「簿記はある程度の量を勉強すれば、誰でも合格できるよ。」
簿記に興味を持った人であれば、一度はこのような言葉を見聞きしたことが、あるのではないでしょうか?
確かに、簿記検定3級の場合は100時間、2級の場合は200時間の勉強をこなせば、合格できる可能性はあります。
(詳細については「簿記3級・2級の勉強時間は?一ヶ月・二ヶ月での合格は可能?」をご参照ください。)
ただ、ここで問題となるのが、勉強に対する「モチベーション」の管理。
100~200時間勉強し続けるには、モチベーションの管理が必須となります。
モチベーションと聞くと、下がった状態からいかに上げるのか?といった点が注目されがちです。
しかし、本当に大切なのは、モチベーションの低下を「予防」することです。
そこで今回は、なぜモチベーションの低下を「予防」することが大切なのかをまず解説した上で、簿記のモチベーション低下を防ぐ7つの方法について紹介していきます。
1. モチベーション低下の「予防」が大切
2. 簿記のモチベーション低下を防ぐ方法
1) はじめから頑張り過ぎない
2) 予備校を利用する
3) 実際の財務諸表を見る
4) 勉強環境を整える
5) 毎日同じ時間に勉強する
6) 睡眠をしっかりとる
7) 目的を明確にする
3. 終わりに
4. まとめ
1. モチベーション低下の「予防」が大切
![モチベーション低下の「予防」が大切](https://kaikei-shop.net/wp-content/uploads/2020/05/2075476_s.jpg)
1) モチベーションがなぜ必要なのか?
そもそも、簿記検定に合格するために、なぜモチベーションが必要となるのでしょうか?
これは、前述の通り、簿記検定に合格するには、数百時間の勉強時間が必要となるためです。
「数百時間程度であれば、モチベーションに関係なく勉強し続けられる!」
という人も、中にはいるかもしれません。
ただ、モチベーションの低下は、勉強の「質」にも大きく影響を与えます。
勉強の成果というのは、勉強の「質×時間」で計算できるため、時間だけをこなせばいいというものではありません。
勉強の質と時間を維持するために、モチベーションは大切となるのです。
2) 2つのモチベーション管理方法
モチベーションの管理方法としては、切り口により、いくつかの分け方があります。
本記事では、以下の2つの切り口で考えていきます。
② 低下したモチベーションを上げる方法。
3) 「予防」の方が大切
この2つの方法を比べると、①の「予防」する方法の方が望ましいと考えられます。
その主な理由は、以下の通りとなります。
・勉強で成果をだすためには一定のパフォーマンスを発揮し続けることが大切だが、②の方法の場合はモチベーションの影響でパフォーマンスが乱高下する可能性がある。
次項では、具体的なモチベーション低下の予防方法について、順に7つ解説していきます。
2. 簿記のモチベーション低下を防ぐ7つの方法
![簿記のモチベーション低下を防ぐ7つの方法](https://kaikei-shop.net/wp-content/uploads/2020/05/3317843_s.jpg)
1) はじめから頑張り過ぎない
簿記のモチベーション低下を防ぐ1つ目の方法としては、「はじめから頑張り過ぎない」ことが挙げられます。
三日坊主という言葉があるように、はじめから頑張りすぎても、その頑張りを維持できず、挫折してしまう可能性が高いです。
むしろ勉強開始の時期は、「この勉強時間であれば、絶対に毎日継続できる」と思える、最低限の勉強時間を設定するのが、モチベーションを一定に保ち続けるコツとなります。
極端に言えば、1日10分の勉強でも、はじめのうちは問題ありません。
その代わり、必ず毎日継続してください。
以上より、「はじめから頑張り過ぎない」ことは、簿記のモチベーション低下を防ぐ方法となります。
はじめの一歩のハードルを下げて、とりあえず行動し、継続するテクニックのことを、「ベビーステップ」と言います。
完璧主義の人ほど、目標とする勉強時間がから逆算して、「今の勉強時間のままでは足りない!」と焦り、はじめから無理をしがちです。
ただ、勉強計画は後からでも十分調整可能性ですので、まずは勉強そのものを継続することを、第一に考える必要があります。
2) 予備校を利用する
簿記のモチベーション低下を防ぐ2つ目の方法としては、「予備校を利用する」ことが挙げられます。
「簿記3級は独学で合格可能?」でお伝えしている通り、簿記3級レベルであれば、独学での合格は十分可能となります。
しかし、独学の場合は、モチベーションの管理が非常に大変であり、結果として勉強期間が長期化しやすいです。
一方で、予備校の簿記講座を受講すれば、勉強カリキュラムがしっかりと組まれており、また、講義を聞くことでモチベーションを保つことが可能となります。
また、最短合格できるように講座が設計されており、独学と比べて短期間での合格が可能となるため、よりモチベーションが保ちやすい環境となります。
以上より、「予備校を利用する」ことは、簿記のモチベーション低下を防ぐ方法となります。
簿記講座の元運営責任者が、「講座代金(安さ)」と「講座との相性(わかりやすさ)」の観点から、おすすめ通信講座を以下の5つに絞り、メリット・デメリットについて解説してみました。
・クレアール
・フォーサイト
・ネットスクール
・CPA会計学院
・スタディング
詳細は「簿記の通信講座おすすめ5選!安さとわかりやすさで比較すると..」をご確認ください。
3) 実際の財務諸表を見る
簿記のモチベーション低下を防ぐ3つ目の方法としては、「実際の財務諸表を見る」ことが挙げられます。
簿記のモチベーションが低下する理由の1つに、簿記を勉強して何ができるようになるのか、具体的にイメージできないことが考えられます。
