フリーランスの方、あるいはフリーランスに興味のある皆様、資格の取得を検討したことはありますでしょうか?
フリーランスに資格は必要ないのでは?と思われた方もいるかと思います。
そこで今回は、フリーランスに資格が役に立つのか?について解説していきます。
フリーランスのメリット・デメリットや、フリーランスとして活躍するコツについてもお伝えしますので、ぜひご確認ください。
1. フリーランスとは?
1) フリーランスとは?
フリーランスとは、特定の企業に所属せず、プロフェッショナルとして自身のスキルを提供する働き方を言います。
派遣社員は派遣会社と契約しており派遣会社の従業員となるため、フリーランスには該当しません。
独立して個人の能力で勝負するような職種が多いですが、大工や漁師などの伝統的な職種もあります。
2) 職種例
①ライター
集客手段として現在ではWeb上での集客がメインとなってきており、SEO用の記事作成などフリーランスのライターのニーズは広がっております。
ただ、エンジニアなどと異なりライティングの技術は比較的簡単に身につくため、新規参入しやすくライバルも多いのが現状となります。
②エンジニア
ここ10年で急速にニーズが拡大したのがエンジニアです。
働く場所を選ばないので、フリーのエンジニアとして複数企業から仕事を受注して活躍している方も多数います。
AI分野の発達により今後はAIエンジニアのニーズも高まり、職種としてはさらにニーズが高まることが予想されます。
プログラミング言語は常に生まれ変わっているため、日々学び続けることが必要となります。
逆に言えば、昔からの積み上げも大事ですが今主流のプログラミング言語を一から学び始めれば、初心者でも市場価値を生み出すことが可能です。
③Webデザイナー
Web媒体の集客がメインとなるにつれ、Webのデザインが非常に重要視されており、Webデザイナーもニーズが高い職種の1つです。
ホームページのデザインやボタンの色1つが成約率に大きな違いをもたらしており、単にデザイン知識を持っているだけでなく、デザインとマーケティング双方の知識を持ち合わせたWebデザイナーが求められております。
④経営コンサルタント
中小・零細企業や士業・フリーランスに対して経営のコンサルティングを行う経営コンサルタントも人気の職種です。
経営と一言で言っても企画・マーケティング・営業・エンジニアリングなど様々な分野があるため、自身の得意分野のコンサルティングで活躍する方が多いです。
⑤ECショップオーナー
Web上でモノを販売して運営するECショップのオーナーもフリーランスの職種の1つです。
大量購入で安く仕入れて販売したり、ハンドメイド作ったものを販売したり、あるいは自身の知識やスキルを販売したりして、ECショップを運営してお金を得ます。
今は割と手軽にホームページ作成も可能ですので、比較的参入しやすい分野となります。
⑥カメラマン
昔からあるフリーランスの職種の1つにカメラマンがあります。
近年はカメラの性能やスマートフォンなどの機能の向上により、一般の人でもかなり質の高い写真を撮ることが可能となったため、カメラマンとして食べていくのはかなり難しくなっております。
撮影の技術だけでなく人脈などがないと、今後はカメラマン一筋で稼いでいくのは難しい可能性が高いです。
3) メリット
①時間配分を自分で決められる
フリーランスになる目的で一番多いのが自由な時間で働きたいというものです。
確かにフリーランスであれば働く量やタイミングを自分で決められるため、会社員と比較して柔軟に働くことができます。
自分で目的を持って計画的に働くことができる人であれば、フリーランスは非常におすすめです。
②収入に上限がない
会社員と異なり受注した仕事の報酬は全て自分に入ってくるため、働けば働くほど収入は増えます。
会社員の場合、仕事の成果に応じて報酬が決まるというよりは、働く時間に対して報酬が決定しているという側面がまだ強いです。
この点、フリーランスであれば仕事の成果で全てが判断されるので、働く時間は関係ありません。
工夫次第では会社員では稼げないような収入を目指すことも可能です。
③人間関係に悩まされない
フリーランスになる理由で意外に多いのが、職場の人間関係に疲れて組織から自由になって働きたいというものです。
退職や転職の理由で実はかなり多いのも職場の人間関係であり、フリーランスになる理由と整合しております。
フリーランスであれば自分一人で作業するため、組織のしがらみはなく、仕事の中身に集中できます。
4) デメリット
①安定しない
フリーランスは自由な反面、安定を求めるのはなかなか難しいです。
仕事をたくさん受注できた月は収入が上がる一方で、全く受注できなかった月は収入がゼロになります。
ただ、1つの会社に勤めることもリスクはあります。
今の時代その会社がいつまで続くかわからず、また、リストラに合う可能性もあります。
会社から放出されたときに自分の市場価値が試されますが、フリーランスで毎日市場の目にさらされスキルを磨き続けている人と比較すると、相当な不利な状況に立たされます。
逆に、フリーランスで複数の仕事を継続的に受注していれば、むしろ安定して働くことも可能です。
②できる仕事に限界がある
