主婦・主夫(以下では単に「主婦」と記載)として日々家事や育児に追われている中で、何か新しいことに挑戦したいと思い、資格取得を検討する人もいるかと思います。
そして資格の中でも、気軽に取り組めて、かつ、意味がありそうな資格として、FP(ファイナンシャルプランナー)や簿記検定が候補に挙がりやすいです。
そこで本記事では、主婦にFPをおすすめする5つの理由について、お伝えしていきます。
また後半では、忙しい主婦向けに、スキマ時間を利用した勉強のコツについても解説しておりますので、ぜひご一読ください。
*本記事で想定する主婦/主夫
・専業主婦/主夫
・働きながら家事/育児をメインに
引き受ける主婦/主夫
1. FPを主婦におすすめする理由
1) 支出削減のための知識がつく
2) 資産形成のための知識がつく
3) 日常生活と関りが深く勉強しやすい
4) 副業に活かせる
5) 知識欲を刺激するきっかけになる
2. 何級まで勉強すればいいの?
1) とりあえずは3級
2) 2級までで十分
3. スキマ時間で効率よく勉強するコツ
1) 短時間でできる勉強を用意する
2) 習慣の後に勉強を組み込む
3) 通信講座を利用する
4. 終わりに
5. まとめ
1. FPを主婦におすすめする理由
1) 支出削減のための知識がつく
FPを主婦におすすめする1つ目の理由としては、「支出削減のための知識がつく」ことが考えられます。
個人のお金の専門家である、FP。
その主な業務の1つに、顧客の支出削減があります。
つまりは、FPの試験勉強をすることで、自らの支出削減についても、役立つ情報を得ることができるのです。
そして、多くの主婦にとって家計の支出を削減することは、大きな課題となっています。
それでは、FP試験で学べる支出削減知識について、具体的に見ていきましょう。
FP試験では、以下の6つの分野が出題範囲となります。
2. リスク管理
3. 金融資産運用
4. タックスプランニング
5. 不動産
6. 相続・事業継承
このうち例えば、「ライフプランニングと資金計画」で公的年金や社会保険などの公的制度について学び、「リスク管理」では保険について学びます。
両分野を学ぶことで、公的制度を踏まえた上で「本当に民間の保険に入るべきなのか?」といった点について検討できるようになり、不要な保険料を削減することができます。
また、「ライフプランニングと資金計画」で住宅ローンの金利・返済方法・限度額・借換えなどについて学び、「不動産」で住宅の取得・譲渡時の税金・法律面について学ぶことで、人生において一番大きな支出となるかもしれない住宅購入において、無駄を削減する知識がつきます。
さらに、「タックスプランニング」で法人税・所得税・消費税について学ぶことで、特に自営業や副業をやっている人は、節税により支出削減する知識を得ることができます。
以上より、「支出削減のための知識がつく」ことは、FPを主婦におすすめする理由と言えます。
2) 資産形成のための知識がつく
FPを主婦におすすめする2つ目の理由としては、「資産形成のための知識がつく」ことが考えられます。
支出を削減するだけでなく、収入を増やしたり資産を運用することで、資産を形成していくことも家計管理において大切なこととなります。
この点例えば、FP試験では以下のような、金融資産の運用に関する基礎知識を学ぶことができます。
・円高/円安について
・ETFやREITなどの投資信託について
・PER/PBR/配当利回りなどの計算
・NISAやiDeCoについて
また、不動産投資についても、収益物件の利回りの計算など、基礎的な内容を学習することとなります。
あくまで資産運用のきっかけとなる内容に過ぎませんが、基礎的な内容を学ばないと一生手を出せない人もいるかと思いますので、きっかけ作りとしてFPはおすすめと言えます。
さらに、ライフプランニングについて学習することで、退職してからの老後生活を十分に過ごせるだけの資産を形成するために、月々の収支をいくらにして、ボーナスからいくら貯金する必要があるのか、計算することができるようになります。
以上より、「資産形成のための知識がつく」ことは、FPを主婦におすすめする理由と言えます。
3) 日常生活と関りが深く勉強しやすい
FPを主婦におすすめする3つ目の理由としては、「日常生活と関りが深く勉強しやすい」ことが考えられます。
FPが個人のお金の専門家と言われる通り、FP試験の内容は日常生活に密接に関わってくるものが多いです。
つまりは、日常生活面で多くのタスクに追われている主婦にとって、どこかで見聞きした内容や気になっていた内容を勉強でき、勉強内容そのものに興味を持つことができるため、勉強のモチベーションを保つことができるのです。
例えば、以下のような内容が想定されます。
・年金を受給できる要件は?
