ファイナンシャル・プランナーとは?簡単に説明するとどんな資格?

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ファイナンシャルプランナーは、数ある資格の中でも非常に人気が高いです。

しかし、ご存知な方もいらっしゃると思いますが、巷では、「ファイナンシャルプランナー(FP)なんて意味がない、使えない」という意見もあり、議論がわかれています。

ファイナンシャルプランナーに関わらず、資格を取得するにはある程度の時間やお金がかかり、それなりの努力を要します。

そのため、本当にFPを受けるべきなのかどうか、判断に迷ってしまうのは自然なことです。

そこで今回は、FPとはどういったものなのか、またFP資格の取得をおすすめする方はどういった方なのか、について詳しく解説していきます。

【監修者の情報】
・公認会計士のマツタロウ
・FP3級&2級合格
・前職でFP講座の運営責任者を担当

 

 

1. FPとは?簡単に説明すると..

ファイナンシャル・プランナーとは?簡単に説明するとどんな資格?

1) FPの概要

① FPとは

ファイナンシャルプランナーは、通称FPとも呼ばれています。

資格の名前については、多くの人が耳にしたことがあるかと思います。

ですがほとんどの人が、「ファイナンシャルというくらいだから、お金のことを勉強する資格なのだろう…」という、なんとなくざっくりしたイメージでとまっているのではないでしょうか?

FPとは一言であらわすと、「お金」に関する様々な分野の専門家です。

一言で「お金」と言っても、お金の「かたち」は様々です。

財布の中のお金、銀行の預金口座の中のお金、株式などの投資で運用されているお金、税金、融資を受ける借入金など。

このように、かたちを変えて市場で出回っているお金の「仕組み」を勉強する資格がFPです。

 

② 分野(出題範囲)

FPはお金に関するあらゆる分野の専門家だとお伝えしましたが、具体的な分野は以下の6つの分野となります。

1. ライフプランニングと資金計画
2. 金融資産運用
3. タックスプランニング
4. リスク管理
5. 不動産
6. 相続・事業承継

また、国家資格、民間資格ともに学科試験と実技試験があります。

 

2) 国家資格と民間資格がある

FPはファイナンシャルプランナーの関連資格や資格保有者の総称です。

つまり資格名を表していることもあれば、職業を表していることもあるということです。

FPの関連資格には、国家資格と民間資格があります。

 

① 国家資格

スタンダードなのは、国家資格のほうです。

国家資格におけるFPは、正式にはFP技能検定と表記されます。

FP技能検定には1級と2級と3級があり、数字が大きいほど難易度は易しくなっています。

このFP技能検定に合格することで、FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士の資格を取得することができます。

FP技能検定が国家資格である理由は、厚生労働大臣の指定を受けた試験実施機関が行う国家検定であるからです。

またFP技能検定は、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2つの実施機関により、それぞれ行われます。

どちらの機関で資格取得した場合も、国家資格であることに変わりはありません。

 

② 民間資格

一方で、民間資格であってもファイナンシャルプランナーとして、依頼者の相談内容に応じて的確なアドバイスを提供することが可能です。

民間検定にはAFPCFPがあり、AFPはFP2級と、CFPはFP1級と同等の難易度です。

FP3級は入門者レベルの位置づけです。

AFP、 CFPいずれの試験も、日本FP協会が実施しています。 

 

③ 両資格の違い

国家資格と聞くと民間資格と比べて上位であり、取得する価値が大きいと考えられがちですが、FP資格に関してはそうではありません。

国家資格と民間資格のどちらも学ぶ分野に違いはなく、資格取得に関しては金融に関する専門的な知識の習得が必要であること、実務においては相応の技能が求められることに変わりはありません。

それでは両者の違いは何なのか?というと、それは「更新の有無」です。

民間資格のほうには、2年間の有効期限があります。

2年間の継続教育期間中に、AFPは15単位以上、CFPは30単位以上を取得することで、資格を更新することが可能です。

また、年会費約12,000円(課税対象外、一般会員の場合)がかかります。

世の中は常に変化するものなので、時の経過とともに税法などの法改正が行われます。

更新の度に単位取得をして新たに学びなおすことで、常に新しい知識にアップデートできるところが、民間資格ならではの特徴です。

ちなみに履歴書に記載する際、国家資格のほうは「〇級ファイナンシャル・プランニング技能士」と記載するのが正式表記です。

民間資格のほうは、AFPはアフィリエイテッドファイナンシャルプランナー、CFPはサーティファイドファイナンシャルプランナー」が正式名称です。

 