フリーランスの基本はあくまで一人であるため、できる仕事の大きさには限界があります。
組織で数十人・数百人単位で臨めばできるような大きな規模のプロジェクトを一人でこなすのは現実的ではありません。
世の中にインパクトを与えるような大きな仕事をやりたいと考えている方は、フリーランスではなく大きな組織に属するか自身で起業する道を模索するのが良いかと思います。
③実力がないと淘汰される
フリーランスは成果次第で報酬の上限なく稼げる反面、力がなければ全く稼げないリスクもあります。
企業であれば自分の力は未熟でもチーム全員の力で成果をだせばよいので、今力がなくてもこれからつけていけば問題ございません。
しかし、フリーランスの場合は今自分が持っている力がそのまま試され、誰も守ってくれないので、市場から淘汰される可能性も当然にあります。
ただ、はじめは実力をつける時期だと割り切って、報酬の良し悪しではなく成長できるか否かで仕事を受注して、少しずつ実力をつけていけば、フリーランスとしても十分にやっていけます。
2. フリーランスに資格は必要ない?
1) 一番求められるのは実力
「今何ができるか?」という実力がフリーランスにまず求められます。
フリーランスの仕事とは自身の持っているスキル・知識の切り売りとも言えるため、実力が何よりも優先されます。
それでは資格の取得はフリーランスにとって意味のないものなのでしょうか?
実はフリーランスこそ資格を取得すべきと言える理由があります。
自分の分野の実力が付く資格であれば当然に意味があるのですが、それとは別に、自分とは異なる分野こそ資格取得の意味があります。
2) 違う分野の知識を広く浅く学ぶ
フリーランスは自分の得意分野だけで食っていけるというのは、半分正解で半分誤りです。
市場に誰もいないような得意分野を自分が持っているのであれば得意分野だけで食っていけますが、基本的にそのような分野ほとんど存在しません。
そのため、自分の得意分野の知識にいくつかの異なる分野の知識を重ね合わせて、自分の市場価値を高める必要があります。
例えば、習熟度を100%で表した際に、「プログラミング」のスキルが70%だった場合、競争相手は市場に溢れるほどいます。
一方で「プログラミング」70%にプラスして、「会計」30%、「法務」30%のスキルがあった場合、「プログラミング70%×会計30%×法務30%」の3つを掛け合わせた市場のライバルはかなり少なくなり、自身の市場価値を高めることができます。
結局のところ市場価値とは市場での自身の希少性に他なりません。
それでは、フリーランスが異なる分野を広く浅く学ぶために効果的な方法はなんでしょうか?
今まで経験したことがない分野であるため、その分野でフリーランスとして簡単な仕事を受注しながら実力をつけていくということもできません。
そこでおすすめしたいのが、その分野の資格を取得することです。
資格試験は体系的に知識がまとめられており、広く浅く学ぶには非常におすすめです。
また、難易度別に級が設定されている資格もあり、必要に応じて深く学びたい場合は級を上げていくことも可能です。
3. おすすめ資格4選!
1) ビジネス会計検定【会計】
「会計」分野でおすすめしたいのが「ビジネス会計検定」です。
会計資格と聞くと簿記がまず思い浮かぶかと思いますが、簿記は財務諸表と呼ばれる会社の業績をあらわす書類を「作成」する側の人(経理など)が必要とする資格となります。
一方でフリーランスの方が会計を学ぶ際は財務諸表を「読んで分析する」力が役に立つため、ビジネス会計検定がおすすめとなります。
ビジネス会計検定の評判については「国家資格並みに評価・評判が高い?!ビジネス会計検定」もご参照ください。
短期間でビジネス会計検定に合格したいなら、会計ショップのビジネス会計検定講座がおすすめです。
頻出論点を短時間で講義するので、効率的に合格を目指すことができます。
・3級講義時間:約15分×20回
・2級講義時間:約20分×20回
・確認テスト、予想問題つき
2) ビジネス実務法務検定【法務】
「法務」分野でおすすめしたいのが「ビジネス実務法務検定」です。
フリーランスになるとわかるのですが、仕事を受注する際には契約書やNDA(秘密保持契約)といった書類を取り交わします。
何の知識もないまま、相手に言われるがままに受け入れてしまうと大きな損をする可能性が高いです。
この点においてもフリーランスにとって「法務」という分野の勉強は必要となります。
3) Progate(プロゲート)【プログラミング】
資格ではないのですが、「プログラミング」を学ぼうと思った際は「Progate(プロゲート)」がおすすめです。
オンラインのプログラミング学習サービスであるため学習場所はどこでもよく、非常に低価格にもかかわらず各プログラミング言語の基礎を実際にコードを書きながら学べるため、コストパフォーマンスが高いです。
4) 中小企業診断士【コンサルティング】
コンサルティング分野であれば「中小企業診断士」がおすすめです。
「会計」「法務」「IT」「経済」「マーケティング」などの幅広い分野を学ぶことができます。
ただし難易度が上がるため、費用対効果をしっかり考えながら取得を検討する必要があります。
4. フリーランスとして活躍するためには?
