中小企業診断士試験は他の資格試験と比べて、いくつか特徴的な点があります。
そして、各特徴に応じて、以下のような効果的な暗記法があります。
⇒インターリーブ勉強法
⇒スキマ時間の活用
⇒長期記憶への定着
⇒関連する資格試験の活用
そこで今回は、上記の4つの特徴と暗記法について、順に解説していきます。
1. 中小企業診断士試験の暗記法
まず中小企業診断士試験の4つの特徴を確認した上で、それに応じた暗記法について見ていきましょう。
1) 中小企業診断士試験の4つの特徴
① 試験科目が多い
中小企業診断士試験の1つ目の特徴としては、「試験科目が多い」ことが考えられます。
中小企業診断士試験の1次試験は、以下の7科目から出題されます。
B. 財務・会計
C. 企業経営理論
D. 運営管理
E. 経営法務
F. 経営情報システム
G. 中小企業経営・政策
科目数が多く、かつ、1つ1つの科目のボリュームもかなりのものです。
参考までに、会計資格で人気の高い簿記検定の場合、「商業簿記」と「工業簿記」の2科目が試験範囲となり、また、法律資格で人気の高い宅建の場合、「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税金その他」の4科目が試験範囲となります。
他資格と比較しても、中小企業診断士試験の試験科目の多さがわかるかと思います。
以上より、「試験科目が多い」ことは、中小企業診断士試験の特徴と言えます。
② 社会人受験生が多い
中小企業診断士試験の2つ目の特徴としては、「社会人受験生が多い」ことが考えられます。
中小企業診断士1次試験の勤務先区分別の合格者数をまとめると、以下の通りとなります。
合格者数 | 2021 | 2022 | 2023 |
社会人 | 5,286 | 4,529 | 5,016 |
学生 | 140 | 115 | 106 |
その他 (無職含む) |
413 | 375 | 399 |
合計 | 5,839 | 5,019 | 5,521 |
上記を見ていただければわかる通り、合格者の90%以上が社会人となっており、受験者数も社会人が多くを占めることが想定されます。
中小企業診断士試験の出題内容は、ある程度ビジネス経験を積んだ人を前提としているため、社会人受験生が多くなっているのです。
以上より、「社会人受験生が多い」ことは、中小企業診断士試験の特徴と言えます。
③ 勉強期間が長い
中小企業診断士試験の3つ目の特徴としては、「勉強期間が長い」ことが考えられます。
一般的に中小企業診断士試験に合格するためには、最低でも1,000時間程度の勉強時間が必要と言われております。
1,000時間というのは、1日当たり「平日2時間、休日5時間」の勉強を1年間継続すれば、達成できる時間となります。
数か月程度で合格できる他の資格試験と比べると、合格までに必要な勉強期間が長い試験と言えます。
また、1日当たり「平日2時間、休日5時間」の勉強を1年間継続するのは容易なことではなく、実際は1年以上かかるのが普通であり、数年にわたる勉強が必要となるのが、中小企業診断士試験なのです。
以上より、「勉強期間が長い」ことは、中小企業診断士試験の特徴と言えます。
④ 関連する資格試験がある
中小企業診断士試験の4つ目の特徴としては、「関連する資格試験がある」ことが考えられます。
中小企業診断士試験の各試験科目には、それぞれに対応した資格・検定試験があります。
具体的には、以下の通りとなります。
⇒ERE(経済学検定試験)
⇒日商簿記検定2級
⇒ビジネス会計検定2級
⇒経営学検定中級:経営財務
⇒経営学検定中級
⇒販売士検定2級
⇒ビジネス実務法務検定2級
⇒ITパスポート
(詳細は「中小企業診断士試験の関連資格7選」をご確認ください。)
ここまで多くの資格・検定と関連している試験もめずらしく、中小企業診断士試験の学習内容が非常に多岐にわたることを意味しております。
以上より、「関連する資格試験がある」ことは、中小企業診断士試験の特徴と言えます。
2) 特徴を踏まえた4つの暗記法
それでは、上述の4つの特徴を踏まえた上で、各特徴に対応した効果的な暗記方法について、順に紹介していきます。
① インターリーブ勉強法
1つ目の暗記法は、「インターリーブ勉強法」です。
インターリーブ勉強法とは、1つ内容を繰り返し学習する反復学習の対となる勉強法であり、間に別の学習を挟みながら交互に勉強する勉強法となります。
具体的には、以下のような違いがあります。
1日中「財務・会計」のみを勉強する。
「財務・会計」と「運営管理」を1時間ごとに交互に勉強する。
インターリーブ勉強法には以下のメリットがあるため、試験科目数の多い中小企業診断士試験におすすめの暗記方法と言えるのです。
・強制的に中途半端なところで区切ることで、緊張感が持続し記憶に残りやすくなる。
以上より、「インターリーブ勉強法」は、中小企業診断士試験に効果的な暗記法となります。
② スキマ時間の活用
2つ目の暗記法は、「スキマ時間の活用」です。
社会人受験生が大多数を占める、中小企業診断士試験。
仕事終わりや休日にまとまった時間を確保して勉強する人も多いですが、それだけでは勉強時間が足りない可能性が高いです。
そこでおすすめしたいのが、スキマ時間の有効活用。
通勤時間・お昼休み・待ち時間などのスキマ時間に、ついついスマホを見ていないでしょうか?
