FP1級、CFPの通信講座おすすめ2選!そもそもどっちを目指すべき?

posted in: FP | 0

*本記事には広告が含まれている場合があります。

FP資格の最難関であるFP1級、CFPに合格するために、独学ではなく通信講座を検討する人も多いかと思います。

そこで本記事では、元FP講座運営者である筆者が、そもそもFP1級とCFPのどちらを受検すべきか?についてまず解説した上で、FP1級とCFPのおすすめ通信講座を、それぞれ2つ紹介していきます。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・FP3級&2級合格
・前職でFP講座の運営責任者を担当

 

 

1. FP1級とCFPのどっちを目指すべき?

FP1級とCFPのどっちを目指すべき?

まず初めに、FP1級とCFPのどっちを受検すべきか?について、解説していきます。

結論からお伝えすると、以下の通りとなります。

・実務経験あり⇒FP1級を受検
・実務経験なし⇒CFPを受検

FP1級の実技試験を受検するためには、以下のいずれかを満たす必要があります。(受検資格は4つありますが、ここでは主な2つを掲載しております。)

・FP1級の学科試験に合格する
・CFP試験に合格する

さらに、FP1級の学科試験を受検するには、1年以上の実務経験が必要となります。(金融機関や会計事務所の勤務経験が該当します。詳細は公式の「実務経験について」を確認してください。)

つまり、実務経験がない場合は、そもそもCFPしか選択肢がありません。

一方で、後述する3つの理由から、実務経験がある場合は、CFPよりもFP1級を目指した方が良いと言えます。

 

1) 実務経験あり⇒FP1級を受検

実務経験がある場合は、FP1級を受検した方がいい理由を、順に3つお伝えしていきます。

 

① 金銭的負担を抑えられる

FP1級とCFPの両方の通信講座を提供している予備校を例に、2024年3月時点のそれぞれの価格を比較してみると、以下の通りCFPの方が割高となっております。

スクール FP1級 CFP
TAC 133,000円 179,000円
LEC 90,200円 118,250円
山田コンサル
ティング
88,000円 231,000円

また、CFPは資格を維持するための更新費用も毎年必要となるため、FP1級の方が金銭的な負担が少なくて済みます。

 

② より短期間で合格できる

FP1級の学科試験の合格率が10%前後であるのに対して、CFPの合格率は1課目あたり30~40%です。

一見すると合格率が低いFP1級の方が、長期間の勉強が必要と思うかもしれません。

しかし、CFPは課目合格制度があるため、1課目ずつ専念で勉強している人達が競争相手となり、その中から3~4割の人しか受からず、かつそれを6課目繰り返す必要があるため、通常はFP1級の方がより短期間で合格することが可能となります。

 

③ 不得意課目を得意課目で補える

FP1級は6課目の総合点で勝負できるため、仮に苦手な課目や本番でミスをしてしまった課目があったとしても、得意課目で挽回することが可能となります。

一方でCFPの場合は、1課目ずつの個別の点数で合否を判定するため、苦手課目や本番でのミスを挽回する手段がありません。

 

2) 実務経験なし⇒CFPを受検

前述の通り、そもそも実務経験がない場合はFP1級を受検できないため、CFP一択となります。

転職をして実務経験を積むことも考えられますが、労力を考えると実務経験がない場合は、CFPを受検した方が賢明と言えます。

以下では、FP1級とCFPのそれぞれについて、おすすめの通信講座を2つずつ紹介していきます。

 

2. FP1級のおすすめ通信講座2選

FP1級のおすすめ通信講座2選

1) 通信講座の選び方

FP1級の通信講座の選び方として、ここでは「合格実績」と「講座価格」について、比較していきます。

 

① 合格実績

調べてみるとわかるのですが、実はFP1級の合格実績を掲載している予備校は、ひとつもありません。

一方で、最大手である資格の学校TACは、CFPの合格体験記を複数人掲載しております。

また、TACがハローワークに提出している教育訓練給付制度の指示書では、以下の講座の合格者数が公表されています。

CFP1年本科生(DVD・Web)通信

2019 2020 2021
受検者数 49名 47名 44名
合格者数 33名 30名 30名
合格率 67% 64% 68%

CFP総合コース 6課目(DVD・Web)通信

2019 2020 2021
受検者数 11名 12名 11名
合格者数 8名 8名 7名
合格率 73% 67% 64%

他の予備校はFP1級だけでなく、CFPの合格体験記や合格者数も公表しておりません。

FP講座を運営していた私の経験上、実績が出ているならば公表しない理由がないため、合格実績の点からは、TACがおすすめです。

 

