自営業に興味のある人、あるいは自営業としての活動を開始した人にお伝えしたいのは、自営業は大変だということです。
私自身も自営業として活動しているので、日々大変さを身をもって感じています。
ただ、事前にどんな点が大変なのか把握しておくことで、「これは自営業あるあるなんだな。」と心の準備ができ、大変さを和らげることができます。
そこで今回は、自営業の大変あるあるを6つお伝えいたします。
後半では、大変さを乗り切るための方法についても紹介しておりますので、ぜひご一読ください。
1. 自営業の大変あるある6選
1) 全ての責任を自分で負う
2) 私用との境界線が曖昧
3) 社会的信用力が低い
4) 収入が安定しない
5) 孤独
6) 体調管理が大変
2. 大変さを乗り切るためには?
1) 相談相手をつくる
2) 休みの日をつくる
3) 安定収入をつくる
4) 体調管理を徹底する
3. 終わりに
4. まとめ
1. 自営業の大変あるある6選
1) 全ての責任を自分で負う
1つ目の自営業の大変あるあるとしては、「全ての責任を自分で負う」ことが挙げられます。
会社員であれば、自分がミスをしても、全ての責任を自分が負うことはありません。
例えば、取引先とのミスコミュニケーションが発生して、取引先を怒らせてしまった場合でも、自分一人が責任を負うというよりは、上司や会社全体の責任となります。
一方で自営業の場合は、全ての行動の責任を自分で負うことになります。
どんな言い訳をしようが、責任が自分にあることに変わりはありません。
先の例のように取引先を怒らせてしまった場合、自分自身が誤りに行き、必要な責任をとる必要があります。
また、事業が上手くいかず売上があがらない場合も、全責任は自分にありますので、自分で考えて何とかするしかありません。
仮に市場が飽和状態になっていた場合でも、そのような市場を選んだ自分の責任です。
仮に競合が採算度外視のキャンペーンを打ったことが原因でも、競合に対応するための対策を打てなかった自分の責任です。
以上より、「全ての責任を自分で負う」ことは、自営業の大変あるあると言えます。
2) 私用との境界線が曖昧
2つ目の自営業の大変あるあるとしては、「私用との境界線が曖昧」なことが挙げられます。
会社員であれば、就業規則で定められている時間以外は自分の時間となり、仕事とプライベートの境界線が明確になっています。
土日などは、まるまるプライベートの時間として使えます。
一方で自営業の場合は、自由に仕事の時間を設定できる反面、ついつい仕事ばかりとなってしまい、プライベートの時間がなくなってしまうケースが多いです。
ビジネスモデルにもよりますが、個人のお客様を相手にするビジネスの場合、一般的な休日である土日・祝日などがむしろ稼ぎ時となり、まるまる1日休める日が1日もないといった状態になりがちなのも、自営業あるあると言えます。
また、自営業の場合、私的費用と業務上の費用の間の境界線も曖昧であり、確定申告で経費計上できるものか否かを考える必要もあります。
以上より、「私用との境界線が曖昧」なことは、自営業の大変あるあると言えます。
3) 社会的信用力が低い
3つ目の自営業の大変あるあるとしては、「社会的信用力が低い」ことが挙げられます。
会社員の場合は、「○○社の△△さん」といった、会社のブランドを背負ってビジネスが行えるため、取引先からの信用力も高いです。
また、プライベートでも、例えば住宅ローンやクレジットカードの審査の際に、勤めている会社の信用力を活用でき、有利に手続きを進めることができます。
一方で自営業の場合は、そもそもブランド力がないため、もともと相当な有名人でもない限り、社会的な信用力は低いです。
お客様が商品の購入を検討する際も、ブランド力がない場合は「この商品本当に大丈夫?」と思われてしまい、結果としてビジネスにマイナスの影響を与えます。
また、住宅ローンやクレジットカードの審査に不利になるどころか、落ちてしまう可能性すらあります。
社会的信用力の低さについては、実際に自営業になると、嫌と言うほど感じることとなります。
私も自営業になりたての頃は、まず自分が何者であるのかを社会に示すのに必死で、とても大変でした。(今でも大変ですが。。)
以上より、「社会的信用力が低い」ことは、自営業の大変あるあると言えます。
4) 収入が安定しない
4つ目の自営業の大変あるあるとしては、「収入が安定しない」ことが挙げられます。
会社員の場合は、毎月給料というかたちで定額の収入を確保できます。
会社の業績の浮き沈みはあれど、給料が急激に下がるということは、基本的には考えづらいです。
