上記は、福沢諭吉の言葉です。
要約すると、「どんなに学問をしても、それを活かせなければ学問がないのと同じだよ」ということです。
この記事では、『簿記』の取得を理系の方にすすめていますが、それは簿記が最高の『実学』だからです。
実学とは、理論よりも実用に重きを置く学問のことです。
簿記とは、『帳簿記入』の意味。
商売のルールや技術を知り、取引を帳簿に記入します。
簿記は、社会学科の経営学の分野に位置づけられ、まちがいなく文系です。
しかし、簿記は理系の方の人生においても大いに役立つでしょう。
簿記とは結局、お金の計算だからです。
つまり、就活や企業・会社内だけでなく、”日常生活”においても役立つということです。
ここからは、「簿記は理系こそ取得すべき3つの理由」について、より具体的に紹介していきます。
1. ビジネスにおける数字の力
・主張に対するエビデンスとしての数字
簿記の学習によって、上記のような「数字の力」を得ることができます。
そして、”数字”を扱うのに文系と理系のどちらが得意としているかは、説明するまでもないですね。
これが理系の人に簿記がおすすめな理由の1つ目です。
それでは各項目について見ていきましょう。
1) 経営に関する数字
まず、簿記を学ぶことで、決算書(正式には財務諸表)の理解ができます。
決算書とは、『一定期間の経営成績』や『財務状態』を明らかにするために作成される書類です。
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書等が決算書に該当します。
そして、決算書を理解することで、
・どういう形の資産や借金を持っているのか
・どのくらいの費用を掛けて儲けたのか
という「会社が上手く行っているのか」の情報を数字で知ることができます。
さらに、これらの数字をベースに思考力を強化し、変動の原因や理由を探ることで「自分の仕事のあり方や、改善点」までみえてきます。
経営に関する数字を活かすも殺すもその人次第ですが、少なくとも決算書の理解ができる理系人材が、企業にとってニーズが高いのは間違いないでしょう。
経営に関する数字の力を身につけようと思った場合、財務諸表を分析する力が得られる「ビジネス会計検定」もおすすめです。
ビジネス会計検定については「国家資格並みに評価・評判が高い?!ビジネス会計検定」をご参照ください。
2) 主張に対するエビデンスとしての数字
アマゾンのCEO『ジョフ・ベソス』は、従業員に「自分の意見を言う」そして「議論」という2つを求めています。
上記はそのジョフ・ベソスの言葉ですが、意味は、意見や議論の際に武器となるのは、数字と情熱ということです。
数字、情熱どちらも欠けると説得力がなくなるからですね。
では、なぜ意見や議論には数字が大事なのでしょうか。
それは、数字がエビデンス(論拠・根拠)になるからです。
エビデンスがあることによって、主張の説得力が大幅に増します。
たとえば、「単なる新商品の提案」と「市場の状況・会社の財務状態を考慮した上での新商品の提案」では、雲泥の差があるのは間違いないです。
極端な例になりましたが、主張を固めるうえで、決算書の数字は強力なエビデンスになります。
そして、このエビデンスとしての会計数値を作り出すのが簿記となります。
2. どんな仕事にも活かせる
詩人ゲーテの言葉です。
複式簿記とは、決算書を作成するうえで、すべての基本となる考え方です。
簿記の学習によって、
・独立・開業に役立つ
といった『どんな仕事にも活かせる』知識を身につけられるというメリットがあります。
つまり、理系だからと言って関係のない分野ではないのです。
これが理系におすすめの2つ目の理由となります。
それぞれの内容について見ていきましょう。
1) 応用範囲が広い
まずは、簿記の応用範囲について御覧ください。
・会計業務(収支管理、財産管理)
・財務業務(予算編成、資金調達、管理、金融関連情報の収集、分析)
上記のように簿記の学習は、広範囲の業務に活かすことができます。
また、その他の業務であっても決算書を理解できているだけで、「あらゆる企業の分析が可能」ということを考えると、活かせる分野・業務が広いことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