② 講座価格

FP1級の通信講座を提供している、主要4社の通信講座の価格を比較すると、以下の通りとなります。

スクール 講座費用
2024年3月
TAC 133,000円
LEC 90,200円
山田コンサル
ティング
88,000円
アーティス
(資格対策ドットコム)
57,750円

最大手のTACは長年の実績がある分、講座価格が非常に高いです。

一方で、2022年6月からFP1級の通信講座を開講した後発のアーティスは、TACの半分の以下の講座価格であり、圧倒的に安いです。

また、アーティスは日本FP協会の認定教育機関であり、FP3級やFP2級・AFP認定研修の通信講座で一定の成果を出しているため、FP1級も今後の実績に期待できます。

以上より、コストパフォーマンスの点からは、アーティスがおすすめです。

 

2) TAC(実績)

2024年3月TACのFP1級講座

1992年からFP講座を開講している、資格の学校TAC。

30年以上のノウハウを凝縮した講義や教材は、合格するのに申し分ない内容です。

実績がある分、講座価格は高いですが、確実に合格を勝ち取りたければ、TACの利用がおすすめです。

 

メリット&講座の特徴

・選抜されたプロ講師の講義
・過去の傾向を徹底分析した教材
・通学講座も選択可能
・不合格の場合は次回の直前対策が無料
・DLすることでオフラインでも視聴可能

 

デメリット

・10万円以上の講座価格

 

③ TACのFP1級講座FAQ

Q. TACの市販教材で独学は無理?
A. 確実に合格したいなら独学は避ける

TACのFP1級講座で使用されているテキストは「よくわかるFPシリーズ」として市販されており、約2万円でテキスト&トレーニングを入手できます。

そのため、10万円以上するFP1級講座を申し込まずに、独学で勉強する方法も考えられます。

この点、FP2級までを独学で合格できた人であれば、1級も引き続き独学を検討してみる価値はあります。

一方で、FP2級(合格率40%)までの段階で講座を必要とした人が、難易度が格段に上がる1級(合格率10%)を独学で勉強した場合、合格時期が遅れるだけでなく、そもそも合格できない可能性が高いです。

そのため、この場合は講座の利用がおすすめと言えます。

また、以下のような講座には含まれているが、市販されていない教材もあります。

・総まとめテキスト(1冊)
・模擬試験(1回分)
・基本講義の添削問題(4回分)

さらに、講座の場合は質問等のサポート体制も充実しているため、確実に短期間で合格したい人は、講座の受講がおすすめです。

*CFPの場合はテキスト、問題集は市販されておりませんので、TACを利用した独学の選択肢はありません。

 

④ 合格体験記

TACなら実務でも活躍しているプロの講師陣から直接指導を受けられますので、講師についていくことが合格の秘訣だと思いました。
実務でも活躍しているプロの講師から直接指導が受けられるのがTACの強みだと思います。

 

⑤ 公式HP

TACのFP講座

 

3) アーティス(コスパ)

2024年3月アーティス(資格対策ドットコム)FP1級講座

日本FP協会の認定教育機関でありながら、他社の半額以下でFP1級の通信講座を提供している、アーティス。

最小限のポイントに絞った講義(50~80分×6分野、合計430分)を提供しており、最速でFP1級の合格を目指せます。

また、間違えた問題を分析して、関連問題を出題してくれるロボ再学習機能など、通信講座ならではの独自の取り組みも行っております。

FP1級講座の歴史はまだ浅いですが、質問メールの無制限対応など手厚いサポートが受けられるため、コストパフォーマンスを重視したいなら、アーティスの利用がおすすめです。

 

メリット&講座の特徴

・無制限の質問対応(メール)
・最小限のポイントに絞った講義
・ロボ再学習機能で反復学習
・A5サイズのコンパクトテキスト

 