一方で自営業の場合は、毎月の収入が全くといっていいほど安定しません。
月額課金の事業の場合は、ある程度安定していますが、それ以外のビジネスモデルの場合は、毎月の収入が極端に乱高下することもめずらしくありません。
実際に私も自営業になったばかりの初めの1年は、収入が0円の月もあり大変でした。
収入がある程度安定していれば、先を見越した先行投資が可能なのですが、逆に収入が安定していない場合は、毎月・毎週・毎日の預金残高チェックが必要となり、売上拡大に集中することができません。
以上より、「収入が安定しない」ことは、自営業の大変あるあると言えます。
5) 孤独
5つ目の自営業の大変あるあるとしては、「孤独」なことが挙げられます。
会社員の場合は、会社の同僚などとチームとして活動し、わからないことがあればお互いに教え合うことも可能であり、また、ランチや休憩時間の雑談などもでき、孤独を感じにくい環境と言えます。
一方で自営業の場合は、気軽に相談できる相手が少なく、孤独を感じやすいです。
また、自営業の場合は自分がオーナー、つまりは社長であるため、社長特有の孤独感もあります。
短期間であればむしろ、孤独な環境の方が成果を発揮しやすいかもしれません。
しかし、自営業として長期的に活動していこうと考えた場合、孤独であることは想像以上に大変でつらい可能性があります。
孤独は精神的につらいといった面もありますが、自分のやっている事業について他者から意見をもらう機会が少ないと、思い込みで進めてしまい、気付いた時には取り返しのつかないミスを犯しているといったマイナス面も考えられます。
私が自営業となった1年目は、妻が育休中であり毎日良き相談相手となってくれたので、孤独を感じることは少なかったですが、一人だったらどうなっていたかわかりません。
以上より、「孤独」なことは、自営業の大変あるあると言えます。
6) 体調管理が大変
6つ目の自営業の大変あるあるとしては、「体調管理が大変」なことが挙げられます。
会社員の場合は、体調を崩して休んでも同僚がカバーしてくれて、大きな問題とはなりにくいです。
また、有給休暇を使えば休んでいる間も給料が出るため、収入面の不安もありません。
一方で自営業の場合は、体調を崩して休んでしまうと、その間の収入がストップしてしまうだけでなく、場合によっては事業存続自体が危ぶまれる事態となりかねません。
自営業の場合、「自分が頑張らなければ」という思いが強く、頑張り過ぎて体調を崩すパターンがあり得ます。
もちろんがむしゃらに頑張って成果を追い求める時期も必要ですが、短期的に無理をして体を壊すと、長期的には大きな損となります。
そのため、長期的に体調管理を行っていき、リスクを減らす必要があります。
以上より、「体調管理が大変」なことは、自営業の大変あるあると言えます。
(自営業は必ずしも大変さだけではなく、自営業特有の楽しさもあります。自営業の楽しさについては「自営業は楽しい?楽しいと感じる瞬間6選をご紹介!」をご参照ください。)
2. 大変さを乗り切るためには?
1) 相談相手をつくる
大変さを乗り切る1つ目の方法としては、「相談相手をつくる」ことが挙げられます。
先述のように自営業者は孤独になりやすいです。
そのため、意識的に相談相手をつくる必要があります。
ただ、相談相手をつくり過ぎても、物理的に時間を取られ、また、結局どの意見を参考にすべきか迷ってしまうため、考えものです。
自営業者の相談相手としては、とりあえずは「仕事の相談相手」と「プライベートの相談相手」が一人ずついれば問題ありません。
① 仕事の相談相手
仕事の相談相手は、身近な人よりは、少し距離がある人の方が、客観的な意見をもらうことができ、おすすめです。
相談相手なんて簡単に見つけられないよ。。
と思うかもしれませんが、方法はいくつかあります。
SNSの利用
1つ目の方法は、SNSの利用です。
X(旧Twitter)などで自分のビジネス情報を発信していると、そのうち自分に興味を持ってくれる人が現れます。
始めから会おうとするのはリスクが高いですが、ある程度SNS上でやりとりをした後に、実際に対面で会ってみて、気が合えば継続的に仕事の相談をしてみるとよいかもしれません。
プロの利用
2つ目の方法は、コーチングのプロを利用する方法です。
教えたり・アドバイスをくれたりするわけではなく、問いかけて聞くといった対話を中心としたコミュニケーションで、自分の進みたい方向に導いてくれる、それがコーチングのプロです。
それなりの費用を払う必要はありますが、お金を支払う分それ相応の気づきを得ることができます。
