自営業に向いてる人・向いてない人の特徴とは?

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「会社員より自営業に向いてるかもね。」

周りの人からこのように言われたことはないでしょうか?

あるいは、会社員より自営業の方が向いてる、と自覚している人もいるかもしれません。

かく言う私も、会社員時代に「もしかしたら自営業の方が向いてるかも。」とよく考えたものでした。

ただ、あなたや周りの人は何を持って、自営業に向いてると判断しているのでしょうか?

もしかしたら、思い込みで判断しているかもしれません。

そこで今回は、実際に自営業として働く筆者が自身の経験も踏まえ、自営業に向いてる人・向いてない人の特徴について、お伝えしていきます。

勝手な思い込みではなく、今回お伝えする内容をもとに、ご自身が自営業に向いてるか・向いてないのか判断してみてください。

【筆者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・大手監査法人→経理部に出向
 →教育×ITベンチャー→自営業

 

 

1. 自営業に向いてる人の特徴

自営業に向いてる人の特徴

1) 行動力がある

自営業に向いている人の1つ目の特徴としては、「行動力がある」ことが挙げられます。

そもそも行動力とは、読んで字のごとく、行動する力のことを指します。

「自分は行動力がない」という人がいますが、朝起きてから夜寝るまで、どんな人でも多くの決断をして行動していますので、その意味で行動力のない人はいません。

そのため、世間一般で言われる行動力とは、自分がやりたくないこと・気が進まないことに対しても、行動できる力のことを意図していると考えられます。

自営業で成功するためには、好きなことだけをやっていればいい、と考える人もいます。

しかし実際は、好きでない分野・得意でない分野についても行動し続けないと、自営業としての成功が遠のいていきます。

好きなこと・得意なことをやりた場合は、それと同じくらい嫌いなこと・苦手なことにも取り組まなければなりません。

例えば、営業が得意だからといって、営業ばかりでマーケティングへの取り組みを怠ると、長期的に稼ぐことが難しくなります。

反対に、マーケティングが得意だからといって、マーケティングばかりで営業への取り組みを怠ると、短期的に稼ぐことができずキャッシュが底をつくかもしれません。

事業が拡大していけば、不得意な作業は外注するなどした方が良いですが、自営業になりたての頃は、全てを自分でやる必要があり、行動力が求められます。

ここで、行動力がを上げるためのコツとしては、「完璧主義を目指さない」「感情的ではなく理性的に考える」ことが挙げられます。

 

① 完璧主義を目指さない

完璧主義の人は、完璧な計画を立ててから行動しようとするため、行動が非常に遅くなりがちです。

経験したことがない分野や苦手な分野について、事前に立てられる計画などたかが知れています。

実際に行動して経験した方が、多くのことを学べますので、50%程度の計画でも、完璧主義を目指さずとりあえず行動してみるのがおすすめです。

 

② 理性的に考える

困難なことを避けて行動できないのは、理性よりも感情の方が優位になっているからかもしれません。

感情的に物事を考える人は、理性的に考えれば頑張れば得するとわかっている事でも、感情的に不快だと判断して避けてしまいます。

そんな時は、以下を実践してみてください。

・愚痴をはくグループから抜ける。
・数値化して感情の入る余地をなくす。
・睡眠不足を解消する。

 

以上より、「行動力がある」ことは、自営業に向いている人の特徴と言えます。

★数値化するクセをつけるには?
物事を数値化して考えることで、理性的な判断ができるようになり、行動力が上がります。
自営業の場合は特に、自分の事業のあらゆる数値を把握しておく必要があります。

この事業を数値で把握するスキルを身に付けるには、体系的に学ぶべき知識がまとまった、資格試験を勉強してみるのがおすすめです。
自営業におすすめの資格については、「自営業に役立つ資格とは?ビジネス会計検定・簿記・FP」をご参照ください。

 

2) プラス思考

自営業に向いている人の2つ目の特徴としては、「プラス思考」が挙げられます。

自営業は軌道に乗るまで、多くの挫折を経験する可能性が高いです。

一つ一つの挫折を経験するたびにへこんでいては、体がいくつあっても足りません。

そのため、自営業としてやっていくためには、最低限のプラス思考が求められます。

プラス思考の人は、打たれ強く、立ち直りも早いため、挫折が多い自営業に向いています。

例えば、残り少ない預金残高を見て、「もうダメだ。。」と考えるのか、「残高がマイナスでないだけまだましだ。まだ頑張れる!」と考えるのかで、今後の行動に違いがでてきます。