最後に資格取得以外にフリーランスとして活躍するために必要なことを5つお伝えしていきます。
1) 時間管理の徹底
フリーランスはクライアントとの信用がとても重要になってきます。
会社という信用力がない分、個人として信用を勝ち取る必要があります。
人と人との信用の土台として重要になってくるのが、時間を守ることです。
打ち合わせなどに遅刻しないなどは当たり前ですが、仕事の納期も納期通りにきっちりと終わらせて絶対に遅れないという心がけが大事です。
ただし、仕事欲しさに無理な納期の仕事は引き受ける必要はありません。
現実的に可能な納期を提案して仕事を引き受けることを継続した方が、長期的に見て信頼関係を構築することができます。
2) 人脈作り
フリーランスの場合、取引先などの人脈を一から開拓する必要があります。
ここではおすすめの方法3つご紹介します。
①SNS
Facebook・X(旧Twitter)などのSNSでフリーランスとしてメッセージを発信していくことは非常に重要です。
友達やフォロワーの数はそれだけで信用力を生み出すことができ、また、SNSから直接お客さんを集客できることもあります。
Youtubeを使用した集客も非常におすすめです。
会社員時代であれば自分の意見を発信していくことは難しかったかもしれませんが、フリーランスであれば何も気にすることなく発信できるので、フリーランスであることの強みを生かすことができます。
②ブログ
ブログでの人脈作り・集客もおすすめです。
Web上に自分が何者なのか?ということをアピールできるホームページがあることで、仕事の受注もしやすくなります。
先ほどのSNSからブログへ誘導して、ブログ内に仕事の発注フォームなどを設ければ、そこから仕事の受注に発展していきます。
SEO対策などをしっかりと行えば、Googleなどから検索してあなたのホームページに自然に来てくれるお客様も増えていきます。
③勉強会・交流会
対面での人脈作りも非常に効果的です。
勉強会や交流会などは主要都市であれば探せば定期的に開催されておりますので、参加して人脈を広げるのがおすすめです。
大事なのはただ名刺を交換するのではなく、必ず次の約束をその場で提案することです。
単に飲みに誘うのでも良いですし、具体的な仕事の提案をしてみても良いかと思います。
3) 体調管理
フリーランスは自分の体が資本です。
体調を崩してしまった場合でも、代わりに自分の仕事を引き受けてくれる人がいるわけではなく、仕事を断るか無理して続けることとなり、クライアントに迷惑をかけてしまいます。
フリーで自由だからと羽目を外すのではなく、フリーだからこそ自己管理を徹底して、食事・睡眠・運動の基本的な点から気を付けて生活する必要があります。
4) クラウドソーシングの活用
仕事の受注にはクラウドソーシングがおすすめです。
単発の依頼から継続的な案件まで様々な案件がありますので、自分の分野の依頼に目を通して、実際に仕事の提案をしてみてください。
・ランサーズ
・クラウドワークス
5) フリーランスの求人サイトの利用
フリーランスの求人サイトを使用して仕事を受注するのも1つの方法です。
ただし求人サイトに依存しすぎない注意が必要です。
多様な働き方ができるのがフリーランスの利点なので、あくまで求人サイトは1つの方法と理解しておいてください。
・プロシート(PROsheet)
・ギークスジョブ
5. 終わりに
これからの時代フリーランスとなる人達はますます増えていくと考えられますので、今のうちに頭ひとつ抜け出すために力を蓄えておく必要があります。
フリーランスとして多様な働き方をしたいと考えられている方、あるいは既にフリーランスで活躍されている皆様、資格取得も今後のキャリア形成のために検討してみてはいかがでしょうか?
6. まとめ
◆自身の得意分野70%×他の分野30%で市場価値を高める。
◆自身と異なる分野を広く浅く学ぶのに資格取得はおすすめ。