何より相談を受けることを生業としており、数多くのケースを経験しているため、自発的に答えに気付けるように、適切に誘導してくれます。
先行投資と思ってコーチングのプロに依頼するのも、1つの方法です。
② プライベートの相談相手
プライベートの相談相手を確保することも、実は自営業にとっては重要です。
自営業の場合はプライベートの浮き沈みが、そのまま仕事に反映されてしまうこともめずらしくありません。
そのため、定期的にプライベートの悩みを誰かに相談する機会をもうける必要があります。
プライベートの相談相手に関しては、友人や家族などが望ましいですが、それが難しければ先ほどと同様に、SNS上で相談にのってもらうのも良いかと思います。
SNSの場合、先ほどとは異なり対面で会う必要はなく、お互いに誰か特定できないままの関係の方が、ざっくばらんに話しやすいのでおすすめです。
以上より、「相談相手をつくる」ことは、大変さを乗り切る方法と言えます。
2) 休みの日をつくる
大変さを乗り切る2つ目の方法としては、「休みの日をつくる」ことが挙げられます。
先述の通り自営業の場合は、意識的に休みを作らないと、365日働くことになりかねません。
少なくとも週1日は休みの日を設けておいた方がいいです。
そして大事なのが、その1日は絶対に仕事をしないことです。
いつでも仕事ができてしまうがゆえに、休みの日もついつい仕事をしてしまうのが自営業。
仕事に没頭することも大切ですが、仕事以外のことに休みの日に積極的に取り組むことで息抜きとなり、結果として仕事にいい影響を及ぼします。
また、仕事以外に取り組むことで、仕事に関するアイデアが思い浮かぶことも多々あります。
まずは週1日、「絶対に仕事をしない日」をつくりましょう。
以上より、「休みの日をつくる」ことは、大変さを乗り切る方法と言えます。
3) 安定収入をつくる
大変さを乗り切る3つ目の方法としては、「安定収入をつくる」ことが挙げられます。
少なくとも生活基盤となる最低限のお金を稼げないと、事業拡大どころではなくなってしまいます。
そのため、毎月の安定収入は、自営業者にとって必須となります。
もちろん安定収入を確保するために、本業とは別に副業をやっておくことも考えられますが、自営業者は基本的に本業に専念した方が、うまくいきやすいです。
そこでおすすめなのが、本業のビジネスモデルを始めのうちは安定収入が発生しやすいものにする方法です。
具体的には、月額課金のモデルにすることが考えられます。
月額課金モデルであれば、毎月大きく収入が乱高下することもなく、また、お客様からしてみても、月々の金額はそこまで高くないので、気軽に始めやすいというメリットもあります。
ベースとなる安定収入をまず築いて、その後に大きな勝負に出るのも、自営業の1つの戦略となります。
以上より、「安定収入をつくる」ことは、大変さを乗り切る方法と言えます。
4) 体調管理を徹底する
大変さを乗り切る4つ目の方法としては、「体調管理を徹底する」ことが挙げられます。
自営業は体が資本です。
プロスポーツ選手が自分の体のメンテナンスを怠らないように、自営業者も体調管理を徹底する必要があります。
と言っても、何か特別なことをする必要はなく、基本となる食事・睡眠・運動を整えるだけで問題ありません。
逆に言うと、この基本が徹底できていない人が、今の世の中多すぎるので、食事・睡眠・運動の基本を徹底するだけで、体調管理の面においてライバルから頭一つ抜け出ることができます。
食事に関しては、食べる内容はもちろんのこと、時間帯にも気を遣ってみてください。
特に寝る前3時間は何も食べないことが、良質な睡眠にもつながっていきます。
睡眠に関しては、最低限7時間は寝るようにしてください。
また、起床時間を毎日同じ時間することで、1日のリズムを整えることができます。
運動に関しては、毎日30分程度のウォーキングがおすすめです。
30分も無駄にできないと思うかもしれませんが、体調管理の面だけでなく、ウォーキング中にビジネスアイデアが思い浮かぶこともあるため、費用対効果は高いです。
以上より、「体調管理を徹底する」ことは、大変さを乗り切る方法と言えます。
3. 終わりに
自営業の大変あるあるについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
自営業は楽しさもあれば、大変さもあるものです。
ただ、大変な分やりがいもあるのが自営業です。
この機会に、自営業として一歩を踏み出してみるのはいかがでしょうか?
4. まとめ
◆仕事と私用の境界があいまい。
◆社会的信用が低い。
◆稼ぎが安定しない。
◆孤独を感じやすい。
◆健康管理が大変。