FP資格の最難関であるFP1級、CFPに合格するために、独学ではなく通信講座を検討する人も多いかと思います。
そこで本記事では、元FP講座運営者である筆者が、そもそもFP1級とCFPのどちらを受検すべきか?についてまず解説した上で、FP1級とCFPのおすすめ通信講座を、それぞれ2つ紹介していきます。
・公認会計士
・前職でFP講座を運営
1. FP1級とCFPのどっちを目指すべき?
1) 実務経験あり⇒FP1級を受検
2) 実務経験なし⇒CFPを受検
2. FP1級のおすすめ通信講座2選
1) 通信講座の選び方
2) TAC(実績)
3) アーティス(コスパ)
3. CFPのおすすめ通信講座2選
1) 通信講座の選び方
2) TAC(実績)
3) LEC(コスパ)
4. 終わりに
5. まとめ
1. FP1級とCFPのどっちを目指すべき?

まず初めに、FP1級とCFPのどっちを受検すべきか?について、解説していきます。
結論からお伝えすると、以下の通りとなります。
・実務経験なし⇒CFPを受検
FP1級の実技試験を受検するためには、以下のいずれかを満たす必要があります。(受検資格は4つありますが、ここでは主な2つを掲載しております。)
・CFP試験に合格する
さらに、FP1級の学科試験を受検するには、1年以上の実務経験が必要となります。(金融機関や会計事務所の勤務経験が該当します。詳細は公式の「実務経験について」を確認してください。)
つまり、実務経験がない場合は、そもそもCFPしか選択肢がありません。
一方で、後述する3つの理由から、実務経験がある場合は、CFPよりもFP1級を目指した方が良いと言えます。
1) 実務経験あり⇒FP1級を受検
実務経験がある場合は、FP1級を受検した方がいい理由を、順に3つお伝えしていきます。
① 金銭的負担を抑えられる
FP1級とCFPの両方の通信講座を提供している予備校を例に、それぞれの価格を比較してみると、以下の通りCFPの方が割高となっております。
FP1級 | CFP | |
TAC | 118,000円 | 179,000円 |
LEC | 103,950円 | 118,250円 |
山田コンサル ティング |
88,000円 | 165,000円 |
また、CFPは資格を維持するための更新費用も毎年必要となるため、FP1級の方が金銭的な負担が少なくて済みます。
② より短期間で合格できる
FP1級の学科試験の合格率が10%前後であるのに対して、CFPの合格率は1科目あたり30~40%です。
一見すると合格率が低いFP1級の方が、長期間の勉強が必要と思うかもしれません。
しかし、CFPは科目合格制度があるため、1科目ずつ専念で勉強している人達が競争相手となり、その中から3~4割の人しか受からず、かつそれを6科目繰り返す必要があるため、通常はFP1級の方がより短期間で合格することが可能となります。
③ 不得意科目を得意科目で補える
FP1級は6科目の総合点で勝負できるため、仮に苦手な科目や本番でミスをしてしまった科目があったとしても、得意科目で挽回することが可能となります。
一方でCFPの場合は、1科目ずつの個別の点数で合否を判定するため、苦手科目や本番でのミスを挽回する手段がありません。
2) 実務経験なし⇒CFPを受検
前述の通り、そもそも実務経験がない場合はFP1級を受検できないため、CFP一択となります。
転職をして実務経験を積むことも考えられますが、労力を考えると実務経験がない場合は、CFPを受検した方が賢明と言えます。
以下では、FP1級とCFPのそれぞれについて、おすすめの通信講座を2つずつ紹介していきます。
2. FP1級のおすすめ通信講座2選

1) 通信講座の選び方
FP1級の通信講座の選び方として、ここでは「合格実績」と「講座価格」について、比較していきます。
① 合格実績
調べてみるとわかるのですが、実はFP1級の合格実績を掲載している予備校は、ひとつもありません。
一方で、最大手である資格の学校TACは、CFPの合格体験記を複数人掲載しております。
他の予備校はFP1級だけでなく、CFPの合格体験記も掲載しておりません。
FP講座を運営していた私の経験上、実績が出ているならば公表しない理由がないため、合格実績の点からは、TACがおすすめです。
② 講座価格
FP1級の通信講座を提供している、主要4社の通信講座の価格を比較すると、以下の通りとなります。
TAC | 118,000円 |
LEC | 103,950円 |
山田コンサル ティング |
88,000円 |
アーティス (資格対策ドットコム) |
48,400円 |
最大手のTACは長年の実績がある分、講座価格が非常に高いです。
一方で、2022年6月からFP1級の通信講座を開講した後発のアーティスは、TACの半分の以下の講座価格であり、圧倒的に安いです。
また、アーティスは日本FP協会の認定教育機関であり、FP3級やFP2級・AFP認定研修の通信講座で一定の成果を出しているため、FP1級も今後の実績に期待できます。
以上より、コストパフォーマンスの点からは、アーティスがおすすめです。
2) TAC(実績)

