経理の仕事がつまらないと言われる5つの理由

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経理の仕事をしてきて、「つまらない」「同じことの繰り返しで、最近行き詰まりを感じている」と一度は思ったことが、あるのではないでしょうか?

本記事では、経理の仕事がつまらないと言われる5つの理由と、経理職ならではの7つのメリットを紹介していきます。

なんとなく経理の仕事に就いたけどやりがいを感じない、今後も続けていくか悩んでいる人は、ぜひ最後までお読みください。

【監修者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. つまらないと言われる5つの理由

経理の仕事がつまらないと言われる5つの理由

ここでは、経理の仕事がつまらないと言われる理由について、順に5つ解説していきます。

 

1) 評価されにくいから

経理がつまらないと言われる1つ目の理由は、「評価されにくいから」です。

 

① できて当たり前と思われている

給与計算・得意先へのネット振込など、経理担当者は日常業務上で緊張を強いられる場面も多いことでしょう。

一方で、細かい数字を念入りに確認し、正確に仕事をこなしても、間違いがないのが標準とみなされているため、あまり評価に影響はありません。

逆に、間違いが発生してしまうと、非常に責任を感じてしまいます。

「頑張り=目立つ成果」となりにくい仕事のため、評価される機会が少なく、つまらないという気持ちになってしまうのも、仕方ないことだといえるでしょう。

 

② 営業と比べると成果がわかりにくい

営業職だと、「今月は契約数が〇件で受注金額が××円だから、先月より成果を上げられた」など、調子の良し悪しをデータとして把握できます。

時には、成果を上げたことで報奨金が出たり、表彰されたりします。

それに対し、経理は行きつく先が決まっていることがほとんどで、正解に向かって作業を進めるという仕事スタイルになります。

経理は直接的に利益を生み出す部署ではないため、業績が良くなることで、給料が上がることにはつながりにくいです。

こういった理由で、「目に見える成果がわかりづらく、評価されにくい」といった悩みをもつ人も多いです。

 

2) 定型作業が多いから

経理がつまらないと言われる2つ目の理由は、「定型作業が多いから」です。

 

① 毎月、毎年、同じ作業の繰り返し

日々の経費精算や毎月の試算表作成・給与計算、年度末の決算業務など、一巡してしまえば、ほぼ同じ業務が繰り返しやってきます。

仕事は真剣に取り組みつつも、何年かして慣れてくると、キャリアアップしている実感があまりなく、つまらなく感じてしまうかもしれません。

 

② 細分化された担当業務の繰り返し

経理職は会社の規模によって、担当範囲や内容に差が出やすいといわれています。

特に大企業になると業務が細分化され、たとえば「入金の消し込み」が専門の部署に配属されると、その限られた業務のルーチンワークになります。

なかなか全体像を知る機会もなく、マンネリを感じることもあるはずです。

 

3) 繁忙期は残業になりやすいから

経理がつまらないと言われる3つ目の理由は、「繁忙期は残業になりやすいから」です。

営業部門や製造部門においては、スタッフを増やすことが売上アップに繋がると見込むと、経営者はその部署を増員します。

しかし、経理は利益を産み出す部門ではありません。

もともと少ない人数で回していることが多い上に、滅多なことでは増員されることはありません。

中小企業だと、給与計算から売上管理や試算表作成まで、すべて一人の経理担当者が行っているところもあります。

また、経理担当が複数いる会社であっても、月初めや決算月の繁忙期は、他のメンバーにしわ寄せがいくのを恐れ、体調が悪くても休めず、残業が続く時期もあります。

前述の通り定型作業が多い経理の仕事は、残業が続くと余計につまらなく感じやすいものです。

 

4) 職場環境が悪いから

経理がつまらないと言われる4つ目の理由は、「職場環境が悪いから」です。

なぜ経理の仕事がつまらないのか理由を突き詰めていくと、「この人と作業するのは苦手だな」「この人からの依頼は嫌だな」という感情に行き着くことは、よくあることです。

同僚や会社と馬が合わないなど、経理の仕事そのものとは関係ない理由で、経理をつまらないと感じることは意外に多いものです。

後述する通り経理の仕事自体には多くのメリットがあるため、職場環境が原因で経理としてやる気をなくすのは、非常にもったいないです。

今の会社である程度、経理としての経験を積んだのであれば、職場環境を変えるために転職を検討してみるのもおすすめです。

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転職エージェントを利用するなら、管理部門特化型の中規模エージェントである、以下の3つがおすすめです。