・将来の預金残高を予想できる?
・教育ローンの概要を説明できる?
・定期保険や終身保険の違いは?
・自賠責や対人賠償保険の違いは?
・相続/贈与税の要件は?
夫婦間の将来キャッシュフローの設計や、子供の教育資金、親族からの相続などは、多くの主婦にとって不可避の問題であり気になる内容かと思います。
そんな主婦の疑問を勉強しながら解消できるので、FPはおすすめの資格となります。
以上より、「日常生活と関りが深く勉強しやすい」ことは、FPを主婦におすすめする理由と言えます。
4) 副業に活かせる
FPを主婦におすすめする4つ目の理由としては、「副業に活かせる」ことが考えられます。
専業主婦であれ、兼業主婦であれ、副業としてちょっとした収入を得ることに、興味がある人は多いかと思います。
あるいは、副業解禁の世間的な流れもあり、既に副業をしている人もいるでしょう。
この点、FPを取得することは、以下の2つの点から副業にもメリットがあります。
① 税金の知識がつく
1つ目の副業へのメリットは、「税金の知識がつく」ことです。
副業をするということは、働き方にもよりますが、給与所得以外の所得が発生することを意味します。
給与所得の場合は所得税は源泉徴収されるため、個人として特段の対応は不要となります。
一方で、給与所得以外の所得が発生する場合は、所得の種類に応じて税金が発生し、自ら計算して確定申告を行うことで、税金を納付する必要があります。
この点、FP試験ではタックスプランニングで所得税について学習するため、副業の助けとなるのです。
② FPとして副業できる
2つ目の副業へのメリットは、「FPとして副業できる」ことです。
せっかくFPを取得したのであれば、FPとして副業してみるのも1つの方法です。
FPで副業できるの?と思われたかもしれませんが、十分可能です。
例えば、以下のような副業が想定されます。
・保険の代理販売
・セミナー講師
・FPとして顧客の資金相談にのる
・資格予備校の講師
クラウドソーシングサイトにFPとして登録すれば、個人でも案件を探すことは可能ですので、FP取得後のキャリアの1つとして、頭に入れておいてください。
以上より、「副業に活かせる」ことは、FPを主婦におすすめする理由と言えます。
5) 知識欲を刺激するきっかけになる
FPを主婦におすすめする5つ目の理由としては、「知識欲を刺激するきっかけになる」ことが考えられます。
資格試験は自分に合った難易度を選択でき、努力と成果が結びつきやすく、「もっと勉強したい!」といった知識欲が刺激されやすいです。
そして、FP試験は手ごろな難易度であり、さらなる難関資格への挑戦や、日常生活・仕事の新たな挑戦のきっかけ作りになりやすいのです。
実際にFP試験を受けた人達のSNS上でのコメントを見ると、「次は何をしようかな!」といった前向きなものが多く、知識欲が刺激されさらなるチャンレンジに踏み出そうとしているのがうかがえます。
何か新しいことを始めたいけどやる気が出ない…といった主婦の人は、FPを1つのきっかけとして利用してみるのもおすすめです。
以上より、「知識欲を刺激するきっかけになる」ことは、FPを主婦におすすめする理由と言えます。
2. 何級まで勉強すればいいの?
それでは主婦の場合、FP何級まで取得すれば良いのでしょうか?