どのように考えようが、預金残高が少ないという事実は変わりません。

であれば、少しでもプラスに考えて、次のアクションにつなげた方が、事業がうまくいく可能性を高めることができます。

ここではプラス思考になるコツを、順に3つ紹介していきます。

 

① 毎日寝る前に感謝日記を書く

毎日1日の終わりに、どんな些細なことでもいいので、感謝したことを日記に書いてください。

「丁寧に対応してくれたコンビニの店員さん、ありがとう!」

「今日も元気な挨拶をくれた近所の○○さん、ありがとう!」

この程度の内容でかまいません。

他人への感謝がプラスの感情を生み、感謝日記を継続することで、プラス思考に近づくことができます。

 

② プラス思考の人と話す

プラス思考の人と定期的に会話するのもおすすめです。

人は所属する集団の影響を、非常に強く受けます。

マイナス思考の集団に属してしまうと、自分もマイナス思考になってしまいやすいです。

反対に、プラス思考の集団に属すことで、自分もプラス思考になりやすくなります。

リアルな友人・知人でプラス思考の人を探すのが難しければ、SNSなどで探すのも1つの方法です。

X(旧Twitter)などでプラス思考な発信をしている人は多く、日々のその人達の思考に触れるだけでも効果的なので、ぜひ試してみてください。

 

③ プラスの面に目を向ける

どんなにマイナスな出来事でも、プラスの面は必ずあります。

マイナス面に目を向けて具体的な改善策を考えることも大切ですが、それと同じくらい物事のプラスの面を見てモチベーションを保つことは大切です。

1つでいいので、必ず物事のプラスの面を見つけるくせを付けてみてください。

 

以上より、「プラス思考」は、自営業に向いている人の特徴と言えます。

 

3) 勝負できる一芸がある

自営業に向いている人の3つ目の特徴としては、「勝負できる一芸がある」ことが挙げられます。

自営業になる理由は人それぞれですが、自分の得意分野で事業を展開していく人が多いです。

もちろん、市場や競合の状況を見誤ると、得意な分野だからといって、必ずうまくいくわけではありません。

ただ、不得意な分野で勝負するよりは、はるかに成功確率が高いのも事実です。

つまり、勝負できる一芸がある人は、自営業としてやっていける可能性が高いと言えます。

この一芸というのは、尖っていれば尖っているほど、始めはうまくいきやすいです。

「営業が得意」な人よりは、「法人営業が得意」な人の方が、顧客の心にピンポイントで刺さりやすいです。

さらに、「法人営業が得意」な人よりも、「中国製品の法人営業が得意」な人の方が、うまくいく可能性が高いです。

あるいは、「マーケティングが得意」な人よりも、「Webマーケティングが得意」な人の方、もっと言うと、Webマーケティングの中でも「SEOが得意」な人の方が、顧客のニーズに刺さりやすいです。

(ちなみに、「始めは」うまくいきやすいと先ほどお伝えしたのは、尖った一芸だけでずっと勝負していくことは難しく、中・長期的には自分の芸の幅を広げる必要があるためです。)

尖った一芸を持っており自信がある人は、自営業を目指してみるのもおもしろいかもしれません。

以上より、「勝負できる一芸がある」ことは、自営業に向いている人の特徴と言えます。

 

4) 明確にやりたいことがある

自営業に向いている人の4つ目の特徴としては、「明確にやりたいことがある」ことが挙げられます。

得意・不得意や、市場・競合の状況に関係なく、「これをやり遂げたい!」といった、明確にやりたいことがある人は、その分野で自営業としてやっていくことをおすすめします。

やり遂げたいことを見つけられるというのは、実はすごく稀なことであり、そのようなことに出会えたのであれば、それはとても幸せなことです。

自営業としてある程度活動していると、必ずと言っていいほど「なんでこの事業をやっているんだっけ?このまま続けて意味があるのだろうか。。」と考えることがあります。

ただ、明確にやりたいことがある人は、このように悩むことがなく、自分の目標に向かって突っ走ることができます。

キレイごとでも何でもなく、高い志を持って事業をやり続ける人の方が、自営業として成功する可能性は高いです。

(もちろん成功するためにはその他の要素も必要となります。詳細については、「自営業で成功する人・失敗する人の特徴とは?」をご確認ください。)