そこでおすすめしたいのが、簿記で勉強した項目について、自分の好きな会社でかまいませんので、実際の財務諸表を確認してみてください。
例えば、貸倒引当金について学習した後に、実際の財務諸表の貸倒引当金の、前期と当期の金額を比較してみてください。
「貸倒引当金が増えたということは、対象債権について回収できない可能性が高まったのかな?それとも単純に債権自体が増えたのかな?」程度の感想で、はじめは問題ありません。
勉強のための勉強とならないためにも、実際の財務諸表の確認はおすすめです。
以上より、「実際の財務諸表を見る」ことは、簿記のモチベーション低下を防ぐ方法となります。
簿記検定では、財務諸表を「作成」するために必要な知識を学習することができます。
これに対して、財務諸表を「分析」するために必要な知識を学習できるのが、ビジネス会計検定です。
財務数値から、企業の安全性や収益性・成長性などについて分析するための、基礎的な指標を学ぶことができます。
実務に活かすことを考えれば、2級までの取得がおすすめです。
2級の詳細については、「ビジネス会計検定2級とは?3級との違いは?挑戦すべき5つの理由」をご確認ください。
4) 勉強環境を整える
簿記のモチベーション低下を防ぐ4つ目の方法としては、「勉強環境を整える」ことが挙げられます。
モチベーションは、勉強環境に大きく影響を受けます。
そのため、最適な勉強環境をあらかじめ用意しておくことで、モチベーションの低下を防ぐことができます。
具体的には、以下の3点に注意してみてください。
① 雑音をシャットダウンする
雑音が大きすぎると集中できず、モチベーションの低下につながります。
おすすめなのは、川の音や雨音などの「自然音」。
自然音などの適度な雑音であれば、学習が進みやすいです。
② 視界に余計なものを入れない
視界に勉強に関係のないものが入ると、集中力が途切れやすいです。
そのため、勉強机の上には、今から勉強するのに必要なもの以外は、一切置かないようにしましょう。
③ 椅子にこだわる
普段勉強で使用している椅子が体に合っていないと、肉体的な疲労がたまり、モチベーションが低下しやすいです。
そのため、多少お金がかかっても、椅子にはこだわってください。
以上より、「勉強環境を整える」ことは、簿記のモチベーション低下を防ぐ方法となります。
5) 毎日同じ時間に勉強する
簿記のモチベーション低下を防ぐ5つ目の方法としては、「毎日同じ時間に勉強する」ことが挙げられます。
モチベーションの低下を防ぐためには、勉強することを当たり前のことにする、つまりは習慣化が必要となります。
例えば、毎日歯を磨くのに、その日のモチベーションが関係する人は、少ないかと思います。
つまり、歯を磨くくらいまで勉強を習慣化できれば、勉強するのにモチベーションが関係しない状態を作ることができます。
では、勉強を習慣化するために何をすればいいのかというと、毎日同じ時間に勉強することを意識してください。
「勉強時間ができたら勉強する。」といったスタイルでは、いつまでたっても勉強が習慣化しません。
はじめのうちは大変かもしれませんが、「毎日〇〇時からは簿記の時間」と決めて、勉強を習慣化しましょう。
以上より、「毎日同じ時間に勉強する」ことは、簿記のモチベーション低下を防ぐ方法となります。
6) 睡眠をしっかりとる
簿記のモチベーション低下を防ぐ6つ目の方法としては、「睡眠をしっかりとる」ことが挙げられます。
睡眠がモチベーションに大きく影響することは、多くの人が理解しているかと思います。
睡眠負債をためることで、脳のパフォーマンスが低下して、モチベーションも低下していきます。
にもかかわらず、勉強のために睡眠を削る人が多いのも事実です。
確かに勉強時間がとれないのは深刻な問題ですが、だからと言って睡眠を削ってしまうと、翌日の仕事のパフォーマンスが低下して、余計に勉強時間がとれないといった、負のループにはまってしまいます。
睡眠を第一に考えて、1日のスケジュールを見直してみましょう。
以上より、「睡眠をしっかりとる」ことは、簿記のモチベーション低下を防ぐ方法となります。
7) 目的を明確にする
簿記のモチベーション低下を防ぐ7つ目の方法としては、「目的を明確にする」ことが挙げられます。
簿記を勉強する目的が明確でない人は、定期的に「何のために簿記を勉強しているのか?勉強して意味があるのか?」と考えてしまいがちです。
一方で目的が明確な人は、勉強することに迷いがなく、勉強に対してのモチベーションが低下しにくいです。
目的を明確にする上で大切なのは、しっかりと言語化することです。
また、紙に書き出して、視覚から目的を脳に刷り込むのも、効果的な方法となります。
なぜ簿記に興味を持ったのか、一度真剣に考えてみてください。
以上より、「目的を明確にする」ことは、簿記のモチベーション低下を防ぐ方法となります。
目的のために簿記の勉強をするのが、モチベーションの観点からは理想的です。
ただ、簿記の勉強を通して、会計に対する理解を深める中で、自分の興味を探る方法も、モチベーションの維持につながります。
簿記の勉強の途中で興味のある分野を見つけたのであれば、試験勉強としては脱線する内容でも、深堀してみるのも1つの考えです。
簿記の勉強を通して、自分の興味を探ってみましょう。
3. 終わりに
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簿記のモチベーションの低下を防ぐ方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
しっかりと事前の予防策を練り実行に移せば、モチベーションの低下を防ぐことができます。
どれか1つで構いませんので、ぜひ今日から行動に移してみてください。
4. まとめ
◆予備校を利用する。
◆財務諸表を確認する。
◆勉強環境を整える。
◆毎日の勉強時間を固定する。
◆十分な睡眠をとる。
◆簿記を勉強する目的を明確にする。