この点について、順に見ていきましょう。
1) とりあえずは3級
そもそも論ですが、FP2級を受験するためには、以下のいずれかを満たす必要があり、誰でも受験できるわけではありません。
・FP3級合格
・2年以上の実務経験
(詳細は「ファイナンシャルプランナー:いきなり2級受験は不可?受験資格は?」をご確認ください。)
また、FPの勉強内容に対する向き・不向きもあるので、まずはFP3級の内容から学習を始め、様子を見るのが無難です。
2) 2級までで十分
それでは最終的にどこまで勉強すればいいのか?というと、FP2級までで十分と言えます。
FP2級と1級に合格するためには、それぞれ最低でも以下の勉強時間が必要と言われております。
・FP1級:600時間
必要な勉強時間からもわかるように、2級と1級の間には難易度に大きな差がある反面、1級の内容はかなり専門的であり主婦の人に必ずしも必要な内容ではないことが、FP2級ままで十分と言える主な理由となります。
FP2級までの内容をしっかりと押さえておけば、仮にそれ以上詳しい知識が必要な場面に出会っても、その部分だけ自分で深く調べることができますので、1級までの知識は不要と言えます。
FP講座の元運営責任者が、以下の7つの通信講座を比較して、おすすめ4つのメリット・デメリットや、講座の特徴について解説してみました。
・TAC
・大原
・LEC
・ユーキャン
・フォーサイト
・アーティス
・ECC
詳細は「FPの通信講座おすすめ4選:FP講座の元運営責任者が解説します!」をご確認ください。
3. スキマ時間で効率よく勉強するコツ
それでは最後に、忙しい主婦の人が、スキマ時間で効率よく勉強するためのコツについて、3つお伝えしていきます。
1) 短時間でできる勉強を用意する
スキマ時間で効率よく勉強する1つ目のコツとしては、「短時間でできる勉強を用意する」ことが考えられます。
家事の合間、電車やバスでの移動時間、子供が寝ている間など、主婦のスキマ時間は急に発生することが多いです。
そのため、事前に短時間でできる勉強を用意しておかないと、スマホを使ったネットサーフィンやSNS・ゲームなどで、スキマ時間を過ごすこととなってしまいがちです。
そこで、短時間でできる勉強としておすすめしたいのが、スマホを利用した勉強です。
スマホであれば常に持ち歩くことができ、手軽に勉強を始めることができます。
スマホでの勉強方法としては、例えば以下のようなものが想定されます。
・講義動画の視聴
・勉強記録の確認
・重要な内容を写真にとっておき確認
また、オンライン講義・テキストに特化したFP講座を提供する、『スタディング』などの通信講座を利用することで、スキマ時間にスマホでテキストを確認することも可能となります。
以上より、「短時間でできる勉強を用意する」ことは、スキマ時間で効率よく勉強するコツと言えます。
2) 習慣の後に勉強を組み込む
スキマ時間で効率よく勉強する2つ目のコツとしては、「習慣の後に勉強を組み込む」ことが考えられます。
起床・風呂・食事・保育園への送迎・出社など、習慣となっている特定の行動の後に短時間の勉強を組み込むことで、スキマ時間を作り出すことができ、かつ、スキマ時間の勉強を習慣化できます。
既に習慣となっている行動の力を借りることで、勉強の習慣化に対するハードルをぐっと下げることができるのです。
ポイントとしては、はじめは勉強時間を極端に少なくすることです。
「起床後3分だけ勉強する」といった目標で問題ありません。
一度習慣化してしまえば、時間は自然と増えていきますので、まずは確実に継続できそうな勉強時間から始めてみてください。
以上より、「習慣の後に勉強を組み込む」ことは、スキマ時間で効率よく勉強するコツと言えます。
3) 通信講座を利用する
スキマ時間で効率よく勉強する3つ目のコツとしては、「通信講座を利用する」ことが考えられます。
スキマ時間は読んで字のごとく、あくまでタスクとタスクの隙間にできる時間であり、1日のうちに多数発生はするものの、合計時間はそこまで多くありません。
そのため、可能な限り効率的に勉強する必要があります。
この点、独学の場合はどこが重要かわからず、非効率な勉強となりやすく、また、通学講座の場合は通学に時間がかかってしまいます。
そこでおすすめなのが、オンライン上でいつでも・どこでも勉強できる、通信講座の利用です。
自由度の高い勉強スタイルでありながら、専門の講師に教わることができ、効率的かつ効果的なスキマ時間での勉強が可能となるのです。
以上より、「通信講座を利用する」ことは、スキマ時間で効率よく勉強するコツと言えます。
4. 終わりに
主婦にFPがおすすめの理由についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
何事も実際に経験してみないと、本当の良し悪しはわかりません。
FPも同様であり、実際に勉強してみないと、自分のためになるのか・否か判断できません。
せっかくFPに興味を持ったのであれば、この機会にぜひ勉強を開始してみましょう。
5. まとめ
◆資産形成に役立つ。
◆身近な内容であり勉強しやすい。
◆副業に活かすことができる。
◆知識欲が刺激される。