいかもしれません。

忙しい社会人は限られた時間の中で効率よく勉強ができるよう工夫しましょう。

例えば、通勤時間に電車の中で簿記のアプリで勉強するなど。

年に3回受験できると思うと手を抜いてしまう可能性があります。

「絶対に合格する!」という強い気持ちを持って勉強に取り組みましょう。

簿記のアプリについては「簿記2級のアプリおすすめ5選!」も合わせてご確認ください。

 

9. 終わりに

いかがだったでしょうか?

簿記は汎用性の高い人気の資格です。

また、簿記の知識があると決算書類を読み込んだり、確定申告に役立ったりするなど、ビジネスや日常生活で非常に役に立ちます。

きちんと勉強すれば独学でも合格できる検定試験ですから、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

 

10. まとめ

Point! ◆日商簿記試験の合格点は70%以上。
◆試験範囲に対応したテキスト・問題集1つずつを極める。
◆自分の勉強ペースを把握してから勉強計画を立てる。
◆インプット・アウトプットを繰り返し行うことが合格への近道。
◆24時間以内・1週間以内・1カ月以内のタイミングでの復習が大事。
◆覚えるためにはテキストを読むだけでなく、とにかく手を動かすことが大事。
◆試験問題を解く順番など自分に合った解き方を見つけることが大切。
◆次の試験で必ず合格する!という強い気持ちを持って取り組む。

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