塵も積もれば山となるとはよく言ったもので、ちょっとしたスキマ時間の勉強を積み重ねることで、最終的に大きな成果を上げることができるのです。
また、スキマ時間の学習は短時間であるがゆえに集中しやすく、暗記に向いています。
それでは具体的に何の勉強をすればいいの?と思われたかもしれませんが、おすすめはスマホを利用した学習です。
スタディングなどの通信に特化した中小企業診断士講座であれば、スマホで講義を聞き、テキストを読み、問題を解くことができるため、スキマ時間で勉強するのにぴったりです。
ぜひ利用を検討してみてください。
以上より、「スキマ時間の活用」は、中小企業診断士試験に効果的な暗記法となります。
中小企業診断士講座の元運営責任者が、以下の7つの通信講座のコストパフォーマンスを比較して、おすすめ2つのメリット・デメリットについて解説してみました。
・TAC
・スタディング
・診断士ゼミナール
・クレアール
・LEC
・アガルート
・フォーサイト
詳細は「中小企業診断士の通信講座おすすめ2選!元講座運営者が比較します」をご確認ください。
③ 長期記憶への定着
3つ目の暗記法は、「長期記憶への定着」です。
中小企業診断士試験に合格するには長期間の勉強が必要であり、1週間の詰め込み勉強で太刀打ちできるものではありません。
そのため、短期記憶となっている知識を、長期記憶に変える必要があります。
長期記憶に定着させる方法としては、例えば以下のような方法が考えられます。
・1ヶ月以内に復習する。
・アウトプットを重視する。
・映像をイメージしてみる。
(Googleの画像検索などを利用)
・関連のある内容同士をまとめる
自分の電話番号や好きな歌の歌詞などと同じで、一度長期記憶に定着すれば復習に時間をかけなくても忘れにくいため、長期的には暗記の負担が減っていきます。
以上より、「長期記憶への定着」は、中小企業診断士試験に効果的な暗記法となります。
④ 関連する資格試験の利用
4つ目の暗記法は、「関連する資格試験の利用」です。
暗記しにくい科目は、関連する資格試験の勉強をすることで、暗記しやすくなることがあります。
同じ論点に違う切り口でアプローチして、目に触れる回数を増やすことで、長期記憶となりやすいためです。
また、同じ論点でも出題方法が変わるだけで見え方が変わり、新たな発見があることも多いです。
さらに、関連する資格試験の合格を中間目標として間に挟むことで、モチベーションも維持しやすいのです。
以上より、「関連する資格試験の利用」は、中小企業診断士試験に効果的な暗記法となります。
2. 終わりに
中小企業診断士試験におすすめの暗記法について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
試験の特徴に合わせた暗記法を選択することで、少しでも効率的に勉強することが可能となります。
日々の暗記を積み重ねていき、中小企業診断士試験の合格を勝ち取ってください。
3. まとめ
⇒インターリーブ勉強法
◆社会人受験生が9割以上
⇒スキマ時間の利用
◆勉強期間が1年以上
⇒長期記憶への定着
◆関連資格が複数ある
⇒関連資格試験の利用