デメリット

・FP1級講座の歴史がまだ浅い

 

③ アーティスのFP1級講座FAQ

Q. なんでこんなに安いの?
A. 少ない実績+短い講義時間

アーティスの講座費用が安い1つ目の理由としては、「少ない実績」が挙げられます。

アーティスはFP1級講座を2022年6月に開講しており、公開できるほどの実績がまだないため、その分、講座費用が安くなっていす。

2つ目の理由としては、「短い講義時間」が挙げられます。

TACの講義時間が約50時間であるのに対して、アーティスの講義時間は約7時間と7分の1程度となっており、その分、講座費用が安くなっています。

重要なポイントだけ講義を聞いて、後はテキスト&問題集を自分で解いて、わからない箇所を質問する、といった勉強方法がアーティスの特徴と言えます。

 

④ 公式HP

アーティスのFP講座

 

3. CFPのおすすめ通信講座2選

CFPのおすすめ通信講座2選

1) 通信講座の選び方

CFPの通信講座の選び方として、ここでは「合格実績」と「講座価格」について、比較していきます。

 

① 合格実績

前述の通り、TAC以外はCFPの合格体験記や合格者数を公表しておりません。

そのため、合格実績を考えた場合は、TACの1択と言えます。

 

② 講座価格

CFPの通信講座を提供している、主要4社の通信講座の価格を比較すると、以下の通りとなります。

【CFP(全課目)】

スクール 講座費用
2024年3月
山田コンサル
ティング
231,000円
TAC 179,000円
大原 144,600円
LEC 118,250円

CFPの場合は課目合格制度があり、数課目ずつ受検していくことになるため、1課目の講座価格も見てみましょう。

【CFP(1課目)】

スクール 講座費用
2024年3月
山田コンサル
ティング
38,500円
TAC 38,000円
大原 25,400円
LEC 22,000円

全課目と1課目共に、山田コンサルティングが一番高くなっている一方で、LECが共に最安値となっております。

CFPの通信講座は何回も受講することが想定されるため、講座価格を抑えることが大切です。

そのため、資格の学校としては大手に分類され、一定の実績が見込めるにもかかわらず、最安値の価格で通信講座を提供しているLECが、コストパフォーマンスの観点からはおすすめと言えます。

 

2) TAC(実績)

前述の「2. FP1級のおすすめ通信講座」の2) TAC(実績)参照。

 

3) LEC(コスパ)

2024年1月LECのCFP講座

20年以上にわたりCFPの試験指導を行ってきた、LEC。

長年の指導実績から得たノウハウをもとに、出題頻度の高い論点に絞った要点テキストで、短期合格を目指します。

また、単なる講義動画だけでなく、解法テクニックを身につけるための演習講座も充実しており、合格するために必要十分な内容です。

充実の講座内容を他社よりも安い金額で提供しており、コストパフォーマンスを重視するならLECがおすすめと言えます。

 

メリット&講座の特徴

・業界最安値の講座価格
・長年の実績に裏打ちされたテキスト
・経験豊富な講師陣
・考え方や解き方を学べる演習講座
・チューターにいつでも質問可能

 

デメリット

・質問の回答に最長14日かかる
・最新年度の講座リリースが遅い

 

③ LECのCFP講座FAQ

Q. LECの特徴は?
A. 講座の安さと割引制度の豊富さ

CFP講座の中で1番講座費用が安いLECは、さらに以下のような各種割引制度も設定しています。

割引名 割引率
割引額
他校CFP受講生割引 20%
*課目別は10%
AFPからの
ステップアップ割引
10%
再受講割引A *1 20%
再受講割引B *2 50%
無料セミナー
参加者割引
1万円
*課目別は10%

*1 過去に課目別のCFP講座を受講した人が対象
*2 過去に6課目一括のCFP講座を受講した人が対象

無料セミナーはオンラインで誰でも視聴でき、少なくとも1万円割引はもらえるので、ぜひ利用してください。

 

④ 公式HP

LECのCFP講座

 

4. FP1級、CFPの講座選びFAQ

1) 教育訓練給付制度は利用できる?

