TACの公認会計士講座の評判は?元受講生が語るメリット・デメリット

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公認会計士試験業界の最大手である、資格の学校TAC。

ベテラン講師陣や質の高い教材、アクセス答練など、プラスの評判を目にすることも多いかと思います。

一方で、教材が多すぎて挫折しやすい、講座価格が高額、といったマイナスの評判があるのも事実です。

そこで今回は、TACを利用して公認会計士試験に合格した筆者が、TACの評判やメリット・デメリットについて解説していきます。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・TAC公認会計士講座で合格
・前職で公認会計士講座の責任者を担当
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. TACの公認会計士講座の評判

1) 受講生の評判

まずは、TACの受講生からの評判について、いくつか見ていきましょう。

 

① 良くも悪くも答練の量が多い

TAC評判として多く見かけるのが、答練の量の多さ。

特に特徴的なのが、基礎・応用・直前答練とは別に設定されている、アクセス答練です。

アクセス答練とは、財務会計(簿記)・管理会計・租税法の計算問題が出題される答練であり、何十回分もの量があります。

アクセス答練は計算の基礎固めに非常に良い教材であり、TAC合格者の多くがすすめる教材です。

一方でその量の多さから、挫折する原因の1つとなっていることも事実です。

 

② 人気の講師陣

TACが人気な理由の1つに、講師陣の存在があります。

実際に講師陣の良い評判も多いです。

特に、財務会計論(計算)の小野先生、企業法の宮内先生、監査論の岡田先生、中里先生の評判はよく目にします。

実は私も受講生時代に、宮内先生や中里先生の講義を受講していました。

企業法や監査論は馴染みのない受講生がほとんどであり、講義についていくだけで大変ですが、両先生方の講義は的確なだけでなく非常に面白いので、最後まで飽きずに聞くことができました。

 

③ 受験仲間が多い

最大手であるということは、共に頑張る受験仲間が多いことを指します。

実際に友人・知人にならなくても、自習室やSNS上などで同じTAC生を見ると、やる気が上がってくるものです。

特にTACの場合は公認会計士講座が主力講座であり、自習室利用者も公認会計士受験生が多いため、励みになるかと思います。

 

④ デジタル教材の充実

TACはどちらかというと、通学のイメージが強いかと思います。

しかし、実はデジタル教材も充実しています。

特にアプリは場所を選ばずに利用できるため、便利なツールです。

 

2) 合格者の評判

それでは、TACの合格者からの評判は、一般的な評判と違いはあるのでしょうか?

ここでは、TACの合格体験記からいくつか抜粋しましたので、前述の評判と見比べてみてください。

 

合格に必要なノウハウが教材に凝縮されているため、何を用いて勉強すれば良いのか迷うことがなかったです。また、答練に関しては、解説講義など、受験後のアフターケアもしっかりしているため、受けっぱなしの状況に陥ることがなかったこともよかったです。
答練は時間配分の練習、また初見の問題への対応力向上に活用できました。アクセス答練は良問揃いで、計算力の向上・維持に最適でした。
どの講師も講義の内容が非常に分かりやすいと感じました。また、講義内容だけでなく、本試験での心構えや会計士となってからのこと等を実体験も踏まえてお話いただけましたので、モチベーションの維持に非常に役立ちました。

 

2. TACのメリット・デメリット

ここでは、TACで合格した私自身の経験も踏まえ、TACの公認会計士講座を利用するメリット・デメリットについて、順に解説していきます。

 

1) メリット

① スケールメリットを享受できる

TACの1つ目のメリットは、「スケールメリットを享受できる」ことです。

最大手であるTACの教材をしっかりとやり込んでおけば、「自分が解けない問題は多くの受験生も解けない」といった状態に持ち込むことができます。

つまり、予備校の予想が当たるかどうかをあまり気にする必要はなく、与えられた教材を信じてただ勉強していけばいいのです。

多数派に属するということは、難関試験において大きなメリットと言えます。

 

② 人気講師陣のわかりやすい講義

TACの2つ目のメリットは、「人気講師陣のわかりやすい講義」です。

TACの講義の質は、非常に安定しています。

特に通信講座は、ライブ講義の中から評判の良い講師を選び配信しているため、わかりやすい講義が多いです。

最大手であるがゆえに所属している講師も多く、その中から選ばれた講師の講義はやはり質が高いです。

 

③ 多様なロールモデルの存在

TACの3つ目のメリットは、「多様なロールモデルの存在」です。

TACの合格体験記に掲載されている合格者は、以下の通りその属性が多様です。

・在学中一発合格
・社会人合格
・受験専念合格
・通信生合格
・女性合格

つまりどの立場の人でも、ロールモデルとなる合格体験記を見つけやすい環境と言えます。

また、講師やスタッフも多様な属性の受講生に触れてきており、自分の属性に合わせた適切なアドバイスを貰える可能性が高いです。

 

2) デメリット

① 金銭的負担が大きい

TACの1つ目のデメリットは、「金銭的負担が大きい」ことです。

講座の質や教材の量に比例して、TACの講座価格は非常に高額となっております。

金額に見合う内容なら問題ないと思うかもしれませんが、TACは各地に校舎を多く持っており、校舎の賃料やスタッフの人件費なども、講座価格に反映されています。

通学講座を選択するのであればまだ問題ないかもしれませんが、通信講座の場合は正直なところ割高と言えます。

しかも、公認会計士試験は複数年勉強し続けることが普通であり、TACの講座を複数回受講した場合の金銭的負担は、非常に大きいです。

私も合計で100万円以上の講座代金を、TACに支払いました。

そのため「公認会計士スクールを費用と合格者数で比較!元講座運営者のおすすめは?」でお伝えしている通り、コストパフォーマンスの観点からは評価が高くないです。

 

② 教材が多く挫折しやすい

TACの2つ目のデメリットは、「教材が多く挫折しやすい」ことです。

特に前述のアクセス答練は、勉強が進めば進むほど大きな負担となっていきます。

「無視すればいいのでは?」と思うかもしれませんが、周りの人がやっていたり、あるいは講師やスタッフ、合格者から「絶対にやった方がいい!」と勧められることも多いため、なかなか無視しづらいものです。

私も受験生時代に初めの方はアクセス答練を毎回受けていたのですが、後半になるとペースについていけず、見てすらいない答練も数多くありました。

こなせない教材が増えれば増えるほどモチベーションが低下していき、さらにこなせない教材が増えるため、教材が多すぎることはデメリットと言えます。

 

3. 公認会計士講座の詳細

2024年11月TAC公認会計士講座

TACの初学者向け講座には、2026年を合格目標とする「1.5~2年本科生」、2026年と2027年を合格目標とする「フルコミット本科生」があります。

例えば、2024年11月から勉強を開始する場合、各コース(Web通信講座)の金額は以下の通りとなります。

 

合格年 コース名 金額
2026 1.5年S本科生 720,000
2026&2027 フルコミットL本科生 800,000

 

4. 終わりに

TACの公認会計士講座の評判について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

最大手であり実績もありますが、金額面や教材の多さの面で不安材料も多いです。

メリット・デメリットを考えながら、他の予備校と比較検討してみてください。

 

5. まとめ

Point! ◆アクセス答練など答練の量が多い。
◆人気講師・ベテラン講師のわかりやすい講義。
◆受験生の多数派になることができる。
◆金銭的な負担は非常に大きい。
◆教材の量が多く挫折する可能性も高い。

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