1992年からFP講座を開講している、資格の学校TAC。
30年以上のノウハウを凝縮した講義や教材は、合格するのに申し分ない内容です。
実績がある分、講座価格は高いですが、確実に合格を勝ち取りたければ、TACの利用がおすすめです。
① メリット&講座の特徴
・選抜されたプロ講師の講義
・過去の傾向を徹底分析した教材
・通学講座も選択可能
・DLすることでオフラインでも視聴可能
② デメリット
・10万円以上の講座価格
③ 合格体験記
TACなら実務でも活躍しているプロの講師陣から直接指導を受けられますので、講師についていくことが合格の秘訣だと思いました。
実務でも活躍しているプロの講師から直接指導が受けられるのがTACの強みだと思います。
④ 公式HP
TACのFP講座
3) アーティス(コスパ)
FP講座.jpg)
日本FP協会の認定教育機関でありながら、他社の半額以下でFP1級の通信講座を提供している、アーティス。
最小限のポイントに絞った講義(50~80分×6分野、合計430分)を提供しており、最速でFP1級の合格を目指せます。
また、間違えた問題を分析して、関連問題を出題してくれるロボ再学習機能など、通信講座ならではの独自の取り組みも行っております。
FP1級講座の歴史はまだ浅いですが、質問メールの無制限対応など手厚いサポートが受けられるため、コストパフォーマンスを重視したいなら、アーティスの利用がおすすめです。
① メリット&講座の特徴
・無制限の質問対応(メール)
・最小限のポイントに絞った講義
・ロボ再学習機能で反復学習
・A5サイズのコンパクトテキスト
② デメリット
・FP1級講座の歴史がまだ浅い
③ 公式HP
アーティスのFP講座
3. CFPのおすすめ通信講座2選

1) 通信講座の選び方
CFPの通信講座の選び方として、ここでは「合格実績」と「講座価格」について、比較していきます。
① 合格実績
前述の通り、TAC以外はCFPの合格体験記を公表しておりません。
そのため、合格実績を考えた場合は、TACの1択と言えます。
② 講座価格
CFPの通信講座を提供している、主要4社の通信講座の価格を比較すると、以下の通りとなります。
【CFP(全科目)】
山田コンサル ティング |
231,000円 |
TAC | 179,000円 |
大原 | 144,600円 |
LEC | 118,250円 |
CFPの場合は科目合格制度があり、数科目ずつ受検していくことになるため、1科目の講座価格も見てみましょう。
【CFP(1科目)】
山田コンサル ティング |
38,500円 |
TAC | 33,000円 |
大原 | 25,400円 |
LEC | 22,000円 |
全科目と1科目共に、山田コンサルティングが一番高くなっている一方で、LECが共に最安値となっております。
CFPの通信講座は何回も受講することが想定されるため、講座価格を抑えることが大切です。
そのため、資格の学校としては大手に分類され、一定の実績が見込めるにもかかわらず、最安値の価格で通信講座を提供しているLECが、コストパフォーマンスの観点からはおすすめと言えます。
2) TAC(実績)
前述の「2. FP1級のおすすめ通信講座」の2) TAC(実績重視)参照。
3) LEC(コスパ)

20年以上にわたりCFPの試験指導を行ってきた、LEC。
長年の指導実績から得たノウハウをもとに、出題頻度の高い論点に絞った要点テキストで、短期合格を目指します。
また、単なる講義動画だけでなく、解法テクニックを身につけるための演習講座も充実しており、合格するために必要十分な内容です。
充実の講座内容を他社よりも安い金額で提供しており、コストパフォーマンスを重視するならLECがおすすめと言えます。
① メリット&講座の特徴
・業界最安値の講座価格
・長年の実績に裏打ちされたテキスト
・経験豊富な講師陣
・考え方や解き方を学べる演習講座
・チューターにいつでも質問可能
② デメリット
・質問の回答に最長14日かかる
③ 公式HP
LECのCFP講座
4. 終わりに
FP1級とCFPのおすすめ通信講座について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
本記事で紹介した通信講座であれば、その講座を信じてしっかりと勉強すれば、どの講座でも十分合格可能です。
大切なのは、どの講座を選ぶか?ではなく、1日でも早く勉強を開始することです。
本記事を参考に1日でも早く講座を選択して、勉強を開始しましょう。
5. まとめ
◆実務経験がないならCFP。
◆FP1級ならTACとアーティス。
◆CFPならTACとLEC。