経理実務の勉強におすすめの本4選!

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経理としてキャリアアップするために知識をつけたいけど、何をしていいかわからない。。。そう思われている方も多いかと思います。

実務の中で学んでいくのが一番良いのですが、必ずしも学びたいことが学べる職場だとは限りません。

そこで今回は、経理実務の勉強におすすめの本を4つご紹介していきます。

興味を引かれた本があった場合は、ぜひ実際に読んでみてください。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. 業種別アカウンティング・シリーズ(あずさ監査法人)

建設業の会計実務〈第2版〉(業種別アカウンティング・シリーズ)/あずさ監査法人

1) 目次

*本書籍は業界ごとに複数の種類が出版されており、それぞれ目次が異なります。以下は例示として、建設業の業種別アカウンティング・シリーズの目次を載せております。

第1編 経営(建設業界を取り巻く事業環境/ディスクロージャー/経営分析・財務構造など)
第2編 会計・税務(建設業の特徴/受発注取引・内部統制上の特徴/売上・売上原価の計上基準など)
第3編 監査(監査の概要/建設業における会計監査上の留意点)

 

2) 内容

経理業務の基本となる知識はどの業界でも共通しておりますが、一方で、各業界に特有の会計処理も多数存在します。

業界特有の処理を理解することは、すなわち業界のビジネスを理解することに繋がりますので、経理部だけでなく他部署の社員からも「こいつわかってるな。」と思われる存在となることができます。

そんな自社の業界特有の会計処理について学びたい場合におすすめなのが、あずさ監査法人が執筆している業種別アカウンティング・シリーズです。

会計のプロ集団である監査法人が執筆しているだけあって、痒い所に手が届く内容となっております。

新しい業界で働き始める時には、必読の1冊となります。

★筆者の体験談
監査法人時代に金融機関の監査を担当しておりましたが、証券会社や銀行に特有の会計処理については、初めは当然のことながら知りませんでした。

そんな中で先輩に進められて読んだのが、業種別アカウンティング・シリーズの証券業版や銀行業版でした。
各業界に精通した会計士が執筆しているだけあって、基礎的な論点から応用的な論点まで、ビジネスの背景を踏まえながら、非常にわかりやすく解説されておりました。

経理としての基礎的な能力を上げることも大事ですが、業界特有の論点をしっかり押さえて、頭一つ抜けた存在になることも重要となってきます。

 

2. 3年で「経理のプロ」になる実践PDCA

3年で「経理のプロ」になる実践PDCA / 児玉尚彦

1) 目次

第1章 経理PDCAでキャリアアップする―“事務屋”で終わってはいけない
第2章 効率仕事力アップのPDCA―生産性の高い経理になる
第3章 計数管理力アップのPDCA―比率と変化で会社の状況をつかむ
第4章 財務提案力アップのPDCA―大事な数字をわかってもらう
第5章 経営貢献力アップのPDCA―数値で未来を予測する
第6章 「経理のプロ」としての成長の実現―持続的な発展のために

 

2) 内容

日々の経理業務を何となくこなして、気付いたら何も身に付かずに何年もたってしまった。。。と後悔しないためにも、3年という期限を決めて、スキルアップしたい!という方におすすめなのが「3年で「経理のプロ」になる実践PDCA」。

経理のプロになるための各ステップをPDCAの形式で解説している1冊となります。

業務効率化の取り組み方や損益分岐点分析・キャッシュフロー計算書の見方などから始まり、投資家・銀行・税務署それぞれの視点での財務諸表の見方など、より実践的な内容が盛り込まれております。

さらに、これからの経理に必要な能力として、ただ単に経理業務をこなすだけでなく、分析能力もさることながら、プレゼン能力が必要であるとして、具体的なアプローチが解説されております。

短期間で計画的にスキルアップしていきたい方におすすめの1冊です。

ちなみに、一般的に経理3年目は伸び悩む年だと言われております。

詳細については「経理3年目の伸び悩みを克服する8つの方法!」をご確認ください。

 

3. コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方

コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方 / 長谷川正人

1) 目次

習慣1 数字で共通認識を持とう
習慣2 「3つのレベル」と「5つのポイント」をおさえよう
習慣3 身近な企業で数字の感覚をつかもう
習慣4 大きな数字は分解しよう
習慣5 投資家やアナリストの目で見よう
習慣6 「個人の家計」と「企業の会計」の違いを理解しよう
習慣7 イメージだけで判断するのをやめよう
習慣8 今すぐできる会計センスの磨き方
付 録 決算書の仕組みと読み方