以上より、「明確にやりたいことがある」ことは、自営業に向いている人の特徴と言えます。

 

5) 組織で働くのに抵抗がある

自営業に向いている人の5つ目の特徴としては、「組織で働くのに抵抗がある」ことが挙げられます。

自営業は自分の裁量で、全ての意思決定を行うことができます。

一方で、組織に属していると多くの制約があるため、組織という環境に抵抗を感じて、自営業という道を選択する人も多いです。

例えば、以下の項目のうち、ご自身に当てはまるものが多い人は、自営業の方が向いているかもしれません。

・非効率な業務に耐えられない。
・ルールに従うのが苦手。
・社内政治がめんどくさい。
・人間関係に配慮するのがめんどくさい。
・通勤が苦手。
・同じ場所でずっと仕事をするのが苦痛。
・組織よりも個人の方が成果を出しやすい。
・組織に対する帰属意識を持てない。
・他人に指図されるのが苦痛。

ただ、組織で働くことで得られるメリットもありますので、冷静な判断が必要となります。

組織で働くメリットとしては、例えば以下のようなことが考えられます。

・一人では到底できない規模の仕事を経験できる。
・収入が安定する。
・福利厚生が充実している。
・社会的な立場が自営業よりも高い。
・同僚と切磋琢磨しながら成長できる。
・研修、教育環境が充実している。
・転職しやすい。

以上より、「組織で働くのに抵抗がある」ことは、自営業に向いている人の特徴と言えます。

(自営業のメリット・デメリットについては、「自営業のメリット・デメリットとは?現役自営業者がお伝えします!」も合わせてご確認ください。)

 

6) リフレッシュするのが得意

自営業に向いている人の6つ目の特徴としては、「リフレッシュするのが得意」なことが挙げられます。

自営業は自由に自分の働く時間をコントロールできますが、自由に決められるがゆえに、働きすぎてしまうことも多々あります。

自営業は自分の体が最大の資本です。

にもかかわらず、ついつい働きすぎてしまって肉体的・精神的に不調になり、取り返しのつかないことになってしまうこともあります。

自営業としてうまくやっている人達は、昼夜問わず働き続けているというよりは、適度にリフレッシュするのがうまい人達です。

人によってリフレッシュの方法は異なりますが、例えば以下のような方法が考えられます。

・散歩する。
・運動する。
・旅行に行く。
・自然に触れる。
・おいしいものを食べる。
・温泉に行く。
・睡眠をしっかりとる。
・マッサージに行く。
・子供と遊ぶ。

一見どれも仕事とは無関係であり、無駄な時間を過ごしてしまうと思われるかもしれません。

しかし、リフレッシュして体調を整え、長期的に働き続けられるようにすることが、結果的に自営業としての成功に結び付いていきます。

また、仕事とは関係のないことでリフレッシュしている時こそ、よいアイデアが浮かんできたりするものです。

以上より、「リフレッシュするのが得意」なことは、自営業に向いている人の特徴と言えます。

 

7) 自責思考

自営業に向いている人の7つ目の特徴としては、「自責思考」が挙げられます。

自責思考とは、物事がうまくいかない時に、その原因を自分に求める考えのことを指します。

会社員の場合は何かうまくいかないことがあると、「会社が」「社長が」「上司が」と他人に原因を求めてしまいがちです。

一方で自営業の場合、すべての行動は「自分が」決めたことであり、その結果がどんなものであろうと、原因は自分にあります。

他人に原因を求めてしまう他責思考が染みついてしまっている人にとっては、自分に原因があることを認めて、自分の行動を改善していく必要がある自営業は、つらい環境となります。

ただ、自責思考を読んで字のごとく解釈して、自分を責めることだと思い込むのは危険であり、避けなければなりません。

あくまで次への改善につなげるために、自分の過去の行動をしっかりと分析することが大切であり、必要以上に自分を責めて、肉体的・精神的に無理を強いるのは問題があります。

また、本当に自分ではどうしようもないことも多々ありますので、「頑張れば自分でどうにかできる範囲のことについて、自分に原因を求めて改善活動に励む。」といった、適度な自責思考が自営業には大事となります。

では、自責思考になるためには、具体的に何が必要なのでしょうか?