⇒TACのCFP講座のみ利用可能

教育訓練給付制度(一般教育訓練)を利用することで、講座費用の20%がハローワークから給付されます。

2024年3月時点で対象となるFP1級、CFPの通信講座は、以下のTACのCFP講座のみとなります。

講座名 講座費用 給付金
CFP1年本科生 209,000円 41,800円
CFP総合コース
6課目
DVD・Web通信
179,000円 35,800円

*上記講座の修了要件:添削答案提出率80%以上&修了試験正答率60%以上

 

2) 講座費用を安くする方法はある?

⇒条件に該当すればある

本記事でおすすめとして紹介している講座のうち、「TAC」「LEC」については以下の割引制度があります。

① TAC

割引制度 割引率
1級ステップアップ割引 *1 10%
1級再受講割引 *2 50%
CFPステップアップ割引 *1 10%
CFP再受講割引 *3 10%

*1 過去にTACでFP2級講座を受講していた人が対象
*2 過去にTACでFP1級講座を受講していた人が対象
*3 過去にTACでCFP講座を受講していた人が対象

② LEC

LECのCFP講座FAQ参照。

 

3) 無料の講座はないの?

⇒全範囲を網羅したものはない

FP2級までであれば、Youtubeで無料講義を提供しているチャンネルがいくつかあるため、利用してみるのも1つの方法です。

一方で、FP1級やCFPに関しては、試験範囲を網羅した講義はなく、合格するためには有料講座の受講が必要となってきます。

ただし、一部の難解な論点については、FP2級同様にYoutubeで無料講義を公開しているチャンネルもあります。

無料だと不安に思うかもしれませんが、無料というのはあくまで受講者目線の話であり、運営側からすると受講者からお金をもらう代わりに広告収入を得ているので、質を落としているわけではありません。

むしろ不特定多数の人に見られるため、質が高い講義も多く、ピンポイントで利用する価値は十分にあります。

注意点として、個人がやっているためサポート体制がなく、突然閉鎖する可能性もあります。

 

4) 通学講座も検討すべき?

⇒校舎が近いなら検討してもOK

FP1級やCFPは、FP2級までと比べて、格段に難易度が上がります。

そのため、独学や通信講座だと、挫折してしまう可能性があります。

一方で、通学講座であれば、独学や通信講座よりも勉強に強制力があり、挫折する可能性を抑えられるため、FP1級やCFPの場合は検討する価値があります。

ただし、通学講座の場合は移動時間が無駄になりやすいので、校舎が近くにあることが必須条件となります。(家ないし会社から片道30分以内が目安。)

その他、通学講座には以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット
・やる気を維持しやすい
・講師に直接質問できる
・周りの目があるので講義に集中しやすい

デメリット
・通勤時間が無駄になる可能性がある
・通学すること自体が目的になってしまう

 

5) CFPはまず何課目受講する?

⇒1課目100時間を目安に判断

CFPは課目ごとに受験できるため、CFP講座も1課目ずつ受講できます。

そのため、例えば2科目ずつ受講して、約半年に1回の試験に順調に合格していけば、1年半で6科目に合格することができます。

それでは、始めは何課目受講すべきでしょうか?

この点、1課目あたり100時間を目安として、半年間で確保できる勉強時間をもとに、計算してください。

例えば、平日1時間、土日のいずれかで5時間勉強できる場合、週に10時間、月に40時間、半年で240時間勉強することができます。

実際は体調不良や用事などで勉強できない日も考慮すると、半年で200時間程度の勉強時間となるため、この場合はまず2課目受講するのが目安となります。

 

5. 終わりに

FP1級とCFPのおすすめ通信講座について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

本記事で紹介した通信講座であれば、その講座を信じてしっかりと勉強すれば、どの講座でも十分合格可能です。

大切なのは、どの講座を選ぶか?ではなく、1日でも早く勉強を開始することです。

本記事を参考に1日でも早く講座を選択して、勉強を開始しましょう。

 

6. まとめ

Point! ◆実務経験があるならFP1級。
◆実務経験がないならCFP。
◆FP1級ならTACとアーティス。
◆CFPならTACとLEC。