 

2) 内容

経理は財務諸表などの決算書を作成する業務に加えて、決算書を分析する能力も必要となってきます。

経理は決算書を作成するための細かい知識を持っているがゆえに、分析するとなると細かいところまで見てしまいがちで、本質的に大事な部分を見落としてしまいます。

そんな経理が決算書を分析するにあたり必要となるのが「会計センス」であり、会計センスを磨くためのノウハウが書かれているのが「コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方」となります。

コンサルタントである筆者が、経理などの会計の専門家ではなく、あくまで一般向けに会計センスを磨く方法を解説したものであるため、細かい知識を必要とせず、決算書分析の勘どころを学ぶことができます。

特におすすめしたいのが、最終章で解説されている、具体的な日常生活での会計センスの磨き方です。

おすすめのテレビ番組や会社四季報・IR情報の見方など、読んですぐに実践できる内容となっております。

単なる経理の一作業員ではなく、将来的に経営層に近い位置で働きたい人達におすすめの1冊となります。

★筆者から一言
決算書を分析する際は、ある程度ポイントを絞って分析することが大切です。
あまりに細かい点まで意識するときりがなく、また、そんな細かい点までは誰も興味を持ちません。
分析すること自体が目的となっている人ほど、分析が細かい傾向にあります。

あくまで経営課題を把握して、次のアクションを決めるために分析をやっているため、例えば10億円の追加投資を行うかどうかの経営判断のために、10万円の費用を含めて分析する否かといった問題は些末な問題となります。

 

4. ビジネス会計検定試験公式テキスト2級

ビジネス会計検定試験2級公式テキスト(第6版)-1
ビジネス会計検定試験(R)公式テキスト2級〈第6版〉

 

1) 目次

第1章 企業会計の意義と制度
第2章 財務諸表
第3章 貸借対照表
第4章 損益計算書
第5章 連結包括利益計算書
第6章 株主資本等変動計算書
第7章 連結キャッシュ・フロー計算書
第8章 附属明細表と注記
第9章 財務諸表分析

 

2) 内容

経理の方であれば財務諸表を「作成」するスキル、すなわち簿記のスキルはほとんどの方が持っているかと思います。

一方で、先述のように、経理には財務諸表を「分析」するスキルも必要となってきます。

先ほどの会計センスとは別に、収益性・安全性・成長性などの具体的な分析手法をもとに、財務諸表を分析するスキルを身に付けることができるのが「ビジネス会計検定」となります。

会社が抱えている経営課題を経営層に提案する攻める経理になるためにも、最低限の分析の型を身に付けておく必要があります。

ビジネス会計検定の公式テキストでは、前半で財務諸表に対する基本的な知識を勉強して、後半で分析手法について学ぶことができ、財務諸表分析の基礎を一通り学習することが可能となっております。

注意点として、実践的な知識を身に付けるためには、ビジネス会計検定は2級までの学習が必要となる点が挙げられます。

逆に言えば、1級については難易度を考えると費用対効果がそこまで高くないので、興味がある方以外は学習は不要となります。

詳細については「ビジネス会計検定は1級まで取得する必要がある??」をご参照ください。

また、独学での勉強は費用面ではおすすめですが、あくまで短期間で経理スキルをアップさせたいのであれば、通信講座などの利用がおすすめです。

こちらについては「ビジネス会計検定の対策・勉強は通信講座(予備校)がいい理由」も合わせてご確認ください。

 

5. 終わりに

経理の実務担当者におすすめの本を4つ紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

大事なのは本で学んだことを、すぐに実行に移すことです。

「勉強になった。」で満足していては、いつまでたっても経理としての力はつきません。

本記事に紹介していない本でも構いませんので、定期的に経理関連の本を読む習慣をつけて、経理としてレベルアップしていきましょう。

 

6. まとめ

Point! ◆業種別アカウンティング・シリーズ:業界特有の論点を学びたい人向け。
◆3年で「経理のプロ」になる実践PDCA:具体的な経理業務のポイントを知りたい人向け。
◆コンサルタントが毎日やっている会計センスの磨き方:会計的なセンスを身に付けたい人向け。
◆ビジネス会計検定試験公式テキスト2級:財務諸表を分析するための型を学びたい人向け。

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