1つの方法として、うまくいかない状況に直面した時に、「自分は何を変えることができるのか?」と自問自答することが考えられます。

他責思考の人は、自分ではどうしようもないことばかりに目を向けるので、それを誰かにせいにしたくなってしまいます。

そうならないためにも、常に自分の力で変えられることに目を向ける習慣をつけることで、自責思考を身に付けることができます。

以上より、「自責思考」は、自営業に向いている人の特徴と言えます。

 

8) 顔や名前を出すのに抵抗がない

自営業に向いている人の8つ目の特徴としては、「顔や名前を出すのに抵抗がない」ことが挙げられます。

実際に顔や名前を出すかどうかは別としても、顔や名前を出す覚悟が自営業には必要となります。

周りの人にばれたくないからという理由で、匿名で自営業としてやっていくことも当然可能です。

ただ、SNSなどで集客活動を行う際に、匿名で顔も見えない相手よりは、名前や顔が見える相手の方が、早期から信頼を獲得できる可能性が高いです。

もちろん、匿名かつ顔出しなしでも、継続的に良質な内容を発信し続ければ、いずれは信頼を獲得することは可能となりますが、だいぶ時間がかかることが予想されます。

資金的・精神的に余裕があり、早期に結果を出す必要がない人にとっては問題ないかもしれませんが、多くの自営業者にとっては、短期的な結果も非常に大切です。

また、短期的に結果が出ないと、「本当に続けても大丈夫なのだろうか。。」と自分自身が不安になり、周りからも「本当に大丈夫?」と心配されて、精神的に追い込まれていくかもしれません。

さらに、名前や顔を公開することで、自分自身をブランディングすることができ、仮に今やっている事業がうまくいかなかったとしても、自分という商品を軸に、新たなビジネスを展開できる可能性があります。

そのため、名前や顔を公開することを選択肢の一つとして考えられることは、自営業としてやっていく上で大切なこととなります。

以上より、「顔や名前を出すのに抵抗がない」ことは、自営業に向いている人の特徴と言えます。

 

9) 運がいい

自営業に向いている人の9つ目の特徴としては、「運がいい」ことが挙げられます。

ここで意図しているのは、実際に運がいいかどうかは別として、「自分は運がいい」と思いこんでいる人は、自営業に向いているということです。

自営業は会社員と比べて、困難な場面に遭遇する可能性が高いです。

しかし、自分のことを運がいいと思っている人は、どんな困難なことに出会っても、常にいい面に目を向けて、「運が良かったな。」と思いこむことができます。

また、運がいいと普段から思うことで、自然と運が良さそうな行動をとることとなり、結果としてさらに運がよくなる可能性があります。

運が良くなる行動とは、例えば以下のようなものがあります。

・過去の出来事に執着しない。
・全ての人に好かれようとしない。
・自分の周りにいる人を自分で選んでいる。

運も実力のうちと言うように、運を引き寄せるための行動をしっかりととり、運が良くなる可能性を1%でも上げられるように努力することは、自営業にとって大切なこととなります。

以上より、「運がいい」ことは、自営業に向いている人の特徴と言えます。

 

2. 自営業に向いてない人の特徴

自営業に向いてない人の特徴

それでは反対に、自営業に向いていない人とは、どんな人なのでしょうか?

これは、先ほどの自営業に向いている人の特徴の、正反対となります。

具体的には、以下の特徴が考えられます。

・計画重視で行動が遅い。
・マイナス思考。
・自分の得意分野が特にない。
・やりたいことがあるわけではない。
・個人よりも組織で働く方が好き。
・息抜きするのが下手。
・他責思考。
・実名、顔写真の公開に抵抗がある。
・自分は運が悪いと思っている。

 

3. 終わりに

自営業に向いてる人・向いてない人の特徴について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

周りからの根拠のない、向いてる・向いてないといった言葉に惑わされず、ご自身で自営業に向いているかいないかを、冷静に判断する必要があります。

一つ一つの特徴と自分の性格を照らし合わせて、向き・不向きを判断しましょう。

 

4. まとめ

Point! ◆行動力がある。
◆プラス思考。
◆得意分野ある。
◆成し遂げたいことがある。
◆組織で動くのが苦手。
◆息抜き上手。
◆自責思考。
◆名前や顔の公開に抵抗がない。
◆自分は運がいいと思っている。

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