④ FP2級とAFP

FP2級の受検資格のなかには、「AFP認定研修の受講」があります。

この研修を受検することで、本来は3級資格取得や実務経験がないとFP2級を受検できないところ、受検することができるようになります。

反対に、FP2級に合格していれば、AFPも取得しやすくなります。

お互いに関連性が高いので、FP2級とAFPは同時取得を狙えます。

 

(各種FP資格の違いについては、「ファイナンシャルプランナーの違いとは?FP技能士・AFP・CFP」も合わせてご確認ください。)

 

3) 試験の合格難易度

FP技能検定の合格率は、FP3級が約70%FP2級が約30%です。

例えば直近の日本FP協会の合格率は、以下の通りとなります。

【2024年1月実施】
3級:72%(=学科83%×実技87%)
2級:24%(=学科39%×実技61%)
【2023年9月実施】
3級:58%(=学科75%×実技78%)
2級:28%(=学科54%×実技52%)

日本FP協会と金融財政事情研究会どちらで受検しても、学科試験では同一の問題が出題されます。

一方で、実技試験は異なる問題が出題されるため、実技試験の合格率の差には注意が必要です。

特段の事情がなければ、合格率の高いFP協会で受検するのがおすすめと言えます。

(FP3級の難易度については、「ファイナンシャルプランナー3級の難易度は?簿記3級より難しい?」をご参照ください。)

 

2. こんな人におすすめ!

FPはこんな人におすすめ

1) 金融業界に勤めている人

すでに金融業界でお勤めの人や、金融業界の内定が決まった人に、FP資格はおすすめです。

特に金融業界のなかでも、保険会社の営業や保険の代理店販売、銀行や証券会社の窓口勤務などで、直接お客様と接する機会があるポジションの人におすすめです。

なぜかと言うと、FP資格を保有しているほうが、お客様から信頼されるからです。

対応するお客様の特性によっては実感する機会が少ないかもしれませんが、例えば慎重でしっかり考えて契約をされるようなお客様層からは、FPをもっていることで格段に信頼を得ることがあります。

ちなみに金融業界の人が会社から言われて FP を受検する場合は、日本FP協会ではなく金融財政事情研究の方を指定されることの方が多いようです。

もちろん日本FP協会の方を指定される場合もあります。

なお、指定される場合の受検級は、2級であることがほとんどです。

FP技能士2級取得後は、民間資格のAFP取得まで求められる可能性もあります。

 

2) お金で損をしたくない人

FPは、教養として大変質の高い資格です。

私たちの義務教育では、お金の授業というものが全くありません。

人生においてとても大事なお金について、学ぶ機会が用意されていないのです。

この点FPは、一般人の自己啓発資格として、とても魅力的です。

具体例については後述します。

 

3) ダブルライセンスを目指している人

FPは他の資格との親和性が高い資格であるため、ダブル・トリプルライセンスもおすすめです。

FP単独だとそこまで効力がなかったとしても、他の資格との掛け合わせにより他者との差別化をはかることができ、市場価値が高まったり活躍の場を広げたりすることができます。

FPにはここで挙げているように魅力的なメリットがあるため、既に中小企業診断士、社労士、宅建士、税理士や簿記などの資格を持っている人が、FPを取得することも有効的な手段と言えます。

もちろん逆の順番も然りです。

要は、掛け合わせが重要なのです。

 

4) 副業をしている人

某有名大企業の方が「これからの時代はうちでも終身雇用は難しい」といった趣旨の発言をしたことなどをきっかけに、副業への世の中の関心が一層高まりました。

また感染症拡大の影響で、この流れはさらに加速しています。

こういう事情で最近注目を集めているこの副業でも、FP資格を活かすことができます。

具体例については後述します。

 

3. 何級まで取得した方がいい?

FPは何級まで取得した方がいい?