さらに、簿記の学習は企業内だけでなく、日常生活にも活かすことができます。
何も考えていないでいると、お金の無駄遣いをしてしまいがちですが、簿記の学習をすると損得勘定に敏感になります。
簿記を学習してから、お金の収支を家計簿に記録する習慣がつく方も多いので、「安物買いの銭失い」のようなことが少なくなるでしょう。
2) 独立・開業にも
簿記を学習することで、理系の方が「将来、独立や開業をする場合」にも役立ちます。
・自分で確定申告をすることができる
・65万円の青色申告特別控除(節税)が使える
ビジネスを運営していると、お金のやりとりは必ず発生します。
簿記を学習していると、売上や収益といった財務状況が一目瞭然で理解でき、事業を運営していく上で明確な目標や指針が立てやすくなります。
確定申告とは、毎年税務署へ1年分の必要書類を提出し、納付すべき所得税額を確定することです。
手続きが非常に面倒なことで有名ですが、帳簿記入や複式簿記の知識があると容易になることに加え、青色申告特別控除が受けられます。
青色申告特別控除とは、詳細な帳簿記入をすることで、納税額を最大65万円控除できる特典です。
これらの手続きを「税理士」を雇う必要なく自分で行うための土台となる知識を得ることができます。
個人でビジネスを運営すると、経営や納税といった『お金』に関する事柄の不安が多くなります。
しかし、簿記を学習するだけでそれらの多くの不安が取り除けます。
3. ユニークな価値を持った人材になれる
この言葉は、投資の世界の格言ですが、今回のテーマにも当てはまりそうです。
多くの人が行く場所よりも、『だれも行かないようなところにこそ、花の山』が見られるという意味です。
オンリーワンとはいかないまでも、希少な人材になれるという点が、理系にこそ簿記がおすすめの理由の3つ目となります。
詳細を見ていきましょう。
1) 理系で簿記を取得した人はユニークな人材
周りで簿記を積極的に取得しようとしている人はいるでしょうか?
おそらく、理系においては稀な存在だと思います。
つまり、「文系×簿記」では薄い印象が「理系×簿記」ということで、印象はグッと強まり、「 周囲の理系の人と比べて、自分の付加価値が上がる」ということです。
そして、ユニークな人材になるメリットについてですが、それは「就活に有利」ということです。
2) 就活に有利な理由
ユニークな人材は、就活に有利です。
人事・採用部門の新卒採用担当の方にとって、下記のどちらが印象に残るでしょうか。
② ITパスポートを取得した、情報処理が得意な理系
①はユニークな存在で、②は割と一般的な存在です。
もちろん、就活は資格だけで判断するものではないですが、新卒採用担当の方にとって魅力的に映えるのは①のユニークな人材ではないでしょうか。
さらに、簿記を学習したことによって、『自己PR』の項目が増えるのも就活に有利な理由です。
多くの理系の方が、「◯◯の研究を熱心に行った」というのが1つのPRになると思いますが、ユニークな存在ではないので印象には残りづらいです。
自己PRで「私は、決算書などの会計についての十分な理解があります。なので〜」のような人材のほうが印象に残るのは間違いないでしょう(理系のみ)。
簿記講座の元運営責任者が、「講座代金(安さ)」と「講座との相性(わかりやすさ)」の観点から、おすすめ通信講座を以下の5つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。
・クレアール
・フォーサイト
・ネットスクール
・CPA会計学院
・スタディング
詳細は「簿記の通信講座おすすめ5選!安さとわかりやすさで比較すると..」をご確認ください。
4. 終わりに
以上が、「簿記は理系こそ取得すべき3つの理由」です。
簿記が活用できる範囲が、非常に広範囲であることがきっとお分かりいただけたと思います。
そして、冒頭で述べたとおり「活用なき学問は、無学に等しい」です。
簿記は、単なる「就活のため」だけでなく、人生を変える可能性のある資格です。
あらゆるブログで簿記の合格方法は、勉強を工夫するだけで割と簡単に取得できると紹介されており、おすすめの資格となっています。
ぜひ、資格取得の検討をしてみてはいかがでしょうか。
5. まとめ
◆広範囲な業務、独立・開業に活かせる。
◆ユニークな人材であり、自己PRにも使えるので就職に有利。