連結の範囲の決め方は?そもそも連結とは何?なぜ必要??

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ビジネス会計検定2級や簿記検定2級で連結財務諸表について学ぶ際に、「連結の範囲」つまり連結財務諸表にどの会社を含めるのか?について頭に入れる必要があります。

今回は具体的な例を用いて連結の範囲について説明していきます。

筆者の情報
・公認会計士
・監査法人➡経理に出向➡ベンチャー➡自営業

 

 

1. 連結財務諸表とは?

連結財務諸表とは?

連結財務諸表とは、複数の企業で構成される企業集団を、1つの企業であるかのようにみなして作成する財務諸表のことを言います。

ここで、連結財務諸表はなぜ必要なのでしょうか?

例えば、当期の業績が悪く、売上を何とかして増やしたい企業が、自社の子会社に100億円のものを期末に売って売上を伸ばした場合を考えてみてください。

親会社単体の財務諸表で考えた場合は確かに売上は計上されるのですが、この売上はかなり恣意的に作られたものであり、企業集団全体を評価する際には単なる内部取引なので、本来は売上に計上すべきではないと考えられます。

そのため、このような内部取引が消去されて作成された連結財務諸表が必要となります。

 

2. 連結財務諸表の範囲(子会社)

連結財務諸表の範囲(子会社)

1) 支配とは?

他の会社を支配している会社を「親会社」、親会社に支配されている会社を「子会社」といいます。

連結において重要となってくるのは、連結の範囲、つまり、どのような場合に連結財務諸表に含めるのかといった点となります。

そして、連結の範囲を決める上で重要となってくるのが、「支配」という言葉の中身となります。

「支配」のポイントは次の2点となります。

・当該企業の意思決定機関を支配している。
・形式的だけでなく、実質的に支配している。

 

2) 判定基準

上記2点を加味した実際の判定基準 をみていきましょう。

まず、議決権の50%超(過半数)を自己の計算において所有している場合、当該会社を「支配」していることとなり、子会社となります。

「自己の計算において」とは、自身の名義でと置き換えていただいて問題ございません。

他方で、議決権の40%~50%を自己の計算において所有している場合は、それに加えて、その会社の意思決定機関を支配している等の「一定の事実」がある場合は子会社に該当します。

一定の事実とは、以下の①から④までとなります。

①議決権を行使しない株主の存在により、株主総会において議決権の過半数を継続的に占めることができると認められた場合。
②役員、関連会社などの協力的な株主の存在により、株主総会において議決権の過半数を継続的に占めることができると認められた場合。
③役員もしくは従業員である者、または過去に役員もしくは従業員であった者が、取締役会の構成員の過半数を継続して占めている場合。
④重要な財務および営業の方針決定を支配する契約などが存在する場合。

3) 具体例

連結の範囲具体例

具体例として上図の内容を説明していきます。

まずは一番簡単なE社ですが、議決権の70%を所有しており過半数を所有しているため子会社に該当します。

そして、E社が60%を保有しているF社も子会社に該当します。

厳密には孫会社に該当します。

次にA社を見てください。

議決権の42%を所有しており、これだけでは子会社に該当しないように思えますが、議決権を行使しない株主が25%いるため、実質的な所有割合は42%÷(100%-25%)で56%となり議決権の過半数を超えておりますので子会社に該当します。

「一定の事実」のうち①に該当します。

次にB社ですが、議決権の43%を所有しており、かつ、協力的な株主が議決権の15%を所有しているため、実質的には議決権の58%を所有しており過半数を超えておりますので子会社に該当します。

「一定の事実」のうち②に該当します。

次にC社ですが、議決権の41%を所有しており、かつ、取締役の過半数を派遣しており意思決定機関を実質的に支配しておりますので子会社に該当します。

「一定の事実」のうち③に該当します。

次にD社についてですが、42%超かつ支配する契約が存在しており、「一定の事実」のうち④に該当するため、子会社に該当します。

次にG社については、親会社と子会社C社のG社に対する議決権を合わせると55%となり過半数を超えているため子会社に該当します。

最後にH社J社については議決権の割合が35%であり40%を超えていないため、子会社に該当しません。

 

4) 非連結子会社

ただし、子会社に該当しても、次のような会社は連結の範囲に含まれません。

・支配が一時的であると認められる場合(連結の範囲に含めない。)
・利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれがある場合(連結の範囲に含めない。)
・重要性の乏しい会社の場合(連結の範囲に含めないことが「できる」。)

言葉の定義ですが、子会社のうち連結の範囲に含まれるものを「連結子会社」、子会社のうち連結の範囲に含まれないものを「非連結子会社」と言います。

 

3. 関連会社

関連会社

次に、関連会社について見ていきましょう。

関連会社の判定につきましては、議決権の比率が違うだけで、基本的な内容は子会社の判定と同様となります。

まず、議決権の20%以上を自己の計算において所有している場合、当該会社は関連会社となります。

また、議決権の20%未満である場合でも、一定の議決権(実務上は15%以上)を所有しており、それに加えて、その会社の意思決定機関を支配している等の一定の事実がある場合は関連会社に該当します。

一定の事実の内容は子会社の場合と同様と考えていただければと思います。

 

4. 終わりに

いかがでしたでしょうか?

連結の範囲は一度覚えてしまえばそこまで難しい論点ではないかと思います。

ビジネス会計検定や簿記検定で確実に得点できるように復習しておいてください。

 

5. まとめ

Point!

◆50%超 →「連結子会社」
◆40%~50% → 一定の事実がある場合「連結子会社」
◆20%~40% → 「関連会社」
◆15%~20% → 一定の事実がある場合「関連会社」

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