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ただし、地方求人がないため、地方での転職の場合は大手エージェントのdoda(デューダ)がおすすめです。

詳細は「経理の転職エージェントの選び方とおすすめ4選!」をご確認ください。

 

5) 性格的に向いていないから

経理がつまらないと言われる5つ目の理由は、「性格的に向いていないから」です。

経理に向いていない性格について、以下で順に解説していきます。

 

① 賞賛されない仕事はしたくない

経理は仕事の性格上、社内で目立つポジションではありません。

自分がした仕事に対して、常に良いリアクションがほしい人や、目立った成果をあげて一目置かれることが原動力となるタイプだという人は、経理向きではないかもしれません。

 

② 数字が苦手

どうしても一日中数字と向き合う仕事であるので、細かい数字を見ただけでパソコンを閉じたくなるくらい極端に苦手であれば、経理を続けるのは難しいかもしれません。

しかし、難しい計算式を組める必要があるかといえば、けっしてそんなことはありません。

 

③ 些細なことが気になる

責任感が行き過ぎるあまり、経理ルールを周囲にも押し付けたり、優先順位の低い調べものに時間を費やしたりしていると、社内で煙たがられるかも知れません。

また、経理職は作業内容を細かく突き詰めようとするとキリがなく、正確さを欠いていなければ、ちょうどいい頃合いで締めることも必要になります。

ある程度のおおらかさを持ち合わせている方が、周囲と調和して長く経理を続けられることにもつながります。

 

④ 勉強することが苦痛

経理は簿記の知識をベースに作業を行うので、簿記の資格取得のための勉強は欠かせません。

それ以外にも、税法の法改正もあるので、自分の業務のためにも、普段から変更がないかアンテナを張っておくことも大切です。

簿記2級程度の知識があれば実務をある程度やっていけますが、継続的に経理として活躍するためには、日々勉強してスキルアップしていく必要があります。

 

⑤ コミュニケーションが苦手

経理は、黙々と座って作業するイメージが強いですが、それだけではありません。

社内での精算書提出の確認依頼や、得意先への振込等の確認、銀行への問い合わせなど、人対人の関わりは意外と多いです。

人との会話をなるべく避けたい人は、苦痛を感じる場面が多いことでしょう。

でも、必ずしも人づきあいが大好きである必要はありません。

普通に社会人としてコミュニケーションがとれる人であれば、経理の仕事は勤まるでしょう。

 

⑥ 依頼心が強い

イレギュラーなことが発生したときなどに、上司に要相談なのか、自分で会計事務所等へ問い合わせて解決できるのかを判断して、行動したいものです。

自分の頭で考えることをせずに、すべて指示待ちのスタンスだと、仕事に責任感を持っていないとみなされてしまいます。

周囲に教えてもらおうとしても、具体的な進め方は前任の経理担当者しかわからないことも多く、結果として社内で助けられない場合もあります。

すべてが解決するわけではないですが、残っている帳票や会計ソフトの入力内容を見れば、過去の仕訳や処理方法はほぼわかります。

後任者はそれを読み解いて、自力で作業していく必要があります。

 

⑦ 人に説明するのが苦手

経理は誰かに説明することを常に意識して、作業をする必要があります。

例えば、作成した試算表を上司へ提出して「この仕訳をした理由は?」などの質問を受けた場合、ただ自分が解っているだけでなく、その場で要点を絞った論理的な説明ができるかが大切です。

説明ができないと、場合によっては本当に理解して処理したのか、不信感を持たれてしまいます。

とっさの質問に答えられる対策として、会計ソフトの入力時に、自分が後で思い出せるような工夫をしておくと、質問を受けた時に言葉に詰まるのをかなり減らすことができるでしょう。

 