FP を受検するとして、何級の取得を目指すかですが、2級までの取得が断然おすすめです。

2級まで取得することで、前述した4つのメリット全ての恩恵を受けられるからです。

むしろ3級だけだと、2つ目に挙げた一般人としての教養が得られるということしかあてはまりません。

履歴書に記載されていて目を引くのも、2級以上からです。

そもそも国家資格の中でも、FP2級は難易度が易しい国家資格です。

そう考えても更に難易度の易しい3級を受検するくらいであれば、難易度が易しく他の国家資格と比較して取得しやすい2級を目指した方が、今後の可能性が広がります。

もちろん、3級を否定しているわけではありません。

3級でも充分にお金の教養を身につけることができるので、3級受検の価値は非常に高いです。

★FPのおすすめ通信講座
FP講座の元運営責任者が、以下の7つの通信講座を比較して、おすすめ4つのメリット・デメリットや、講座の特徴について解説してみました。

・TAC
・大原
・LEC
・ユーキャン
・フォーサイト
・アーティス
・ECC

詳細は「FPの通信講座おすすめ4選:FP講座の元運営責任者が解説します!」をご確認ください。

 

4. FP資格が意味ないと言われる理由

FP資格が意味ないと言われる理由

最初にもお伝えしましたが、FPは意味がない、使えないといった声も多いです。

そのように言われる由縁について、1番はFPが「業務独占資格」ではないことが挙げられるでしょう。

業務独占資格とは国家資格の分類の一つで、その資格を有する者でなければ携わることを禁じられている、業務を独占的に行うことができる資格のことを言います。

資格を所有していない人が業務を行った場合は、法律違反になります。 

業務独占資格の具体例としては、社会保険労使士、電気工事士、行政書士があります。

他にも税務相談は税理士の独占資格であり、会計監査は公認会計士の独占業務となります。

他人同士の争いごとの仲介をし、法律でもって決着をつけることができる弁護士も、独占資格となります。

業務独占資格ではないということは、誰でもファイナンシャルプランナーを名乗り、顧客の相談を受けることができるということです。

FP取得をおすすめする人のなかに、金融業界志望の人と書いていない理由はここにあります。

実際問題、FPをもっていることが内定の決定打になるわけではありません。

転職の場合は、よりシビアです。

また、FPをもっているだけで社内で昇進していくことができたり、直接的に収入が上がったりするわけではありません。

 

5. 日常生活でのFP知識の活用例

日常生活でのFP知識の活用例

それでは最後に、日常生活でFPの知識が活用される例について、簡単にみていきましょう。

 

1) 身近なお金の問題に対応できる

① 退職後の手続き

退職をした経験がある人はわかると思いますが、転職などで一度会社を退職した場合、保険の切り替え等諸々の手続きが必要になる場合があります。

会社員として働いていると、医療保険も年金保険も自分が気にしていない間に、会社が管理してくれています。

ですがその会社を退職すると、健康保険を国民健康保険へ、年金保険を厚生年金保険から国民年金へ変更する手続きが必要になることがあります。

社会保険制度のことをわかっていたら仕組みがすぐに理解できるので、理解した上で迅速に対応することができます。

また、退職後に失業保険を受給できるかどうかについても、理解することができます。

一度FPの勉強をして参考書を捨てずにとっておけば、見返したいときにすぐ見返すことで、仕組みを思い出すことができます。

 

② その他

他にも、相続することになったときの相続税対策、贈与をするまたはされる場合の贈与税対策、老齢年金を少しでも多くもらうための返済・受給制度の知識など、例を挙げればきりがありません。

 

2) 副業で効率よく収入が得られる

例えば人気の副業のひとつに、「Webライター」があります。

名前の通り文章を書くことで収入を得るのですが、その際にFP資格をもっておけば「金融ジャンルライター」として活躍するきっかけになります。

ジャンルを自分の得意分野に絞ることで、効率よく仕事を受注したり、専門性を活かして執筆したりすることができます。

 

6. 終わりに

ここまでFPについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

FPは教養としても最高の資格なので、ぜひ多くの人におすすめしたい資格です。

FPは過去問にたくさんあたるなど、適切な対策で努力すれば必ず合格できる資格です。

直接的に収入アップにつながらないにしても、それを超えるメリットがあることは間違いありません。

お金をすぐに増やすことはできませんが、長い一生の間でお金で損をする可能性を大幅に下げることができます。

よってお金持ちの第一歩にもなります。

迷う場合はぜひ受検して、知識をもってお金を味方につけていきましょう。

 

7. まとめ

Point! ◆FPとは身の回りのお金の専門家
◆FPには国家資格と民間資格がある
◆難易度は3級70%前後、2級30%前後
◆FP受検をおすすめする人
・金融業界に勤めている人
・お金で損をしたくない人
・ダブルライセンスを目指している人
・副業をしている人
◆受検は最低限2級までがおすすめ
◆日常生活でFP資格が活用される例
・退職後の手続き
・副業

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