⑧ 自己主張が強い

時として、得意先と直接やりとりがある部署からのお願いで、一時的に経理の作業の負荷が増える場合や、タイトな日程で作業をすることになる場合もあります。

これを理不尽だと感じ、経理側の主張を常に通そうとすると、組織全体のことを考えていない人とみなされ、周囲との関係がぎくしゃくしてしまいます。

他部署のメンバーが、会社の売上を上げようとした結果のことと考え、ねぎらいの気持ちを持って協力すると、この先、仕事がやりやすくなることにも繋がります。

 

⑨ じっとしているのが苦手

経理は他部署と比べて、仕事の用で外出する頻度は、どうしても少なくなります。

事務所で1日中パソコンに向かっている日も多いことから、長い時間座っているのが耐えられない性分の人は、経理にあまり向いていないといえます。

 

⑩ 口が軽い

経理は仕事で知り得た内容を、口外しないことが必須となります。

給与計算資料や会計ソフトの仕訳データなど、他部署や社外の人は見ることがない情報を、知ることができます。

いわゆる機密情報を扱っているという自覚を持たずに、昼の食事休憩などに同僚にペラペラしゃべったりしていることが発覚したら、信用をなくしてしまいます。

 

(参考「経理に向いていない人、向いている人の特徴10選!」)

 

2. でも実はメリットも多い

前述の通り経理の仕事は、一般的につまらないと言われることが多いです。

しかし実は、メリットも非常に多いのが、経理という仕事です。

ここでは、経理として働くメリットについて、順に解説していきます。

 

1) スケジュール管理しやすい

経理の1つ目のメリットとしては、「スケジュール管理しやすい」ことが挙げられます。

「毎月、毎年この時期にこれをやる」と事前にある程度わかっており、繁忙期も事前に予測できるため、比較的スケジュール管理をしやすいです。

忙しい時期は休みが取れず残業が続いたりしますが、余裕がある時期はまとまった休みを取ることができ、メリハリをつけることができます。

閑散期を利用して資格取得の時間に充てるのもいいですし、有給休暇を消化して、趣味を楽しんだり旅行へ出かけたりもできます。

 

2) 転職しやすい

経理の2つ目のメリットとしては、「転職しやすい」ことが挙げられます。

転職においては、経理歴〇年間といった経験が、高く評価されます。

そのため、経理としての経験を積めば、転職しやすいといえます。

しかも、経理は簿記の資格取得やFASS検定で高スコアを取るなどの、仕事のレベルを証明できるものがあるので、有利に転職活動ができます。

また、経理はどの会社でも必ず必要であるため、転職先も幅広いです。

以下で順に、いつくか例を挙げてみます。

 

① 異業種への転職

今の会社に給与面で不満があるのであれば、経理のまま好景気の業種や、平均年収の高い業種へ転職を考えるのも一つの方法です。

経理は機密事項を扱うことから、正社員での募集が他の事務職よりも多く、好条件で転職しやすい職種といえます。

 

② 大企業から中小企業への転職

仕事の全体像が見えにくいという不満があるなら、幅広い経験ができる中小企業への転職を検討してみてください。

中小企業は大企業に比べて、より経営者と近い立場で実務経験ができる、というメリットもあります。

転職エージェントに登録すると、中小企業の経理の求人を、多数見つけることができます。

 

③ 会計システム会社への転職

変わり種ですが、一般企業の経理職から会計システム会社へ転職する人もいます。

もともと会計ソフトを使っていた側なので、クライアントをよく理解したシステム構築が可能なことが、仕事を有利に進められ重宝されます。

 

3) スキルアップする方法が明確

経理の3つ目のメリットとしては、「スキルアップする方法が明確」である点が挙げられます。

経理の業務は経費精算、給与計算、売掛金管理、買掛金管理、原価計算、決算業務、予実管理など分野が明確に分かれており、一つずつスキルアップすることができます。

また、経理の場合はスキルアップのための、資格や検定試験も存在します。

日商簿記(2級以上)・給与計算実務能力検定(2級以上)などの資格を取得できれば、経理の仕事上で迷うことが減ります。

これらの資格は普遍的で、客観的な実力の証明にもなります。

他の職種だと、スキルアップの選択肢はもっと多く、しかも仕事のレベルを明確に証明する資格がないことも多いです。

ですが、経理はより高度な資格を取っていくことで、「スキルアップ」と「実力の証明」の両方を手にすることができます。

(簿記については「簿記が面白いと思える5つのポイント!」も合わせてご確認ください。)

 

4) 個人の調子による影響を受けにくい

経理の4つ目のメリットとしては、「個人の調子による影響を受けにくい」ことが挙げられます。

若くて元気なときは、「華やかなポジションで働き注目を浴びたい」という気持ちが先行することもあるでしょう。

しかし一定以上の年齢になると、体力が落ちてきたり、育児や親の介護問題などが発生して、自分自身の調子を整えることが難しくなることも予想されます。

そのため、調子の波に関係なく安定して仕事をしやすい経理は、一生の仕事にしやすいといえます。

クリエイティブな仕事や、営業職など人間の感情が大きく影響する職業は、どうしても調子の波に左右されてしまいます。

一方で、経理は答えが決まっていることをゴールに向かって進めていく作業なので、成果は評価されにくいですが、調子に関係なく仕事は正確に完了できます。

 

5) スキルが劣化しにくい

経理の5つ目のメリットとしては、「スキルが劣化しにくい」ことが挙げられます。

常に流行を追わなければいけない職種ではなく、簿記の概念が変わらない限り、スキルの基本部分は大きく変化しません。

ですので、若い時に身に付けたスキルが、無駄になることはありません。

結婚などで一旦退職して、ブランク後に再就職しようとするときにも、仕事が探しやすいです。

今は初心者でも扱いやすい会計ソフトがたくさん出ており、手書きや手計算の業務がほとんどなくなったため、体力的な負荷が軽くなりました。

これは、60代や70代になっても経理を続けられる、要因の一つであるといえます。

 

6) 答えが一つだけ

経理の6つ目のメリットとしては、「答えが一つだけ」である点が挙げられます。

感覚的なものを大切にする仕事や、ヒト対ヒトの仕事では、「答えが複数」あることがほとんどです。

経理は間違いがわかればその箇所からやり直せばいいですが、他の職種ではゼロからの企画提案を要求されることもあります。

また、あえて無駄になる過程を経ないと、完成にたどり着かない仕事もあります。

一方で経理は、どんな会社でも基本的に同じルールのもと、作業しています。

そのため、どんな工程を経てゴールへたどり着くかが決まっており、ほぼ「答えが一つだけ」なので、答え合わせが明確です。

上司と感覚的に合わないという理由から、やり直しと言われることもほとんどありません。

 

7) 人間関係の気疲れが起こりにくい

経理の7つ目のメリットとしては、「人間関係の気疲れが起こりにくい」ことが挙げられます。

経理が会社で関わる人々といえば、ほとんどが社内の人です。

社外の人と関わることがあっても、振込先の企業であったり、会計事務所・銀行など、ほぼ全て自分側がお客様の立場だったり、もしくは常識的な対応をしてくれるところです。

他の部署であれば、体調が万全でなくとも、接客中には笑顔でいなければいけない場面もあります。

また、大口のお客さんから無理難題を突きつけられて、頭を悩ませるといったストレスにさらされることもあります。

経理は外出する機会も少なく、事務所にこもりがちという不満もありますが、外部とのやりとりでストレスを感じることが起こりにくい環境ともいえます。

 

3. 終わりに

経理がつまらない理由と、経理として働くメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

向き不向きもありますが、経理は非常に魅力のある仕事です。

本記事を参考にしながら、経理をつまらないと感じている理由や経理のメリットについて、改めて確認してみてください。

 

4. まとめ

Point! ◆成果が分かりづらく評価されにくい。
◆定型作業が多い。
◆残業が多い。
◆職場環境が合わない。
◆経理に向いている性格・向いていない性格がある。
◆スケジュールを管理しやすい。
◆転職できるスキルが身に付く。
◆スキルアップする方法が明確。
◆個人のコンディションによる影響を受けにくい。
◆スキルが劣化しにくい上、年齢・体力に関係なくできる。
◆「答えが一つだけ」のことが多く、作業工程で無駄が少ない。
◆人間関係の気疲れが起こりにくい。

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